処方薬事典データ協力:株式会社メドレー
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ベサノイドカプセル10mgの基本情報
基本情報
前骨髄球の分化を妨げる遺伝子の抑制機構を崩すことで異常に増殖した前骨髄球を減少させる薬
- ベサノイド
- アムノレイク
- 急性前骨髄球性白血病
- 緩解導入療法としてトレチノイン1日60〜80mg(45mg/㎡)を3回に分けて食後経口投与する
- なお、年齢、症状により適宜増減する
副作用
注意事項
- 禁止
- 過敏症
- 肝障害
- 腎障害
- ビタミンA過剰症
- ビタミンA製剤投与中
- 慎重投与
- アルコール中毒症
- 脂質代謝異常
- 糖尿病
- 肥満
- 高トリグリセリド血症素因
- 注意
- DIC
- 播種性血管内凝固症候群
- 高トリグリセリド血症
- 高トリグリセリド血症素因
- 末梢血中の「芽球及び前骨髄球」の和が1000/mm3を超える
- 投与に際する指示
- 末梢血中の「芽球及び前骨髄球」の和が1000/mm3を超える
- 禁止
- 妊婦・産婦
- 相対禁止
- 新生児(低出生体重児を含む)
- 乳児
- 幼児・小児
- 慎重投与
- 新生児(低出生体重児を含む)
- 乳児
- 幼児・小児
- 高齢者
- 注意
- 新生児(低出生体重児を含む)
- 乳児
- 幼児・小児
- 投与に際する指示
- 高齢者
- 警告
- 妊娠する可能性のある婦人(11歳〜)
- 原則禁止
- 妊娠する可能性のある婦人(11歳〜)
- 相対禁止
- 骨の成長が終了していない25歳以下(0歳〜25歳)
- 慎重投与
- 幼児(0歳〜6歳)
- 小児(0歳〜14歳)
- 高齢者(65歳〜)
- 25歳以下(0歳〜25歳)
- 低出生体重児(0日〜27日)
- 新生児(0日〜27日)
- 乳児(0日〜364日)
- 注意
- 骨の成長が終了していない25歳以下(0歳〜25歳)
- 妊娠する可能性のある婦人(11歳〜)
- 投与に際する指示
- 高齢者(65歳〜)
- 妊娠する可能性のある婦人(11歳〜)
相互作用
- 薬剤名
- 影響
- ビタミンA製剤
- ビタミンA過剰症と類似した副作用症状
- フェニトイン
- 血中濃度が上昇しフェニトインの作用が増強
- 抗線溶剤
- 血栓症を発現し重大な転帰
- トラネキサム酸
- 血栓症を発現し重大な転帰
- アプロチニン製剤
- 血栓症を発現し重大な転帰
- アゾール系抗真菌剤
- 本剤の作用を増強
- フルコナゾール
- 本剤の作用を増強
- イトラコナゾール
- 本剤の作用を増強
- ボリコナゾール
- 本剤の作用を増強
- ビタミンAを含むもの<レバー、あんこう、うなぎ、あゆ、海苔 など>
処方理由
添付文書
急性前骨髄球性白血病。
緩解導入療法としてトレチノイン1日60〜80mg(45mg/㎡)を3回に分けて食後経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
承認時及び市販後の使用成績調査における安全性評価対象例851例中521例(61.2%)に副作用が認められた。主な副作用は、トリグリセリド上昇119件(14.0%)、レチノイン酸症候群105件(12.3%)、ALT(GPT)上昇78件(9.2%)、AST(GOT)上昇77件(9.0%)、発熱49件(5.8%)等であった(再審査終了時)。
1.重大な副作用
1).レチノイン酸症候群(12.3%):レチノイン酸症候群(諸症状:発熱、呼吸困難、胸水貯留、肺浸潤、間質性肺炎、肺うっ血、心嚢液貯留、低酸素血症、低血圧、肝不全、腎不全、多臓器不全等)が発現し、重篤な転帰をたどることがあるので、観察を十分に行い、なお、このような症状が認められた場合には、本剤を中止し、副腎皮質ホルモン剤のパルス療法等の適切な処置を行う。
