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リュープリンPRO注射用キット22.5mgの基本情報
基本情報
- 閉経前乳癌
- 前立腺癌
- 24週に1回リュープロレリン酢酸塩として22.5mgを皮下に投与する
- 投与に際しては、注射針を上にしてプランジャーロッドを押して、懸濁用液全量を粉末部に移動させて、泡立てないように注意しながら、十分に懸濁して用いる
副作用
注意事項
- 禁止
- 過敏症
- 慎重投与
- 粘膜下筋腫
- 脊髄圧迫による腎障害
- 尿路閉塞による腎障害
- 禁止
- 妊婦・産婦
- 授乳婦
相互作用
処方理由
添付文書
1.前立腺癌。
2.閉経前乳癌。
<効能・効果に関連する使用上の注意>
1.全効能疾患共通:患者の治療歴等について、添付文書の【臨床成績】の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行う。
2.閉経前乳癌の場合:本剤の使用開始にあたっては、原則としてホルモン受容体の発現の有無を確認し、ホルモン受容体が陰性と判断された場合には本剤を使用しない。
24週に1回リュープロレリン酢酸塩として22.5mgを皮下に投与する。
投与に際しては、注射針を上にしてプランジャーロッドを押して、懸濁用液全量を粉末部に移動させて、泡立てないように注意しながら、十分に懸濁して用いる。
<用法・用量に関連する使用上の注意>
1.全効能疾患共通:本剤は24週間持続の徐放性製剤であり、24週を超える間隔で投与すると下垂体−性腺系刺激作用により性腺ホルモン濃度が再度上昇し、臨床所見が一過性に悪化する恐れがあるので、24週に1回の用法を遵守する。
2.閉経前乳癌の場合:
1).閉経前乳癌の場合、治療に際しては妊娠していないことを確認し、また、閉経前乳癌の場合、治療期間中は非ホルモン性の避妊をさせる。
2).閉経前乳癌の場合、エストロゲン低下作用に基づく骨塩量低下がみられることがあるので、長期にわたり投与する場合には、可能な限り骨塩量の検査を行い慎重に投与する。
前立腺癌の場合:
国内臨床試験において、リュープロレリン酢酸塩として22.5mgが投与された81例中45例(55.6%)に臨床検査値の異常を含む副作用が認められた。主な副作用は、注射部位硬結17.3%(14/81例)、注射部位紅斑13.6%(11/81例)、注射部位疼痛6.2%(5/81例)、糖尿病6.2%(5/81例)、ほてり6.2%(5/81例)等であった。
閉経前乳癌の場合:
国内臨床試験において、リュープロレリン酢酸塩として22.5mgが投与された83例中77例(92.8%)に臨床検査値の異常を含む副作用が認められた。主な副作用は、ほてり50.6%(42/83例)、注射部位硬結43.4%(36/83例)、注射部位疼痛28.9%(24/83例)、白血球数減少18.1%(15/83例)、関節痛16.9%(14/83例)、注射部位紅斑15.7%(13/83例)、注射部位腫脹14.5%(12/83例)、体重増加14.5%(12/83例)、頭痛13.3%(11/83例)、倦怠感12.0%(10/83例)、筋骨格硬直12.0%(10/83例)、多汗症10.8%(9/83例)、動悸8.4%(7/83例)、脂肪肝7.2%(6/83例)、注射部位内出血6.0%(5/83例)、心電図QT延長6.0%(5/83例)、骨粗鬆症6.0%(5/83例)、不眠症6.0%(5/83例)、閉経期症状6.0%(5/83例)、高血圧6.0%(5/83例)等であった。
次の副作用は前記の臨床試験、あるいは4週間又は12週間持続の徐放性製剤での臨床試験・調査又は自発報告等で認められたものである。
本剤は徐放性製剤であるので、最終投与後も薬効持続期間中は患者の状態を観察する。
1.重大な副作用
1).全効能疾患共通:
(1).発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等を伴う間質性肺炎(0.1%未満)が現れることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行う。
(2).アナフィラキシー(0.1%未満)が現れることがあるので、問診を十分に行い、投与後は十分に観察し、異常が認められた場合には適切な処置を行う。
(3).AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)等を伴う肝機能障害、黄疸(頻度不明)が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行う。
