処方薬事典データ協力:株式会社メドレー
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レナデックス錠4mgの基本情報
基本情報
抗炎症作用、免疫抑制作用などにより、アレルギー性疾患、自己免疫疾患、血液疾患など多くの疾患・病態の治療に用いられる薬
- プレドニン,プレドニゾロン
- メドロール
- デカドロン
- ゼンタコート
- 多発性骨髄腫
- 通常、成人にはデキサメタゾンとして40mgを1日1回、4日間経口投与する
- なお、投与量及び投与日数は、患者の状態及び併用する他の抗悪性腫瘍剤により適宜減ずる
- (用法及び用量に関連する注意)本剤を単独又は他の抗悪性腫瘍剤との併用で使用する場合の投与量、投与スケジュール等については、学会のガイドライン等、最新の情報を参考に投与すること
副作用
注意事項
- 禁止
- 過敏症
- RPV・TAF・FTC使用中
- RPV・TDF・FTC使用中
- アスナプレビル使用中
- ダクラタスビル塩酸塩・アスナプレビル・ベクラブビル塩酸塩使用中
- ダクラタスビル塩酸塩使用中
- デスモプレシン酢酸塩水和物使用中<男性における夜間多尿による夜間頻尿>
- リルピビリン塩酸塩・ドルテグラビルナトリウム使用中
- リルピビリン塩酸塩使用中
- 原則禁止
- 急性心筋梗塞
- 結核性疾患
- 血栓症
- 高血圧症
- 後嚢白内障
- 最近行った内臓の手術創
- 消化性潰瘍
- 精神病
- 全身の真菌症
- 単純疱疹性角膜炎
- 電解質異常
- 有効な抗菌剤の存在しない感染症
- 緑内障
- コントロール不良の糖尿病
- 注意
- 肝硬変
- 甲状腺機能低下
- 骨粗鬆症
- 脂肪肝
- 脂肪塞栓症
- 重症筋無力症
- 腎不全
- 慢性肝疾患
- B型肝炎ウイルスキャリア
- 投与開始前にHBs抗原陰性
- 感染症<有効な抗菌剤の存在しない感染症・全身の真菌症を除く>
- 糖尿病<コントロール不良の糖尿病を除く>
- 相対禁止
- 妊婦・産婦
- 新生児(低出生体重児を含む)
- 慎重投与
- 高齢者
- 注意
- 授乳婦
- 新生児(低出生体重児を含む)
- 乳児
- 幼児・小児
- 相対禁止
- 新生児(0日〜27日)
相互作用
- 薬剤名
- 影響
- 生ワクチン
- ワクチン由来の感染を増強又は持続
- デスモプレシン酢酸塩水和物<男性における夜間多尿による夜間頻尿>
- 低ナトリウム血症
- リルピビリン塩酸塩
- 血中濃度を低下させ作用を減弱
- リルピビリン・テノホビル アラフェナミド・エムトリシタビン
- 血中濃度を低下させ作用を減弱
- RPV・TDF・FTC
- 血中濃度を低下させ作用を減弱
- ドルテグラビルナトリウム・リルピビリン塩酸塩
- 血中濃度を低下させ作用を減弱
- ダクラタスビル塩酸塩
- 血中濃度を低下させ作用を減弱
- アスナプレビル
- 血中濃度を低下させ作用を減弱
- ダクラタスビル塩酸塩・アスナプレビル・ベクラブビル塩酸塩
- 血中濃度を低下させ作用を減弱
- 肝薬物代謝酵素<CYP3A4>の基質となる薬剤
- 血中濃度を低下させ作用を減弱
- メシル酸イマチニブ
- 血中濃度を低下させ作用を減弱
- エプレレノン
- 血中濃度を低下させ作用を減弱
- 臭化水素酸エレトリプタン
- 血中濃度を低下させ作用を減弱
- 塩酸ドネペジル
- 血中濃度を低下させ作用を減弱
- カスポファンギン酢酸塩
- 血中濃度が低下
- 肝薬物代謝酵素<CYP3A4>を誘導する薬剤
- 本剤の作用が減弱
- バルビツール酸誘導体
- 本剤の作用が減弱
- フェノバルビタール
- 本剤の作用が減弱
- リファンピシン類
- 本剤の作用が減弱
- カルバマゼピン
- 本剤の作用が減弱
- フェニトイン
- 本剤の作用が減弱
- フェニトイン
- 血中濃度が上昇又は低下
