処方薬事典データ協力:株式会社メドレー
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ベシケア錠2.5mgの基本情報
基本情報
神経伝達物質アセチルコリンの働きを阻害する作用(抗コリン作用)により膀胱の過剰な収縮を抑え、神経因性膀胱や過活動膀胱などによる尿意切迫感や頻尿などを改善する薬
- ネオキシ ポラキス
- バップフォー
- ウリトス ステーブラ
- ベシケア
- トビエース
- 過活動膀胱の尿意切迫感
- 過活動膀胱の頻尿
- 過活動膀胱の切迫性尿失禁
- 通常、成人にはコハク酸ソリフェナシンとして5mgを1日1回経口投与する
- なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日最高投与量は10mgまでとする
- (用法及び用量に関連する注意)7.1. 中等度肝機能障害患者(Child−Pugh分類B)への投与は1日1回2.5mgから開始し、慎重に投与し、投与量の上限は1日1回5mgまでとする
- 軽度肝機能障害患者(Child−Pugh分類A)への投与は1日1回5mgから開始し、増量に際しては副作用発現に留意し、患者の状態を十分に観察しながら慎重に行うこと〔9.3.2、9.3.3、9.8高齢者の項参照〕
- 7.2. 重度腎機能障害患者(クレアチニンクリアランス30mL/min未満)への投与は1日1回2.5mgから開始し、慎重に投与し、投与量の上限は1日1回5mgまでとする
- 軽度及び中等度腎機能障害患者(クレアチニンクリアランス30mL/min以上かつ80mL/min以下)への投与は1日1回5mgから開始し、増量に際しては副作用発現に留意し、患者の状態を十分に観察しながら慎重に行うこと〔9.2.1、9.2.2、9.8高齢者の項参照〕
- 7.3. 高齢者では1日1回5mgから投与を開始し、増量に際しては副作用発現に留意し、患者の状態を十分に観察しながら慎重に行うこと〔9.8高齢者の項参照〕
副作用
注意事項
- 禁止
- 胃アトニー
- 過敏症
- 重症筋無力症
- 重篤な心疾患
- 腸アトニー
- 腸管閉塞
- 尿閉
- 閉塞隅角緑内障
- 麻痺性イレウス
- 十二指腸閉塞
- 重度肝機能障害
- 過活動膀胱の症状を明確に認識できない認知機能障害
- 過活動膀胱の症状を明確に認識できない認知症
- 幽門部閉塞
- Child−Pugh分類C
- 慎重投与
- 中等度肝機能障害
- 重度腎機能障害
- クレアチニンクリアランス30mL/min未満
- Child−Pugh分類B
- 注意
- 潰瘍性大腸炎
- 甲状腺機能亢進症
- 前立腺肥大症
- 脳血管障害
- 排尿困難
- パーキンソン症状
- QT延長症候群
- 軽度腎機能障害
- 中等度肝機能障害
- 中等度腎機能障害
- 重度腎機能障害
- クレアチニンクリアランス30mL/min未満
- クレアチニンクリアランス30mL/min以上かつ80mL/min以下
- 下部尿路閉塞疾患
- 認知機能障害
- 認知症
- 排尿筋収縮障害
- 軽度肝機能障害
- 軽度及び中等度腎機能障害
- Child−Pugh分類A
- Child−Pugh分類B
- 投与に際する指示
- QT延長症候群
- 中等度肝機能障害
- 重度腎機能障害
- クレアチニンクリアランス30mL/min未満
- クレアチニンクリアランス30mL/min以上かつ80mL/min以下
- 軽度肝機能障害
- 軽度及び中等度腎機能障害
- Child−Pugh分類A
- Child−Pugh分類B
- 相対禁止
- 妊婦・産婦
- 注意
- 授乳婦
- 新生児(低出生体重児を含む)
- 乳児
- 幼児・小児
- 高齢者
- 投与に際する指示
- 高齢者
- 注意
- 小児等(0歳〜14歳)
- 高齢者(65歳〜)
- 投与に際する指示
- 高齢者(65歳〜)
相互作用
- 薬剤名
- 影響
- 抗コリン作用を有する薬剤
- 口内乾燥
- 三環系抗うつ剤
- 口内乾燥
- フェノチアジン系薬剤
- 口内乾燥
- モノアミン酸化酵素阻害剤
- 口内乾燥
- アゾール系抗真菌剤
