処方薬事典データ協力:株式会社メドレー
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ヒューマログ注100単位/mLの基本情報
基本情報
インスリンを体内に投与することで、血糖値を下げ糖尿病による合併症を防ぐ薬
- ノボラピッド注 ノボラピッド30ミックス注 ノボラピッド50ミックス注 ノボラピッド70ミックス注
- ヒューマログ注 ヒューマログミックス25注 ヒューマログミックス50注
- ノボリンR注 ノボリンN注 ノボリン30R注 イノレット30R注
- ヒューマリンR注 ヒューマリンN注 ヒューマリン3/7注
- アピドラ注
- レベミル注
- ランタス注 ランタスXR注
- トレシーバ注
- ライゾデグ配合注
- フィアスプ注
- 糖尿病
- 通常、成人では1回2〜20単位を毎食直前に皮下注射するが、持続型インスリン製剤を併用したり、ときに投与回数を増やす
- 投与量は、患者の症状及び検査所見に応じて増減するが、持続型インスリン製剤の投与量を含めた維持量としては通常1日4〜100単位である
- 必要に応じ持続皮下注入ポンプを用いて投与する
- (用法及び用量に関連する注意)本剤は、速効型インスリン製剤に比べ、皮下からより速やかに吸収され、血糖降下作用は同等(本剤1モルと速効型インスリン製剤1モルは、同等の血糖降下作用を有する)である
- したがって、その作用の発現はより速やかで作用持続の時間が短い(投与後約5時間まで)ので、速効型インスリン製剤(通常食事の30分前に投与)と異なり食直前(15分以内)に投与を行うこと
- [投与時間]1). 本剤:食前15分以内
- 2). 速効型インスリン製剤:食前30分前
- また、他のインスリン製剤から本剤に変更する場合にも、その作用特性や薬物動態を考慮し、必要に応じて投与量を増減するなど、慎重に行うこと(用量の調整には、初回の投与から数週間あるいは数ヵ月間必要になることがある)
- 持続型インスリン製剤を併用している患者では、持続型インスリン製剤の投与量及び投与スケジュールの調整が必要となる場合があるので注意すること〔16.1.1、16.8.1参照〕
副作用
注意事項
- 禁止
- 過敏症
- 低血糖症状
- 注意
- 胃腸障害
- 嘔吐
- 外傷
- 過度のアルコール摂取
- 感染症
- 飢餓状態
- 下痢
- 重篤な肝機能障害
- 重篤な腎機能障害
- 手術
- 低血糖
- 脳下垂体機能不全
- 激しい筋肉運動
- 不規則な食事摂取
- 副腎機能不全
- 自律神経障害
- 持続型インスリン製剤を併用
- 投与に際する指示
- 持続型インスリン製剤を併用
- 慎重投与
- 高齢者
- 注意
- 妊婦・産婦
- 授乳婦
- 新生児(低出生体重児を含む)
- 乳児
- 幼児・小児
- 投与に際する指示
- 妊婦・産婦
- 授乳婦
相互作用
- 薬剤名
- 影響
- 糖尿病用薬
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- ビグアナイド系製剤
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- スルホニルウレア系薬剤
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- 速効型食後血糖降下剤
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- α−グルコシダーゼ阻害剤
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- チアゾリジン系薬剤
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- DPP−4阻害剤
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- GLP−1アナログ
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- SGLT2阻害剤
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- モノアミン酸化酵素阻害剤
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- 三環系抗うつ剤
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- 塩酸ノルトリプチリン
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- サリチル酸製剤
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- アスピリン
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- エテンザミド
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- シクロホスファミド水和物
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- β−遮断剤
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- プロプラノロール
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- アテノロール
