処方薬事典データ協力:株式会社メドレー
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クロピドグレル錠50mg「TCK」の基本情報
基本情報
ADP(アデノシン2リン酸)という物質の働きを阻害し、血小板の活性化に基づく血小板凝集を抑え、血栓の形成を抑え血管をつまらせないようにする薬
- プラビックス
- エフィエント
- パナルジン
- 虚血性脳血管障害<心原性脳塞栓症を除く>後の再発抑制
- 経皮的冠動脈形成術<PCI>が適用される急性冠症候群
- 経皮的冠動脈形成術<PCI>が適用される虚血性心疾患
- 末梢動脈疾患の血栓・塞栓形成の抑制
- 経皮的冠動脈形成術<PCI>が適用されるST上昇心筋梗塞
- 経皮的冠動脈形成術<PCI>が適用される安定狭心症
- 経皮的冠動脈形成術<PCI>が適用される陳旧性心筋梗塞
- 経皮的冠動脈形成術<PCI>が適用される非ST上昇心筋梗塞
- 経皮的冠動脈形成術<PCI>が適用される不安定狭心症
- 1.虚血性脳血管障害(心原性脳塞栓症を除く)後の再発抑制の場合:クロピドグレルとして75mgを1日1回経口投与するが、年齢、体重、症状によりクロピドグレルとして50mgを1日1回経口投与する
- 2.経皮的冠動脈形成術(PCI)が適用される虚血性心疾患の場合:投与開始日にクロピドグレルとして300mgを1日1回経口投与し、その後、維持量として1日1回75mgを経口投与する
- 3.末梢動脈疾患における血栓・塞栓形成の抑制の場合:クロピドグレルとして75mgを1日1回経口投与する
- 病気や症状に応じた注意事項
- 喀血
- 過敏症
- 硝子体出血
- 血友病
- 出血
- 消化管出血
- 頭蓋内出血
- 尿路出血
副作用
注意事項
- 禁止
- 喀血
- 過敏症
- 硝子体出血
- 血友病
- 出血
- 消化管出血
- 頭蓋内出血
- 尿路出血
- 希望禁止
- 絶食
- 慎重投与
- 過敏症
- 重篤な肝障害
- 重篤な腎障害
- 出血傾向
- 出血傾向素因
- 高血圧が持続
- 注意
- 出血
- 出血傾向
- 出血傾向素因
- 血小板凝集抑制が問題となるような手術
- 高血圧が持続
- CYP2C19のIM
- CYP2C19のPM
- HLA−DR4<DRB1*0406>を有する
- 投与に際する指示
- 重篤な肝障害
- 重篤な腎障害
- 出血
- 出血傾向
- 出血傾向素因
- 血小板凝集抑制が問題となるような手術
- 高血圧が持続
- 相対禁止
- 妊婦・産婦
- 慎重投与
- 高齢者
- 投与に際する指示
- 高齢者
- 慎重投与
- 高齢者(65歳〜)
- 低体重
- 投与に際する指示
- 高齢者(65歳〜)
- 低体重
相互作用
- 薬剤名
- 影響
- 非ステロイド系抗炎症剤
- 消化管からの出血が助長
- ナプロキセン
- 消化管からの出血が助長
- 血液凝固阻止剤
- 出血した時出血を助長
- ワルファリン
- 出血した時出血を助長
- ヘパリン製剤
- 出血した時出血を助長
- 血小板凝集抑制作用を有する薬剤
- 出血した時出血を助長
- アスピリン
- 出血した時出血を助長
- 血栓溶解剤
- 出血した時出血を助長
- ウロキナーゼ
- 出血した時出血を助長
- アルテプラーゼ
- 出血した時出血を助長
- 血液凝固阻止剤
- 出血等の副作用
- ワルファリン
- 出血等の副作用
- ヘパリン製剤
- 出血等の副作用
- 血小板凝集抑制作用を有する薬剤
- 出血等の副作用
- アスピリン
- 出血等の副作用
- 血栓溶解剤
- 出血等の副作用
- ウロキナーゼ
- 出血等の副作用
- アルテプラーゼ
- 出血等の副作用
- 薬物代謝酵素<CYP2C19>を阻害する薬剤
- 本剤の作用が減弱
- オメプラゾール
- 本剤の作用が減弱
- 選択的セロトニン再取り込み阻害剤
- 出血を助長
- フルボキサミンマレイン酸塩
- 出血を助長
- 塩酸セルトラリン
- 出血を助長
- CYP2C8で代謝される薬剤
- 血中濃度が増加し血糖降下作用が増強
- レパグリニド
- 血中濃度が増加し血糖降下作用が増強
- セレキシパグ
- 活性代謝物<MRE−269>のCmax及びAUCが増加
- 強力なCYP2C19誘導薬
- 本剤の血小板阻害作用が増強されることにより出血リスクが高まる
