処方薬事典データ協力:株式会社メドレー
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注射用イホマイド1gの基本情報
基本情報
細胞増殖に必要なDNAに作用しDNA複製阻害作用やDNAの破壊作用により抗がん作用をあらわす薬
- エンドキサン
- ダカルバジン
- テモダール
- 悪性リンパ腫の自覚的並びに他覚的症状の緩解
- 骨肉腫の自覚的並びに他覚的症状の緩解
- 前立腺癌の自覚的並びに他覚的症状の緩解
- 肺小細胞癌の自覚的並びに他覚的症状の緩解
- 子宮頚癌の自覚的並びに他覚的症状の緩解
- 小児横紋筋肉腫
- 小児神経芽腫
- 小児ユーイング肉腫ファミリー腫瘍
- 小児悪性固形腫瘍
- 小児肝芽腫
- 小児腎芽腫
- 小児網膜芽腫
- 悪性骨・軟部腫瘍
- 再発又は難治性の性腺外胚細胞腫瘍の自覚的並びに他覚的症状の緩解
- 再発又は難治性の精巣胚細胞腫瘍の自覚的並びに他覚的症状の緩解
- 再発又は難治性の卵巣胚細胞腫瘍の自覚的並びに他覚的症状の緩解
- 再発又は難治性の胚細胞腫瘍の自覚的並びに他覚的症状の緩解
- 1.肺小細胞癌、前立腺癌、子宮頚癌、骨肉腫の場合:イホスファミドとして1日1.5〜3g(30〜60mg/kg)を3〜5日間連日点滴静注又は静脈内に注射する
- これを1コースとし、末梢白血球の回復を待って3〜4週間ごとに反復投与する
- なお、年齢、症状により適宜増減する
- 2.再発又は難治性の胚細胞腫瘍の場合:確立された標準的な他の抗悪性腫瘍剤との併用療法を行い、イホスファミドとして1日1.2g/㎡(体表面積)を5日間連日点滴静注する
- これを1コースとし、末梢白血球の回復を待って3〜4週間ごとに反復投与する
- なお、患者の状態により適宜減量する
- 3.悪性リンパ腫の場合:1).他の抗悪性腫瘍剤との併用において、イホスファミドとして1日0.8〜3g/㎡(体表面積)を3〜5日間連日点滴静注する
- これを1コースとし、末梢白血球の回復を待って3〜4週間ごとに反復投与する
- なお、年齢、併用薬、患者の状態により適宜減量する
- 2).総投与量はイホスファミドとして1コース10g/㎡以下、小児では全治療コース80g/㎡以下とする
- 4.悪性骨・軟部腫瘍に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法及び本剤単独投与の場合:1).ドキソルビシン塩酸塩との併用において、1コースは、イホスファミドとして1日1.5〜3g/㎡(体表面積)を3〜5日間連日点滴静注又は静脈内に注射する
- 末梢白血球の回復を待って3〜4週間ごとに反復投与する
- 総投与量は、イホスファミドとして1コース10g/㎡以下とする
- なお、年齢、患者の状態により適宜減量する
- 2).本剤の単独投与において、1コースは、イホスファミドとして総投与量14g/㎡までを点滴静注又は静脈内に注射する
- 末梢白血球の回復を待って反復投与する
- 5.小児悪性固形腫瘍(ユーイング肉腫ファミリー腫瘍、横紋筋肉腫、神経芽腫、網膜芽腫、肝芽腫、腎芽腫等)に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法の場合:1).他の抗悪性腫瘍剤との併用において、イホスファミドとして1日1.5〜3g/㎡(体表面積)を3〜5日間連日点滴静注する
- これを1コースとし、末梢白血球の回復を待って3〜4週間ごとに反復投与する
- なお、年齢、併用薬、患者の状態により適宜減量する
- 2).総投与量はイホスファミドとして1コース10g/㎡以下、全治療コース80g/㎡以下とする
副作用
注意事項
- 禁止
- 重篤な過敏症
- 重篤な腎障害
- 重篤な膀胱障害
- ペントスタチン投与中
- 慎重投与
- 肝障害
- 感染症
- 骨髄抑制
- 腎障害
- 水痘
- 膀胱障害
- 注意
- 腎機能低下
- 肥満
- 片腎
- 前治療薬として白金製剤の投与を受けた
- 併用薬として白金製剤の投与
- 投与に際する指示
- 肥満
- 希望禁止
- 妊婦・産婦
- 慎重投与
- 幼児・小児
- 高齢者
- 注意
- 乳児
- 幼児・小児
- 高齢者
- 投与に際する指示
- 幼児・小児
- 高齢者
- 警告
