処方薬事典データ協力:株式会社メドレー
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インスリングラルギンBS注キット「FFP」の基本情報
基本情報
インスリンを体内に投与することで、血糖値を下げ糖尿病による合併症を防ぐ薬
- ノボラピッド注 ノボラピッド30ミックス注 ノボラピッド50ミックス注 ノボラピッド70ミックス注
- ヒューマログ注 ヒューマログミックス25注 ヒューマログミックス50注
- ノボリンR注 ノボリンN注 ノボリン30R注 イノレット30R注
- ヒューマリンR注 ヒューマリンN注 ヒューマリン3/7注
- アピドラ注
- レベミル注
- ランタス注 ランタスXR注
- トレシーバ注
- ライゾデグ配合注
- フィアスプ注
- 糖尿病
- 初期は1日1回4〜20単位を皮下注射するが、ときに他のインスリン製剤を併用することがある
- 注射時刻は朝食前又は就寝前のいずれでもよいが、毎日一定とする
- 投与量は、患者の症状及び検査所見に応じて増減する
- なお、その他のインスリン製剤の投与量を含めた維持量は、1日4〜80単位である
- 但し、必要により前記用量を超えて使用することがある
副作用
注意事項
- 禁止
- 過敏症
- 低血糖症状
- 慎重投与
- 胃腸障害
- インスリン需要の変動が激しい
- 嘔吐
- 外傷
- 過度のアルコール摂取
- 感染症
- 飢餓状態
- 下痢
- 下垂体機能不全
- 重篤な肝機能障害
- 重篤な腎機能障害
- 手術
- 低血糖
- 激しい筋肉運動
- 不規則な食事摂取
- 副腎機能不全
- 低血糖を起こすと事故につながる恐れ
- 自律神経障害
- ヒトインスリンに対する獲得抗体を有し高用量のインスリンを必要
- 血糖降下作用を増強する薬剤との併用
- 注意
- 食事を摂取しなかった
- 予定外の激しい運動を行った
- 慎重投与
- 妊婦・産婦
- 高齢者
- 注意
- 妊婦・産婦
- 授乳婦
- 投与に際する指示
- 妊婦・産婦
- 授乳婦
- 高齢者
- 慎重投与
- 高齢者(65歳〜)
- 投与に際する指示
- 高齢者(65歳〜)
相互作用
- 薬剤名
- 影響
- 糖尿病用薬
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- ビグアナイド系製剤
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- スルホニルウレア系薬剤
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- 速効型食後血糖降下剤
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- α−グルコシダーゼ阻害剤
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- チアゾリジン系薬剤
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- DPP−4阻害剤
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- GLP−1アナログ
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- SGLT2阻害剤
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- モノアミン酸化酵素阻害剤
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- 三環系抗うつ剤
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- 塩酸ノルトリプチリン
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- サリチル酸製剤
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- アスピリン
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- エテンザミド
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- シクロホスファミド水和物
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- クマリン系抗凝血剤
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- ワルファリンカリウム
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- クロラムフェニコール
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- サルファ剤
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- コハク酸シベンゾリン
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- ジソピラミド
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- 塩酸ピルメノール
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- フィブラート系薬剤
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- レセルピン
