処方薬事典データ協力:株式会社メドレー
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ジェムザール注射用200mgの基本情報
基本情報
DNAの構成成分に類似した化学構造をもち、細胞増殖に必要なDNA合成を阻害して抗腫瘍効果をあらわす薬
- 5-FU
- ティーエスワン
- ゼローダ
- キロサイド
- ジェムザール
- 膵癌
- 胆道癌
- 尿路上皮癌
- 非小細胞肺癌
- がん化学療法後に増悪した卵巣癌
- 手術不能又は再発乳癌
- 再発又は難治性の悪性リンパ腫
- 1.膵癌、胆道癌、尿路上皮癌、がん化学療法後に増悪した卵巣癌、再発又は難治性の悪性リンパ腫の場合:ゲムシタビンとして1回1000mg/㎡を30分かけて点滴静注し、週1回投与を3週連続し、4週目は休薬する
- これを1コースとして投与を繰り返す
- なお、患者の状態により適宜減量する
- 2.非小細胞肺癌の場合:ゲムシタビンとして1回1000mg/㎡を30分かけて点滴静注し、週1回投与を3週連続し、4週目は休薬する
- これを1コースとして投与を繰り返す
- シスプラチンと併用する場合は、ゲムシタビンとして1回1250mg/㎡を30分かけて点滴静注し、週1回投与を2週連続し、3週目は休薬を1コースとすることもできる
- なお、患者の状態により適宜減量する
- 3.手術不能又は再発乳癌の場合:ゲムシタビンとして1回1250mg/㎡を30分かけて点滴静注し、週1回投与を2週連続し、3週目は休薬する
- これを1コースとして投与を繰り返す
- なお、患者の状態により適宜減量する
- 病気や症状に応じた注意事項
- 重症感染症
- 重篤な過敏症
- 胸部単純X線写真で明らかでかつ臨床症状のある間質性肺炎
- 胸部単純X線写真で明らかでかつ臨床症状のある肺線維症
- 高度骨髄抑制
- 胸部への放射線療法を施行
- 患者の属性に応じた注意事項
- 妊婦・産婦
副作用
注意事項
- 禁止
- 重症感染症
- 重篤な過敏症
- 胸部単純X線写真で明らかでかつ臨床症状のある間質性肺炎
- 胸部単純X線写真で明らかでかつ臨床症状のある肺線維症
- 高度骨髄抑制
- 胸部への放射線療法を施行
- 慎重投与
- 肝炎
- 肝硬変
- 間質性肺炎
- 肝障害
- 骨髄抑制
- 心筋梗塞
- 腎障害
- 肺線維症
- アルコール依存症
- 肝転移
- 注意
- 白血球数が2000/μL未満
- 前治療により骨髄機能低下
- 血小板数が7万/μL未満
- 投与に際する指示
- 白血球数が2000/μL未満
- 前治療により骨髄機能低下
- 血小板数が7万/μL未満
- 禁止
- 妊婦・産婦
- 慎重投与
- 高齢者
- 慎重投与
- 高齢者(65歳〜)
- 注意
- 生殖可能な年齢(11歳〜)
相互作用
- 薬剤名
- 影響
- 抗悪性腫瘍剤
- 骨髄抑制が増強
- アルキル化剤
- 骨髄抑制が増強
- 代謝拮抗剤
- 骨髄抑制が増強
処方理由
添付文書
非小細胞肺癌、膵癌、胆道癌、尿路上皮癌、手術不能又は再発乳癌、がん化学療法後に増悪した卵巣癌、再発又は難治性の悪性リンパ腫。
<効能・効果に関連する使用上の注意>
1.胆道癌の場合:本剤の術後補助化学療法における有効性及び安全性は確立していない。
2.尿路上皮癌の場合:本剤の術前・術後補助化学療法における有効性及び安全性は確立していない。
3.手術不能又は再発乳癌の場合:
1).手術不能又は再発乳癌の場合、本剤の術前・術後補助化学療法における有効性及び安全性は確立していない。
2).手術不能又は再発乳癌で、本剤の投与を行う場合には、アントラサイクリン系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法後の増悪若しくは再発例を対象とする。
4.がん化学療法後に増悪した卵巣癌の場合:本剤の投与を行う場合には、白金製剤を含む化学療法施行後の症例を対象とし、白金製剤に対する感受性を考慮して本剤以外の治療法を慎重に検討した上で、本剤の投与を開始する。
1.膵癌、胆道癌、尿路上皮癌、がん化学療法後に増悪した卵巣癌、再発又は難治性の悪性リンパ腫の場合:ゲムシタビンとして1回1000mg/㎡を30分かけて点滴静注し、週1回投与を3週連続し、4週目は休薬する。これを1コースとして投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。