(4).糖尿病の発症又は糖尿病増悪(頻度不明)が現れることがあるので、異常が認められた場合には適切な処置を行う。
(5).下垂体卒中(頻度不明)が下垂体腺腫患者で報告されているので、初回投与直後に頭痛、視力障害・視野障害等が現れた場合には、検査のうえ外科的治療等の適切な処置を行う。
(6).心筋梗塞、脳梗塞、静脈血栓症、肺塞栓症等の血栓塞栓症(頻度不明)が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う。
2).前立腺癌の場合:
(1).前立腺癌の場合、うつ状態(0.1%未満)が現れることがあるので患者の状態を十分に観察する。
(2).前立腺癌の場合、下垂体−性腺系刺激作用による血清テストステロン濃度の上昇に伴って骨疼痛の一過性増悪、尿路閉塞あるいは脊髄圧迫(5%以上)がみられることがあるので、このような場合には対症療法等適切な処置を行う。
(3).前立腺癌の場合、心不全(0.1〜5%未満)が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う。
3).閉経前乳癌の場合:エストロゲン低下作用に基づく更年期障害様のうつ状態(0.1〜5%未満)が現れることがあるので患者の状態を十分に観察する。
2.その他の副作用
1).前立腺癌の場合:
(1).肝臓[前立腺癌の場合]:(5%以上)LDH上昇、(0.1〜5%未満)黄疸、AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、γ−GTP上昇、Al−P上昇[観察を十分に行う]。
(2).内分泌系[前立腺癌の場合]:(5%以上)ほてり、熱感、(0.1〜5%未満)頭痛、不眠、顔面潮紅、眩暈、発汗、性欲減退、勃起障害、女性化乳房、睾丸萎縮、会陰部不快感。
(3).筋・骨格系[前立腺癌の場合]:(0.1〜5%未満)関節痛、骨疼痛、肩疼痛・腰疼痛・四肢疼痛等の疼痛、歩行困難、手指のこわばり等のこわばり、(0.1%未満)筋肉痛、骨塩量低下。
(4).皮膚[前立腺癌の場合]:(0.1〜5%未満)皮膚炎、頭部発毛。
(5).泌尿器系[前立腺癌の場合]:(0.1〜5%未満)頻尿、血尿、BUN上昇。
(6).循環器[前立腺癌の場合]:(0.1〜5%未満)心電図異常、心胸比増大。
(7).血液[前立腺癌の場合]:(0.1〜5%未満)貧血、血小板減少。
(8).消化器[前立腺癌の場合]:(0.1〜5%未満)悪心、嘔吐、食欲不振、便秘、(0.1%未満)下痢。
(9).過敏症[前立腺癌の場合]:(0.1〜5%未満)発疹、そう痒。
(10).投与部位[前立腺癌の場合]:(5%以上)硬結、(0.1〜5%未満)疼痛、発赤、(頻度不明)膿瘍、腫脹、潰瘍、そう痒、肉芽腫、腫瘤、熱感、壊死等の注射部位反応[観察を十分に行う]。
(11).その他[前立腺癌の場合]:(0.1〜5%未満)浮腫、胸部圧迫感、悪寒、倦怠感、口唇のしびれ・四肢のしびれ、体重増加、知覚異常、難聴、耳鳴、発熱、総コレステロール上昇、トリグリセリド上昇、尿酸上昇、高カリウム血症、血糖値上昇、(0.1%未満)脱力感、(頻度不明)痙攣。
2).閉経前乳癌の場合:
(1).低エストロゲン症状[閉経前乳癌の場合]:(5%以上)ほてり、熱感、のぼせ、肩こり、頭痛、不眠、眩暈、発汗、(0.1〜5%未満)性欲減退、冷感、視覚障害、情緒不安定。
(2).女性生殖器[閉経前乳癌の場合]:(0.1〜5%未満)不正出血、膣乾燥、性交痛、膣炎、帯下増加、卵巣過剰刺激症状、乳房疼痛・乳房緊満感・乳房萎縮。
(3).筋・骨格系[閉経前乳癌の場合]:(5%以上)関節痛、骨疼痛等の疼痛、(0.1〜5%未満)手指のこわばり等のこわばり、腰痛、筋肉痛、筋痙攣、骨塩量低下、血清リン上昇、高カルシウム血症。
(4).皮膚[閉経前乳癌の場合]:(0.1〜5%未満)ざ瘡、皮膚乾燥、脱毛、多毛、爪異常。
(5).精神神経系[閉経前乳癌の場合]:(0.1〜5%未満)眠気、いらいら感、記憶力低下、注意力低下、知覚異常。
(6).過敏症[閉経前乳癌の場合]:(0.1〜5%未満)発疹、そう痒。
(7).肝臓[閉経前乳癌の場合]:(0.1〜5%未満)AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、Al−P上昇、LDH上昇、γ−GTP上昇、ビリルビン上昇、(0.1%未満)黄疸[観察を十分に行う]。
(8).消化器[閉経前乳癌の場合]:(0.1〜5%未満)悪心、嘔吐、食欲不振、腹痛、腹部膨満感、下痢、便秘、口内炎、口渇。
(9).循環器[閉経前乳癌の場合]:(0.1〜5%未満)心悸亢進、血圧上昇。
