処方薬事典データ協力:株式会社メドレー
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グリミクロンHA錠20mgの基本情報
基本情報
膵臓の細胞に作用し、膵臓からのインスリン分泌を促し血糖値を下げる薬
- アマリール
- オイグルコン
- グリミクロン
- インスリン非依存型糖尿病
- 成人型糖尿病
- グリクラジドとして、通常成人では1日40mgより開始し、1日1〜2回(朝又は朝夕)食前又は食後に経口投与する
- 維持量は通常1日40〜120mgであるが、160mgを超えないものとする
副作用
注意事項
- 禁止
- 胃腸障害
- インスリン依存型糖尿病
- 嘔吐
- 過敏症
- 下痢
- 重症感染症
- 重症ケトーシス
- 重篤な外傷
- 重篤な肝機能障害
- 重篤な腎機能障害
- 手術前後
- 糖尿病性前昏睡
- 糖尿病性昏睡
- 注意
- 栄養不良状態
- 過度のアルコール摂取
- 飢餓状態
- 血液透析中
- 低血糖
- 脳下垂体機能不全
- 激しい筋肉運動
- 不規則な食事摂取
- 副腎機能不全
- 食事摂取量不足
- 肝機能障害<重篤な肝機能障害を除く>
- 腎機能障害<重篤な腎機能障害を除く>
- 禁止
- 妊婦・産婦
- 新生児(低出生体重児を含む)
- 慎重投与
- 高齢者
- 注意
- 授乳婦
- 新生児(低出生体重児を含む)
- 乳児
- 幼児・小児
- 虚弱者(衰弱者を含む)
- 投与に際する指示
- 高齢者
- 禁止
- 新生児(0日〜27日)
- 慎重投与
- 高齢者(65歳〜)
- 注意
- 小児等(0歳〜14歳)
- 投与に際する指示
- 高齢者(65歳〜)
相互作用
- 薬剤名
- 影響
- 糖尿病用薬
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- インスリン製剤
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- ビグアナイド系製剤
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- チアゾリジン系薬剤
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- α−グルコシダーゼ阻害剤
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- DPP−4阻害剤
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- GLP−1アナログ
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- SGLT2阻害剤
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- イメグリミン塩酸塩
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- ピラゾロン系化合物
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- ケトフェニルブタゾン
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- サルファ剤
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- スルファメトキサゾール
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- サリチル酸製剤
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- アスピリン
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- サザピリン
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- クロフィブラート
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- ベザフィブラート
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- クマリン系抗凝血剤
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- ワルファリン
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- クロラムフェニコール
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- ミコナゾール
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- フルコナゾール
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- プロベネシド
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- ジヒドロエルゴタミン製剤
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- ジソピラミド
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- シベンゾリン
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- ピルメノール
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- β−遮断剤