2.非小細胞肺癌の場合:ゲムシタビンとして1回1000mg/㎡を30分かけて点滴静注し、週1回投与を3週連続し、4週目は休薬する。これを1コースとして投与を繰り返す。シスプラチンと併用する場合は、ゲムシタビンとして1回1250mg/㎡を30分かけて点滴静注し、週1回投与を2週連続し、3週目は休薬を1コースとすることもできる。なお、患者の状態により適宜減量する。
3.手術不能又は再発乳癌の場合:ゲムシタビンとして1回1250mg/㎡を30分かけて点滴静注し、週1回投与を2週連続し、3週目は休薬する。これを1コースとして投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。
<用法・用量に関連する使用上の注意>
尿路上皮癌及び手術不能又は再発乳癌に本剤を使用する場合には、添付文書の「臨床成績」の項の内容を十分に理解した上で投与方法を選択する。
国内で実施された本剤の臨床試験において発現した副作用を記載した。
<承認時>
本剤単独投与の臨床試験における全投与例は506例であり、そのうち安全性評価対象は481例であった。これらにおいて、本剤との因果関係が完全に否定できない死亡例が、全投与例506例中9例(1.8%)に認められた。9例の死因の内訳は、腫瘍死3例、間質性肺炎2例、感染性肺炎1例、敗血症2例及び急性呼吸不全1例であった。
転移・再発乳癌を対象とした本剤とパクリタキセルとの併用投与の臨床試験における全投与例は62例であり、そのうち安全性評価対象は62例であった。本剤及びパクリタキセルの因果関係が否定できない死亡例は認められなかった。安全性評価対象62例において認められた臨床検査値異常変動を含む副作用のうち、主なものは骨髄抑制[特に、白血球減少(91.9%)、好中球減少(93.5%)、リンパ球減少(51.6%)、赤血球減少(64.5%)、ヘモグロビン減少(77.4%)及び血小板減少(69.4%)]、AST(GOT)上昇(77.4%)、ALT(GPT)上昇(64.5%)、倦怠感(62.9%)、脱毛(61.3%)、悪心(48.4%)、食欲不振(46.8%)、血管障害(43.5%)、関節痛(38.7%)、感覚鈍麻(35.5%)、味覚異常(33.9%)、筋痛(32.3%)であった。
<再審査終了時>
非小細胞肺癌を対象とした使用成績調査(安全性評価対象例2,110例)及び製造販売後臨床試験(安全性評価対象例238例)において、それぞれ副作用発現症例は1,581例(74.9%)、238例(100%)であり、副作用発現件数は4,974件、4,249件であった。
膵癌を対象とした使用成績調査(安全性評価対象例855例)及び製造販売後臨床試験(安全性評価対象例34例)において、それぞれ副作用発現症例は444例(51.9%)、34例(100%)であり、副作用発現件数は984件、432件であった。
1.重大な副作用:発現頻度については、国内の本剤単独投与の臨床試験において認められたものを記載した。
1).骨髄抑制:白血球減少(72.6%、但し、2000/μL未満の減少は17.5%)、好中球減少(69.2%、但し、1000/μL未満の減少は32.1%)、血小板減少(41.4%、但し、5万/μL未満の減少は4.2%)、貧血[ヘモグロビン減少(66.5%、但し、8.0g/dL未満の減少は13.1%)、赤血球減少(52.6%)]等が現れることがあるので、血液学的検査を頻回に行い、異常が認められた場合には、減量、休薬等適切な処置を行う。なお、高度な白血球減少に起因したと考えられる敗血症による死亡例が報告されている。
2).間質性肺炎(1.0%):間質性肺炎が現れることがあるので、胸部X線検査等を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。なお、間質性肺炎に起因したと考えられる死亡例が報告されている。
3).アナフィラキシー(0.2%):呼吸困難、血圧低下、発疹等の症状が現れることがあるので、観察を十分に行い、このような症状が現れた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。
4).心筋梗塞(0.2%):心筋梗塞がみられることがある。
5).うっ血性心不全:うっ血性心不全が現れることがある。
6).肺水腫:肺水腫が現れることがある。
7).気管支痙攣:気管支痙攣が現れることがある。
8).成人呼吸促迫症候群(ARDS):成人呼吸促迫症候群(ARDS)が現れることがある。
9).腎不全:腎不全が現れることがある。
10).溶血性尿毒症症候群(0.2%):溶血性尿毒症症候群が現れることがあるので、血小板減少、ビリルビン上昇、クレアチニン上昇、BUN上昇、LDH上昇を伴う急速なヘモグロビン減少等の微小血管症性溶血性貧血の兆候が認められた場合には、投与を中止する。腎不全は投与中止によっても不可逆的であり、透析療法が必要となることもある。