- HIVプロテアーゼ阻害剤
- 本剤のAUCが上昇
- リトナビル
- 本剤のAUCが上昇
- ホスアンプレナビルカルシウム水和物
- 本剤のAUCが上昇
- ダルナビルエタノール付加物
- 本剤のAUCが上昇
- HIVプロテアーゼ阻害剤
- AUCが低下
- リトナビル
- AUCが低下
- ホスアンプレナビルカルシウム水和物
- AUCが低下
- ダルナビルエタノール付加物
- AUCが低下
- アプレピタント
- 本剤の作用が増強
- マクロライド系抗生物質
- 副腎皮質ホルモン剤の作用が増強
- エリスロマイシン
- 副腎皮質ホルモン剤の作用が増強
- アゾール系抗真菌剤
- 副腎皮質ホルモン剤の作用が増強
- イトラコナゾール
- 副腎皮質ホルモン剤の作用が増強
- メフロキン塩酸塩
- 本剤又はメフロキンの血中濃度が変動
- シクロスポリン
- 血中濃度が上昇
- サリチル酸製剤
- 血清中のサリチル酸誘導体の濃度が増加しサリチル酸中毒
- アスピリン
- 血清中のサリチル酸誘導体の濃度が増加しサリチル酸中毒
- 血液凝固阻止剤
- 作用を減弱
- ワルファリンカリウム
- 作用を減弱
- 経口糖尿病剤
- 作用を減弱
- アセトヘキサミド
- 作用を減弱
- インスリン製剤
- 作用を減弱
- 血圧降下剤
- 作用を減弱
- 利尿剤
- 作用を減弱
- 利尿剤<カリウム保持性利尿剤を除く>
- 低カリウム血症
- トリクロルメチアジド
- 低カリウム血症
- フロセミド
- 低カリウム血症
- カルシウム受容体作動薬
- 血清カルシウム濃度が低下
- エボカルセト
- 血清カルシウム濃度が低下
- エテルカルセチド塩酸塩
- 血清カルシウム濃度が低下
- シナカルセト塩酸塩
- 血清カルシウム濃度が低下
- エフェドリン塩酸塩
- 副腎皮質ホルモン剤の代謝が促進され血中濃度が低下
- サリドマイド
- 血栓症と血栓塞栓症のリスクを高める
- サリドマイド
- 中毒性表皮壊死症
- サリドマイド
- Toxic Epidermal Necrolysis:TEN
- インドメタシン製剤
- デキサメタゾン抑制試験を実施すると試験結果が偽陰性
- ワクチン
- 神経障害
- ワクチン
- 抗体反応の欠如
処方理由
この薬をファーストチョイスする理由(2022年2月更新)
・コロナで使用するようになった。プレドニンの方が副作用、用量調整のしやすさで秀でていると思うが、錠数が増えることが問題だと思っている。デカドロンは副作用が若干遷延する印象があり、短所だと考えている。(30歳代病院勤務医、一般内科)
・クループ症候群の時にデカドロンを使う事が多い。効果は高く、短期間で使う分には副作用も少ないと思う。(40歳代病院勤務医、小児科)
・病態によるが、当方肺癌の化学療法を行う機会が多いため、デカドロンをよく使う。(30歳代病院勤務医、呼吸器外科)
・化学療法投与の際に使うことが多く、使い慣れている。(30歳代病院勤務医、一般外科)
この薬をファーストチョイスする理由(2020年6月更新)
・エリキシル剤があり、乳幼児のクループなどに使用することが多い。(70歳代病院勤務医、小児科)
・高力価であり半減期も長く緩和ケアの分野では頻用しています。(40歳代病院勤務医、緩和ケア科)
・一般小児外来では仮性クループの症例は比較的多いため、抗炎症作用の強いデキサメタゾンエリキシルの使用頻度が高くなる。(50歳代病院勤務医、小児科)
・0.5mg錠があり、投与量の細かい指定ができる。ただ、破砕するとかなり苦いらしいのが難点。(50歳代診療所勤務医、小児科)
この薬をファーストチョイスする理由(2018年10月更新)
・消化器癌を扱うことが多いため、化学療法の副作用予防(治療)や癌悪液質に対する治療で上記薬剤を処方する機会が多い。(50歳代病院勤務医、消化器外科)