- 口内乾燥
- イトラコナゾール
- 口内乾燥
- フルコナゾール
- 口内乾燥
- ミコナゾール
- 口内乾燥
- 抗コリン作用を有する薬剤
- 便秘
- 三環系抗うつ剤
- 便秘
- フェノチアジン系薬剤
- 便秘
- モノアミン酸化酵素阻害剤
- 便秘
- アゾール系抗真菌剤
- 便秘
- イトラコナゾール
- 便秘
- フルコナゾール
- 便秘
- ミコナゾール
- 便秘
- 抗コリン作用を有する薬剤
- 排尿困難
- 三環系抗うつ剤
- 排尿困難
- フェノチアジン系薬剤
- 排尿困難
- モノアミン酸化酵素阻害剤
- 排尿困難
- アゾール系抗真菌剤
- 排尿困難
- イトラコナゾール
- 排尿困難
- フルコナゾール
- 排尿困難
- ミコナゾール
- 排尿困難
- リファンピシン類
- 本剤の作用が減弱
- フェニトイン
- 本剤の作用が減弱
- カルバマゼピン
- 本剤の作用が減弱
- QTを延長する薬剤
- QT延長
処方理由
この薬をファーストチョイスする理由(2021年6月更新)
・泌尿器が専門ではないが、他の医師がベシケアをよく処方しているのを見、私もベシケアをよく使う。強い効果を実感できるわけではないが良い薬。(30歳代病院勤務医、呼吸器内科)
・ベシケアが院内で唯一の採用薬なので他剤との比較は困難だが、印象としては排尿回数がかなり減少している。(60歳代病院勤務医、一般内科)
・以前に使用して比較的安定した効果が得られたことから、よく使っている。(30歳代病院勤務医、腎臓内科)
・効果と副作用のバランスが良い。増量可能。(40歳代病院勤務医、泌尿器科)
この薬をファーストチョイスする理由(2019年10月更新)
・過活動の症状に対しては非常に効果的。患者の満足度も高いし、調整しやすい。ただ口渇や便秘により服薬継続困難な時にはベタニスやベオーバに切り替える。(50歳代診療所勤務医、一般内科)
・抗コリン薬は口渇と便秘が起こりやすいのが欠点。最近はβ刺激剤のベオーバをよく処方するが、新薬のため2週間しか処方できない。(60歳代開業医、産科・婦人科)
・どれも排尿回数が少し減少する程度のように思われます。劇的に改善するようなことは期待できそうにありません。(60歳代病院勤務医、一般内科)
・専門家でなくても比較的使いやすい、広く一般に使用されてきた薬剤。(60歳代病院勤務医、リハビリテーション科)
・過活動性膀胱の症状に対して数例処方したところ、それなりの効果が得られた。(40歳代病院勤務医、外科系診療科)
この薬をファーストチョイスする理由(2018年9月更新)
・使用経験が長い。2.5mg錠を使えば用量の調整が細かくできる。比較的副作用が少ない。(50歳代病院勤務医、泌尿器科)
・一番処方しているといっても大したことはないです。ほとんどのOAB患者には処方しないようにしています。プラセボ程度の効果しかない薬剤を処方する気にはなりません。(60歳代診療所勤務医、泌尿器科)
・使い慣れている。薬効的には特に突出している印象は少ない。ミラベクロンも検討中。(70歳以上開業医、一般内科)
・口渇など少ないように感じます。効果はどれも大きな差はないようですから。(60歳代開業医、一般内科)
この薬をファーストチョイスする理由(2016年12月更新)
・最も普通の、中間くらいに属する効果の薬という印象です。副作用も中くらいです。まずはこれを処方し、その後患者の様子を見ながら変更していくため、処方頻度は最も高いです。(50歳代病院勤務医、泌尿器科)
・シェアの高い薬剤で、かかりつけ医にも処方してもらいやすい。(50歳代病院勤務医、泌尿器科)
・便秘や口腔内乾燥、腎機能への影響が少ないと思っております。(60歳代診療所勤務医、一般内科)
・2.5mgの剤型を採用しているので、微妙な薬剤量調整が行いやすい。(50歳代病院勤務医、泌尿器科)
・従来の薬剤に比べて副作用の少ない印象がある。1日1回で済むためアドヒアランスも良い。(50歳代病院勤務医、一般内科)
この薬をファーストチョイスする理由(2015年5月更新)
・ムスカリンM3受容体選択性があり、1日1回処方。OD錠があることも利点。(50代病院勤務医、一般内科)