- 小児悪性固形腫瘍(0歳〜14歳)
- 慎重投与
- 小児(0歳〜14歳)
- 高齢者(65歳〜)
- 注意
- 高齢者(65歳〜)
- 小児(0歳〜14歳)
- 3歳以下の乳幼児(0歳〜3歳)
- 生殖可能な年齢(11歳〜)
- 投与に際する指示
- 高齢者(65歳〜)
- 小児(0歳〜14歳)
相互作用
- 薬剤名
- 影響
- 白金製剤
- ファンコニー症候群
- 白金製剤
- 急性腎不全
- ペントスタチン
- 心毒性が発現し死亡
- ペントスタチン
- 錯乱
- ペントスタチン
- 呼吸困難
- ペントスタチン
- 低血圧
- ペントスタチン
- 肺水腫
- ペントスタチン
- 心毒性により死亡
- ペントスタチン
- 死亡率の増加
- 抗悪性腫瘍剤
- 骨髄抑制等の副作用が増強
- アロプリノール
- 骨髄抑制等の副作用が増強
- フェノバルビタール
- 本剤の作用が増強
- インスリン製剤
- 血糖降下作用が増強
- スルホニルウレア系薬剤
- 血糖降下作用が増強
- メスナ
- 脳症
処方理由
添付文書
1.次記疾患の自覚的並びに他覚的症状の緩解:肺小細胞癌、前立腺癌、子宮頚癌、骨肉腫、再発又は難治性の胚細胞腫瘍(再発又は難治性の精巣胚細胞腫瘍、再発又は難治性の卵巣胚細胞腫瘍、再発又は難治性の性腺外胚細胞腫瘍)、悪性リンパ腫。
2.次の悪性腫瘍に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法:悪性骨・軟部腫瘍、小児悪性固形腫瘍(小児ユーイング肉腫ファミリー腫瘍、小児横紋筋肉腫、小児神経芽腫、小児網膜芽腫、小児肝芽腫、小児腎芽腫等)。
<効能・効果に関連する使用上の注意>
本剤を再発又は難治性の胚細胞腫瘍に投与する場合には、他の抗悪性腫瘍剤と併用することが必要である[本剤単独投与での有効性は確立していない、精巣腫瘍に対し本剤を単独投与した場合、奏効率が低く効果持続期間が短いとの報告がある]。
1.肺小細胞癌、前立腺癌、子宮頚癌、骨肉腫の場合:イホスファミドとして1日1.5〜3g(30〜60mg/kg)を3〜5日間連日点滴静注又は静脈内に注射する。これを1コースとし、末梢白血球の回復を待って3〜4週間ごとに反復投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
2.再発又は難治性の胚細胞腫瘍の場合:確立された標準的な他の抗悪性腫瘍剤との併用療法を行い、イホスファミドとして1日1.2g/㎡(体表面積)を5日間連日点滴静注する。これを1コースとし、末梢白血球の回復を待って3〜4週間ごとに反復投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
3.悪性リンパ腫の場合:
1).他の抗悪性腫瘍剤との併用において、イホスファミドとして1日0.8〜3g/㎡(体表面積)を3〜5日間連日点滴静注する。これを1コースとし、末梢白血球の回復を待って3〜4週間ごとに反復投与する。なお、年齢、併用薬、患者の状態により適宜減量する。
2).総投与量はイホスファミドとして1コース10g/㎡以下、小児では全治療コース80g/㎡以下とする。
4.悪性骨・軟部腫瘍に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法及び本剤単独投与の場合:
1).ドキソルビシン塩酸塩との併用において、1コースは、イホスファミドとして1日1.5〜3g/㎡(体表面積)を3〜5日間連日点滴静注又は静脈内に注射する。末梢白血球の回復を待って3〜4週間ごとに反復投与する。総投与量は、イホスファミドとして1コース10g/㎡以下とする。なお、年齢、患者の状態により適宜減量する。
2).本剤の単独投与において、1コースは、イホスファミドとして総投与量14g/㎡までを点滴静注又は静脈内に注射する。末梢白血球の回復を待って反復投与する。
5.小児悪性固形腫瘍(ユーイング肉腫ファミリー腫瘍、横紋筋肉腫、神経芽腫、網膜芽腫、肝芽腫、腎芽腫等)に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法の場合:
1).他の抗悪性腫瘍剤との併用において、イホスファミドとして1日1.5〜3g/㎡(体表面積)を3〜5日間連日点滴静注する。これを1コースとし、末梢白血球の回復を待って3〜4週間ごとに反復投与する。なお、年齢、併用薬、患者の状態により適宜減量する。