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- 蛋白同化ステロイド
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- メスタノロン
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- ソマトスタチンアナログ製剤
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- オクトレオチド酢酸塩
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- イセチオン酸ペンタミジン
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- β−遮断剤
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- プロプラノロール
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- アテノロール
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- ピンドロール
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- 塩酸セリプロロール
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- 炭酸リチウム
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- クロニジン
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- チアジド系薬剤
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- トリクロルメチアジド
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- ループ利尿剤
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- フロセミド
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- 副腎皮質ホルモン剤
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- プレドニゾロン
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- トリアムシノロン
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- ACTH
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- エピネフリン
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- グルカゴン
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- 甲状腺ホルモン剤
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- レボチロキシン
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- 乾燥甲状腺
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- 成長ホルモン
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- ソマトロピン
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- 卵胞ホルモン
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- エチニルエストラジオール
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- 結合型エストロゲン
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- 経口避妊薬
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- ニコチン酸製剤
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- 濃グリセリン
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- イソニアジド
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- ダナゾール
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- フェニトイン
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- 酢酸ブセレリン
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- フェノチアジン系薬剤
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- 蛋白同化ステロイド
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- メスタノロン
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- ソマトスタチンアナログ製剤
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- オクトレオチド酢酸塩
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- イセチオン酸ペンタミジン
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- β−遮断剤
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- プロプラノロール
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- アテノロール
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- ピンドロール
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- 塩酸セリプロロール
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- 炭酸リチウム
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- クロニジン
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- ACE阻害剤
- 低血糖
- ピオグリタゾン
- 浮腫
- ピオグリタゾン
- 心不全
- ニコチン酸(ナイアシン)を含むもの<まいたけ、たらこ、インスタントコーヒー、かつお節、まぐろ など>
処方理由
この薬をファーストチョイスする理由(2021年11月更新)
・調節がしやすい。デグルデクは病状の落ち着いた外来患者にはいいかもしれないが、半減期が長い分、効き始めも切れてくるのも遅いので、急性期には使いづらい。(40歳代病院勤務医、糖尿病科)
・グラルギンのバイオシミラーが効果・薬価の両方で最も良いと思う。これで安定しない患者やデバイスが合わない患者はデグルデクにする。(40歳代開業医、糖尿病科)
・値段が安いこと。ただ長期的に使用する場合は低血糖リスクのより低いデグルデクに変更することもある。(30歳代病院勤務医、代謝・内分泌内科)
・1日1回、24時間の効果であり、注射回数及び、用量調整の観点で使用しやすい。(50歳代病院勤務医、糖尿病科)
・経口糖尿病薬と併用できたり、1日1回の投与という点で、日常診療で処方しやすさを感じている。(50歳代病院勤務医、一般内科)
この薬をファーストチョイスする理由(2020年5月更新)
・持続力のバランスが良いため、ランタスをメインに処方している。もう少し長く効いた方が良ければトレシーバ、あまり長く効かせたくなければレベミルというように使い分けている。(30歳代病院勤務医、腎臓内科)
・このメーカーしか紹介に来なかったが、通常のインスリンや内服薬との併用でいずれの症例でも有効、低血糖症状も比較的少ない。(50歳代開業医、一般内科)
・作用時間はトレシーバほど長すぎず、レベミルほど短くないので、入院時の強化インスリン療法では毎日の用量調節がしやすい。(20歳代病院勤務医、代謝・内分泌内科)
・用量調節がしやすい。トレシーバだと半減期が長いために効き始めも遅く、血糖変動を見るのに時間がかかる。(40歳代病院勤務医、糖尿病科)
・効果の持続性にやや問題があるが、薬価が安いため第一選択としている。(60歳代病院勤務医、一般内科)
この薬をファーストチョイスする理由(2018年2月更新)
・グラルギンのバイオシミラーを使っています。患者の薬剤負担額を減らせるのが最大の魅力です。(50歳代病院勤務医、総合診療科)
・グラルギンリリーは薬価が安い。24時間で効果が切れるので、注射タイミングを適切に調節すれば、インスリン効果の重複することによる低血糖を回避できる。(50歳代診療所勤務医、代謝・内分泌科)
・急性期病院での周術期血糖管理には調節性の面で24時間で効果が切れるグラルギン(U−100製剤)が使いやすい。教育入院の例には効果の安定性を考慮してデグルデクが、妊婦には妊娠時の安全性の確認されているデテミルが使いやすい。(50歳代病院勤務医、代謝・内分泌科)
・レベミルでは作用時間が短く、トレシーバだと作用が残る気がしており、結局ランタスを用いている。(30歳代病院勤務医、内科系専門科)
この薬をファーストチョイスする理由(2016年10月更新)
・他剤と比べて安価であり、ランタスXRの登場で以前より平坦な血中インスリン濃度を達成できるようになった。(40歳代病院勤務医、代謝・内分泌内科)
・入院中に頻繁に投与量を変える場合は、24時間で効果が切れるグラルギンが使いやすい。一方、維持量になった場合にはデグルデクに切り替えている。(30歳代病院勤務医、代謝・内分泌内科)
・薬価が安い。患者の医療費負担が軽減されるうえ、先発品と変わらない効果が期待できる。(60歳代病院勤務医、代謝・内分泌内科)
・他の薬剤は作用時間が長すぎて使いにくいので、24時間程度でしっかり効果の切れるランタスが使いやすいです。(30歳代病院勤務医、代謝・内分泌内科)
・持続的に安定した血糖低下効果があり、重篤な低血糖もほぼ無いため。(50歳代病院勤務医、代謝・内分泌内科)
添付文書
インスリン療法が適応となる糖尿病。
<効能又は効果に関連する使用上の注意>
糖尿病の診断が確立した患者に対してのみ適用を考慮する。糖尿病以外にも耐糖能異常や尿糖陽性を呈する糖尿病類似の病態(腎性糖尿、甲状腺機能異常等)があることに留意する。