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- ピンドロール
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- クマリン系抗凝血剤
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- ワルファリンカリウム
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- クロラムフェニコール
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- ベザフィブラート
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- サルファ剤
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- コハク酸シベンゾリン
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- ジソピラミド
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- 塩酸ピルメノール
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- 蛋白同化ステロイド
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- メスタノロン
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- ソマトスタチンアナログ製剤
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- オクトレオチド酢酸塩
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- ランレオチド酢酸塩
- 血糖降下作用の増強による低血糖症状
- チアジド系薬剤
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- トリクロルメチアジド
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- 副腎皮質ホルモン剤
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- プレドニゾロン
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- トリアムシノロン
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- ACTH
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- エピネフリン
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- グルカゴン
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- 甲状腺ホルモン剤
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- レボチロキシン
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- 乾燥甲状腺
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- 成長ホルモン
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- ソマトロピン
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- 卵胞ホルモン
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- エチニルエストラジオール
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- 結合型エストロゲン
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- 経口避妊薬
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- ニコチン酸製剤
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- 濃グリセリン
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- イソニアジド
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- ダナゾール
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- フェニトイン
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- 蛋白同化ステロイド
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- メスタノロン
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- ソマトスタチンアナログ製剤
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- オクトレオチド酢酸塩
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- ランレオチド酢酸塩
- 血糖降下作用の減弱による高血糖症状
- ACE阻害剤
- 低血糖
- ピオグリタゾン
- 浮腫
- ピオグリタゾン
- 心不全
- ニコチン酸(ナイアシン)を含むもの<まいたけ、たらこ、インスタントコーヒー、かつお節、まぐろ など>
処方理由
この薬をファーストチョイスする理由(2022年4月更新)
・コスト面でのメリットが有り、デバイスが使いやすいこと。また、0.5Uの調整が可能なデバイスが同じ価格で使用できるため。(60歳代開業医、糖尿病科)
・最近内分泌科から紹介されてくる患者はノボラピッドよりヒューマログの患者さんが多いと思う。(70歳代病院勤務医、脳神経内科)
・安価で効果発現も比較的早い上に、デバイスの出来も概ね良好でそれらしい欠点がない。(20歳代病院勤務医、糖尿病科)
・院内採用のため。食事を確認してから投与できるので良いと思う。(50歳代病院勤務医、脳神経外科)
・前医から引き続いて使用することが多いが、特に問題なく使えている。(50歳代病院勤務医、一般内科)
この薬をファーストチョイスする理由(2020年8月更新)
・ヒューマログの効果はノボラピッドとほぼ同じだが、ルムジェブへの変更も考慮すると最適と感じています。(60歳代病院勤務医、総合診療科)
・デバイスを変えた方がインスリンを間違えて使用しないので、強化療法の人にはランタスXRとのペアで使用している。(50歳代開業医、腎臓内科)
・使用経験が多く、使い慣れている。副作用が少ないと感じている。薬価が安価である。(30歳代病院勤務医、心臓血管外科)
・比較的価格が安い。0.5単位刻みで調節できるプレフィルドのデバイスがある。(50歳代診療所勤務医、糖尿病科)
・前医からの継続処方もあるのでヒューマログが一番処方頻度が高いですが、握力が落ちてきている症例などではフレックスタッチのあるノボラピッドに切り替えたりしています。(30歳代診療所勤務医、総合診療科)
この薬をファーストチョイスする理由(2018年12月更新)
・薬価が圧倒的に安い。必要に応じて、0.5単位刻みの注射器がディスポ製剤でも選択できる。(40歳代開業医、糖尿病科)
・低血糖の副作用は、他の速効型と同様に注意を要する。(60歳代病院勤務医、一般内科)
・病棟が使い慣れているため使用頻度があがりますが、効果、使いやすさに差はありません。(40歳代病院勤務医、心臓血管外科)
・処方経験が多く、単位数と血糖低下の程度の間の関連に関する実感がつかめている。(40歳代病院勤務医、代謝・内分泌内科)
この薬をファーストチョイスする理由(2016年11月更新)
・以前はアスパルトが多かったが、価格の関係でリスプロの方の希望が多くなった。(30歳代病院勤務医、代謝・内分泌内科)
・作用の切れ味が良い。食事の量に合わせて投与量を調節すれば、食後注射でも低血糖は起こしにくい。(30歳代病院勤務医、代謝・内分泌内科)
・本当は、カチッと音がして打ったことがわかるノボラピッドが好きであるが、価格が高いという理由で院内で採用されていない。(50歳代病院勤務医、一般内科)
・インスリンリスプロが最も早い立ち上がりを示すと感じている。(60歳代開業医、一般内科)
この薬をファーストチョイスする理由(2015年6月更新)
・最初に発売された超速効型インスリンなので、使い慣れているから。(50代開業医、一般内科)
・臨床効果が良く、薬価が安いことが患者さんからも支持されている。(40代病院勤務医、一般内科)
・使い勝手が良く、割と高齢者でもきちんと打てる。(60代開業医、一般内科)
・注入デバイス(ミリオペン)が優れている。価格が安い。作用発現・効果持続が適度である(長すぎない)。妊娠時の安全性が確立している。(50代病院勤務医、代謝・内分泌内科)
・ヒューマログのメリットは安いこと。キットの完成度はノボラピッドフレックスタッチが抜きん出ている。アピドラは、ランタスと併用時に混同しなければいいのですが。効果は、メーカーの言うほど違いはない。(40代病院勤務医、代謝・内分泌内科)
添付文書
インスリン療法が適応となる糖尿病。
(効能又は効果に関連する注意)
2型糖尿病においては急を要する場合以外は、あらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法を十分行ったうえで適用を考慮すること。
通常、成人では1回2〜20単位を毎食直前に皮下注射するが、持続型インスリン製剤を併用したり、ときに投与回数を増やす。
投与量は、患者の症状及び検査所見に応じて増減するが、持続型インスリン製剤の投与量を含めた維持量としては通常1日4〜100単位である。
必要に応じ持続皮下注入ポンプを用いて投与する。
(用法及び用量に関連する注意)
本剤は、速効型インスリン製剤に比べ、皮下からより速やかに吸収され、血糖降下作用は同等(本剤1モルと速効型インスリン製剤1モルは、同等の血糖降下作用を有する)である。したがって、その作用の発現はより速やかで作用持続の時間が短い(投与後約5時間まで)ので、速効型インスリン製剤(通常食事の30分前に投与)と異なり食直前(15分以内)に投与を行うこと。
[投与時間]
1). 本剤:食前15分以内。
2). 速効型インスリン製剤:食前30分前。
また、他のインスリン製剤から本剤に変更する場合にも、その作用特性や薬物動態を考慮し、必要に応じて投与量を増減するなど、慎重に行うこと(用量の調整には、初回の投与から数週間あるいは数ヵ月間必要になることがある)。