- リファンピシン類
- 本剤の血小板阻害作用が増強されることにより出血リスクが高まる
- モルヒネ
- 本剤の血漿中濃度が低下
処方理由
この薬をファーストチョイスする理由(2020年11月更新)
・出血リスクは低めだが、日本人で有効でない例があることや、手術前の休薬期間が長いことがデメリットである。(30歳代病院勤務医、脳神経内科)
・急性期はバイアスピリンですが長期投与となるとクロピドグレルが多いイメージです。(40歳代病院勤務医、脳神経内科)
・比較的昔から使っているのと、バイアスピリンなどは脳出血のリスクが高いから。(50歳代診療所勤務医、リハビリテーション科)
・脳梗塞の再発予防効果が高く、副作用が比較的少ない。(40歳代病院勤務医、脳神経内科)
この薬をファーストチョイスする理由(2019年3月更新)
・副作用が少なく、安定している。脳血管障害の予防効果が高い。後発品でも値段が高いことのみ欠点。(40歳代病院勤務医、リハビリテーション科)
・アスピリンに比べて、わずかではあるが、脳梗塞の予防効果が高いこと。また、アスピリンよりも胃粘膜への負担が少ないこと。(40歳代病院勤務医、神経内科)
・イベント抑制はアスピリン並み、しかし、アスピリンほど胃潰瘍を起こさない。(50歳代病院勤務医、神経内科)
・以前はバイアスピリンでしたが、最近はファーストチョイスで使用しています。効果、安全性ともに高いと感じています。(40歳代病院勤務医、神経内科)
・リバース可能な薬剤があるし、後発品が出て患者負担が少なくなった。(60歳代開業医、一般内科)
この薬をファーストチョイスする理由(2017年8月更新)
・効果が確実。プラスグレルも悪くないが、適応が広い点でクロピドグレルの方が使いやすい。(50歳代病院勤務医、循環器内科)
・ASOや脳梗塞にも有用。(50歳代診療所勤務医、循環器内科)
・以前はバイアスピリンの処方多かったが、脳出血などの危惧もあり、最近はプラビックス処方多くなってきている。(50歳代病院勤務医、代謝・内分泌内科)
・1日1回投与。副作用が少ない。CYP2C19遺伝子多型による治療抵抗性に注意。(40歳代病院勤務医、脳神経外科)
・副作用が少なく、頭蓋内出血が少ない。リスクを多く抱える患者に関しては、脳梗塞予防においてアスピリンよりも優れているエビデンスがある。(30歳代病院勤務医、神経内科)
・通常75mgを処方しているが、高齢者あるいは皮下出血斑が出現した場合は25mg錠を用いて50mgに減量できて便利である。(70歳以上病院勤務医、脳神経外科)
・パナルジンの改良型で安全性も高いため使用している。(60歳代開業医、一般内科)
この薬をファーストチョイスする理由(2015年9月更新)
・1日1回投与で、出血リスクを含め副作用が少ない。脳、心、下肢3疾患に適応がある。(50代勤務医、循環器内科)
・アテローム血栓症(ATIS)の管理という観点から、現在の抗血小板療法のメインとしている。(50代勤務医、代謝・内分泌内科)
・経皮的冠動脈インターベンション(PCI)後に抗血小板薬併用療法(DAPT)が必要なので、特に多く使います。(40代勤務医、循環器内科)
・脳梗塞急性期治療で、他の抗血小板薬に比べ効果発現が早く、エビデンスがある。(50代勤務医、神経内科)
・耳鼻科領域でも、耳疾患や嚥下障害に対する有効性が論文発表されているから。(30代勤務医、耳鼻咽喉科)
・ワーファリンなどと違い、定量的なモニタリングがそこまで必要ではない(腎機能のチェックは必要だが)。粒が小さいから飲みやすい。(30代勤務医、総合診療科)
・他薬との相互作用、胃腸障害の面でアスピリンより優れ、パナルジンより肝障害が少なく、相対的に使いやすい。効果面ではエビデンスに優れ、使用上の実感も合致する。(50代勤務医、一般内科)
・1日50mg投与で、特にトラブルがない。シロスタゾールのような心悸亢進作用がない点が使いやすい。(60代開業医、一般内科)
・主に二次予防での使用だが、有効性は比較的良い印象で、出血事象も少ないように思う。一方で、間質性肺炎を来した経験があり、安全性には注意している。(30代診療所勤務医、神経内科)
添付文書
1.虚血性脳血管障害<心原性脳塞栓症を除く>後の再発抑制。
