処方薬事典データ協力:株式会社メドレー
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ラスリテック点滴静注用1.5mgの基本情報
基本情報
尿酸をアラントインという比較的水溶性の高い物質に変換させる尿酸酸化酵素としての作用により尿酸値を低下させ、がん化学療法や放射線治療などによっておこる腫瘍崩壊症による高尿酸血症を改善する薬
- ラスリテック
- がん化学療法の高尿酸血症
- ラスブリカーゼとして0.2mg/kgを1日1回30分以上かけて点滴静注する
- なお、投与期間は最大7日間とする
副作用
注意事項
- 禁止
- 過敏症
- グルコース−6−リン酸脱水素酵素<G6PD>欠損
- 溶血性貧血を引き起こすことが知られている赤血球酵素異常
- 慎重投与
- アレルギー
- 注意
- 抗ラスブリカーゼ抗体陽性
- がん化学療法後に発症した高尿酸血症
- 相対禁止
- 妊婦・産婦
- 慎重投与
- 高齢者
- 慎重投与
- 高齢者(65歳〜)
相互作用
処方理由
添付文書
がん化学療法に伴う高尿酸血症。
<効能又は効果に関連する使用上の注意>
1.本剤の投与にあたっては、腫瘍崩壊症候群の発症リスクを考慮して適応患者を選択し、既存の支持療法では血中尿酸値の管理が不十分と考えられる場合にのみ投与する。
2.がん化学療法後に発症した高尿酸血症の治療における本剤の有効性及び安全性は確立していない[使用経験がない]。
ラスブリカーゼとして0.2mg/kgを1日1回30分以上かけて点滴静注する。なお、投与期間は最大7日間とする。
<用法及び用量に関連する使用上の注意>
1.本剤は、がん化学療法開始4〜24時間前に投与を開始する。
2.投与期間が7日間を超えた場合の有効性及び安全性は確立していない[使用経験がない]。
3.臨床症状及び血中尿酸濃度をモニタリングし、本剤の投与を血中尿酸濃度の管理上必要最小限の期間にとどめる。
4.本剤の初回使用(最大7日間の投与)後に、本剤を再度使用した場合の有効性及び安全性は確立していない[使用経験が少ない]。
5.注射液の調製法:本剤1バイアルを添付溶解液1アンプルで溶解し、必要量を50mLの生理食塩液で希釈する。月齢が24カ月以下の患者の場合、本剤の希釈に用いる生理食塩液を10mLまで減らすことができる。本剤を溶解する際、泡立てないよう穏やかに溶解する。溶解後は速やかに生理食塩液に混和する。
国内の臨床試験において、成人では総数50例中23例(46.0%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。主な副作用は、肝機能障害(AST(GOT)上昇等)6例(12.0%)、アレルギー反応4例(8.0%)、電解質異常(Na、K、Pの異常)4例(8.0%)、悪心・嘔吐3例(6.0%)、注射部位反応(紅斑、硬結等)3例(6.0%)であった。小児では総数30例中6例(20.0%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。主な副作用は、肝機能障害(AST(GOT)上昇等)2例(6.7%)、貧血2例(6.7%)であった。
海外の臨床試験において、成人では総数305例中40例(13.1%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。主な副作用は、悪心・嘔吐7例(2.3%)、発熱6例(2.0%)、肝機能障害(AST(GOT)上昇等)6例(2.0%)、腹痛6例(2.0%)、下痢6例(2.0%)、発疹6例(2.0%)であった。小児では総数275例中97例(35.3%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。主な副作用は、悪心・嘔吐38例(13.8%)、発熱28例(10.2%)、頭痛21例(7.6%)、下痢19例(6.9%)、感染(肺炎、敗血症等を含む)16例(5.8%)、腹痛15例(5.5%)であった(承認時)。
1.重大な副作用
1).ショック、アナフィラキシー(頻度不明):アナフィラキシーショックを含む重篤な過敏症が現れることがあるので、このような症状が認められた場合には本剤の投与を直ちに中止し、適切な処置を行う。
2).溶血性貧血(頻度不明):溶血性貧血が現れることがあるので、患者の状態を十分に観察し、貧血症状が認められた場合は本剤の投与を直ちに中止し、適切な処置を行う。
3).メトヘモグロビン血症(頻度不明):メトヘモグロビン血症が現れることがあるので、チアノーゼ等の症状が認められた場合は本剤の投与を直ちに中止し、適切な処置を行う。
2.その他の副作用
1).血液:(5%未満)白血球減少、貧血、溶血、血小板減少、ヘモグロビン減少、APTT延長。
2).消化器:(5%未満)便秘、悪心・嘔吐、食欲不振、心窩部不快感、咽喉頭不快感、(頻度不明)下痢、腹痛、口内炎。