持続型インスリン製剤を併用している患者では、持続型インスリン製剤の投与量及び投与スケジュールの調整が必要となる場合があるので注意すること〔16.1.1、16.8.1参照〕。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 低血糖(頻度不明):脱力感、倦怠感、高度空腹感、冷汗、顔面蒼白、動悸、振戦、頭痛、めまい、嘔気、視覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、痙攣、意識障害(意識混濁、昏睡)等があらわれることがある。低血糖が無処置の状態が続くと低血糖昏睡等を起こし、重篤な転帰(中枢神経系の不可逆的障害、死亡等)をとるおそれがある。
長期にわたる糖尿病、糖尿病性神経障害、β遮断剤投与中あるいは強化インスリン療法が行われている場合では、低血糖の初期の自覚症状(冷汗、振戦等)が通常と異なる場合や、自覚症状があらわれないまま、低血糖あるいは低血糖昏睡に陥ることがある。
低血糖症状が認められた場合には糖質を含む食品を摂取するなど、適切な処置を行うこと。α−グルコシダーゼ阻害薬との併用時に低血糖症状が認められた場合にはブドウ糖を投与すること。低血糖症状が認められ経口摂取が不可能な場合は、ブドウ糖の静脈内投与やグルカゴンの筋肉内投与等、適切な処置を行うこと。
低血糖は臨床的に回復した場合にも、再発することがあるので継続的に観察すること〔2.1、8.2、8.3、9.1.2、9.1.3、9.2.1、9.3.1、9.8高齢者の項、10.2参照〕。
11.1.2. アナフィラキシーショック、血管神経性浮腫(頻度不明):アナフィラキシーショック(呼吸困難、血圧低下、頻脈、発汗、全身発疹等)、血管神経性浮腫等の症状が認められた場合は投与を中止すること。
11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(0.1〜5%未満)蕁麻疹、(頻度不明)アレルギー、発疹、そう痒感。
2). 代謝異常:(0.1〜5%未満)高血糖、血糖値上昇。
3). 神経系:(頻度不明)治療後神経障害(主に有痛性神経障害)。
4). 眼:(頻度不明)糖尿病網膜症の顕在化又は糖尿病網膜症増悪、眼の屈折異常。
5). 注射部位:(頻度不明)局所反応(腫脹、そう痒感、疼痛、硬結、発赤等)[通常軽微であり、数日から数週間で回復する]、(注射部位)リポジストロフィー(皮下脂肪萎縮・皮下脂肪肥厚等)、皮膚アミロイドーシス。
6). 肝臓:(頻度不明)肝機能異常。
7). その他:(頻度不明)浮腫。
(禁忌)
2.1. 低血糖症状を呈している患者〔11.1.1参照〕。
2.2. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
(重要な基本的注意)
8.1. 本剤の自己注射にあたっては、次の点に留意すること。
・ 本剤の自己注射にあたっては、投与法について十分な教育訓練を実施したのち、患者自ら確実に投与できることを確認したうえで、医師の管理指導の下で実施すること。
・ 本剤の自己注射にあたっては、全ての器具の安全な廃棄方法について指導を徹底すること。
8.2. 低血糖に関する注意について、その対処法も含め患者及びその家族に十分徹底させること〔9.1.2、11.1.1参照〕。
8.3. 低血糖があらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与するときは注意すること〔11.1.1参照〕。
8.4. 肝機能障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、倦怠感等の肝障害を示唆する症状が認められた場合は肝機能検査を行い、異常が認められた場合はインスリン製剤を変更するなど適切な処置を行うこと。
8.5. 急激な血糖コントロールに伴い、糖尿病網膜症の顕在化又は糖尿病網膜症増悪、眼の屈折異常、治療後神経障害(主として有痛性神経障害)があらわれることがあるので注意すること。
8.6. 本剤と他のインスリン製剤を取り違えないよう、毎回注射する前に本剤のラベル等を確認するよう患者に十分指導すること。
8.7. 同一箇所への繰り返し投与により、注射箇所に皮膚アミロイドーシス又はリポジストロフィーがあらわれることがあるので、定期的に注射箇所を観察するとともに、次の点を患者に指導すること。
・ 本剤の注射箇所は、少なくとも前回の注射箇所から2〜3cm離すこと〔14.2.1参照〕。
・ 注射箇所の腫瘤や硬結が認められた場合には、当該箇所への投与を避けること。
8.8. 皮膚アミロイドーシス又はリポジストロフィーがあらわれた箇所に本剤を投与した場合、本剤の吸収が妨げられ十分な血糖コントロールが得られなくなることがあるので、血糖コントロールの不良が認められた場合には、注射箇所の腫瘤や硬結の有無を確認し、注射箇所の変更とともに投与量の調整を行うなどの適切な処置を行うこと(血糖コントロールの不良に伴い、過度に増量されたインスリン製剤が正常な箇所に投与されたことにより、低血糖に至った例が報告されている)。
8.9. インスリン含有単位(UNITS)と液量の単位(mL)を混同することにより、誤ったインスリン量を投与する可能性があるので、本剤を調製又は投与する場合は、「単位」もしくは「UNITS」の目盛が表示されているインスリンバイアル専用の注射器を用いる(持続皮下インスリン注入(CSII)療法に用いる場合は持続皮下注入ポンプの取扱説明書に記載された器具を用いる)。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 手術、外傷、感染症等の患者:インスリン需要の変動が激しい。
