処方薬事典データ協力:株式会社メドレー
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エンシュア・Hの基本情報
基本情報
- 手術後の栄養保持
- 長期にわたり経口的食事摂取が困難の安静時エネルギー消費量が亢進の経管栄養補給
- 長期にわたり経口的食事摂取が困難の経腸栄養剤の投与時間の短縮が望ましいの経管栄養補給
- 長期にわたり経口的食事摂取が困難の経腸栄養剤の投与容量を減らしたいの経管栄養補給
- 長期にわたり経口的食事摂取が困難の水分の摂取制限が必要の経管栄養補給
- 標準量として成人には1日1000〜1500mL(1500〜2250kcal)を経管又は経口投与する
- 1mL当たり1.5kcalである
- なお、年齢、症状により適宜増減する
- 経管投与では本剤を1時間に50〜100mLの速度で持続的又は1日数回に分けて投与する
- なお、消化吸収障害がなく経腸栄養剤の投与時間の短縮が望ましい患者には1時間に400mLの速度まで上げることができる
- 経口投与では1日1回又は数回に分けて投与する
副作用
注意事項
- 禁止
- 過敏症
- 急性腎炎
- 腎不全末期
- ネフローゼ
- 悪心を合併している心不全
- 下痢を合併している心不全
- 嘔吐を合併している心不全
- 牛乳たん白アレルギー
- 注意
- 意識不明
- 口渇を訴えることのできない
- 高度腸管機能障害
- 高熱
- 昏睡状態
- 重篤な下痢
- 腎障害
- 短腸症候群
- 糖代謝異常
- 著しい脱水状態
- 重症心不全<悪心・嘔吐・下痢を合併している心不全を除く>
- 腎障害<蛋白質や電解質制限が必要な急性腎炎・ネフローゼ・腎不全末期除く>
- 禁止
- 妊婦・産婦
- 相対禁止
- 妊婦・産婦
- 慎重投与
- 高齢者
- 注意
- 授乳婦
- 新生児(低出生体重児を含む)
- 乳児
- 幼児・小児
- 投与に際する指示
- 妊婦・産婦
- 高齢者
- 禁止
- 妊娠を希望する女性
- 注意
- 小児等(0歳〜14歳)
- 投与に際する指示
- 妊娠を希望する女性
相互作用
処方理由
この薬をファーストチョイスする理由(2017年4月更新)
・250mLで375Kcalも投与できる上に、充分な量の蛋白質やビタミン、ミネラル、微量元素がバランス良く配合されていて、摂食量の少ないフレイル高齢者の栄養補助に適している。(50歳代診療所勤務医、一般内科)
・エンシュア・リキッドの1.5倍のカロリーが摂取できる。また、味が良く、フレーバーの種類の多さも患者に好評。(40歳代病院勤務医、代謝・内分泌内科)
・使い慣れているし、味も良くなった。ただし缶なので重い。(50歳代診療所勤務医、一般外科)
・味の種類が多いのが良い。ただし、牛乳の味がダメな人には難しいのと、一缶がそれなりに重いのは難点。(30歳代病院勤務医、放射線科)
・フレイルや栄養失調の患者に効率よくカロリーを補給できます。(60歳代診療所勤務医、一般内科)
・カロリーが高めで処方しやすいが、下痢を引き起こしやすくもある。(30歳代病院勤務医、神経内科)
この薬をファーストチョイスする理由(2015年12月更新)
・味のバリエーションが多いことと、栄養バランスがよいこと。(50代勤務医、一般外科)
・水分負荷をかけたくない人や摂取量が入らない人など、できるだけ効率よくカロリーアップしたい人に使用します。味も比較的いい。(40代勤務医、一般外科)
・400mLでも600kcalのエネルギーが取れるため、間欠投与で使いやすい。ただし下痢の頻度が多いため、最初は別の経腸栄養から開始する。(20代勤務医、神経内科)
・ラコールもよく使うが、味はエンシュアHの方が上かと。(50代勤務医、一般内科)
・経口栄養剤のうちで最も高カロリーで、1ccで1.5Kcalの栄養を効率よく摂取できる。水分制限の患者にも使いやすい。風味も5種類あり、処方しやすい。(60代診療所勤務医、一般内科)
・1.5kcal/1mLの割にはおいしい。フレーバーも豊富。(30代勤務医、総合診療科)
・消化吸収に優れる。副作用が気になることは少ない。(30代診療所勤務医、精神科)
・高齢者で、量を少なく高カロリーを摂取したい時、心疾患などで水分制限を受けている場合などに重宝します。(50代勤務医、一般内科)
添付文書
一般に、手術後患者の栄養保持に用いることができるが、特に長期にわたり経口的食事摂取が困難で、単位量当たり高カロリー(1.5kcal/mL)の経腸栄養剤を必要とする次記の患者の経管栄養補給に使用する:1)水分の摂取制限が必要な患者(心不全や腎不全を合併している患者など)、2)安静時エネルギー消費量が亢進している患者(熱傷患者、感染症を合併している患者など)、3)経腸栄養剤の投与容量を減らしたい患者(容量依存性の腹部膨満感を訴える患者など)、4)経腸栄養剤の投与時間の短縮が望ましい患者(口腔外科や耳鼻科の術後患者など)。
標準量として成人には1日1000〜1500mL(1500〜2250kcal)を経管又は経口投与する。1mL当たり1.5kcalである。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
経管投与では本剤を1時間に50〜100mLの速度で持続的又は1日数回に分けて投与する。なお、消化吸収障害がなく経腸栄養剤の投与時間の短縮が望ましい患者には1時間に400mLの速度まで上げることができる。経口投与では1日1回又は数回に分けて投与する。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):血圧低下、意識障害、呼吸困難、チアノーゼ、悪心、胸内苦悶、顔面潮紅、そう痒感、発汗等があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.2. その他の副作用
1). 消化器:(5%以上)下痢、(0.1〜5%未満)胃部不快感、腹部膨満感、悪心、嘔吐。
2). 肝臓:(頻度不明)肝機能異常(AST上昇、ALT上昇、γ−GTP上昇、ALP上昇等)。