2).総投与量はイホスファミドとして1コース10g/㎡以下、全治療コース80g/㎡以下とする。
<用法・用量に関連する使用上の注意>
1.本剤の投与時には十分な尿量を確保し、出血性膀胱炎等の泌尿器系障害の防止のために次記の処置を行う。
1).成人の場合
(1).本剤投与時の1時間前から、できるだけ頻回に、かつ大量の経口水分摂取を行い、投与終了の翌日まで1日尿量3000mL以上を確保する。
(2).本剤投与第1日目は、投与終了直後から2000〜3000mLの適当な輸液を投与するとともにメスナを併用する。
(3).本剤投与中、経口水分摂取困難な場合は、第2日目以降、投与終了の翌日まで、前記(2)に準じて輸液を投与する。
(4).本剤投与中は必要に応じて輸液1000mLあたり40mLの7%炭酸水素ナトリウム注射液を混和し、尿のアルカリ化を図る。また必要に応じてD−マンニトール等の利尿剤を投与する。
2).小児の場合:本剤投与時には、1日2000〜3000mL/㎡(体表面積)の適当な輸液を投与するとともにメスナを併用する(また、1)の(4)に準じ尿のアルカリ化を図り、利尿剤を投与する)。
2.再発又は難治性の胚細胞腫瘍に対して確立された標準的な他の抗悪性腫瘍剤との併用療法[VeIP療法(ビンブラスチン硫酸塩、イホスファミド、シスプラチン併用療法)]においては、原則として3週間を1クールとし、各クールの1〜5日に本剤を投与する(なお、併用薬剤の添付文書も参照する)。
3.悪性骨・軟部腫瘍に対する本剤単独投与での用法・用量については、添付文書に記載の文献を参照する。
4.肥満患者には、投与量が過多にならないように、標準体重から換算した投与量を考慮する。
5.注射液の調製法:イホスファミド1gに生理食塩液又は注射用水25mLを加えて溶解する。
承認時における安全性評価対象例809例中、臨床検査値の異常変動を含む副作用は695例(85.9%)に認められた。再審査終了時における安全性評価対象例661例中、臨床検査値の異常変動を含む副作用は534例(80.8%)に認められた。主なものは、食欲不振、悪心等の消化器系障害334例(50.5%)、白血球減少266例(40.2%)、出血性膀胱炎、排尿障害等の泌尿器系障害197例(29.8%)であった(副作用の発現頻度は承認時、再審査終了時の成績に基づく)。
1.重大な副作用
1).骨髄抑制(5%以上):汎血球減少、貧血、白血球減少、血小板減少、また、出血等が現れる場合があるので、本剤投与期間中には末梢血液の観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与間隔の延長、減量、休薬等の適切な処置を行う。
2).出血性膀胱炎、排尿障害(5%以上):出血性膀胱炎、排尿障害等が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な処置を行う。
3).ファンコニー症候群(頻度不明)、急性腎不全(0.1%未満):ファンコニー症候群、また、急性腎不全が現れることがあるので、腎機能検査値を確認するなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与中止等の適切な処置を行う(併用薬として白金製剤の投与を受けた又は前治療薬として白金製剤の投与を受けた患者、腎機能低下又は片腎の患者、小児には特に注意する)。
4).意識障害(0.1%未満)、幻覚、錯乱、錐体外路症状(0.1〜5%未満):意識障害、幻覚、錯乱、錐体外路症状が現れることがあるので、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う。
5).脳症(0.1%未満):意識障害を伴う痙攣発作、譫妄(意識障害、幻覚及び錯乱)が現れることがあるので、このような場合には投与を中止するなど適切な処置を行う。
6).間質性肺炎(0.1〜5%未満)、肺水腫(頻度不明):間質性肺炎、肺水腫が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う。