3).肝臓:(5%以上〜10%未満)肝機能障害(AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、Al−P上昇、総ビリルビン上昇等)、(5%未満)LDH上昇、γ−GTP上昇。
4).腎臓:(5%未満)尿蛋白、排尿困難、血尿。
5).泌尿器:(5%未満)BUN上昇、尿潜血陽性。
6).精神神経系:(5%未満)頭痛、眩暈。
7).皮膚:(5%未満)発疹、皮膚そう痒、脱毛、蕁麻疹。
8).呼吸器:(5%未満)低酸素症、胸膜炎、(頻度不明)呼吸困難、気管支痙攣、鼻炎。
9).筋・骨格:(5%未満)四肢痛、(頻度不明)背部痛、顎痛。
10).代謝及び栄養:(5%以上〜10%未満)電解質異常(Na異常、K異常、P異常)、(5%未満)血糖上昇、総蛋白減少、アミラーゼ上昇、アルブミン低下、(頻度不明)電解質異常(Ca異常、Mg異常)。
11).その他:(5%以上〜10%未満)アレルギー反応、(5%未満)注射部位反応(注射部位硬結、注射部位紅斑等)、発熱、倦怠感、ほてり、(頻度不明)高血圧、徐脈、低血圧、感染(肺炎、敗血症等を含む)、粘膜炎症、浮腫、疲労感、疼痛、カテーテル留置部位反応(カテーテル留置部位紅斑、カテーテル留置部位出血、カテーテル留置部位疼痛等)。
(警告)
1.本剤投与によりアナフィラキシーショックを含む重篤な過敏症が発現する恐れがあるので、投与終了後も十分な観察を行い、また、症状が発現した場合、直ちに投与を中止し適切な処置を行う。
2.溶血性貧血あるいはメトヘモグロビン血症を起こす恐れがあるので、症状が発現した場合、直ちに投与を中止し適切な処置を行う。
3.海外臨床試験において、グルコース−6−リン酸脱水素酵素<G6PD>欠損の患者に本剤を投与後、重篤な溶血性貧血が認められている。G6PD欠損又はその他の赤血球酵素異常の有無については、家族歴の調査等十分に問診を行う。
(禁忌)
1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.グルコース−6−リン酸脱水素酵素<G6PD>欠損の患者又はその他の溶血性貧血を引き起こすことが知られている赤血球酵素異常を有する患者[溶血性貧血を引き起こす恐れがある]。
(慎重投与)
アレルギーを起こしやすい体質を有する患者[重症の即時型アレルギー反応が現れる恐れがある]。
(重要な基本的注意)
1.本剤は必ず抗悪性腫瘍剤と併用されるため、緊急時に十分対応できる医療施設においてがん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで使用する。
2.本剤の投与例に抗ラスブリカーゼ抗体発現(中和抗体発現)したとの報告や、海外試験において、抗ラスブリカーゼ抗体陽性の患者に本剤を投与した後、重篤なアレルギー症状が発現したとの報告があるため、本剤の投与にあたっては、本剤の治療歴がないことを確認して使用する。
3.本剤は臨床検査結果(尿酸値)に影響を及ぼすことがあるので、注意する。
(高齢者への投与)
一般的に高齢者では生理機能が低下しているため、副作用の発現に注意し慎重に投与する。
(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない、また、ラット及びウサギではともに心臓奇形及び血管奇形が認められており、ウサギでは着床後胚損失率増加、死亡胎仔数増加及び吸収胚数増加、生存胎仔数減少及び胎仔重量減少、並びに胎仔骨格発生への影響が認められている]。
2.本剤投与中は授乳を避けさせる[授乳中の投与に関する安全性は確立していない]。
(小児等への投与)
低出生体重児、新生児に対する安全性は確立していない[低出生体重児に対する使用経験はなく、新生児への使用経験は少ない]。
(臨床検査値に及ぼす影響)
採取した血液検体を室温に放置することにより本剤が尿酸を分解し、見かけ上の尿酸値が低くなる。尿酸値の正確な測定を行うためには、血液検体をあらかじめ冷却した試験管に入れ、氷浴等で速やかに低温状態にした上で保存し、採血後4時間以内に測定する。
(過量投与)
本剤の作用機序から、過量投与により血漿中尿酸濃度低下や、過酸化水素濃度増加が考えられるので、過量投与が疑われる患者においては溶血性貧血を起こす恐れがあるため十分に注意する(なお、本剤に対する解毒剤はない)。
(適用上の注意)
1.本剤は他の併用薬<生理食塩液以外>の点滴ラインとは別のラインで投与する(なお、別のラインが使用できない場合は、本剤投与前に生理食塩液でラインを十分に洗浄する)。
2.希釈時にブドウ糖液を使用しない。
3.本剤を投与する際には、フィルターを使用しない。
4.本剤を溶解する際には、振盪しない。なお、溶解後に著しい沈殿の認められるものは使用しない。
5.生理食塩液と混和した後は速やかに使用し、残液は廃棄する(なお、溶解及び希釈後にやむを得ず保存する場合には、2〜8℃で保存し、24時間以内に使用する)。
(保管上の注意)
2〜8℃に遮光して保存。
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