11).皮膚障害(頻度不明):重篤な皮膚障害(紅斑、皮膚水疱、落屑等)が現れることがある。
12).肝機能障害、黄疸(頻度不明):AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、Al−P上昇等の重篤な肝機能障害、黄疸が現れることがある。
13).白質脳症(可逆性後白質脳症症候群を含む):白質脳症(可逆性後白質脳症症候群を含む)が現れることがあるので、高血圧、痙攣、頭痛、視覚異常、意識障害等の症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
2.その他の副作用:次のような副作用が認められた場合には、臨床所見等の重篤度に応じ、減量、投与中止等の適切な処置を行う。国内の本剤単独投与の臨床試験において認められたその他の副作用をその発現頻度に基づき記載した。
1).循環器:(1〜10%未満)頻脈、血圧上昇、(1%未満)血圧低下、狭心痛、動悸、心室性期外収縮、発作性上室頻拍、心電図異常(ST上昇)。
2).呼吸器:(1〜10%未満)呼吸困難、*高炭酸ガス血症[*:膵癌の臨床試験11例における発現頻度である]、低酸素血、咳嗽、(1%未満)PIE症候群(肺好酸球浸潤症候群)、喘鳴、喀痰、息切れ。
3).腎臓:(10%以上)総蛋白低下、電解質異常、アルブミン低下、(1〜10%未満)BUN上昇、蛋白尿、血尿、クレアチニン上昇、(1%未満)乏尿。
4).消化器:(10%以上)食欲不振、悪心・嘔吐、(1〜10%未満)下痢、便秘、口内炎、胃部不快感、(1%未満)歯肉炎。
5).肝臓:(10%以上)AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、LDH上昇、Al−P上昇、(1〜10%未満)ビリルビン上昇、A/G比低下、γ−GTP上昇、ウロビリン尿。
6).精神神経系:(1〜10%未満)頭痛、眩暈、不眠、*知覚異常、(1%未満)嗜眠、しびれ[*:国内における本剤とパクリタキセルとの併用投与の臨床試験においては30%以上の頻度で認められている]。
7).皮膚:(10%以上)発疹、(1〜10%未満)*脱毛、皮膚そう痒感、(1%未満)蕁麻疹[*:国内における本剤とパクリタキセルとの併用投与の臨床試験においては30%以上の頻度で認められている]。
8).注射部位:(1〜10%未満)注射部位反応(静脈炎、疼痛、紅斑)。
9).血管障害:(1〜10%未満)*末梢性血管炎、(1%未満)末梢性壊疽[*:国内における本剤とパクリタキセルとの併用投与の臨床試験においては30%以上の頻度で認められている]。
10).その他:(10%以上)疲労感、発熱、(頻度不明)インフルエンザ様症状(倦怠感、無力症、発熱、頭痛、悪寒、筋痛、発汗、鼻炎等)、放射線照射リコール反応、(10%以上)血小板増加、(1〜10%未満)体重減少、尿糖陽性、好酸球増多、*関節痛、悪寒、*味覚異常、鼻出血、*倦怠感、浮腫、CRP上昇、体重増加、*疼痛、ほてり、胸部不快感、(1%未満)眼底出血、体温低下、耳鳴り、眼脂、無力症、顔面浮腫[*:国内における本剤とパクリタキセルとの併用投与の臨床試験においては30%以上の頻度で認められている]。
3.尿路上皮癌におけるシスプラチンとの併用時の安全性情報:外国で実施された本剤とシスプラチンとの併用投与による、尿路上皮癌の化学療法初回治療例に対する第3相試験において203例が割り付けられ、これらの症例に認められた有害事象は次のとおりであった。
1).血液毒性:[尿路上皮癌におけるシスプラチンとの併用時]グレード3の貧血23.5%、グレード4の貧血3.5%、グレード3の血小板減少28.5%、グレード4の血小板減少28.5%、グレード3の好中球減少41.2%、グレード4の好中球減少29.9%。
2).非血液毒性:[尿路上皮癌におけるシスプラチンとの併用時]グレード3の粘膜炎1.0%、グレード4の粘膜炎0%、グレード3の悪心/グレード3の嘔吐22.0%、グレード4の悪心/グレード4の嘔吐0%、グレード3の脱毛10.5%、グレード4の脱毛0%、グレード3の感染2.0%、グレード4の感染0.5%、グレード3の下痢3.0%、グレード4の下痢0%、グレード3の肺毒性2.5%、グレード4の肺毒性0.5%、グレード3の血尿4.5%、グレード4の血尿0%、グレード3の便秘1.5%、グレード4の便秘0%、グレード3の出血2.0%、グレード4の出血0%、グレード3の意識状態異常(グレード3のState of consciousness)0.5%、グレード4の意識状態異常(グレード4のState of consciousness)0%。