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- プロプラノロール
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- ピンドロール
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- モノアミン酸化酵素阻害剤
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- 三環系抗うつ剤
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- イミプラミン
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- ノルトリプチリン
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- テトラサイクリン系抗生物質
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- ドキシサイクリン
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- クラリスロマイシン
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- エピネフリン
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- 副腎皮質ホルモン剤
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- 甲状腺ホルモン剤
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- 乾燥甲状腺
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- リオチロニン
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- レボチロキシン
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- 利尿剤
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- トリクロルメチアジド
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- ヒドロクロロチアジド
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- フロセミド
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- フェニトイン
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- リファンピシン類
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- イソニアジド
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- ニコチン酸製剤
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- 卵胞ホルモン
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- エチニルエストラジオール
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- エストリオール
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- フェノチアジン系薬剤
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- クロルプロマジン
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- ピラジナミド
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- エピネフリン
- 嘔気
- 副腎皮質ホルモン剤
- 嘔気
- 甲状腺ホルモン剤
- 嘔気
- 乾燥甲状腺
- 嘔気
- リオチロニン
- 嘔気
- レボチロキシン
- 嘔気
- 利尿剤
- 嘔気
- トリクロルメチアジド
- 嘔気
- ヒドロクロロチアジド
- 嘔気
- フロセミド
- 嘔気
- フェニトイン
- 嘔気
- リファンピシン類
- 嘔気
- イソニアジド
- 嘔気
- ニコチン酸製剤
- 嘔気
- 卵胞ホルモン
- 嘔気
- エチニルエストラジオール
- 嘔気
- エストリオール
- 嘔気
- フェノチアジン系薬剤
- 嘔気
- クロルプロマジン
- 嘔気
- ピラジナミド
- 嘔気
- エピネフリン
- 嘔吐
- 副腎皮質ホルモン剤
- 嘔吐
- 甲状腺ホルモン剤
- 嘔吐
- 乾燥甲状腺
- 嘔吐
- リオチロニン
- 嘔吐
- レボチロキシン
- 嘔吐
- 利尿剤
- 嘔吐
- トリクロルメチアジド
- 嘔吐
- ヒドロクロロチアジド
- 嘔吐
- フロセミド
- 嘔吐
- フェニトイン
- 嘔吐
- リファンピシン類
- 嘔吐
- イソニアジド
- 嘔吐
- ニコチン酸製剤
- 嘔吐
- 卵胞ホルモン
- 嘔吐
- エチニルエストラジオール
- 嘔吐
- エストリオール
- 嘔吐
- フェノチアジン系薬剤
- 嘔吐
- クロルプロマジン
