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カイトリル注1mgの基本情報
基本情報
抗がん薬による嘔吐中枢への刺激を阻害し、悪心(吐き気)・嘔吐を抑える薬
- カイトリル
- ナゼア
- アロキシ
- 抗悪性腫瘍剤投与に伴う消化器症状<悪心・嘔吐>
- 放射線照射に伴う消化器症状<悪心・嘔吐>
- 術後の消化器症状<悪心・嘔吐>
- 〈抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)〉成人:通常、成人にはグラニセトロンとして40μg/kgを1日1回静注又は点滴静注する
- なお、年齢、症状により適宜増減するが、症状が改善されない場合には、40μg/kgを1回追加投与できる
- 小児:通常、小児にはグラニセトロンとして40μg/kgを1日1回点滴静注する
- なお、年齢、症状により適宜増減するが、症状が改善されない場合には、40μg/kgを1回追加投与できる
- 〈放射線照射に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)〉通常、成人にはグラニセトロンとして1回40μg/kgを点滴静注する
- なお、年齢、症状により適宜増減する
- ただし、1日2回投与までとする
- 〈術後の消化器症状(悪心、嘔吐)〉通常、成人にはグラニセトロンとして1回1mgを静注又は点滴静注する
- なお、年齢、症状により適宜増減する
- ただし、1日3mgまでとする
- (用法及び用量に関連する注意)7.1. 放射線照射に伴う消化器症状に対して使用する場合は、放射線照射前に点滴静注する
- なお、造血幹細胞移植前処置時の放射線全身照射<TBI>に伴う消化器症状(TBI:Total Body Irradiation)に対して使用する場合は、投与期間は4日間を目安とする
- 7.2. 術後の消化器症状に対して使用する場合は、患者背景や術式等を考慮し、術前から術後の適切なタイミングで投与すること
副作用
注意事項
- 禁止
- 過敏症
- 注意
- 消化管通過障害
- 相対禁止
- 妊婦・産婦
- 慎重投与
- 高齢者
- 注意
- 授乳婦
- 新生児(低出生体重児を含む)
- 乳児
- 幼児・小児
- 注意
- 小児等(0歳〜14歳)
- 低出生体重児(0日〜27日)
- 新生児(0日〜27日)
- 乳児(0日〜364日)
相互作用
- 薬剤名
- 影響
- セロトニン作用薬
- セロトニン症候群
- 選択的セロトニン再取り込み阻害剤
- セロトニン症候群
- セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤
- セロトニン症候群
- モノアミン酸化酵素阻害剤
- セロトニン症候群
- セロトニン作用薬
- 不安
- 選択的セロトニン再取り込み阻害剤
- 不安
- セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤
- 不安
- モノアミン酸化酵素阻害剤
- 不安
- セロトニン作用薬
- 焦燥
- 選択的セロトニン再取り込み阻害剤
- 焦燥
- セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤
- 焦燥
- モノアミン酸化酵素阻害剤
- 焦燥
- セロトニン作用薬
- 興奮
- 選択的セロトニン再取り込み阻害剤
- 興奮
- セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤
- 興奮
- モノアミン酸化酵素阻害剤
- 興奮
- セロトニン作用薬
- 錯乱
- 選択的セロトニン再取り込み阻害剤
- 錯乱
- セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤
- 錯乱
- モノアミン酸化酵素阻害剤
- 錯乱
- セロトニン作用薬
- 発熱
- 選択的セロトニン再取り込み阻害剤
- 発熱
- セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤
- 発熱
- モノアミン酸化酵素阻害剤
- 発熱
- セロトニン作用薬
- 発汗
- 選択的セロトニン再取り込み阻害剤
- 発汗
- セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤
- 発汗
- モノアミン酸化酵素阻害剤
- 発汗
- セロトニン作用薬
- 頻脈
- 選択的セロトニン再取り込み阻害剤
- 頻脈
- セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤
- 頻脈
- モノアミン酸化酵素阻害剤
- 頻脈
- セロトニン作用薬
- 振戦
- 選択的セロトニン再取り込み阻害剤
- 振戦
- セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤
- 振戦
- モノアミン酸化酵素阻害剤
- 振戦
- セロトニン作用薬
- ミオクローヌス
- 選択的セロトニン再取り込み阻害剤
- ミオクローヌス
- セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤
- ミオクローヌス
- モノアミン酸化酵素阻害剤
- ミオクローヌス
処方理由
この薬をファーストチョイスする理由(2021年1月更新)
・昔はナゼアを使っていたが、様々な理由で経口投与できない患者さん(頭頸部腫瘍)が多い疾患を担当することになり、点滴でカイトリルを使うこととなった。放射線治療の吐き気にも適応がある。(40歳代病院勤務医、放射線科)
・適応が広いので使用機会が多い。強い効果を期待する場合は、パロノセトロンを使用する。(50歳代病院勤務医、血液内科)
・放射線治療医で、放射線宿酔による嘔気に対してカイトリルを処方しています。放射線宿酔による嘔気にかなり効果があると思っています。(30歳代病院勤務医、放射線科)