初期は1日1回4〜20単位を皮下注射するが、ときに他のインスリン製剤を併用することがある。注射時刻は朝食前又は就寝前のいずれでもよいが、毎日一定とする。投与量は、患者の症状及び検査所見に応じて増減する。なお、その他のインスリン製剤の投与量を含めた維持量は、1日4〜80単位である。但し、必要により前記用量を超えて使用することがある。
<用法及び用量に関連する使用上の注意>
1.適用にあたっては本剤の作用時間、1mLあたりのインスリン含有単位と患者の病状に留意し、その製剤的特徴に適する場合に投与する。
2.糖尿病性昏睡、急性感染症、手術等緊急の場合は、本剤のみで処置することは適当でなく、速効型インスリン製剤を使用する。
3.中間型又は持続型インスリン製剤から本剤に変更する場合、次を参考に本剤の投与を開始し、その後の患者の状態に応じて用量を増減するなど、本剤の作用特性を考慮の上慎重に行う。
1).インスリン グラルギン300単位/mL製剤から本剤に変更する場合:通常初期用量は、前治療のインスリン グラルギン300単位/mL製剤の1日投与量と同単位よりも低用量を目安として投与を開始する。
2).インスリン グラルギン300単位/mL製剤以外の中間型又は持続型インスリン製剤から本剤に変更する場合:
(1).インスリン グラルギン300単位/mL製剤以外の1日1回投与の中間型又は持続型インスリン製剤から本剤に変更する場合、通常初期用量は、前治療の中間型又は持続型インスリン製剤の1日投与量と同単位を目安として投与を開始する。
(2).インスリン グラルギン300単位/mL製剤以外の1日2回投与の中間型インスリン製剤から本剤への切り替えに関しては、国内では使用経験がない。
3).インスリン グラルギン300単位/mL製剤又は中間型インスリン製剤からインスリン グラルギン100単位/mL製剤への切り替え直後に低血糖が現れることがあるので、中間型又は持続型インスリン製剤から本剤に変更する場合、併用している速効型インスリン製剤、超速効型インスリンアナログ製剤又は他の糖尿病用薬の投与量及び投与スケジュールの調整が必要となることがあるので注意する。
4.インスリン製剤以外の他の糖尿病用薬から本剤に変更する場合又はインスリン製剤以外の他の糖尿病用薬と本剤を併用する場合:投与にあたっては低用量から開始するなど、本剤の作用特性を考慮の上慎重に行う。
5.ヒトインスリンに対する獲得抗体を有し高用量のインスリンを必要としている患者では、他のインスリン製剤から本剤に変更することによって、本剤の需要量が急激に変化することがあるので、経過を観察しながら慎重に投与する。
国内で実施した臨床試験において、安全性評価対象となった131例中10例(7.6%)に14件の副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められた。主なものは糖尿病網膜症の顕在化又は増悪5例(3.8%)であった(承認時)。
1.重大な副作用
1).低血糖(0.76%):低血糖(脱力感、倦怠感、高度空腹感、冷汗、顔面蒼白、動悸、振戦、頭痛、眩暈、嘔気、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、痙攣、意識障害(意識混濁、昏睡)等)が現れることがある(なお、徐々に進行する低血糖では、精神障害、意識障害等が主である場合があるので注意する)。また、長期にわたる糖尿病、糖尿病性神経障害、β−遮断剤投与中あるいは強化インスリン療法が行われている場合では、低血糖の初期の自覚症状(冷汗、振戦等)が通常と異なる場合や、自覚症状が現れないまま、低血糖あるいは低血糖性昏睡に陥ることがある。
低血糖症状が認められた場合には通常はショ糖を経口摂取し、α−グルコシダーゼ阻害剤(アカルボース、ボグリボース等)との併用により低血糖症状が認められた場合にはブドウ糖を経口摂取する。
低血糖で経口摂取が不可能な場合はブドウ糖を静脈内に投与するか、グルカゴンを筋肉内又は静脈内投与する。
低血糖は臨床的にいったん回復したと思われる場合にも後で再発することがあり、また、本剤の作用は持続的であるため、経過観察を継続して行うことが必要である。
2).ショック、アナフィラキシー(頻度不明):ショック、アナフィラキシーを起こすことがあるので、観察を十分に行い、全身性皮膚反応、血管神経性浮腫、気管支痙攣、低血圧等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
2.その他の副作用
1).過敏症:(頻度不明)蕁麻疹、そう痒感、発疹。
2).肝臓:(1%未満)肝機能異常(AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)等)。
3).眼:(1%以上)糖尿病網膜症の顕在化又は糖尿病網膜症増悪、(1%未満)眼充血。
4).注射部位:(頻度不明)注射部位反応(浮腫、疼痛、そう痒感、硬結、蕁麻疹、発赤、腫脹、炎症、リポジストロフィー(皮下脂肪萎縮・皮下脂肪肥厚等))、皮膚アミロイドーシス。
5).その他:(1%未満)突発難聴、高血圧、胃食道逆流性疾患、足関節部骨折、靱帯捻挫、(頻度不明)浮腫、ナトリウム貯留。
(禁忌)
1.低血糖症状を呈している患者。
2.本剤の成分又は他のインスリン グラルギン製剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
(慎重投与)
1.インスリン需要の変動が激しい患者。
1).手術、外傷、感染症等の患者。
2).妊婦。
2.次に掲げる低血糖を起こしやすい患者又は状態。
1).重篤な肝機能障害又は重篤な腎機能障害。
2).下垂体機能不全又は副腎機能不全。
3).下痢、嘔吐等の胃腸障害。
4).飢餓状態、不規則な食事摂取。
5).激しい筋肉運動。