2.次記の経皮的冠動脈形成術<PCI>が適用される虚血性心疾患(経皮的冠動脈形成術<PCI>が適用される急性冠症候群(経皮的冠動脈形成術<PCI>が適用される不安定狭心症、経皮的冠動脈形成術<PCI>が適用される非ST上昇心筋梗塞、経皮的冠動脈形成術<PCI>が適用されるST上昇心筋梗塞)、経皮的冠動脈形成術<PCI>が適用される安定狭心症、経皮的冠動脈形成術<PCI>が適用される陳旧性心筋梗塞)。
3.末梢動脈疾患における血栓・塞栓形成の抑制。
<効能又は効果に関連する使用上の注意>
経皮的冠動脈形成術<PCI>が適用される虚血性心疾患の場合:PCIが適用予定の虚血性心疾患患者への投与は可能であるが、冠動脈造影により、保存的治療あるいは冠動脈バイパス術が選択され、PCIを適用しない場合には、以後の投与は控える。
1.虚血性脳血管障害(心原性脳塞栓症を除く)後の再発抑制の場合:クロピドグレルとして75mgを1日1回経口投与するが、年齢、体重、症状によりクロピドグレルとして50mgを1日1回経口投与する。
2.経皮的冠動脈形成術(PCI)が適用される虚血性心疾患の場合:投与開始日にクロピドグレルとして300mgを1日1回経口投与し、その後、維持量として1日1回75mgを経口投与する。
3.末梢動脈疾患における血栓・塞栓形成の抑制の場合:クロピドグレルとして75mgを1日1回経口投与する。
<用法及び用量に関連する使用上の注意>
空腹時の投与は避けることが望ましい(国内第1相臨床試験において絶食投与時に消化器症状がみられている)。
1.虚血性脳血管障害<心原性脳塞栓症を除く>後の再発抑制の場合:出血増強する恐れがあるので、特に出血傾向、出血傾向素因のある患者等については、50mg1日1回から投与する。
2.経皮的冠動脈形成術(PCI)が適用される虚血性心疾患の場合:
1).経皮的冠動脈形成術<PCI>が適用される虚血性心疾患の場合、抗血小板薬二剤併用療法期間は、アスピリン(81〜100mg/日)と併用する(抗血小板薬二剤併用療法期間終了後の投与方法については、国内外の最新のガイドライン等を参考にする)。
2).経皮的冠動脈形成術<PCI>が適用される虚血性心疾患の場合、ステント留置患者への本剤投与時には該当医療機器の添付文書を必ず参照する。
3).経皮的冠動脈形成術<PCI>が適用される虚血性心疾患の場合、PCI施行前にクロピドグレル75mgを少なくとも4日間投与されている場合、ローディングドーズ投与(投与開始日に300mgを投与すること)は必須ではない。
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
1.重大な副作用(頻度不明)
1).出血(頭蓋内出血、胃腸出血等の出血):
(1).脳出血等の頭蓋内出血、硬膜下血腫等:脳出血等の頭蓋内出血(初期症状:頭痛、悪心・嘔吐、意識障害、片麻痺等)、硬膜下血腫等が現れることがあるので、このような場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
(2).吐血、下血、胃腸出血、眼底出血、関節血腫等:吐血、下血、胃腸出血、眼底出血、関節血腫、腹部血腫、後腹膜出血等が現れることがあるので、このような場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
2).胃・十二指腸潰瘍:出血を伴う胃潰瘍・十二指腸潰瘍が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行う。
3).肝機能障害、黄疸:ALT上昇(GPT上昇)、γ−GTP上昇、AST上昇(GOT上昇)、黄疸、急性肝不全、肝炎等が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、必要に応じ適切な処置を行う。
4).血栓性血小板減少性紫斑病(TTP):TTPが現れることがあるので、観察を十分に行い、TTPの初期症状である倦怠感、食欲不振、紫斑等の出血症状、意識障害等の精神・神経症状、血小板減少、破砕赤血球の出現を認める溶血性貧血、発熱、腎機能障害等が発現した場合には、直ちに投与を中止し、血液検査(網赤血球、破砕赤血球の同定を含む)を実施し、必要に応じ血漿交換等の適切な処置を行う。