WHO毒性基準により判定し、いずれかの投与群において2%を超えた事象のみ記載。
(警告)
1.本剤の投与は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ実施する。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与する。
2.週1回投与を30分間点滴静注により行う[外国の臨床試験において、週2回以上あるいは1回の点滴を60分以上かけて行うと、副作用が増強した例が報告されている]。
3.禁忌、慎重投与の項を参照して適応患者の選択に十分注意する。
4.高度骨髄抑制のある患者には投与しない[骨髄抑制は用量規制因子であり、感染症又は出血を伴い、重篤化する可能性があり、骨髄抑制に起因したと考えられる死亡例が報告されている]。
5.胸部単純X線写真で明らかでかつ臨床症状のある間質性肺炎又は胸部単純X線写真で明らかでかつ臨床症状のある肺線維症のある患者には投与しない[間質性肺炎に起因したと考えられる死亡例が報告されている]。
6.放射線増感作用を期待する胸部への放射線療法との同時併用は避ける[外国の臨床試験において、本剤と胸部への根治的放射線療法との併用により、重篤な食道炎、肺臓炎が発現し、死亡に至った例が報告されている]。
7.投与に際しては臨床症状を十分に観察し、頻回に臨床検査(血液学的検査、肝機能検査、腎機能検査等)を、また、定期的に胸部X線検査等を行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うとともに、投与継続の可否について慎重に検討する。
(禁忌)
1.高度骨髄抑制のある患者[骨髄抑制が増悪し、致命的となることがある]。
2.胸部単純X線写真で明らかでかつ臨床症状のある間質性肺炎又は胸部単純X線写真で明らかでかつ臨床症状のある肺線維症のある患者[症状が増悪し、致命的となることがある]。
3.胸部への放射線療法を施行している患者[外国の臨床試験で本剤と胸部への根治的放射線療法との併用により、重篤な食道炎、肺臓炎が発現し、死亡に至った例が報告されている]。
4.重症感染症を合併している患者[感染症が増悪し、致命的となることがある]。
5.本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者。
6.妊婦又は妊娠している可能性のある女性[動物実験(マウス、ウサギ)で催奇形作用及び胎仔致死作用が報告されている]。
(慎重投与)
1.骨髄抑制のある患者。
2.間質性肺炎又は肺線維症の既往歴又は合併症がある患者[間質性肺炎等の重篤な肺毒性を起こすことがある]。
3.肝障害(肝転移、肝炎、肝硬変等)、アルコール依存症の既往又は合併のある患者[肝機能の悪化を引き起こすことがある]。
4.腎障害のある患者[腎機能が低下しているので、副作用が現れやすくなることがある]。
5.高齢者。
6.心筋梗塞の既往のある患者[心筋梗塞がみられることがある]。
(重要な基本的注意)
1.腫瘍の明らかな増大、新病変の出現等、病態の進行が認められた場合には投与を中止し、他の適切な治療法に切り替える。
2.骨髄抑制、間質性肺炎等の重篤な副作用が起こることがあり、ときに致命的経過をたどることがあるので、投与に際しては臨床症状を十分に観察し、頻回に臨床検査(血液学的検査、肝機能検査、腎機能検査等)を、また、定期的に胸部X線検査を行い、異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な処置を行う。
1).骨髄抑制:本剤の投与にあたっては、白血球数及び血小板数の変動に十分留意し、投与当日の白血球数が2000/μL未満又は血小板数が7万/μL未満であれば、骨髄機能が回復するまで投与を延期する。また、前治療により骨髄機能低下している患者では、骨髄抑制が強く現れることがあるので、これらの患者では投与量を適宜減量し、臨床検査値に十分注意する(本剤を週1回3週連続投与した場合、白血球数及び好中球数の最低値は投与開始平均約2〜3週間後に現れ、最低値発現日から約1週間で回復する)。
2).間質性肺炎等の肺毒性:本剤の投与にあたっては、臨床症状(呼吸状態、咳及び発熱等の有無)を十分に観察し、定期的に胸部X線検査を行い、また、必要に応じて胸部CT検査、動脈血酸素分圧(PaO2)、肺胞気動脈血酸素分圧較差(A−aDO2)、肺拡散能力(DLCO)などの検査を行い、異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な処置を行う。間質性肺炎等の肺毒性の発症あるいは間質性肺炎の急性増悪等の肺毒性の急性増悪が疑われた場合には、直ちに本剤による治療を中止し、ステロイド治療等の適切な処置を行う。