- 嘔吐
- ピラジナミド
- 嘔吐
- エピネフリン
- 脱水
- 副腎皮質ホルモン剤
- 脱水
- 甲状腺ホルモン剤
- 脱水
- 乾燥甲状腺
- 脱水
- リオチロニン
- 脱水
- レボチロキシン
- 脱水
- 利尿剤
- 脱水
- トリクロルメチアジド
- 脱水
- ヒドロクロロチアジド
- 脱水
- フロセミド
- 脱水
- フェニトイン
- 脱水
- リファンピシン類
- 脱水
- イソニアジド
- 脱水
- ニコチン酸製剤
- 脱水
- 卵胞ホルモン
- 脱水
- エチニルエストラジオール
- 脱水
- エストリオール
- 脱水
- フェノチアジン系薬剤
- 脱水
- クロルプロマジン
- 脱水
- ピラジナミド
- 脱水
- エピネフリン
- 呼気のアセトン臭
- 副腎皮質ホルモン剤
- 呼気のアセトン臭
- 甲状腺ホルモン剤
- 呼気のアセトン臭
- 乾燥甲状腺
- 呼気のアセトン臭
- リオチロニン
- 呼気のアセトン臭
- レボチロキシン
- 呼気のアセトン臭
- 利尿剤
- 呼気のアセトン臭
- トリクロルメチアジド
- 呼気のアセトン臭
- ヒドロクロロチアジド
- 呼気のアセトン臭
- フロセミド
- 呼気のアセトン臭
- フェニトイン
- 呼気のアセトン臭
- リファンピシン類
- 呼気のアセトン臭
- イソニアジド
- 呼気のアセトン臭
- ニコチン酸製剤
- 呼気のアセトン臭
- 卵胞ホルモン
- 呼気のアセトン臭
- エチニルエストラジオール
- 呼気のアセトン臭
- エストリオール
- 呼気のアセトン臭
- フェノチアジン系薬剤
- 呼気のアセトン臭
- クロルプロマジン
- 呼気のアセトン臭
- ピラジナミド
- 呼気のアセトン臭
- ACE阻害剤
- 低血糖
- ニコチン酸(ナイアシン)を含むもの<まいたけ、たらこ、インスタントコーヒー、かつお節、まぐろ など>
処方理由
この薬をファーストチョイスする理由(2021年10月更新)
・一番効果が弱そうだと思うので、あと一歩の時に加えることがある。(50歳代病院勤務医、循環器内科)
・効果が比較的マイルドで低血糖の危険が少ない。ただしSU薬を処方する患者はかなり限られる。(40歳代開業医、糖尿病科)
・SU薬は患者によって使い分けているが、頻度でいうとグリクラジドが多い。効果が強くはないが、安全性が高いという特長がある。(50歳代病院勤務医、心療内科)
・SU薬の中では、アマリールとグリミクロンが比較的効果がマイルドなので低血糖の副作用が少ないので使用している。(60歳代病院勤務医、一般内科)
この薬をファーストチョイスする理由(2020年2月更新)
・腎臓から排泄されず代謝産物も活性がないため腎機能低下症例でも使用でき、低血糖の遷延も少ないのでグリニド製剤の代用にもなる。(50歳代開業医、腎臓内科)
・比較的効果が弱い。長時間効果が無いので老人にも比較的安心して使用できる。(50歳代病院勤務医、代謝・内分泌内科)
・1日1回内服、古典的でメリットデメリットがわかっている、有効性も高い、そして安価。よって患者さんが継続して内服してくれる。(50歳代診療所勤務医、一般内科)
・他剤で血糖低下が十分でないときは、使用せざるを得ない。インスリンの使用も考慮するが、患者さんから拒否されることが多い。(70歳代病院勤務医、代謝・内分泌内科)
・安価、有効性高い、1日1回内服。よって患者が継続して内服しやすく、ドロップアウト率が低い。(50歳代診療所勤務医、一般内科)
この薬をファーストチョイスする理由(2018年1月更新)
・インスリン抵抗性改善作用がある程度あり、血糖降下作用は強すぎず、低用量の製剤があり、薬価も極めて安い。いいことづくめです。(50歳代開業医、一般内科)
・一時はグリメピリドを圧倒的に使用していましたが、最近は少量のグリクラジドのほうが安定して二次無効も少なく処方機会が増えています。但し、SU薬自身処方は減ってしまっています。(50歳代開業医、一般内科)
・効果がマイルドで、比較的短時間作用型、高齢者にも使い易い。(50歳代病院勤務医、代謝・内分泌内科)
・効果が小さめなので夜間低血糖の危険が少ない(40歳代病院勤務医、代謝・内分泌内科)
・他のSU剤(グリメピリド、グリベンクラミド)にくらべて半減期が短く、効果は限定的であるので低血糖のリスクはあまり高くない(50歳代診療所勤務医、代謝・内分泌内科)
・SU受容体のtype2にのみ結合すること。(40歳代病院勤務医、代謝・内分泌内科)
・グリメピリドに比べ夜間低血糖リスクが小さく、DPP4阻害薬との併用に適している。(50歳代病院勤務医、一般内科)
この薬をファーストチョイスする理由(2016年8月更新)
・院内採用薬の中で最も少量から処方でき、安全と考えているから。(40歳代病院勤務医、精神科)
・あえて使うならグリクラジドですが、腎臓内科のため、SU薬はなるべく避けたい薬です。(30歳代病院勤務医、内科系専門科)
・食後の血糖値上昇を緩和する効果が高く、低血糖発作の出現率も他より低いと感じるため。(50歳代診療所勤務医、呼吸器内科)
この薬をファーストチョイスする理由(2015年2月更新)
・高齢者、腎機能低下者でも低血糖に留意して使用できる、日本人の食後高血糖パターンに適したSU薬と考える。(30代病院勤務医、一般内科)
・有効性が高く、安価なので服薬コンプライアンスが良好。(40代診療所勤務医、総合診療科)
・軽度腎障害があっても低血糖になりにくい。(30代病院勤務医、その他の診療科)
・透析患者さんに使いやすい。(50代病院勤務医、泌尿器科)
・冠微小循環に悪影響を与えない。(40代病院勤務医、循環器内科)
添付文書
インスリン非依存型糖尿病(成人型糖尿病)(ただし、食事療法・運動療法のみで十分な効果が得られない場合に限る)。