(10).血液[閉経前乳癌の場合]:(0.1〜5%未満)赤血球増多、貧血、白血球減少、血小板減少、部分トロンボプラスチン時間延長。
(11).泌尿器系[閉経前乳癌の場合]:(0.1〜5%未満)頻尿、排尿困難、BUN上昇。
(12).投与部位[閉経前乳癌の場合]:(5%以上)硬結、(0.1〜5%未満)疼痛、発赤、(頻度不明)膿瘍、腫脹、潰瘍、そう痒、肉芽腫、腫瘤、熱感、壊死等の注射部位反応[観察を十分に行う]。
(13).その他[閉経前乳癌の場合]:(0.1〜5%未満)疲労、倦怠感、脱力感、口唇のしびれ・四肢のしびれ、手根管症候群、耳鳴、難聴、胸部不快感、浮腫、体重増加、下肢痛、息苦しさ、発熱、総コレステロール上昇、LDLコレステロール上昇、トリグリセリド上昇、高カリウム血症、(0.1%未満)体重減少、味覚異常、甲状腺機能異常、(頻度不明)痙攣。
(禁忌)
1.前立腺癌の場合:本剤の成分又は合成LH−RH、LH−RH誘導体に対して、過敏症の既往歴のある患者。
2.閉経前乳癌の場合:
1).閉経前乳癌の場合、本剤の成分又は合成LH−RH、LH−RH誘導体に対して、過敏症の既往歴のある患者。
2).閉経前乳癌の場合、妊婦又は妊娠している可能性のある患者、授乳中の患者。
(慎重投与)
1.前立腺癌の場合:脊髄圧迫による腎障害又は尿路閉塞による腎障害を既に呈している患者又は新たに発生する恐れのある患者[初回投与初期の血清テストステロン濃度の上昇に伴い、原疾患の症状が悪化する可能性がある]。
2.閉経前乳癌の場合:粘膜下筋腫のある患者[出血症状が増悪することがある]。
(重要な基本的注意)
1.全効能疾患共通:
1).本剤は内分泌療法剤であり、前立腺癌及び閉経前乳癌に対し使用する場合には、がんに対する薬物療法について十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤による治療が適切と判断される患者についてのみ使用する。
2).本剤は24週間持続性の製剤であり、徐放性の薬剤が注射部位に長くとどまり、硬結等の注射部位反応が発現することがあるので、注射部位を毎回変更し、注射部位をもまないように患者に説明するなど十分注意して投与する。
2.前立腺癌の場合:初回投与初期に、高活性LH−RH誘導体としての下垂体−性腺系刺激作用による血清テストステロン濃度の上昇に伴って骨疼痛の一過性増悪がみられることがあるが、このような症状が現れた場合には対症療法を行い、また、尿路閉塞あるいは脊髄圧迫のみられる恐れがあるので慎重に投与し、投与開始1カ月間は十分観察を行い、このような症状が現れた場合には適切な処置を行う。
3.閉経前乳癌の場合:
1).閉経前乳癌の場合、初回投与初期に、高活性LH−RH誘導体としての下垂体−性腺系刺激作用による血清エストロゲン濃度の上昇に伴って骨疼痛の一過性増悪等がみられることがあるが、このような症状が現れた場合には対症療法を行う。
2).閉経前乳癌の場合、本剤で抗腫瘍効果が得られず進行を認めた場合は、投与を中止する。
3).閉経前乳癌の場合、更年期障害様のうつ状態が現れることがあるので、患者の状態を十分に観察する。
(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
閉経前乳癌の場合:妊婦又は妊娠している可能性のある患者、授乳中の患者には投与しない[LH−RH誘導体による流産の報告があり、本剤の動物試験で胎仔死亡増加及び胎仔体重低値(ラット、ウサギ)並びに胎仔骨格異常増加傾向(ウサギ)がみられており、また、ラットで乳汁への移行がみられている]。
(適用上の注意)
全効能疾患共通:
1.投与経路:皮下注射のみに使用する[静脈注射により血栓症を誘発する恐れがある]。
2.投与法:皮下注射にあたっては次記の点に注意する。
1).注射部位は上腕部・腹部・臀部の皮下とする。
2).注射部位は毎回変更し、同一部位への反復注射は行わない。
3).注射針が血管内に入っていないことを確認する。
4).注射部位をもまないように患者に指示する。
3.調製法:用時調製し、懸濁後は直ちに使用する。
(その他の注意)
全効能疾患共通:ラットにリュープロレリン酢酸塩として4週間持続の徐放性製剤0.8、3.6及び16mg/kg/4週を1年間、並びにリュープロレリン酢酸塩水溶液注射剤0.6、1.5及び4mg/kg/日を2年間それぞれ皮下投与した試験で、良性下垂体腺腫が認められたとの報告がある。
(取扱い上の注意)
使用期限内であっても開封後はなるべく速やかに使用する。
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