5).間質性肺炎、好酸球性肺炎:間質性肺炎、好酸球性肺炎が現れることがあるので、観察を十分に行い、咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音異常等が認められた場合には、速やかに胸部X線、速やかに胸部CT等の検査を実施し、異常が認められた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行う。
6).血小板減少、無顆粒球症、再生不良性貧血を含む汎血球減少症:血小板減少、無顆粒球症、再生不良性貧血を含む汎血球減少症が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
7).中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)、多形滲出性紅斑、急性汎発性発疹性膿疱症:中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、多形滲出性紅斑、急性汎発性発疹性膿疱症が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
8).薬剤性過敏症症候群:初期症状として発疹、発熱がみられ、更に肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状が現れることがあるので、観察を十分に行い、このような症状が現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行う(なお、ヒトヘルペスウイルス6再活性化(HHV−6再活性化)等のウイルス再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意する)。
9).後天性血友病:後天性血友病が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
10).横紋筋融解症:筋肉痛、脱力感、CK上昇(CPK上昇)、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症が現れ、これに伴って急性腎障害等の重篤な腎障害が現れることがあるので、このような場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行う。
2.その他の副作用:次記の副作用が現れることがあるので、異常が認められた場合には必要に応じ投与を中止するなど適切な処置を行う。
1).血液:(頻度不明)皮下出血、貧血、紫斑(紫斑病)、鼻出血、止血延長、眼出血、歯肉出血、痔出血、血痰、穿刺部位出血、処置後出血、ヘモグロビン減少、赤血球減少、ヘマトクリット減少、白血球減少、好中球減少、好酸球増多、月経過多、口腔内出血、術中出血、カテーテル留置部位血腫、口唇出血、陰茎出血、尿道出血、好酸球減少、血清病。
2).肝臓:(頻度不明)Al−P上昇、LDH上昇、血清ビリルビン上昇、胆嚢炎、胆石症、黄疸。
3).消化器:(頻度不明)消化器不快感、胃腸炎、口内炎、腹痛、嘔気、下痢、食欲不振、便秘、食道炎、嘔吐、腹部膨満、消化不良、口渇、耳下腺痛、歯肉炎(歯齦炎)、歯肉腫脹、唾液分泌過多、消化器粘膜出血、腸管虚血、大腸炎(潰瘍性大腸炎、リンパ球性大腸炎)、膵炎。
4).代謝異常:(頻度不明)中性脂肪上昇、CK上昇(CPK上昇)、総コレステロール上昇、総蛋白低下、K上昇、アルブミン低下、血糖上昇、K下降、血中尿酸上昇、アミラーゼ上昇、Cl下降、Na上昇、Na下降。
5).過敏症:(頻度不明)発疹、そう痒感、湿疹、蕁麻疹、紅斑、光線過敏性皮膚炎、眼瞼浮腫、アナフィラキシー、斑状丘疹性皮疹、血管浮腫、気管支痙攣。
6).皮膚:(頻度不明)脱毛、皮膚乾燥、水疱性皮疹、扁平苔癬。
7).感覚器:(頻度不明)眼充血、眼瞼炎、眼精疲労、視力低下、複視、嗅覚障害、結膜炎、味覚異常、味覚消失。
8).精神神経系:(頻度不明)頭痛、高血圧、眩暈、しびれ、筋骨格硬直(肩こり、手指硬直)、意識障害、不眠症、意識喪失、音声変調、低血圧、てんかん、眠気、皮膚感覚過敏、流涙、気分変動。
9).循環器:(頻度不明)浮腫、頻脈、不整脈、動悸、心電図異常、胸痛、脈拍数低下、徐脈、血管炎。
10).腎臓:(頻度不明)BUN上昇、血中クレアチニン上昇、尿蛋白増加、血尿、尿沈渣異常、尿糖陽性、腎機能障害、急性腎障害、尿閉、頻尿、尿路感染、糸球体症。
11).呼吸器:(頻度不明)咳、気管支肺炎、胸水、痰。