グリクラジドとして、通常成人では1日40mgより開始し、1日1〜2回(朝又は朝夕)食前又は食後に経口投与する。維持量は通常1日40〜120mgであるが、160mgを超えないものとする。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 低血糖(1.9%):脱力感、高度空腹感、発汗等(初期症状として)が、また、心悸亢進、振戦、頭痛、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、意識障害、痙れん等があらわれることがある(なお、徐々に進行する低血糖では、精神障害、意識障害等が主である場合があるので注意すること)。低血糖症状が認められた場合には、糖質を含む食品を摂取するなど適切な処置を行うこと。ただし、α−グルコシダーゼ阻害剤との併用により低血糖症状が認められた場合にはブドウ糖を投与すること〔1.警告、2.2、2.4、8.2、8.3、9.1合併症・既往歴等のある患者の項、9.2.1、9.2.2、9.3.1、9.3.2、10.2.1、13.1、13.2.1参照〕。
11.1.2. 無顆粒球症(0.1%未満)。
11.1.3. 肝機能障害、黄疸(0.1%未満):AST上昇、ALT上昇、ALP上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
11.2. その他の副作用
1). 血液:(0.1%未満)貧血、白血球減少、(頻度不明)血小板減少。
2). 肝臓:(0.1〜5%未満)AST上昇、ALT上昇、ALP上昇。
3). 腎臓:(0.1%未満)BUN上昇、(頻度不明)血清クレアチニン上昇。
4). 消化器:(0.1〜5%未満)悪心、嘔吐、食欲不振、(0.1%未満)胃膨満感、便秘、下痢、腹痛。
5). 過敏症:(0.1〜5%未満)皮膚そう痒感、発疹、(0.1%未満)光線過敏症。
6). その他:(0.1〜5%未満)頭重、めまい、(0.1%未満)頭痛、熱感、(頻度不明)脱毛。
発現頻度は使用成績調査を含む。
(警告)
重篤かつ遷延性の低血糖を起こすことがあるので、用法及び用量、使用上の注意に特に留意すること〔8.3、11.1.1参照〕。
(禁忌)
2.1. 重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は糖尿病性前昏睡、インスリン依存型糖尿病の患者[インスリンの適用である]。
2.2. 重篤な肝機能障害又は重篤な腎機能障害のある患者[低血糖を起こすおそれがある]〔9.2.1、9.3.1、11.1.1参照〕。
2.3. 重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者[インスリンの適用である]。
2.4. 下痢、嘔吐等の胃腸障害のある患者[低血糖を起こすおそれがある]〔11.1.1参照〕。
2.5. 本剤の成分又はスルホンアミド系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.6. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。
(重要な基本的注意)
8.1. 投与する場合には、少量より開始し、血糖、尿糖を定期的に検査し、薬剤の効果を確かめ、効果が不十分な場合には、速やかに他の治療法への切り替えを行うこと。
8.2. 重篤かつ遷延性の低血糖を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与するときには注意すること〔11.1.1参照〕。
8.3. 本剤の使用にあたっては、患者及びその家族に対し低血糖症状及びその対処方法について十分説明すること〔1.警告、9.1合併症・既往歴等のある患者の項、11.1.1参照〕。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
低血糖を起こすおそれのある次の患者又は状態〔8.3、11.1.1参照〕。
・ 脳下垂体機能不全又は副腎機能不全。
・ 栄養不良状態、飢餓状態、不規則な食事摂取、食事摂取量不足又は衰弱状態。
・ 激しい筋肉運動。
・ 過度のアルコール摂取者。
(腎機能障害患者)
9.2.1. 重篤な腎機能障害のある患者:投与しないこと(低血糖を起こすおそれがある)〔2.2、11.1.1参照〕。
9.2.2. 腎機能障害<重篤な腎機能障害を除く>患者:低血糖を起こすおそれがある〔11.1.1参照〕。
9.2.3. 血液透析中の患者:慢性透析を施行中の糖尿病患者10例において、朝食前にグリクラジドを投与後、午前中に透析を開始し、その透析前後のグリクラジド血中濃度を測定したところ、透析前は1.97μg/mL、透析後は1.79μg/mLであり、9.1%の低下が認められた。
(肝機能障害患者)
9.3.1. 重篤な肝機能障害のある患者:投与しないこと(低血糖を起こすおそれがある)〔2.2、11.1.1参照〕。
9.3.2. 肝機能障害<重篤な肝機能障害を除く>患者:低血糖を起こすおそれがある〔11.1.1参照〕。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(スルホニル尿素系薬剤は胎盤を通過することが報告されており、新生児の低血糖、また、巨大児が認められている)〔2.6参照〕。
(授乳婦)
授乳中の女性に投与する場合には、治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(他のスルホニル尿素系薬剤で母乳中への移行が報告されている)。
(小児等)
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
(高齢者)
少量から投与を開始し、定期的に検査を行うなど慎重に投与すること(高齢者では、生理機能が低下していることが多く、低血糖があらわれやすい)。