2).白血球増多症(5.1%):白血球増多症が現れることがあるので観察を十分に行い、末梢白血球数が30000/mm3を超えた場合には、減量又は休薬する。また、主に好塩基球性分化能を有する急性前骨髄球性白血病患者において、好塩基球増多症が発現し、高ヒスタミン血症に至った例も報告されている。
3).血栓症(0.4%):血栓症(脳梗塞、肺梗塞、その他の動脈血栓症又は静脈血栓症等)が現れることがあるので、観察を十分に行い、このような症状が認められた場合には、適切な処置を行い、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与を継続する。
4).血管炎(頻度不明):血管炎が現れることがあるので、このような症状が認められた場合には、減量又は休薬等の適切な処置を行う。
5).感染症(頻度不明):感染症(肺炎、敗血症等)が現れることがあるので、このような症状が認められた場合には、減量又は休薬等の適切な処置を行う。
6).錯乱(頻度不明):錯乱が現れることがあるので、このような症状が認められた場合には、減量又は休薬等の適切な処置を行う。
2.重大な副作用(類薬)(頻度不明)
1).類似化合物(エトレチナート)の長期投与を受けた患者で過骨症及び骨端早期閉鎖を起こすことが報告されている。
2).類似化合物(エトレチナート)で、肝障害を起こすことが報告されている。
3).類似化合物(エトレチナート)で、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、多形紅斑が報告されている。
3.その他の副作用:次のような副作用が現れた場合には、症状に応じて適切な処置を行う。
1).呼吸器:(頻度不明)鼻充血、ラ音、(1%未満)喘鳴、咳嗽、咽頭炎。
2).皮膚:(頻度不明)発汗、皮膚出血、(1〜5%未満)皮膚剥離、*皮膚乾燥[*:観察を十分に行い、症状が認められた場合には、減量又は休薬し、副腎皮質ホルモン外用剤等の適切な処置を行う]、発疹、紅斑、性器潰瘍、皮膚炎、(1%未満)ペニス背面乾燥、皮膚発赤、皮膚そう痒、湿疹、脱毛、好中球浸潤・有痛性紅斑・発熱を伴う皮膚障害(Sweet症候群)、結節性紅斑。
3).粘膜:(5%以上)口唇乾燥(5.3%)[観察を十分に行い、症状が認められた場合には、減量又は休薬し、副腎皮質ホルモン外用剤等の適切な処置を行う]、(1〜5%未満)口内炎(アフタ性口内炎、潰瘍性口内炎を含む)、(1%未満)粘膜乾燥、口腔粘膜糜爛。
4).脂質代謝:(5%以上)トリグリセリド上昇(14.0%)、(1〜5%未満)総コレステロール上昇、(1%未満)β−リポ蛋白上昇。
5).肝臓:(5%以上)ALT上昇(GPT上昇)(9.2%)、AST上昇(GOT上昇)(9.0%)、LDH上昇(5.6%)、Al−P上昇(5.4%)。
6).精神神経系:(頻度不明)うつ症状、視覚障害、聴覚障害、(1〜5%未満)頭痛、(1%未満)頭蓋内圧亢進(初期症状:うっ血乳頭、頭痛、悪心、嘔吐、視覚異常)、眩暈、不安、眠気、末梢知覚異常。
7).消化器:(頻度不明)便秘、口内水疱、胃不調、膵炎、(1〜5%未満)嘔吐、悪心、(1%未満)食欲不振、下痢、腹痛。
8).骨・筋肉:(頻度不明)筋骨格痛、筋炎、(1〜5%未満)筋肉痛、(1%未満)骨痛、関節痛、背部痛[筋骨格痛、筋炎、筋肉痛、骨痛、関節痛、背部痛が現れた場合には、速やかに主治医に連絡するよう指示する]。
9).眼:(頻度不明)目乾燥、(1%未満)目のかゆみ。
10).腎臓:(1〜5%未満)BUN上昇、(1%未満)クレアチニン上昇。
11).電解質異常:(1〜5%未満)K上昇、(1%未満)Na低下、Cl低下、高カルシウム血症。
12).その他:(5%以上)発熱(5.8%)、(頻度不明)悪寒、疲労感、体重変動、全身脱力感、不整脈、蜂巣炎、(1〜5%未満)アルブミン減少、(1%未満)血小板増多、尿蛋白、尿沈渣、浮腫、胸痛。
(警告)