・がんによる倦怠感をとるときには高用量を使うが、それに適した錠剤をそろえてくれたことに感謝する。(40歳代病院勤務医、皮膚科)
・安価で制吐作用がある(40歳代病院勤務医、消化器外科)
・喘息の治療やクループ症候群の治療にデカドロンを処方しています。力価が高く、効果も高いと思います。シロップだとやや苦みがあるので、単シロップと混ぜていることが多いです。(40歳代病院勤務医、小児科)
・抗炎症作用が強力なため、乳幼児のクループ症候群に使用している。(50歳代病院勤務医、小児科)
この薬をファーストチョイスする理由(2017年2月更新)
・乳幼児の喘息やクループ症候群などにエリキシル剤を使うことが多い。(50歳代開業医、小児科)
・小さくて内服がしやすく、五角形のため患者が他の薬と判別しやすい。小児気管支喘息の重積発作に処方します。(40歳代病院勤務医、小児科)
・気管支喘息、咽頭喉頭炎等に使用している。エリキシルや錠剤など、剤型が複数あるので使いやすい。(60歳代開業医、小児科)
・変わった形状をしていて他の薬と区別が付きやすい。ただし0.5mg錠のため、多い患者では10錠以上飲む必要がある。5mgの剤型も作ってほしい。(50歳代病院勤務医、一般内科)
この薬をファーストチョイスする理由(2015年11月更新)
・錠剤が、小さくて飲みやすい。じんましんやアナフィラキシーに対する短期処方に限定して使用している。半減期が長い。(40代勤務医、救急科)
・小児のクループに対し、よく処方します。効果はかなりあると思います。(40代勤務医、小児科)
・気管支炎、咽喉頭炎に症状改善薬として使っています。プレドニンよりも糖質コルチコイド作用が強く、内服初回より2日くらい併用薬として用いています。小児用のエリキシルはまずいので、なんとか味を改善してほしいです。(50代開業医、小児科)
・デカドロン錠剤は水に懸濁しやすいので、小児でも使いやすい。(50代勤務医、小児科)
・疾患が限られるのですが、去勢抵抗性前立腺癌に、低用量のデキサメサゾンを投与する場合が多いです。(50代勤務医、泌尿器科)
・抗癌剤投与後の遅発性嘔吐、嘔気の予防のために使用することが多い。(50代勤務医、産科・婦人科)
・緩和ケアで末期癌の悪液質に対して使用。4mg錠が出て内服コンプライアンスが上がり、とても使用しやすい。(20代診療所勤務医、総合診療科)
・支持療法(ベスト・サポーティブ・ケア、BSC)では、これ一本です。投与経路を変えると換算が面倒ですが、一番慣れているので。ただ、ステロイドは半減期や糖質・鉱質、剤形を考慮し、疾患ごとに使い分けるので、今回のような調査には対象疾患に左右されて一般的な回答は難しいように思います。ハイドロコートン、ソル・メドロール、プレドニン、フロリネフ、デカドロン/リンデロンなどは、内科の先生方ならどなたでも普通に使い分けていらっしゃるのではないでしょうか。(40代診療所勤務医、一般内科)
添付文書
多発性骨髄腫。
通常、成人にはデキサメタゾンとして40mgを1日1回、4日間経口投与する。なお、投与量及び投与日数は、患者の状態及び併用する他の抗悪性腫瘍剤により適宜減ずる。
(用法及び用量に関連する注意)
本剤を単独又は他の抗悪性腫瘍剤との併用で使用する場合の投与量、投与スケジュール等については、学会のガイドライン等、最新の情報を参考に投与すること。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 誘発感染症、感染症増悪(24.0%):B型肝炎ウイルス増殖による肝炎があらわれることがある〔8.1、9.1.1、9.1.2、9.1.8、9.8高齢者の項参照〕。
11.1.2. 続発性副腎皮質機能不全(0.6%)、糖尿病(1.1%)〔8.1、9.1.1、9.1.3、9.8高齢者の項参照〕。
