処方薬事典データ協力:株式会社メドレー
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インクレミンシロップ5%の基本情報
基本情報
赤血球の生成に関わる鉄(鉄分)を体内に補充することで、主に鉄欠乏性貧血による頭痛やめまい、息切れなどの症状を改善する薬
- インクレミンシロップ
- フェロミア
- フェルム
- 鉄欠乏性貧血
- 次の量を1日量とし、3〜4回に分けて経口投与する
- 1歳未満:シロップとして2〜4mL(溶性ピロリン酸第二鉄として100〜200mg、鉄として12〜24mg)
- 1〜5歳:シロップとして3〜10mL(溶性ピロリン酸第二鉄として150〜500mg、鉄として18〜60mg)
- 6〜15歳:シロップとして10〜15mL(溶性ピロリン酸第二鉄として500〜750mg、鉄として60〜90mg)
- なお、年齢、症状により適宜増減する
副作用
注意事項
- 禁止
- 鉄欠乏状態にない
- 慎重投与
- 胃腸疾患
- 限局性腸炎
- 消化性潰瘍
- 発作性夜間血色素尿症
- 慢性潰瘍性大腸炎
- 注意
- 新生児(低出生体重児を含む)
- 乳児
- 投与に際する指示
- 新生児(低出生体重児を含む)
- 乳児
- 注意
- 低出生体重児(0日〜27日)
- 新生児(0日〜27日)
- 乳児(0日〜364日)
- 投与に際する指示
- 低出生体重児(0日〜27日)
- 新生児(0日〜27日)
- 乳児(0日〜364日)
相互作用
- 薬剤名
- 影響
- テトラサイクリン系抗生物質<経口>
- 相互に吸収を阻害し効果が減弱
- テトラサイクリン<経口>
- 相互に吸収を阻害し効果が減弱
- ミノサイクリン<経口>
- 相互に吸収を阻害し効果が減弱
- 制酸剤
- 本剤の吸収が阻害され効果が減弱
- セフジニル<経口>
- 吸収を阻害し効果を減弱
- ニューキノロン系抗菌剤<経口>
- 吸収を阻害し効果を減弱
- オフロキサシン<服用>
- 吸収を阻害し効果を減弱
- 塩酸シプロフロキサシン<服用>
- 吸収を阻害し効果を減弱
- ノルフロキサシン<経口>
- 吸収を阻害し効果を減弱
- 甲状腺製剤<経口>
- 吸収を阻害し効果を減弱
- 乾燥甲状腺<経口>
- 吸収を阻害し効果を減弱
- レボチロキシン<経口>
- 吸収を阻害し効果を減弱
- リオチロニンナトリウム<経口>
- 吸収を阻害し効果を減弱
- アロプリノール
- 肝の鉄貯蔵量が増加
- タンニンを含むもの<ウーロン茶、コーヒー、赤ワイン、紅茶、日本茶 など>
処方理由
この薬をファーストチョイスする理由(2021年4月更新)
・インクレミンシロップを、乳幼児の鉄欠乏性貧血に使う事が多い。まずまず効果はあり、大きな副作用はないと思う(便が黒くなったり、味の関係で飲んでくれない時はあると思う)。(40歳代病院勤務医、小児科)
・鉄剤は嘔気や便秘などの副作用があるが、インクレミンのシロップが内服量もコントロールしやすく比較的内服しやすいと考えている。(50歳代病院勤務医、心療内科)
・小児に処方することが多いので、飲みやすく、嘔気が少ない印象がある。(40歳代病院勤務医、小児科)
・他剤では消化器症状などで続かず、結局インクレミンに落ち着く事が多い(40歳代病院勤務医、一般内科)
・液体で飲みやすい。子供や赤ちゃんで出しやすい。甘いのもよい。(40歳代病院勤務医、小児科)
この薬をファーストチョイスする理由(2019年9月更新)
・小児では、シロップ剤があるのは助かります。年長児、特に女児では胃痛が多いのでフェロミアなど多数のものを試しながら使っています。(60歳代病院勤務医、小児科)
・小児科なので、まずシロップ剤から開始することが多いです。シロップを嫌がるときは、他剤の顆粒などの剤形に変更します。(50歳代開業医、小児科)
・鉄剤なので効果はあると思いますが、味があまり美味しくないのが難点だと思います。(40歳代病院勤務医、小児科)
・唯一のシロップ剤形あるため。味はまずいが選択肢がないので。(60歳代病院勤務医、小児科)
この薬をファーストチョイスする理由(2017年2月更新)
・シロップ製剤があり、乳幼児にも内服可能である点が良い。効果と安全性も問題ない。(50歳代病院勤務医、小児科)
・液体なので量の調節がしやすい。(50歳代開業医、小児科)