・口喝の訴えが少ない。用量が2段階あり、調整しやすい。(50代開業医、総合診療科)
・効果の発現が早い。同様に、副作用の発現も早く、判断が早くできる。(50代病院勤務医、泌尿器科)
・使い慣れており、他剤より効果が確かである。(50代病院勤務医、一般内科)
・過活動膀胱(OVA)という疾患名とともに最初に覚えた薬で、以後も処方する機会が多い。(50代病院勤務医、リハビリテーション科)
・専門医に紹介後、ベシケア内服で再紹介の患者さんが多いため。(40代病院勤務医、一般内科)
・心因性頻尿の小児に使用しても、あまり副作用がない。(50代病院勤務医、小児科)
・骨髄移植患者の移植後合併症としてよく発症する、出血性膀胱炎後の膀胱症状に効果がよく表れ、重宝している。(30代病院勤務医、内科系専門科)
添付文書
過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 本剤を適用する際、十分な問診により臨床症状を確認するとともに類似症状を呈する疾患(尿路感染症、尿路結石、膀胱癌や前立腺癌など下部尿路における新生物等)に留意し尿検査等により除外診断を実施し必要に応じて専門的な検査も考慮すること。
5.2. 下部尿路閉塞疾患(前立腺肥大症等)を合併している患者では、それに対する治療(α1遮断薬等)を優先させること。
5.3. 過活動膀胱の症状を明確に認識できない認知症又は過活動膀胱の症状を明確に認識できない認知機能障害患者は本剤の投与対象とはならない。
通常、成人にはコハク酸ソリフェナシンとして5mgを1日1回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日最高投与量は10mgまでとする。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 中等度肝機能障害患者(Child−Pugh分類B)への投与は1日1回2.5mgから開始し、慎重に投与し、投与量の上限は1日1回5mgまでとする。軽度肝機能障害患者(Child−Pugh分類A)への投与は1日1回5mgから開始し、増量に際しては副作用発現に留意し、患者の状態を十分に観察しながら慎重に行うこと〔9.3.2、9.3.3、9.8高齢者の項参照〕。
7.2. 重度腎機能障害患者(クレアチニンクリアランス30mL/min未満)への投与は1日1回2.5mgから開始し、慎重に投与し、投与量の上限は1日1回5mgまでとする。軽度及び中等度腎機能障害患者(クレアチニンクリアランス30mL/min以上かつ80mL/min以下)への投与は1日1回5mgから開始し、増量に際しては副作用発現に留意し、患者の状態を十分に観察しながら慎重に行うこと〔9.2.1、9.2.2、9.8高齢者の項参照〕。
7.3. 高齢者では1日1回5mgから投与を開始し、増量に際しては副作用発現に留意し、患者の状態を十分に観察しながら慎重に行うこと〔9.8高齢者の項参照〕。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):蕁麻疹、呼吸困難、血圧低下等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.2. 肝機能障害:AST上昇、ALT上昇、γ−GTP上昇、Al−P上昇、総ビリルビン上昇(各0.1〜5%未満)等を伴う肝機能障害があらわれることがある。
11.1.3. 尿閉(頻度不明)〔2.2、9.1.1、9.1.2参照〕。
11.1.4. QT延長、心室頻拍(Torsades de Pointesを含む)、房室ブロック、洞不全症候群、高度徐脈(いずれも頻度不明)〔2.7、9.1.3、10.2、17.3.1参照〕。
11.1.5. 麻痺性イレウス(頻度不明):著しい便秘、腹部膨満等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと〔2.4参照〕。
11.1.6. 幻覚・せん妄(頻度不明)。