11.1.3. 消化性潰瘍(1.1%)、消化管穿孔(頻度不明)、膵炎(頻度不明)〔8.1、9.1.1参照〕。
11.1.4. 精神変調(頻度不明)、うつ状態(6.3%)、痙攣(頻度不明)〔8.1、9.1.1参照〕。
11.1.5. 骨粗鬆症(0.6%)、大腿骨頭無菌性壊死及び上腕骨頭無菌性壊死等の骨頭無菌性壊死(0.6%)、ミオパチー(2.3%)、脊椎圧迫骨折(頻度不明)、長骨病的骨折(頻度不明)〔9.1.4、9.8高齢者の項参照〕。
11.1.6. 緑内障(頻度不明)、後嚢白内障(1.1%):連用により眼圧亢進、緑内障、後嚢白内障を来すことがある〔8.4、9.1.1、9.8高齢者の項参照〕。
11.1.7. 血栓塞栓症(5.7%)〔9.1.1参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 血液:(10%未満)好中球減少症、血小板減少症、貧血、(頻度不明)白血球増多。
2). 血管:(10%未満)血管浮腫。
3). 内分泌系:(頻度不明)月経異常。
4). 代謝異常:(10%以上)高血糖、(10%未満)末梢性浮腫、体重増加、体重減少、浮腫、食欲不振、(頻度不明)低カリウム性アルカローシス、満月様顔貌、野牛肩、窒素負平衡、脂肪肝、食欲亢進。
5). 精神・神経系:(10%以上)不眠症、錯感覚、(10%未満)味覚異常、末梢性ニューロパチー、頭痛、浮動性めまい、うつ病、振戦、気分動揺、錯乱状態、傾眠、不安、(頻度不明)多幸症、めまい。
6). 眼:(10%未満)霧視、(頻度不明)網膜障害、眼球突出。
7). 呼吸器:(10%未満)気管支炎。
8). 消化器:(10%未満)便秘、腹痛、消化不良、下痢、(頻度不明)悪心・嘔吐、胃痛、胸やけ、腹部膨満感、口渇。
9). 皮膚:(10%未満)紅斑、(頻度不明)発疹、ざ瘡、多毛、脱毛、皮膚色素沈着、皮下いっ血、紫斑、皮膚線条、皮膚そう痒、発汗異常、顔面紅斑、創傷治癒障害、皮膚脆弱化、脂肪織炎。
10). 筋・骨格系:(10%以上)筋痙攣、(10%未満)筋脱力、筋痛、(頻度不明)関節痛。
11). 腎:(頻度不明)ステロイド腎症。
12). その他:(10%以上)無力症、疲労、(10%未満)発熱、粘膜炎症、(頻度不明)血圧上昇、精子数異常及び精子運動性異常、しゃっくり。
(警告)
本剤を含むがん化学療法は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される患者についてのみ実施すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族等に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与を開始すること。
(禁忌)
2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 次の薬剤を使用中の患者:デスモプレシン酢酸塩水和物使用中<男性における夜間多尿による夜間頻尿>、リルピビリン塩酸塩使用中、RPV・TAF・FTC使用中(リルピビリン塩酸塩・テノホビル アラフェナミドフマル酸塩・エムトリシタビン)、RPV・TDF・FTC使用中(リルピビリン塩酸塩・テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩・エムトリシタビン)、リルピビリン塩酸塩・ドルテグラビルナトリウム使用中、ダクラタスビル塩酸塩使用中、アスナプレビル使用中、ダクラタスビル塩酸塩・アスナプレビル・ベクラブビル塩酸塩使用中〔10.1参照〕。
(重要な基本的注意)
8.1. 本剤の投与により、誘発感染症、続発性副腎皮質機能不全、消化性潰瘍、糖尿病、精神障害等の重篤な副作用があらわれることがあるので、本剤の投与にあたっては、次の注意が必要である〔11.1.1−11.1.4参照〕。