7).心筋障害、不整脈(頻度不明):心不全、心室性期外収縮、心房細動、上室性期外収縮等が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う。
8).抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)(頻度不明):低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量増加、高張尿、痙攣、意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)が現れることがあるので、このような症状が現れた場合には、投与を中止し、水分摂取の制限等適切な処置を行う。
9).急性膵炎(頻度不明):急性膵炎が現れることがあるので、観察を十分に行い、腹痛、血清アミラーゼ値上昇等の異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う。
2.その他の副作用
1).肝臓:(5%未満)ビリルビン上昇、AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、Al−P上昇等。
2).腎臓:(5%以上)蛋白尿、(5%未満)浮腫、BUN上昇、血清電解質異常(カリウム一過性変動、クロル一過性変動等)、(頻度不明)クレアチニン上昇、クレアチニンクリアランス低下、多尿。
3).消化器:(5%以上)悪心・嘔吐、食欲不振、(5%未満)口内炎、腹痛、便秘、下痢等、(頻度不明)口渇。
4).過敏症:(5%未満)発疹。
5).皮膚:(5%以上)脱毛、(5%未満)皮膚色素沈着。
6).精神神経系:(5%以上)倦怠感、(5%未満)頭痛、頭重感、眩暈、不眠、脱力感、焦燥感、知覚異常、舌の振戦、抑うつ、精神活動低下。
7).呼吸器:(5%未満)胸内苦悶。
8).循環器:(5%未満)頻脈、不整脈、動悸。
9).性腺:(5%未満)月経異常、(頻度不明)無精子症、卵巣機能不全。
10).その他:(5%未満)発熱、悪寒、血管痛。
(警告)
1.本剤とペントスタチンを併用しない[外国において類縁薬であるシクロホスファミドとペントスタチンとの併用により、心毒性が発現し死亡した症例が報告されている]。
2.本剤を含むがん化学療法は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ実施する。適応患者の選択にあたっては、各併用薬剤の添付文書を参照して十分注意する。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与する。
3.本剤を小児悪性固形腫瘍に使用する場合は、小児のがん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで使用する。
(禁忌)
1.ペントスタチン投与中の患者。
2.本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者。
3.重篤な腎障害又は重篤な膀胱障害のある患者[腎障害又は出血性膀胱炎を増悪する]。
(慎重投与)
1.肝障害のある患者[肝障害が増悪する恐れがある]。
2.腎障害又は膀胱障害のある患者[腎障害又は出血性膀胱炎が増悪する恐れがある]。
3.骨髄抑制のある患者[骨髄抑制が増強する恐れがある]。
4.感染症を合併している患者[骨髄抑制作用により、感染症が増悪する恐れがある]。
5.水痘患者[致命的全身障害が現れることがある]。
6.高齢者。
7.小児。
(重要な基本的注意)
1.骨髄抑制、出血性膀胱炎等の重篤な副作用が起こることがあるので次の点に留意し、頻回に臨床検査(血液検査、尿検査、肝機能・腎機能検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な処置を行う。また、使用が長期間にわたると副作用が強く現れ、遷延性に推移することがあるので、投与は慎重に行う。
1).出血性膀胱炎:出血性膀胱炎等の泌尿器系障害の防止のため、投与終了の翌日まで十分な尿量を確保するように、頻回かつ大量の経口水分摂取を行い、更に輸液を投与するとともにメスナを併用するなど適切な処置を行う。
2).骨髄抑制:本剤の投与にあたってはG−CSF製剤等の適切な使用に関しても考慮する。