9.1.2. 低血糖を起こしやすい次の患者又は状態。
・ 脳下垂体機能不全又は副腎機能不全。
・ 下痢、嘔吐等の胃腸障害。
・ 飢餓状態、不規則な食事摂取。
・ 激しい筋肉運動。
・ 過度のアルコール摂取。
〔8.2、11.1.1参照〕。
9.1.3. 自律神経障害の患者:胃内容排出の遅延がある場合、食前投与により低血糖を引き起こすおそれがあり、また、アドレナリンの欠乏により低血糖の自覚症状が明確でないことがある〔11.1.1参照〕。
(腎機能障害患者)
9.2.1. 重篤な腎機能障害患者:低血糖を起こしやすい〔11.1.1参照〕。
(肝機能障害患者)
9.3.1. 重篤な肝機能障害患者:低血糖を起こしやすい〔11.1.1参照〕。
(妊婦)
妊娠した場合、あるいは妊娠が予測される場合には医師に知らせるように指導すること。妊娠中、周産期等にはインスリンの需要量が変化しやすいため、用量に留意し、定期的に検査を行い投与量を調整すること(通常インスリン需要量は、妊娠初期は減少し、中期及び後期は増加する)。
(授乳婦)
用量に留意し、定期的に検査を行い投与量を調整すること(インスリンの需要量が変化しやすい)、本剤のヒト母乳移行は不明であるが、ヒトインスリンは、ヒト母乳に移行する。
(小児等)
定期的に検査を行うこと(成長及び活動性に応じてインスリンの需要量が変化する)〔17.1.2、17.1.3参照〕。
(高齢者)
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(生理機能が低下していることが多く、低血糖が起こりやすい)〔11.1.1参照〕。
(相互作用)
10.2. 併用注意:
1). 糖尿病用薬(ビグアナイド系薬剤、スルホニルウレア系薬剤、速効型インスリン分泌促進剤、α−グルコシダーゼ阻害剤、チアゾリジン系薬剤、DPP−4阻害薬、GLP−1受容体作動薬、SGLT2阻害剤等)[血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること〔11.1.1参照〕(血糖降下作用が増強される)]。
2). モノアミン酸化酵素<MAO>阻害剤[血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること〔11.1.1参照〕(インスリンの分泌を促進し、糖新生を阻害する)]。
3). 三環系抗うつ剤(ノルトリプチリン塩酸塩等)[血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること〔11.1.1参照〕(機序は不明であるが、インスリン感受性を増強するなどの報告がある)]。
4). サリチル酸誘導体(アスピリン、エテンザミド)[血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること〔11.1.1参照〕(β細胞の糖に対する感受性の亢進、インスリン分泌促進により血糖降下作用を示し、また末梢で弱いインスリン様作用を有する)]。
5). 抗腫瘍剤(シクロホスファミド水和物)[血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること〔11.1.1参照〕(インスリンが結合する抗体の生成を抑制し、その結合部位からインスリンを遊離させる可能性がある)]。
6). β遮断剤(プロプラノロール塩酸塩、アテノロール、ピンドロール)[血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること〔11.1.1参照〕(アドレナリンによる低血糖からの回復反応を抑制し、また低血糖に対する交感神経系の症状(振戦、動悸等)をマスクし、低血糖を遷延させる可能性がある)]。
7). クマリン系薬剤(ワルファリンカリウム)[血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること〔11.1.1参照〕(機序は不明である)]。
8). クロラムフェニコール[血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること〔11.1.1参照〕(機序は不明である)]。
9). ベザフィブラート[血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること〔11.1.1参照〕(インスリン感受性増強等の作用により、本剤の作用を増強する)]。
10). サルファ剤[血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること〔11.1.1参照〕(膵臓でのインスリン分泌を増加させることにより、低血糖を起こすと考えられており、腎機能低下、空腹状態遷延、栄養不良、過量投与が危険因子となる)]。
11). シベンゾリンコハク酸塩、ジソピラミド、ピルメノール塩酸塩水和物[血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること〔11.1.1参照〕(動物実験においてインスリンの分泌を促進するとの報告があり、血糖降下作用が増強される可能性がある)]。
12). チアジド系利尿剤(トリクロルメチアジド)[血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(カリウム喪失が関与すると考えられており、カリウム欠乏時には、血糖上昇反応に対するβ細胞のインスリン分泌能が低下する可能性がある)]。