・ 本剤投与中は副作用の出現に対し、常に十分な配慮と観察を行うこと。
・ 本剤の投与中止後、離脱症状があらわれることがあるので、注意すること。
8.2. 本剤投与中の患者、又は投与中止後6ヵ月以内の患者では、免疫機能が低下していることがあり、生ワクチンの接種により、ワクチン由来の感染を増強又は持続させるおそれがあるので、これらの患者には生ワクチンを接種しないこと。
8.3. 特に、本剤投与中に水痘又は麻疹に感染すると、致命的な経過をたどることがあるので、次の注意が必要である。
・ 本剤投与前に水痘又は麻疹の既往や予防接種の有無を確認すること。
・ 水痘又は麻疹の既往のない患者においては、水痘又は麻疹への感染を極力防ぐよう常に十分な配慮と観察を行うこと。
水痘又は麻疹への感染が疑われる場合や感染した場合には、直ちに受診するよう指導し、適切な処置を講ずること。
・ 水痘又は麻疹の既往や予防接種を受けたことがある患者であっても、本剤投与中は、水痘又は麻疹を発症する可能性があるので留意すること。
8.4. 緑内障、後嚢白内障を来すことがあるので、定期的に検査をすることが望ましい〔11.1.6参照〕。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 次の患者には治療上やむを得ないと判断される場合を除き投与しないこと。
(1). 有効な抗菌剤の存在しない感染症、全身の真菌症の患者:免疫抑制作用により、感染症が増悪するおそれがある〔11.1.1参照〕。
(2). 結核性疾患の患者:免疫抑制作用により、結核性疾患が増悪するおそれがある〔11.1.1参照〕。
(3). 単純疱疹性角膜炎の患者:免疫抑制作用により、単純疱疹性角膜炎が増悪するおそれがある〔11.1.1参照〕。
(4). コントロール不良の糖尿病の患者:糖新生促進作用(血糖値上昇)等により、糖尿病が増悪するおそれがある〔11.1.2参照〕。
(5). 消化性潰瘍の患者:粘膜防御能の低下等により、消化性潰瘍が増悪するおそれがある〔11.1.3参照〕。
(6). 精神病の患者:中枢神経系に影響し、精神病が増悪するおそれがある〔11.1.4参照〕。
(7). 後嚢白内障の患者:水晶体線維に影響し、後嚢白内障が増悪するおそれがある〔11.1.6参照〕。
(8). 緑内障の患者:眼圧が上昇し、緑内障が増悪するおそれがある〔11.1.6参照〕。
(9). 高血圧症の患者:ナトリウム・水貯留作用等により、高血圧症が増悪するおそれがある。
(10). 電解質異常のある患者:ナトリウム・水貯留作用により、電解質異常が増悪するおそれがある。
(11). 血栓症の患者:血液凝固能が亢進し、血栓症が増悪するおそれがある〔11.1.7参照〕。
(12). 最近行った内臓の手術創のある患者:創傷治癒を遅延するおそれがある。
(13). 急性心筋梗塞を起こした患者:心破裂を起こしたとの報告がある。
9.1.2. 感染症<有効な抗菌剤の存在しない感染症・全身の真菌症を除く>の患者:免疫抑制作用により、感染症が増悪するおそれがある〔11.1.1参照〕。
9.1.3. 糖尿病<コントロール不良の糖尿病を除く>の患者:糖新生促進作用(血糖値上昇)等により、糖尿病が増悪するおそれがある〔11.1.2参照〕。
9.1.4. 骨粗鬆症の患者:骨形成抑制作用及びカルシウム代謝の障害を起こすことにより、骨粗鬆症が増悪するおそれがある〔11.1.5参照〕。
9.1.5. 甲状腺機能低下のある患者:血中半減期の延長がみられ、副作用が起こりやすい。
9.1.6. 脂肪塞栓症の患者:脂質代謝に影響し、脂肪塞栓症が増悪するおそれがある。
9.1.7. 重症筋無力症の患者:使用当初、一時症状が増悪することがある。