(相互作用)
10.2. 併用注意:
10.2.1. 血糖降下作用を増強する薬剤
1). 糖尿病用薬(インスリン製剤、ビグアナイド系薬剤、チアゾリジン系薬剤、α−グルコシダーゼ阻害剤、DPP−4阻害剤、GLP−1受容体作動薬、SGLT2阻害剤、イメグリミン塩酸塩等)[<臨床症状>血糖降下作用の増強による低血糖症状が起こることがある;<措置方法>併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与すること(これらの薬剤の血糖降下作用による)]。
2). ピラゾロン系消炎剤(ケトフェニルブタゾン等)[<臨床症状>血糖降下作用の増強による低血糖症状が起こることがある;<措置方法>併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与すること(ピラゾロン系消炎剤によるスルホニル尿素系薬剤の蛋白結合の阻害、肝代謝の抑制、腎排泄の抑制が考えられている)]。
3). サルファ剤(スルファメトキサゾール等)[<臨床症状>血糖降下作用の増強による低血糖症状が起こることがある;<措置方法>併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与すること(サルファ剤によるスルホニル尿素系薬剤の蛋白結合の阻害、肝代謝の抑制等が考えられている)]。
4). サリチル酸剤(アスピリン、サザピリン等)[<臨床症状>血糖降下作用の増強による低血糖症状が起こることがある;<措置方法>併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与すること(サリチル酸剤によるスルホニル尿素系薬剤の蛋白結合の阻害、サリチル酸剤の血糖降下作用が考えられている)]。
5). クロフィブラート、ベザフィブラート[<臨床症状>血糖降下作用の増強による低血糖症状が起こることがある;<措置方法>併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与すること(これらの薬剤によるスルホニル尿素系薬剤の蛋白結合の阻害又は腎排泄の抑制、インスリン抵抗性の減弱等が考えられている)]。
6). クマリン系薬剤(ワルファリン)、クロラムフェニコール、ミコナゾール、フルコナゾール[<臨床症状>血糖降下作用の増強による低血糖症状が起こることがある;<措置方法>併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与すること(これらの薬剤によるスルホニル尿素系薬剤の肝代謝の抑制が考えられている)]。
7). プロベネシド[<臨床症状>血糖降下作用の増強による低血糖症状が起こることがある;<措置方法>併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与すること(プロベネシドによるスルホニル尿素系薬剤の腎排泄の抑制が考えられている)]。
8). ジヒドロエルゴタミン製剤[<臨床症状>血糖降下作用の増強による低血糖症状が起こることがある;<措置方法>併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与すること(ジヒドロエルゴタミン製剤によるスルホニル尿素系薬剤のインスリン分泌作用の促進が考えられている)]。
9). ジソピラミド、シベンゾリン、ピルメノール[<臨床症状>血糖降下作用の増強による低血糖症状が起こることがある;<措置方法>併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与すること(これらの薬剤によるインスリン分泌の促進等が考えられている)]。
10). β遮断剤(プロプラノロール、ピンドロール等)[<臨床症状>血糖降下作用の増強による低血糖症状が起こることがある;<措置方法>併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与すること(特にβ遮断剤と併用する場合にはプロプラノロール等の非選択性β遮断剤は避けることが望ましい)〔11.1.1参照〕(機序は不明であるが、アドレナリンを介した低血糖からの回復の抑制、低血糖時の交感神経症状(心悸亢進等)の不顕性化等が考えられている)]。
11). モノアミン酸化酵素阻害剤[<臨床症状>血糖降下作用の増強による低血糖症状が起こることがある;<措置方法>併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与すること(機序は不明であるが、モノアミン酸化酵素阻害剤によるインスリン分泌の促進、肝での糖新生抑制が考えられている)]。
12). 三環系抗うつ剤(イミプラミン、ノルトリプチリン等)[<臨床症状>血糖降下作用の増強による低血糖症状が起こることがある;<措置方法>併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与すること(機序は不明であるが、三環系抗うつ剤による低血糖に対する反応の変化、末梢でのインスリン感受性促進が考えられている)]。
13). テトラサイクリン系抗生物質(テトラサイクリン、ドキシサイクリン等)、クラリスロマイシン[<臨床症状>血糖降下作用の増強による低血糖症状が起こることがある;<措置方法>併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与すること(機序は不明である)]。
10.2.2. 血糖降下作用を減弱する薬剤