12).その他:(頻度不明)ほてり、関節炎、発熱、異常感(浮遊感、気分不良)、多発性筋炎、滑液包炎、男性乳房痛、乳汁分泌過多、乳腺炎、倦怠感、腰痛、多発性関節炎、肩痛、腱鞘炎、注射部位腫脹、CRP上昇、筋痛、関節痛、女性化乳房。
(禁忌)
1.出血している患者(血友病、頭蓋内出血、消化管出血、尿路出血、喀血、硝子体出血等)[出血を助長する恐れがある]。
2.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
(慎重投与)
1.次の患者では出血の危険性が高くなる恐れがあるので慎重に投与する(なお、虚血性脳血管障害(心原性脳塞栓症を除く)後の再発抑制の場合は、50mg1日1回投与などを考慮する):1)出血傾向及び出血傾向素因のある患者、2)重篤な肝障害のある患者、3)重篤な腎障害のある患者、4)高血圧が持続している患者、5)高齢者、6)低体重の患者。
2.他のチエノピリジン系薬剤(チクロピジン塩酸塩等)に対し過敏症の既往歴のある患者。
(重要な基本的注意)
1.血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、無顆粒球症、重篤な肝障害等の重大な副作用が発現することがあるので、投与開始後2カ月間は、2週間に1回程度の血液検査等の実施を考慮する。
2.虚血性心疾患を対象として本剤を適用するにあたっては、ローディングドーズ投与(投与開始日に300mgを投与すること)及びアスピリンとの併用によって出血のリスクが高まる可能性があることを十分考慮する。
3.本剤による血小板凝集抑制が問題となるような手術の場合には、14日以上前に投与を中止することが望ましい(なお、十分な休薬期間を設けることが出来ない場合は重大な出血のリスクが高まることが報告されているので十分に観察する)、また、投与中止期間中の血栓症や塞栓症のリスクの高い症例では、適切な発症抑制策を講じる(手術後に本剤の再投与が必要な場合には、手術部位の止血を確認してから再開する)。
4.他の出血の危険性を増加させる薬剤等との相互作用に注意するとともに、高血圧が持続する患者への投与は慎重に行い、本剤投与中は十分な血圧のコントロールを行う。
5.再発の危険性の高い虚血性脳血管障害患者において、アスピリンと併用した時、クロピドグレル単剤に比べ重大な出血の発現率の増加が海外で報告されているので、併用する場合は十分注意する。
6.出血の危険性及び血液学的副作用の恐れがあることから、出血を起こす危険性が高いと考えられる場合には、中止・減量等を考慮する。また、出血を示唆する臨床症状が疑われた場合は、直ちに血球算定等の適切な検査を実施する。
7.後天性血友病(活性化部分トロンボプラスチン時間延長(aPTT延長)、第8因子活性低下等)が現れることがあるので、aPTTの延長等が認められた場合には、出血の有無にかかわらず、後天性血友病の可能性を考慮し、専門医と連携するなど適切な処置を行う。
8.患者には通常よりも出血しやすくなることを説明し、異常な出血が認められた場合には医師に連絡するよう注意を促す。また、他院(他科)を受診する際には、本剤を服用している旨を医師に必ず伝えるよう患者に注意を促す。
(相互作用)
本剤は、主にCYP2C19により活性代謝物に代謝され、CYP1A2、CYP2B6、CYP3A4等も活性代謝物の生成に寄与する。また、本剤のグルクロン酸抱合体はCYP2C8を阻害する。
併用注意:
1.非ステロイド性消炎鎮痛薬(ナプロキセン等)[本剤との併用により、消化管からの出血が助長されたとの報告がある(本剤は血小板凝集抑制作用を有するため、これら薬剤と併用すると消化管出血を助長すると考えられている)]。
2.抗凝固薬(ワルファリン、ヘパリン等)、血小板凝集抑制作用を有する薬剤(アスピリン等)、血栓溶解薬(ウロキナーゼ、アルテプラーゼ等)[出血した時出血を助長する恐れがあるので、併用時には出血等の副作用に注意する(本剤は血小板凝集抑制作用を有するため、これら薬剤と併用すると出血を助長する恐れがある)]。
3.薬物代謝酵素<CYP2C19>を阻害する薬剤(オメプラゾール)[本剤の作用が減弱する恐れがある(CYP2C19を阻害することにより、本剤の活性代謝物の血中濃度が低下する)]。