・乳児にも処方しやすいのですが、味が悪く飲んでくれない事も多いです。(40歳代病院勤務医、小児科)
・シロップ製剤は高齢者でも飲みやすいように感じています。(50歳代診療所勤務医、総合診療科)
添付文書
鉄欠乏性貧血。
次の量を1日量とし、3〜4回に分けて経口投与する。
1歳未満:シロップとして2〜4mL(溶性ピロリン酸第二鉄として100〜200mg、鉄として12〜24mg)。
1〜5歳:シロップとして3〜10mL(溶性ピロリン酸第二鉄として150〜500mg、鉄として18〜60mg)。
6〜15歳:シロップとして10〜15mL(溶性ピロリン酸第二鉄として500〜750mg、鉄として60〜90mg)。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
本剤の副作用集計対象となった150例において、副作用及び臨床検査値の異常は認められなかった(承認時)。
本項は自発報告など副作用発現頻度が算出できない副作用報告等に基づく。
次のような副作用が現れた場合には、症状に応じて適切な処置を行う。
1.消化器:(頻度不明)悪心、嘔吐、食欲不振、腹痛、下痢、便秘、胃部不快感。
2.皮膚:(頻度不明)光線過敏症[観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う]。
3.過敏症:(頻度不明)発疹、蕁麻疹、そう痒[投与を中止するなど適切な処置を行う]。
(禁忌)
鉄欠乏状態にない患者[鉄過剰症を起こす恐れがある]。
(慎重投与)
1.消化性潰瘍、慢性潰瘍性大腸炎、限局性腸炎等の胃腸疾患のある患者[症状を増悪させる恐れがある]。
2.発作性夜間血色素尿症の患者[溶血を誘発することがある]。
(相互作用)
併用注意:
1.テトラサイクリン系抗生物質<服用>(テトラサイクリン<服用>、ミノサイクリン<服用>等)[相互に吸収を阻害し効果が減弱する恐れがあるので、両剤の服用間隔を2〜4時間とする(本剤とテトラサイクリン系抗生物質が消化管内で難溶性のキレートを形成して、両剤の吸収を阻害し、血中濃度が低下する)]。
2.制酸剤[本剤の吸収が阻害され効果が減弱する恐れがあるので、投与間隔をあける(消化管pH上昇により、鉄の溶解性が減少し、また、難溶性塩を形成し、鉄の消化管吸収が阻害されると考えられる)]。
3.セフジニル<服用>、ニューキノロン系抗菌剤<服用>(オフロキサシン<服用>、塩酸シプロフロキサシン<服用>、ノルフロキサシン<服用>等)[これらの薬剤の吸収を阻害し効果を減弱させる恐れがあるので、投与間隔をあける(キレートを形成し、吸収を阻害すると考えられる)]。
4.甲状腺ホルモン製剤<服用>(乾燥甲状腺<服用>、レボチロキシンナトリウム<服用>、リオチロニンナトリウム<服用>等)[甲状腺ホルモン製剤の吸収を阻害し効果を減弱させる恐れがあるので、投与間隔をあける(難溶性の複合体を形成し、吸収を阻害すると考えられる)]。
5.タンニン酸を含有する食品[本剤の吸収が阻害され効果が減弱する恐れがある(不溶性の塩を形成し、吸収が阻害されると考えられる)]。
(臨床検査結果に及ぼす影響)
潜血反応で偽陽性となることがある。
(過量投与)
1.過量投与時の症状:主な症状は胃粘膜刺激による悪心、嘔吐、腹痛、血性下痢、吐血等の消化器症状である(また、頻脈、血圧低下、チアノーゼ等がみられる)、重症の場合は、昏睡、ショック、肝壊死、肝不全に至ることがある。
2.過量投与時の処置:服用初期には催吐、胃洗浄が有効である(その他に下剤、鉄排泄剤(デフェロキサミン)等の投与を行う)。過量投与により血圧低下や循環虚脱が現れた場合には、昇圧剤、輸液等による対症療法を行う。
(適用上の注意)
投与時:下痢、吐乳等を起こしやすい低出生体重児、新生児又は乳児に投与する場合、初め少量から開始し、身体の様子を見ながら徐々に通常1日量まで増量する。
(その他の注意)
1.本剤の投与により、一過性に歯又は舌が着色(黒色等)することがある。
2.本剤の投与により、一過性に便が黒色を呈することがある。
3.動物実験において、鉄剤と大量のアロプリノールとの併用で、肝の鉄貯蔵量が増加したとの報告がある。
(取扱い上の注意)
注意:0℃を下回る場合、D−ソルビトールの結晶が析出することがある。
(保管上の注意)
遮光。
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