6).過度のアルコール摂取者。
7).高齢者。
8).血糖降下作用を増強する薬剤との併用。
3.低血糖を起こすと事故につながる恐れがある患者(高所作業・自動車の運転等の作業に従事している患者等)。
4.自律神経障害のある患者(低血糖の自覚症状が明確でないことがある)。
(重要な基本的注意)
1.インスリン製剤の使用上最も重要なことは、適応の決定と患者教育である。日常の糖尿病治療のためにインスリンを使用する場合、その注射法及び低血糖に対して患者自らも対処できるように十分指導する。また、皮下からの吸収及び作用の発現時間は、血流、体温、運動量等により異なるため、適切な注射法についても患者教育を十分行う。更に、本剤の使用にあたっては、必ず添付の取扱説明書を読むよう指導する。また、すべての器具の安全な廃棄方法についても十分指導する。
2.2型糖尿病においては、急を要する場合以外は、あらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法を十分行ったうえで適用を考慮する。
3.低血糖を起こすことがあるので、注意する(特に、食事を摂取しなかったり、予定外の激しい運動を行った場合、低血糖を引き起こしやすい)。低血糖が無処置の状態で続くと重篤な転帰(死亡等)をとる恐れがある。また、低血糖に関する注意について、患者及びその家族に十分徹底させる。
4.本剤の作用は皮下に注射することにより、明らかなピークを示さず、ほぼ24時間持続する特徴を有することから、特に他のインスリン製剤からの切り替え時など、低血糖発現状態の変化に十分注意する。
5.インスリン グラルギン300単位/mL製剤から本剤への切り替え時には、前治療のインスリン グラルギン300単位/mL製剤の1日投与量よりも低用量での切り替えを考慮するとともに、インスリン グラルギン300単位/mL製剤から本剤への切り替え時及びその後しばらくの間は血糖モニタリングを慎重に行う[本剤とインスリン グラルギン300単位/mL製剤では薬物動態が異なる、インスリン グラルギン300単位/mL製剤からインスリン グラルギン100単位/mL製剤への切り替え時に低血糖の発現が増加したとの報告がある]。
6.インスリンの用量が不足した場合、高血糖を起こすことがあるので、注意する。高血糖が無処置の状態で続くと悪心、嘔吐、眠気、潮紅、口渇、頻尿、脱水、食欲減退、呼気アセトン臭、ケトアシドーシス、昏睡等を起こし、重篤な転帰をとる恐れがあるので、適切な処置を行う。
7.急激な血糖コントロールに伴い、糖尿病網膜症の顕在化又は糖尿病網膜症増悪、眼の屈折異常、治療後神経障害(主として有痛性神経障害)が現れることがあるので注意する。
8.本剤は無色澄明な液剤であるため、速効型インスリン製剤又は超速効型インスリンアナログ製剤と間違えないよう患者に十分な指導を行う。
9.同一箇所への繰り返し投与により、注射箇所に皮膚アミロイドーシス又はリポジストロフィーが現れることがあるので、定期的に注射箇所を観察するとともに、次の点を患者に指導する。
1).本剤の注射箇所は、少なくとも前回の注射箇所から2〜3cm離す。
2).注射箇所の腫瘤や硬結が認められた場合には、当該箇所への投与を避ける。
10.皮膚アミロイドーシス又はリポジストロフィーが現れた箇所に本剤を投与した場合、本剤の吸収が妨げられ十分な血糖コントロールが得られなくなることがあるので、血糖コントロールの不良が認められた場合には、注射箇所の腫瘤や硬結の有無を確認し、注射箇所の変更とともに投与量の調整を行うなどの適切な処置を行う(血糖コントロールの不良に伴い、過度に増量されたインスリン製剤が正常な箇所に投与されたことにより、低血糖に至った例が報告されている)。
(相互作用)
併用注意:
1.糖尿病用薬(ビグアナイド系薬剤、スルホニルウレア系薬剤、速効型インスリン分泌促進剤、α−グルコシダーゼ阻害剤、チアゾリジン系薬剤、DPP−4阻害薬、GLP−1受容体作動薬、SGLT2阻害剤等)[血糖降下作用の増強による低血糖症状が現れることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与する(血糖降下作用が増強される)]。
2.モノアミン酸化酵素<MAO>阻害剤[血糖降下作用の増強による低血糖症状が現れることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与する(インスリン分泌促進、糖新生抑制作用による血糖降下作用を有する)]。
3.三環系抗うつ剤(ノルトリプチリン塩酸塩等)[血糖降下作用の増強による低血糖症状が現れることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与する(機序は不明であるが、インスリン感受性を増強するなどの報告がある)]。
4.サリチル酸誘導体(アスピリン、エテンザミド)[血糖降下作用の増強による低血糖症状が現れることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与する(糖に対するβ細胞の感受性の亢進やインスリン利用率の増加等による血糖降下作用を有し、また、末梢で弱いインスリン様作用を有する)]。
5.抗腫瘍剤(シクロホスファミド水和物)[血糖降下作用の増強による低血糖症状が現れることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与する(インスリンが結合する抗体の生成を抑制し、その結合部位からインスリンを遊離させる可能性がある)]。
6.クマリン系薬剤(ワルファリンカリウム)、クロラムフェニコール[血糖降下作用の増強による低血糖症状が現れることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与する(機序不明)]。