2.感染症の発現又は感染症増悪、出血傾向の発現又は出血傾向増悪に十分注意する。
3.本剤を他の抗悪性腫瘍剤と併用する場合には、副作用の発現頻度が高くなり、程度も重くなる恐れがあるため、十分に患者の状態を観察しながら投与する。
4.本剤を他の抗悪性腫瘍剤と併用する場合、特に放射線照射を施行するときには、肝中心静脈閉塞症(hepatic veno−occlusive disease:VOD)の発現に注意する。
5.小児に投与する場合には、副作用の発現に特に注意し、慎重に投与する。
6.小児及び生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮する。
7.悪性リンパ腫に本剤を使用する際には、関連文献(「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議 公知申請への該当性に係る報告書:イホスファミド(悪性リンパ腫)」等)を熟読する。
(相互作用)
本剤は、主に肝代謝酵素CYP3A4で代謝され、活性化される。
1.併用禁忌:ペントスタチン<コホリン>[骨髄移植の患者で、類縁薬であるシクロホスファミド投与中にペントスタチンを単回投与したところ、錯乱、呼吸困難、低血圧、肺水腫等が認められ、心毒性により死亡したとの報告があり、また、動物試験(マウス)においてペントスタチン(臨床用量の10倍相当量)とイホスファミド(LD50前後)又はその類縁薬であるシクロホスファミド(LD50前後)を同時期に単回投与したとき、それぞれを単独投与したときに比べて死亡率の増加が認められた(明らかな機序は不明であるが、本剤は用量依存性の心毒性があり、ペントスタチンは心筋細胞に影響を及ぼすATPの代謝を阻害するので、両剤の併用により心毒性が増強すると考えられている)]。
2.併用注意:
1).他の抗悪性腫瘍剤、アロプリノール、放射線照射[骨髄抑制等の副作用が増強することがあるので、異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な処置を行う(共に骨髄抑制作用を有する)]。
2).フェノバルビタール[本剤の作用が増強することがある(フェノバルビタールの酵素誘導により本剤の活性型への変換が促進され、作用が増強される)]。
3).インスリン、スルホニル尿素系製剤[これらの薬剤の血糖降下作用が増強されることがある(本剤がインスリン抗体の生成を阻害するため、遊離のインスリン量が多くなり、血糖降下作用が増強される)]。
4).メスナ[脳症が現れることがあるので、観察を十分に行う(機序は不明)]。
(高齢者への投与)
高齢者では、生理機能が低下していることが多く、副作用が現れやすいので、用量並びに投与間隔に留意する。
(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい[動物試験(ラット)で催奇形作用が報告されている]。
2.授乳婦に投与する場合には、授乳を中止させる[動物試験(ラット)で乳汁中に分泌されることが報告されている]。
(小児等への投与)
小児では高用量投与や累積投与量が高くなった場合、ファンコニー症候群等の腎障害が現れることがある(3歳以下の乳幼児では特に注意する)。
(適用上の注意)
1.調製方法:溶解後はなるべく速やかに使用し、保存する必要がある場合には、冷所保存では24時間以内、室温保存では6時間以内に使用する。
2.投与経路:点滴静注又は静脈内注射によって投与する。
3.投与時:ポリカーボネート製の三方活栓や延長チューブ等を経由して使用した場合、コネクター部分にひび割れが発生し、血液及び薬液漏れ、空気混入等の可能性があるので注意する。
(その他の注意)
1.マウスに腹腔内投与した試験で、肺腫瘍が発生したとの報告がある。
2.本剤と他の抗悪性腫瘍剤を併用した患者に、二次性悪性腫瘍(急性白血病、骨髄異形成症候群等)が発生したとの報告がある。
3.類縁薬シクロホスファミドを投与した雄ラットを、シクロホスファミドを投与しない雌ラットと交配させたところ、胎仔死亡増加及び胎仔奇形を認めたとの報告がある。
(保管上の注意)
高温保存では変色・融解することがある。
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