4.選択的セロトニン再取り込み阻害剤<SSRI>(フルボキサミンマレイン酸塩、セルトラリン塩酸塩等)[出血を助長する恐れがある(SSRIの投与により血小板凝集が阻害され、本剤との併用により出血を助長すると考えられる)]。
5.薬物代謝酵素<CYP2C8>の基質となる薬剤(レパグリニド)[レパグリニドの血中濃度が増加し血糖降下作用が増強する恐れがある(本剤のグルクロン酸抱合体によるCYP2C8阻害作用により、これら薬剤の血中濃度が増加すると考えられる)]。
6.セレキシパグ[セレキシパグの活性代謝物<MRE−269>のCmax及びAUCが増加したとの報告があるので、本剤と併用する場合には、セレキシパグの減量を考慮する(本剤のグルクロン酸抱合体によるCYP2C8阻害作用により、これら薬剤の血中濃度が増加すると考えられる)]。
7.強力なCYP2C19誘導薬(リファンピシン)[本剤の血小板阻害作用が増強されることにより出血リスクが高まる恐れがあるので、リファンピシン等の強力なCYP2C19誘導薬との併用は避けることが望ましい(クロピドグレルは主にCYP2C19によって活性代謝物に代謝されるため、CYP2C19酵素を誘導する薬剤との併用により本剤の活性代謝物の血漿中濃度が増加する)]。
8.モルヒネ[本剤の血漿中濃度が低下する恐れがある(モルヒネの消化管運動抑制により、本剤の吸収が遅延すると考えられる)]。
(高齢者への投与)
高齢者では造血機能、腎機能、肝機能等の生理機能が低下していることが多く、また体重が少ない傾向があり、出血等の副作用が現れやすいので、減量などを考慮し、患者の状態を観察しながら、慎重に投与する。
(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない]。
2.授乳中の婦人には本剤投与中は授乳を避けさせる[動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている]。
(小児等への投与)
小児等に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
(過量投与)
本剤の過量投与により凝固時間延長及び出血が生じる恐れがあるので、出血が認められた場合、適切な処置を取る(なお、特異的な解毒剤は知られていないので、緊急措置が必要な場合は血小板輸血を考慮する)。
(適用上の注意)
薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。
(その他の注意)
1.国内で実施された健康成人を対象とした臨床薬理試験において、本剤300mgを初回投与後24時間の最大血小板凝集能(5μM ADP惹起maximum platelet aggregation intensity(MAI):%)は、CYP2C19の代謝能に応じて、Extensive metabolizer(EM)群、Intermediate metabolizer(IM)群、Poor metabolizer(PM)群の順に、43.67±6.82、47.17±5.71、54.11±4.34であり、その後6日間にわたって本剤75mg/日を投与した後のMAI(%)は、それぞれ32.87±5.10、39.41±6.34、47.48±3.60と、CYP2C19のPM群において本剤の血小板凝集抑制作用が低下した。
2.海外における経皮的冠動脈形成術施行を予定した患者を対象とした臨床試験及び複数の観察研究において、CYP2C19のPMもしくはCYP2C19のIMでは、CYP2C19のEMと比較して、本剤投与後の心血管系イベント発症率の増加が報告されている。
3.本剤投与中に、重度低血糖を引き起こす可能性があるインスリン自己免疫症候群が発症したとの報告があり、HLA型を解析した症例の中には、インスリン自己免疫症候群の発現と強く相関するとの報告があるHLA−DR4<DRB1*0406>を有する症例があった。なお、日本人はHLA−DR4(DRB1*0406)を保有する頻度が高いとの報告がある。
(取扱い上の注意)
安定性試験:加速試験(40℃、相対湿度75%、6カ月)の結果、本剤は通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された。
(保管上の注意)
防湿。
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