1). アドレナリン[<臨床症状>血糖降下作用の減弱による高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがある;<措置方法>併用する場合は、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(アドレナリンによる末梢でのブドウ糖の取り込み抑制、肝での糖新生促進、インスリン分泌の抑制が考えられている)]。
2). 副腎皮質ホルモン[<臨床症状>血糖降下作用の減弱による高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがある;<措置方法>併用する場合は、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(副腎皮質ホルモンによる肝での糖新生促進、末梢でのインスリン感受性低下等が考えられている)]。
3). 甲状腺ホルモン(乾燥甲状腺、リオチロニン、レボチロキシン)[<臨床症状>血糖降下作用の減弱による高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがある;<措置方法>併用する場合は、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(甲状腺ホルモンによる腸管でのブドウ糖吸収促進、肝での糖新生促進等が考えられている)]。
4). 利尿剤(トリクロルメチアジド、ヒドロクロロチアジド、フロセミド等)[<臨床症状>血糖降下作用の減弱による高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがある;<措置方法>併用する場合は、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(利尿剤によるインスリン分泌抑制、末梢でのインスリン感受性低下等が考えられている)]。
5). フェニトイン[<臨床症状>血糖降下作用の減弱による高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがある;<措置方法>併用する場合は、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(フェニトインによるインスリン分泌抑制が考えられている)]。
6). リファンピシン[<臨床症状>血糖降下作用の減弱による高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがある;<措置方法>併用する場合は、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(リファンピシンによるスルホニル尿素系薬剤の肝代謝の促進が考えられている)]。
7). イソニアジド、ニコチン酸[<臨床症状>血糖降下作用の減弱による高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがある;<措置方法>併用する場合は、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(これらの薬剤による血糖上昇作用が考えられている)]。
8). 卵胞ホルモン(エチニルエストラジオール、エストリオール等)[<臨床症状>血糖降下作用の減弱による高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがある;<措置方法>併用する場合は、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(機序は不明であるが、卵胞ホルモンによるコルチゾール分泌変化、組織での糖利用変化、成長ホルモンの過剰産生、肝機能の変化、末梢でのインスリン感受性低下等が考えられている)]。
9). フェノチアジン系薬剤(クロルプロマジン等)[<臨床症状>血糖降下作用の減弱による高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがある;<措置方法>併用する場合は、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(機序は不明であるが、クロルプロマジンによるインスリン分泌抑制、副腎からのアドレナリン遊離が考えられている)]。
10). ピラジナミド[<臨床症状>血糖降下作用の減弱による高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがある;<措置方法>併用する場合は、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(機序は不明である)]。
(過量投与)
13.1. 症状
過量投与時、低血糖が起こる〔11.1.1参照〕。
13.2. 処置
13.2.1. 過量投与時、意識障害がない場合〔11.1.1参照〕。
13.2.2. 過量投与時、意識障害がある場合:ブドウ糖液を静脈内注射する。
13.2.3. その他:過量投与時、血糖上昇ホルモンとしてのグルカゴン投与も有効である。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
(その他の注意)
15.1. 臨床使用に基づく情報
15.1.1. スルホニル尿素系薬剤(トルブタミド1日1.5g)を長期間継続投与した場合、食事療法単独の場合と比較して心臓・血管系障害による死亡率が有意に高かったとの報告がある。
15.1.2. インスリン又は経口血糖降下剤の投与中にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与することにより、低血糖が起こりやすいとの報告がある。
(保管上の注意)
室温保存。
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