7.サルファ剤[血糖降下作用の増強による低血糖症状が現れることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与する(膵臓でのインスリン分泌を増加させることにより、低血糖を起こすと考えられており、腎機能低下、空腹状態遷延、栄養不良、過量投与が危険因子となる)]。
8.シベンゾリンコハク酸塩、ジソピラミド、ピルメノール塩酸塩水和物[血糖降下作用の増強による低血糖症状が現れることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与する(インスリン分泌作用を認めたとの報告がある)]。
9.フィブラート系薬剤[血糖降下作用の増強による低血糖症状が現れることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与する(インスリン感受性増強等の作用により、本剤の作用を増強する)]。
10.レセルピン[血糖降下作用の増強による低血糖症状が現れることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与する(低血糖に対する交感神経系の症状(振戦、動悸等)をマスクし、低血糖を遷延させる可能性がある)]。
11.チアジド系利尿剤(トリクロルメチアジド)、ループ利尿剤(フロセミド)[血糖降下作用の減弱による高血糖症状が現れることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与する(カリウム喪失が関与すると考えられており、カリウム欠乏時には、血糖上昇反応に対するβ細胞のインスリン分泌能が低下する可能性がある)]。
12.副腎皮質ステロイド(プレドニゾロン、トリアムシノロン)[血糖降下作用の減弱による高血糖症状が現れることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与する(糖新生亢進、筋肉組織・脂肪組織からのアミノ酸や脂肪酸の遊離促進、末梢組織でのインスリン感受性低下等による血糖上昇作用を有する)]。
13.ACTH(テトラコサクチド酢酸塩)[血糖降下作用の減弱による高血糖症状が現れることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与する(副腎皮質刺激作用により糖質コルチコイドの分泌が増加し、糖質コルチコイドは、糖新生亢進、筋肉組織・脂肪組織からのアミノ酸や脂肪酸の遊離促進、末梢組織でのインスリン感受性低下等による血糖上昇作用を有する)]。
14.アドレナリン[血糖降下作用の減弱による高血糖症状が現れることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与する(糖新生亢進、末梢での糖利用抑制、インスリン分泌抑制による血糖上昇作用を有する)]。
15.グルカゴン、甲状腺ホルモン(レボチロキシンナトリウム水和物、乾燥甲状腺)[血糖降下作用の減弱による高血糖症状が現れることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与する(糖新生亢進、肝グリコーゲン分解促進による血糖上昇作用を有する)]。
16.成長ホルモン(ソマトロピン)[血糖降下作用の減弱による高血糖症状が現れることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与する(抗インスリン様作用による血糖上昇作用を有する)]。
17.卵胞ホルモン(エチニルエストラジオール、結合型エストロゲン)、経口避妊薬[血糖降下作用の減弱による高血糖症状が現れることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与する(末梢組織でインスリンの作用に拮抗する)]。
18.ニコチン酸[血糖降下作用の減弱による高血糖症状が現れることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与する(末梢組織でのインスリン感受性を低下させるため耐糖能障害を起こす)]。
19.濃グリセリン[血糖降下作用の減弱による高血糖症状が現れることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与する(代謝されて糖になるため、血糖値が上昇する)]。
20.イソニアジド[血糖降下作用の減弱による高血糖症状が現れることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与する(炭水化物代謝を阻害することによる血糖上昇作用を有する)]。
21.ダナゾール[血糖降下作用の減弱による高血糖症状が現れることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与する(インスリン抵抗性を増強する恐れがある)]。
22.フェニトイン[血糖降下作用の減弱による高血糖症状が現れることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与する(インスリン分泌抑制作用を有する)]。
23.ブセレリン酢酸塩[血糖降下作用の減弱による高血糖症状が現れることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与する(機序不明、耐糖能を悪化させることがある)]。
24.フェノチアジン誘導体[血糖降下作用の減弱による高血糖症状が現れることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与する(機序不明であるが、動物実験(ラット)において、インスリン分泌が低下したとの報告がある)]。