9.1.8. B型肝炎ウイルスキャリアの患者:本剤の投与期間中及び投与終了後は継続して肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルス増殖の徴候や症状の発現に注意し、異常が認められた場合には、本剤の減量を考慮し、抗ウイルス剤を投与するなど適切な処置を行うこと(B型肝炎ウイルス増殖による肝炎があらわれることがある)。なお、投与開始前にHBs抗原陰性の患者において、B型肝炎ウイルスによる肝炎を発症した症例が報告されている〔11.1.1参照〕。
(腎機能障害患者)
9.2.1. 腎不全の患者:症状が増悪するおそれがある。
(肝機能障害患者)
9.3.1. 肝硬変の患者:慢性肝疾患患者では、血中半減期の延長がみられ、副作用が起こりやすい。
9.3.2. 脂肪肝の患者:脂質代謝に影響し、脂肪肝が増悪するおそれがある。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(動物実験で催奇形作用が報告されており、また、新生児に副腎不全を起こすことがある)。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
(小児等)
9.7.1. 観察を十分に行うこと。発育抑制があらわれることがある。
9.7.2. 長期投与した場合、頭蓋内圧亢進症状があらわれることがある。
(高齢者)
慎重に投与すること(長期投与した場合、感染症の誘発、糖尿病、骨粗鬆症、高血圧症、後嚢白内障、緑内障等の副作用があらわれやすい)〔11.1.1、11.1.2、11.1.5、11.1.6参照〕。
(相互作用)
本剤は主に肝代謝酵素チトクロームP450 3A4(CYP3A4)により代謝される。また、CYP3A4の誘導作用を有する。
10.1. 併用禁忌:
1). デスモプレシン酢酸塩水和物<男性における夜間多尿による夜間頻尿><ミニリンメルト>〔2.2参照〕[低ナトリウム血症が発現するおそれがある(機序不明)]。
2). リルピビリン塩酸塩<エジュラント>、RPV・TAF・FTC(リルピビリン塩酸塩・テノホビル アラフェナミドフマル酸塩・エムトリシタビン)<オデフシィ>、RPV・TDF・FTC(リルピビリン塩酸塩・テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩・エムトリシタビン)<コムプレラ>、リルピビリン塩酸塩・ドルテグラビルナトリウム<ジャルカ>、ダクラタスビル塩酸塩<ダクルインザ>、アスナプレビル<スンベプラ>、ダクラタスビル塩酸塩・アスナプレビル・ベクラブビル塩酸塩<ジメンシー>〔2.2参照〕[これらの薬剤の血中濃度を低下させ作用を減弱させるおそれがある(本剤のCYP3A4誘導作用により、これらの薬剤の代謝が促進される可能性がある)]。
10.2. 併用注意:
1). 主にCYP3A4で代謝される薬剤(イマチニブメシル酸塩、エプレレノン、エレトリプタン臭化水素酸塩、ドネペジル塩酸塩等)[これらの薬剤の血中濃度を低下させ作用を減弱させるおそれがある(本剤のCYP3A4誘導作用により、これらの薬剤の代謝が促進される可能性がある)]。
2). カスポファンギン酢酸塩[カスポファンギンの血中濃度が低下するおそれがある(本剤がカスポファンギンの取り込み輸送過程に影響し、カスポファンギンのクリアランス誘導が起きると考えられる)]。
3). CYP3A4を誘導する薬剤(バルビツール酸誘導体(フェノバルビタール)、リファンピシン、カルバマゼピン等)[本剤の作用が減弱することが報告されている(これらの薬剤はチトクロームP450を誘導し、本剤の代謝が促進される)]。
4). フェニトイン[本剤の作用が減弱することが報告されている(フェニトインがチトクロームP450を誘導し、本剤の代謝が促進される)。フェニトインの血中濃度が上昇又は低下するとの報告がある(機序不明)]。