11.1.7. 急性緑内障発作(頻度不明):眼圧亢進、嘔気、頭痛を伴う眼痛、視力低下等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、直ちに適切な処置を行うこと〔2.3参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 血液及びリンパ系障害:(0.1〜5%未満)白血球数増多、白血球数減少、血小板数増多、血小板数減少。
2). 心臓障害:(0.1〜5%未満)狭心症、上室性期外収縮、心室性期外収縮、(頻度不明)徐脈、心房細動、頻脈、動悸。
3). 耳及び迷路障害:(0.1〜5%未満)回転性めまい。
4). 眼障害:(0.1〜5%未満)霧視、眼調節障害、乾性角結膜炎、視力低下。
5). 胃腸障害:(5%以上)口内乾燥(28.3%)、便秘(14.4%)、(0.1〜5%未満)腹部不快感、腹部膨満、腹痛、下腹部痛、上腹部痛、下痢、消化不良、硬便、胃炎、萎縮性胃炎、舌炎、悪心、胃不快感、口内炎、舌変色、(頻度不明)嘔吐、胃食道逆流性疾患、口の感覚鈍麻。
6). 全身障害及び投与局所様態:(0.1〜5%未満)胸部不快感、胸痛、倦怠感、発熱、(頻度不明)浮腫。
7). 感染症:(0.1〜5%未満)膀胱炎、尿路感染、気管支炎、鼻咽頭炎、上気道感染、尿沈渣陽性。
8). 代謝及び栄養障害:(0.1〜5%未満)CK上昇、尿酸上昇、総コレステロール上昇、K上昇、尿糖陽性、(頻度不明)食欲減退。
9). 筋骨格系及び結合組織障害:(0.1〜5%未満)関節痛、背部痛、側腹部痛、(頻度不明)筋力低下。
10). 神経系障害:(0.1〜5%未満)浮動性めまい、味覚異常、頭痛、傾眠、(頻度不明)認知機能障害。
11). 精神障害:(0.1〜5%未満)不眠症。
12). 腎及び尿路障害:(0.1〜5%未満)排尿困難、膿尿、排尿躊躇、クレアチニン上昇、BUN上昇、尿蛋白陽性。
13). 呼吸器、胸郭及び縦隔障害:(0.1〜5%未満)咳嗽、鼻乾燥、咽頭不快感、(頻度不明)発声障害。
14). 皮膚及び皮下組織障害:(0.1〜5%未満)皮膚乾燥、湿疹、皮膚そう痒症、発疹、蕁麻疹、(頻度不明)血管浮腫、多形紅斑、剥脱性皮膚炎。
15). 血管障害:(0.1〜5%未満)潮紅、高血圧。
(禁忌)
2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 尿閉を有する患者[排尿時の膀胱収縮が抑制され、症状が悪化するおそれがある]〔11.1.3参照〕。
2.3. 閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状が悪化するおそれがある]〔11.1.7参照〕。
2.4. 幽門部閉塞、十二指腸閉塞又は腸管閉塞している患者及び麻痺性イレウスのある患者[胃腸の平滑筋の収縮及び運動が抑制され、症状が悪化するおそれがある]〔11.1.5参照〕。
2.5. 胃アトニー又は腸アトニーのある患者[抗コリン作用により消化管運動が低下するため症状が悪化するおそれがある]。
2.6. 重症筋無力症の患者[抗コリン作用により筋緊張の低下がみられ症状が悪化するおそれがある]。
2.7. 重篤な心疾患の患者[期外収縮等の心電図異常が報告されており、症状が悪化するおそれがある]〔11.1.4、17.3.1参照〕。
2.8. 重度肝機能障害患者(Child−Pugh分類C)〔9.3.1参照〕。
(重要な基本的注意)
8.1. 眼調節障害(霧視等)、傾眠が起こることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う作業に従事する場合には注意させること。
8.2. 本剤投与により効果が認められない場合には、漫然と投与せず、適切な治療を考慮すること。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 排尿困難のある患者(下部尿路閉塞疾患(前立腺肥大症等)又は排尿筋収縮障害等):本剤投与前に残尿量測定を実施し、必要に応じて専門的な検査を考慮し、また、投与中も十分に観察を行い、排尿困難の増悪を来していないかを定期的に確認すること〔11.1.3参照〕。