13). 副腎皮質ステロイド(プレドニゾロン、トリアムシノロン)[血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(末梢組織でインスリンの作用に拮抗し、また糖新生を促進する)]。
14). ACTH(テトラコサクチド酢酸塩)[血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(糖質コルチコイドの産生を促し、血糖上昇作用を示す)]。
15). アドレナリン[血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(肝での糖新生の促進、末梢での糖利用抑制、インスリン分泌抑制により血糖を上昇させる)]。
16). グルカゴン[血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(肝グリコーゲン分解促進、糖新生の亢進により血糖を上昇させる)]。
17). 甲状腺ホルモン(レボチロキシンナトリウム水和物、乾燥甲状腺)[血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(肝での糖新生を亢進させる可能性がある)]。
18). 成長ホルモン(ソマトロピン)[血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(抗インスリン様作用による血糖上昇作用を有する)]。
19). 卵胞ホルモン(エチニルエストラジオール、結合型エストロゲン)[血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(末梢組織でインスリンの作用に拮抗する)]。
20). 経口避妊薬[血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(末梢組織でインスリンの作用に拮抗する)]。
21). ニコチン酸[血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(末梢でのインスリン感受性を低下させるため耐糖能障害を起こす)]。
22). 濃グリセリン[血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(代謝されて糖になるため、血糖値が上昇する)]。
23). イソニアジド[血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(炭水化物代謝を阻害し、血糖値を上昇させる)]。
24). ダナゾール[血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(抗インスリン作用を有する)]。
25). フェニトイン[血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(インスリン分泌抑制作用を有する)]。
26). 蛋白同化ステロイド(メスタノロン)[血糖降下作用の増強による低血糖症状、又は血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること〔11.1.1参照〕(機序は不明である)]。
27). ソマトスタチンアナログ製剤(オクトレオチド酢酸塩、ランレオチド酢酸塩)[血糖降下作用の増強による低血糖症状、又は血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること〔11.1.1参照〕(インスリン、グルカゴン及び成長ホルモン等互いに拮抗的に調節作用をもつホルモン間のバランスが変化することがある)]。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤調製時の注意
14.1.1. 本剤はヒューマリンN注と混注でき、混合に際しては各製剤の1mL当たりのインスリン含有単位に注意し、混合後、直ちに皮下注射する。なお、異なるインスリン製剤の混合に際しては、各製剤に付された注意を守ること。
14.2. 薬剤投与時の注意
14.2.1. 皮下注射は腹部・大腿部・上腕部・臀部等に行う。投与部位により吸収速度が異なり、その結果作用発現時間が異なるので部位を決め、その中で注射箇所を毎回変える(前回の注射箇所より2〜3cm離して注射する)〔8.7参照〕。
14.2.2. 静脈内に投与しないこと。皮下注射したとき、まれに注射針が血管内に入り、注射後直ちに低血糖が起こることがあるので注意すること。
(その他の注意)
15.1. 臨床使用に基づく情報
15.1.1. インスリン又は経口血糖降下剤の投与中にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与することにより、低血糖が起こりやすいとの報告がある。
15.1.2. ピオグリタゾンと併用した場合、浮腫が多く報告されているので、併用する場合には、浮腫及び心不全の徴候を十分観察しながら投与すること。
(取扱い上の注意)
20.1. 凍結を避け、遮光して2〜8℃で冷蔵保存すること。
20.2. 使用開始後は、冷蔵保存できない場合には、遮光して30℃以下で保存すること。
20.3. 使用開始後は、28日以内に使用すること。
(保管上の注意)
2〜8℃で保存。
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