5). HIVプロテアーゼ阻害剤(リトナビル、ホスアンプレナビルカルシウム水和物、ダルナビルエタノール付加物)[本剤のAUCが上昇あるいはこれらの薬剤のAUCが低下するおそれがある(チトクロームP450に対して競合する可能性があり、また、本剤がチトクロームP450を誘導することより、これらの薬剤の代謝が促進される可能性がある)]。
6). アプレピタント[本剤の作用が増強されるおそれがある(アプレピタントの用量依存的なCYP3A4阻害作用により、本剤の代謝が阻害される)]。
7). マクロライド系抗生物質(エリスロマイシン)、アゾール系抗真菌剤(イトラコナゾール)[副腎皮質ホルモン剤の作用が増強されるとの報告がある(本剤の代謝が阻害されるおそれがある)]。
8). メフロキン塩酸塩[併用により本剤又はメフロキンの血中濃度が変動するおそれがある(メフロキンはCYP3Aにより代謝されることが示唆されており、相互に影響を受ける可能性が考えられる)]。
9). シクロスポリン[副腎皮質ホルモン剤の大量投与により、併用したシクロスポリンの血中濃度が上昇するとの報告がある(シクロスポリンの代謝を阻害する)]。
10). サリチル酸誘導体(アスピリン)[併用時に本剤を減量すると、血清中のサリチル酸誘導体の濃度が増加しサリチル酸中毒を起こすことが報告されている(本剤はサリチル酸誘導体の腎排泄と肝代謝を促進し、血清中のサリチル酸誘導体の濃度が低下する)]。
11). 抗凝血剤(ワルファリンカリウム)[抗凝血剤の作用を減弱させることが報告されている(本剤は血液凝固促進作用がある)]。
12). 経口糖尿病用剤(アセトヘキサミド)、インスリン製剤[これらの薬剤の作用を減弱させることが報告されている(本剤は肝臓での糖新生を促進し、末梢組織での糖利用を阻害する)]。
13). 血圧降下剤[これらの薬剤の作用を減弱させるおそれがある(機序不明)]。
14). 利尿剤[これらの薬剤の作用を減弱させるおそれがある(機序不明)]。
15). 利尿剤<カリウム保持性利尿剤を除く>(トリクロルメチアジド、フロセミド)[低カリウム血症があらわれることがある(本剤は尿細管でのカリウム排泄促進作用がある)]。
16). カルシウム受容体作動薬(エボカルセト、エテルカルセチド塩酸塩、シナカルセト塩酸塩)[血清カルシウム濃度が低下するおそれがある(これらの薬剤の血中カルシウム低下作用が増強される可能性がある)]。
17). エフェドリン塩酸塩[副腎皮質ホルモン剤の代謝が促進され血中濃度が低下するとの報告がある(機序不明)]。
18). サリドマイド:
①. サリドマイド[血栓症と血栓塞栓症のリスクを高める危険性がある(相互に作用を増強するおそれがある)]。
②. サリドマイド[海外において、多発性骨髄腫における本剤との併用により、中毒性表皮壊死症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)が発現したとの報告がある(機序不明)]。
(臨床検査結果に及ぼす影響)
12.1. インドメタシン投与中の患者にデキサメタゾン抑制試験を実施すると試験結果が偽陰性になるとの報告がある。
12.2. 副腎皮質ホルモン剤は、細菌感染症に対するニトロブルー・テトラゾリウム試験に影響を及ぼし、試験結果が偽陰性を示すことがある。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
14.2. 薬剤分割後の注意
本剤を分割後は、光を避けて保存し、1ヵ月以内に使用すること。
(その他の注意)
15.1. 臨床使用に基づく情報
副腎皮質ホルモン剤を投与中の患者にワクチンを接種して神経障害、抗体反応の欠如が起きたとの報告がある。
(保管上の注意)
室温保存。
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