9.1.2. 下部尿路閉塞疾患(前立腺肥大症等)を合併している患者:抗コリン作用により、尿閉を誘発するおそれがある〔11.1.3参照〕。
9.1.3. QT延長症候群患者:過量投与に注意すること〔11.1.4、17.3.1参照〕。
9.1.4. 潰瘍性大腸炎のある患者:中毒性巨大結腸があらわれるおそれがある。
9.1.5. 甲状腺機能亢進症の患者:抗コリン作用により頻脈等の交感神経興奮症状が悪化するおそれがある。
9.1.6. 認知症又は認知機能障害のある患者:抗コリン作用により、症状を悪化させるおそれがある。
9.1.7. パーキンソン症状又は脳血管障害のある患者:症状の悪化あるいは精神神経症状があらわれるおそれがある。
(腎機能障害患者)
9.2.1. 重度腎機能障害患者(クレアチニンクリアランス30mL/min未満):血中濃度が上昇するおそれがある〔7.2、16.6.1参照〕。
9.2.2. 軽度腎機能障害又は中等度腎機能障害患者(クレアチニンクリアランス30mL/min以上かつ80mL/min以下):血中濃度が上昇するおそれがある〔7.2、16.6.1参照〕。
(肝機能障害患者)
9.3.1. 重度肝機能障害患者(Child−Pugh分類C):投与しないこと(血中濃度が過度に上昇するおそれがある)〔2.8、16.6.2参照〕。
9.3.2. 中等度肝機能障害患者(Child−Pugh分類B):血中濃度が上昇するおそれがある〔7.1、16.6.2参照〕。
9.3.3. 軽度肝機能障害患者(Child−Pugh分類A):血中濃度が上昇するおそれがある〔7.1、16.6.2参照〕。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験で乳汁中移行が報告されている)。
(小児等)
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした国内の臨床試験は実施していない。
(高齢者)
肝機能、腎機能が低下していることが多い〔7.1−7.3、16.6.3参照〕。
(相互作用)
本剤は、主として肝の薬物代謝酵素CYP3A4により代謝される〔16.4参照〕。
10.2. 併用注意:
1). 抗コリン作用を有する薬剤(抗コリン剤、三環系抗うつ剤、フェノチアジン系薬剤、モノアミン酸化酵素阻害剤)[口内乾燥、便秘、排尿困難等があらわれるおそれがある(抗コリン作用が増強されるおそれがある)]。
2). アゾール系抗真菌剤(イトラコナゾール、フルコナゾール、ミコナゾール)〔16.7.1参照〕[口内乾燥、便秘、排尿困難等があらわれるおそれがあるので、減量するなど注意すること(これらの薬剤はCYP3A4を強力に阻害し、併用により本剤の血中濃度が上昇する可能性がある)]。
3). リファンピシン、フェニトイン、カルバマゼピン[本剤の作用が減弱する可能性がある(これらの薬剤はCYP3A4を誘導し、併用により本剤の血中濃度が低下する可能性がある)]。
4). QT延長を起こすことが知られている薬剤〔11.1.4、17.3.1参照〕[QT延長があらわれるおそれがあるので、過量投与に注意すること(これらの薬剤によりQTが延長している患者に本剤が過量投与された場合、本剤のQT延長作用が相加的に作用する可能性がある)]。
(過量投与)
13.1. 症状
過量投与時、尿閉、散瞳、肝機能障害等。
13.2. 処置
過量投与時には、胃洗浄又は活性炭を投与し、次にアトロピン過量投与の場合と同様の処置を行う。また、過量投与時、尿閉に対しては導尿等、過量投与時、散瞳に対してはピロカルピン投与等、各症状に応じて適切な処置を行う。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤交付時の注意
14.1.1. PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
14.1.2. 本剤をかみ砕かないで、そのまま服用するよう患者に指導すること(有効成分に刺激性があるため)。
(保管上の注意)
室温保存。
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