3.感染症の発現又は感染症増悪に十分注意する。
4.過敏症状が現れた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行う。
5.本剤投与時に傾眠が認められることがあるので、このような症状が発現しないことが確認されるまで、自動車の運転等は行わないように注意する。
6.動物実験(マウス、ウサギ)において、生殖毒性(先天性異常、胚胎発育に対する影響、妊娠経過に対する影響、周産期発育に対する影響あるいは生後発育に対する影響等)が報告されているので、生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には生殖器に対する影響を考慮する。
7.卵巣癌に本剤を使用する際には、関連文献(「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議 公知申請への該当性に係る報告書:ゲムシタビン塩酸塩(卵巣癌)」等)を熟読し、悪性リンパ腫に本剤を使用する際には、関連文献(「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議 公知申請への該当性に係る報告書:ゲムシタビン塩酸塩(再発・難治性悪性リンパ腫)」等)を熟読する。
(相互作用)
1.併用禁忌:胸部放射線照射[外国の臨床試験で本剤(1000mg/㎡/日を週1回放射線照射前に投与)と胸部への根治的放射線療法(2Gy/日を週5回)を6週連続して併用した場合に、重篤な食道炎、肺臓炎が発現し、死亡に至った例が報告されており、放射線照射を併用した場合の本剤の至適用量は確立されていないので、放射線増感作用を期待する胸部への放射線療法との同時併用は避ける(基礎試験で本剤は濃度依存的に放射線照射の効果を増強し、本剤による放射線感受性増加が認められている)]。
2.併用注意:
1).腹部放射線照射[腹部放射線療法<体外照射>と同時併用する場合、重篤となる局所の合併症が発現することがあり、なお、術中放射線照射と併用した際の本剤の安全性は確認されていない(基礎試験で本剤は濃度依存的に放射線照射の効果を増強し、本剤による放射線感受性増加が認められている)]。
2).他の抗悪性腫瘍剤(アルキル化剤、代謝拮抗剤、抗生物質、アルカロイド等)[骨髄抑制が増強されることがある(両剤とも骨髄抑制を有している)]。
(高齢者への投与)
高齢者では腎機能、肝機能等の生理機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続する恐れがあるので、骨髄抑制等の副作用の発現に注意し、慎重に投与する。
(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
1.妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しない(妊娠可能な女性には、本剤投与中及び本剤投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導する)[動物実験(マウス、ウサギ)で催奇形作用及び胎仔致死作用が報告されている]。
2.パートナーが妊娠する可能性のある男性には、本剤投与中及び本剤投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導する。
3.授乳婦に投与する場合には、授乳を中止させる[動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている]。
(小児等への投与)
小児等に対する安全性は確立されていない[使用経験がない]。
(適用上の注意)
1.本剤の200mgバイアルは5mL以上の生理食塩液に溶解して用いる。
2.30分間で点滴静脈内投与し、皮下、筋肉内には投与しない。
3.溶解後は速やかに投与する(溶液を冷蔵庫に保存すると結晶が析出することがあるので、保存する場合でも室温(15〜30℃)で保存し、24時間以内に使用する)。溶解した残液は使用しない。
4.皮膚に薬液が付着した場合は直ちに石鹸でよく洗浄し、粘膜に付着した場合は直ちに多量の流水でよく洗い流す。
(その他の注意)
変異原性試験のうち、マウスリンフォーマ細胞を用いたin vitro遺伝子突然変異試験陽性及びマウスを用いた小核試験陽性の結果が報告されている。
処方薬辞典は医療・医薬関係者向けのコンテンツです。