3). 代謝・栄養:(0.1〜5%未満)BUN上昇、血中カリウム上昇、LDH上昇、アミラーゼ上昇。
4). 過敏症:(頻度不明)発疹。
(禁忌)
2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 牛乳たん白アレルギーを有する患者[本剤は牛乳由来のカゼインが含まれているため、ショック、アナフィラキシーを引き起こすことがある]。
2.3. たん白質や電解質の厳密な制限が必要な急性腎炎、ネフローゼ、腎不全末期の患者〔9.2.1参照〕。
2.4. 悪心を合併している心不全、嘔吐を合併している心不全、下痢を合併している心不全患者[病態が悪化するおそれがある]〔9.1.1参照〕。
2.5. 妊娠3カ月以内又は妊娠を希望する女性へのビタミンA5000IU/日以上の投与〔9.5.1参照〕。
(重要な基本的注意)
8.1. 本剤は1mL当たり1.5kcalに調製されているため、本剤を投与する場合、低濃度(1kcal/mL以下)の他の経腸栄養剤を投与し、下痢等の副作用が発現しないことを確認すること。また、消化吸収障害がない患者では当初から本剤を投与してもよい。
8.2. ビタミン、電解質及び微量元素の不足を生じる可能性があるので、必要に応じて補給すること(長期投与中にセレン欠乏症(心機能低下、爪白色変化、筋力低下等)があらわれたとの報告がある)。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 重症心不全<悪心・嘔吐・下痢を合併している心不全を除く>患者:下痢等の副作用が認められた場合には本剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと(しばしば脂肪吸収障害がみられる)〔2.4、9.8高齢者の項参照〕。
9.1.2. 短腸症候群などの高度腸管機能障害を有する患者:下痢を起こすおそれがある。
9.1.3. 糖代謝異常の患者:高血糖になるおそれがある。
9.1.4. 水分の補給に注意を要する次の患者[1)昏睡状態の患者、2)意識不明の患者、3)口渇を訴えることのできない患者、4)高熱を伴う患者、5)重篤な下痢など著しい脱水状態の患者、6)腎障害のある患者]:脱水状態になる、又は脱水状態が悪化するおそれがある。
(腎機能障害患者)
9.2.1. たん白質や電解質の厳密な制限が必要な急性腎炎、ネフローゼ、腎不全末期の患者:投与しないこと(病態が悪化するおそれがある)〔2.3、9.8高齢者の項参照〕。
9.2.2. 腎障害<蛋白質や電解質制限が必要な急性腎炎・ネフローゼ・腎不全末期除く>のある患者:観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと(血清カリウム上昇やBUN上昇することがある)〔9.8高齢者の項参照〕。
(生殖能を有する者)
〔9.5.1参照〕。
(妊婦)
9.5.1. 妊娠3カ月以内又は妊娠を希望する女性:ビタミンA5000IU/日以上は投与しないこと(投与する場合は、用法及び用量に留意し、本剤によるビタミンAの投与は5000IU/日未満に留めるなど必要な注意を行うこと。外国において、妊娠前3カ月から妊娠初期3カ月までにビタミンAを10000IU/日以上摂取した女性から出生した児に、頭蓋神経堤などを中心とする奇形発現の増加が推定されたとする疫学調査結果がある)〔2.5、9.4生殖能を有する者の項参照〕。
9.5.2. 妊婦<妊娠3カ月以内の女性を除く>:治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
(小児等)
小児等を対象とした有効性・安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
(高齢者)
例えば1時間に50mLの低速度から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能が低下していることが多い)〔9.1.1、9.2.1、9.2.2参照〕。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤投与時の注意
14.1.1. 投与容器は清潔なものを用いること。
14.1.2. 本剤を経管投与する場合、内径2mm以上のチューブを使用することが望ましい。
14.1.3. 可塑剤としてDEHP[di−(2−ethylhexyl)phthalate:フタル酸ジ−(2−エチルヘキシル)]を含むポリ塩化ビニル製の栄養セット及びフィーディングチューブ等を使用した場合、DEHPが製剤中に溶出するので、DEHPを含まない栄養セット及びフィーディングチューブ等を使用することが望ましい。
14.1.4. 静脈内等には投与しないこと。
14.1.5. 標準速度は1時間に50〜100mLであるが、通常は、低速度から投与を開始し、徐々に標準速度に達するようにすること。下痢等の副作用が発現した場合には、速度を下げ症状の改善を待ち、その後、標準速度に達するようにすること。
14.1.6. 本剤は水で希釈することなく使用すること。
14.1.7. 分割投与の開始時、又は持続的投与の数時間ごとに、胃内容物の残存を確認すること。
14.1.8. 経管投与においては、分割投与の終了ごと、あるいは持続的投与の数時間ごとに少量の水でチューブをフラッシングすること。
14.1.9. 本剤は開缶直前によく振ってから使用すること。使用時に白色の浮遊物又は沈殿物(脂肪あるいはカルシウム)がみられることがあるが、品質の異常ではない。
14.1.10. 本剤を加温する場合は、未開缶のまま微温湯(30〜40℃)で行い、直火での加温は避けること。
(取扱い上の注意)
20.1. 開缶後は密閉し、冷蔵庫内に保存すること。開缶48時間以内に使用すること。
20.2. 本剤を冷凍するのは避けること。
(保管上の注意)
室温保存。
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