1.本剤には催奇形性があるので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しない。また、妊娠する可能性のある婦人には投与しないことを原則とするが、やむを得ず投与する場合には使用上の注意を厳守する。
2.本剤はレチノイン酸症候群等の副作用が起こることがあるので、緊急時に十分処置できる医療施設及びがん化学療法に十分な経験を持つ医師のもとで、本剤が適切と判断される症例についてのみ使用する。
(禁忌)
1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人。
2.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
3.肝障害のある患者[類似化合物(エトレチナート)で、重篤な肝障害を起こすことが報告されている]。
4.腎障害のある患者[重篤な腎障害を起こす恐れがある]。
5.ビタミンA製剤投与中の患者[ビタミンA過剰症と類似した副作用症状を起こす恐れがある]。
6.ビタミンA過剰症の患者[ビタミンA過剰症が増悪する恐れがある]。
(原則禁忌)
妊娠する可能性のある婦人。
(慎重投与)
1.25歳以下の患者、特に幼児、小児。
2.低出生体重児、新生児、乳児。
3.糖尿病の患者、肥満の患者、アルコール中毒症の患者、脂質代謝異常患者など高トリグリセリド血症素因がある患者[脂質代謝異常を起こす恐れがある]。
4.高齢者。
(重要な基本的注意)
1.急性前骨髄球性白血病以外には使用しない。
2.本剤には催奇形性があり副作用の発現頻度が高いので、使用上の注意を厳守し、患者又はそれに代わり得る適切な者に副作用についてよく説明した上で使用する。
3.妊娠する可能性のある婦人への使用に際しては、疾患の重症度及び治療の緊急性を考慮した上で、患者に注意事項についてよく説明し理解させた後、使用する。
1).本剤には催奇形性があるので、妊娠する可能性のある婦人で他に代わるべき治療法がない重症な患者にやむを得ず投与する場合には、投与開始前の少なくとも1カ月間、投与中及び投与中止後少なくとも1カ月間は必ず避妊させる。
2).妊娠する可能性のある婦人への使用に際しては、本剤の投与は次の正常な生理周期の2日又は3日目まで開始しない。
3).妊娠する可能性のある婦人への使用に際しては、本剤の投与開始前2週間以内の妊娠検査が陰性であるとの結果を確認する。
4).妊娠する可能性のある婦人への使用に際しては、本剤の投与中は1カ月毎に追加の妊娠検査を実施することが望ましい。
4.発熱、呼吸困難、胸水貯留、肺浸潤、間質性肺炎、肺うっ血、心嚢液貯留、低酸素血症、低血圧、肝不全、腎不全及び多臓器不全等によって特徴づけられるレチノイン酸症候群が発現し、重篤な転帰をたどることがあるので、十分な経過観察を行い、なお、このような症状が現れた場合には、本剤を中止し、副腎皮質ホルモン剤のパルス療法等の適切な処置を行う。
5.末梢血中の「芽球及び前骨髄球」の和が1000/mm3を超える場合には、化学療法により「芽球及び前骨髄球」の和を1000/mm3以下にしてから本剤を投与する。
6.高度白血球増多症を起こすことがあるので、末梢白血球数が30000/mm3を超えた場合には、減量又は休薬する。
7.急性前骨髄球性白血病に併発する播種性血管内凝固症候群(DIC)では、線溶活性亢進を伴う致命的出血傾向(脳出血、肺出血等)が報告されており、本剤投与中にこのような症状が現れた場合には、血小板輸血を含め、出血傾向に対する適切な処置を行う。
8.高トリグリセリド血症の患者への投与は脂質代謝障害の危険性が高いので、高トリグリセリド血症素因のある患者には血中トリグリセリドの検査を行う。
9.類似化合物(エトレチナート)で肝障害を起こすことが報告されているので、肝機能検査を投与前、投与開始1カ月後及び投与中は3カ月毎に行い肝障害が疑われる場合には直ちに投与を中止する。