25.蛋白同化ステロイド(メスタノロン)[血糖降下作用の増強による低血糖症状、又は血糖降下作用の減弱による高血糖症状が現れることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与する(機序不明)]。
26.ソマトスタチンアナログ製剤(オクトレオチド酢酸塩等)[血糖降下作用の増強による低血糖症状、又は血糖降下作用の減弱による高血糖症状が現れることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与する(インスリン、グルカゴン及び成長ホルモン等互いに拮抗的に調節作用を持つホルモン間のバランスが変化することがある)]。
27.ペンタミジンイセチオン酸塩[血糖降下作用の増強による低血糖症状、又は血糖降下作用の減弱による高血糖症状が現れることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与する(膵臓のβ細胞に作用し、初期に低血糖、それに引き続いて高血糖を起こすことがある)]。
28.β−遮断剤(プロプラノロール塩酸塩、アテノロール、ピンドロール、セリプロロール塩酸塩等)[血糖降下作用の増強による低血糖症状、又は血糖降下作用の減弱による高血糖症状が現れることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与する(アドレナリンによる低血糖からの回復反応を抑制し、また、低血糖に対する交感神経系の症状(振戦、動悸等)をマスクし、低血糖を遷延させる可能性があり、また、インスリン感受性は薬剤により増強あるいは減弱することが報告されている)]。
29.炭酸リチウム[血糖降下作用の増強による低血糖症状、又は血糖降下作用の減弱による高血糖症状が現れることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与する(機序不明、インスリン分泌が減少したとの報告、逆に低血糖が発現したとの報告がある)]。
30.クロニジン[血糖降下作用の増強による低血糖症状、又は血糖降下作用の減弱による高血糖症状が現れることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与する(機序不明、血糖値が低下したとの報告、逆に血糖値を上昇させたとの報告があり、また、低血糖に対する交感神経系の症状(振戦、動悸等)をマスクし、低血糖を遷延させる可能性がある)]。
(高齢者への投与)
一般に高齢者では生理機能が低下していることが多く、低血糖が起こりやすいので、用量に留意し、定期的に検査を行うなど慎重に投与する。
(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
妊娠中の投与に関する安全性は確立していない(妊娠した場合、あるいは妊娠が予測される場合には医師に知らせるよう指導する)。妊娠中、周産期、授乳期等にはインスリンの需要量が変化しやすいため、用量に留意し、定期的に検査を行い投与量を調整する(通常インスリン需要量は、妊娠初期は減少し、中期及び後期は増加する)。
(小児等への投与)
成長及び活動性に応じてインスリンの需要量が変化するので、定期的に検査を行うなどして投与する。
(過量投与)
1.徴候・症状:過量投与時、低血糖が起こることがある。
2.処置:次を参考に、速やかに適切な処置を行う。
1).過量投与時、ショ糖を経口摂取する(但し、α−グルコシダーゼ阻害剤を併用中の場合は、必ずブドウ糖を経口摂取する)。
2).過量投与時、ブドウ糖を静脈内投与する。
3).過量投与時、グルカゴンを筋肉内又は静脈内投与する。
(適用上の注意)
1.投与時:
1).使用開始前にインスリン製剤のラベルを確認し、本剤と他のインスリン製剤とを取り間違えないようにする。
2).本剤はJIS T 3226−2に準拠したA型専用注射針を用いて使用する。
3).本剤とA型専用注射針との装着時に液漏れ等の不具合が認められた場合には、新しい注射針に取り替える等の処置方法を患者に十分指導する。
4).本剤は他のインスリン製剤との混合により、濁りが生じたり、本剤の作用時間や効果が変化する可能性があるので、本剤のカートリッジにインスリン製剤を補充したり、他のインスリン製剤と混合しない。
5).本剤のカートリッジの内壁に付着物がみられたり、液中に塊や薄片がみられた場合、又は液が変色した場合は使用しない。
6).本剤のカートリッジにひびが入っている場合は使用しない。
7).1本を複数の患者に使用しない。
2.投与部位:皮下注射は、上腕部、大腿部、腹部、腰部等に行うが、同一部位内で投与する場合は前回の注射箇所より2〜3cm離して注射する。
3.投与経路:静脈内に投与しない。但し、皮下注射したとき、まれに注射針が血管内に入り、注射後直ちに低血糖が現れることがあるので注意する。
4.保存時:
1).使用前は凍結を避け、2〜8℃で遮光保存する。
2).使用中は本剤を冷蔵庫に保存しない。
3).使用開始後は、遮光して室温保存する。
5.使用開始後の使用期限:使用開始後4週間を超えたものは使用しない(使用時の安定性試験に基づく)。
(その他の注意)
1.インスリン又は経口血糖降下剤の投与中にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与することにより、低血糖が起こりやすいとの報告がある。
2.ピオグリタゾンと併用した場合、浮腫が多く報告されているので、併用する場合には、浮腫及び心不全の徴候を十分観察しながら投与する。
(保管上の注意)
遮光して凍結を避け、2〜8℃で保存、密封容器。
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