10.類似化合物(エトレチナート)の長期投与を受けた患者で過骨症及び骨端早期閉鎖を起こすとの報告があるので、本剤投与中に関節痛・骨痛の症状が現れた場合には速やかに主治医に連絡するよう指示する。また、本剤の長期投与に際しては、定期的な問診(骨・筋等の痛みや運動障害)、X線検査、Al−P、Ca、P、Mg等の臨床生化学的検査を行うことが望ましい。なお、骨の成長が終了していない25歳以下の患者には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合にのみ観察を十分に行いながら(定期的なX線検査、Al−P、Ca、P、Mg等の臨床生化学的検査)慎重に投与する。
11.本剤を16週間投与して緩解に到達しない場合には、投与を中止する。
(相互作用)
1.併用禁忌:ビタミンA製剤<チョコラA等>[ビタミンA過剰症と類似した副作用症状を起こす恐れがある(本剤はビタミンAの活性代謝物である)]。
2.併用注意:
1).フェニトイン[フェニトインの血中濃度が上昇しフェニトインの作用が増強する恐れがある(類似化合物(エトレチナート)でフェニトインとの併用により、フェニトインの蛋白結合能を低下させるとの報告がある)]。
2).抗線溶剤(トラネキサム酸等)、アプロチニン製剤[本剤とこれらの薬剤を併用した患者で血栓症を発現し重大な転帰をたどったとの報告があるので、併用に際しては慎重に行う(本剤投与により、凝固線溶系のバランスが変化するためと考えられている)]。
3).アゾール系抗真菌薬(フルコナゾール、イトラコナゾール、ボリコナゾール等)[本剤の作用を増強する恐れがある(本剤の代謝酵素である肝チトクロームP−450が阻害され、本剤の血中濃度及びAUCが上昇する可能性がある)]。
(高齢者への投与)
高齢者では血漿アルブミンが減少していることが多いため、用量に留意して定期的に血漿アルブミン検査を行い慎重に投与する[本剤は血漿蛋白との結合性が強いため、血漿アルブミンが減少していると遊離の薬物血漿中濃度が高くなる恐れがある]。
(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
1.動物実験で催奇形作用が報告されているので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しない。
1).ラットで、胎仔化骨遅延、胎仔骨格変異(2mg/kg/日以上)が、マウスで、胎仔内臓異常(0.7mg/kg/日以上)、胎仔外形異常(2mg/kg/日以上)、胎仔外脳症、胎仔眼欠損、胎仔口蓋裂、胎仔骨格異常(胎仔中軸骨格異常及び胎仔長骨異常等)のビタミンA過剰誘発催奇形性(6mg/kg/日)が、ウサギで、胎仔無尾、胎仔臍帯ヘルニア、胎仔内臓異所、胎仔両後肢ねじれ(6mg/kg/日)が報告されている。
2).カニクイザルで、胎仔死亡(胚致死、5mg/kg/日以上で用量相関的)が、また、胎仔外耳欠損、胎仔下顎形成不全、胎仔口蓋裂等の胎仔頭蓋顔面奇形(10mg/kg/日)、胎仔骨格変異(5、10mg/kg/日)が報告されている。
2.妊娠する可能性のある婦人には投与しないことを原則とするが、やむを得ず投与する場合には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する。
3.授乳婦に投与する場合には授乳を避けさせる[類似化合物(エトレチナート)の動物実験(ラット)で、乳汁中への移行が報告されている]。
(小児等への投与)
1.低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。
2.幼児又は小児へ投与する場合には、観察を十分に行い慎重に投与する[類似化合物(エトレチナート)において過骨症及び骨端早期閉鎖を起こすことが報告されている]。
(保管上の注意)
遮光、吸湿注意。
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