・古い薬ですが、使い慣れていることと、制約が少ないことがメリットと思います。(50歳代病院勤務医、一般外科)
・初めて投与した際に、嘔気・嘔吐の副作用が著明に抑制され、驚愕した。(50歳代病院勤務医、感染症科)
この薬をファーストチョイスする理由(2019年6月更新)
・化学療法だけでなく、放射線治療時の制吐にも適応があるので使用する頻度が高い。催吐ハイリスクの化学療法では、アロキシとイメンド、デキサメサゾン併用で積極的に使用している。(50歳代病院勤務医、血液内科)
・現在はこの系統の薬剤は使いませんが、昔は使ってました。当時はカイトリルしかありませんでした。(50歳代病院勤務医、耳鼻咽喉科)
・乳癌患者の化学療法後の嘔気に対して以前から使っている。(80歳以病院勤務医、外科系診療科)
・ゼリータイプがある。飲みやすいかどうかは分からないが、好んでいる患者は時々いる。(30歳代病院勤務医、放射線科)
・強度の強い化学療法においても比較的良好な制吐作用が実感できる。(30歳代病院勤務医、血液内科)
添付文書
1). シスプラチン等の抗悪性腫瘍剤投与に伴う消化器症状<悪心・嘔吐>及び放射線照射に伴う消化器症状<悪心・嘔吐>。
2). 術後の消化器症状<悪心・嘔吐>。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 本剤を抗悪性腫瘍剤の投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)に対して使用する場合は、強い悪心、嘔吐が生じる抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)の投与に限り使用すること。
5.2. 本剤を放射線照射に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)に対して使用する場合は、強い悪心、嘔吐が生じる全身照射や上腹部照射等に限り使用すること。
〈抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)〉
成人:通常、成人にはグラニセトロンとして40μg/kgを1日1回静注又は点滴静注する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、症状が改善されない場合には、40μg/kgを1回追加投与できる。
小児:通常、小児にはグラニセトロンとして40μg/kgを1日1回点滴静注する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、症状が改善されない場合には、40μg/kgを1回追加投与できる。
〈放射線照射に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)〉
通常、成人にはグラニセトロンとして1回40μg/kgを点滴静注する。なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、1日2回投与までとする。
〈術後の消化器症状(悪心、嘔吐)〉
通常、成人にはグラニセトロンとして1回1mgを静注又は点滴静注する。なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、1日3mgまでとする。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 放射線照射に伴う消化器症状に対して使用する場合は、放射線照射前に点滴静注する。なお、造血幹細胞移植前処置時の放射線全身照射<TBI>に伴う消化器症状(TBI:Total Body Irradiation)に対して使用する場合は、投与期間は4日間を目安とする。
7.2. 術後の消化器症状に対して使用する場合は、患者背景や術式等を考慮し、術前から術後の適切なタイミングで投与すること。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):ショック、アナフィラキシー(そう痒感、発赤、胸部苦悶感、呼吸困難、血圧低下等)があらわれるとの報告がある。
11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(0.1〜2%未満)発疹、(頻度不明)発赤。
2). 精神神経系:(0.1〜2%未満)不眠、(頻度不明)めまい、頭痛。
3). 循環器:(0.1〜2%未満)頻脈。
4). 消化器:(0.1〜2%未満)便秘、胃もたれ感、(頻度不明)下痢、腹痛。
5). 肝臓:(頻度不明)AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)等の肝機能検査値異常。
6). その他:(0.1〜2%未満)発熱、全身倦怠感、(頻度不明)顔面潮紅。
(禁忌)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.2. 消化管通過障害の症状のある患者:本剤投与後観察を十分に行うこと(本剤の投与により消化管運動低下があらわれることがある)。
(妊婦)
治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠前及び妊娠初期投与(ラット、0.1〜6.0mg/kg皮下)、胎仔の器官形成期投与(ラット、0.3〜9.0mg/kg静注、ウサギ、0.3〜3.0mg/kg静注)、周産期及び授乳期投与(ラット、0.1〜6.0mg/kg皮下)の各試験において、雌雄の生殖能、次世代仔の発育・生殖能に影響はなく、催奇性もみられなかった。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(授乳中のラットに14C標識グラニセトロン塩酸塩3mg/kgを静脈内投与し、乳仔に哺乳させた際の乳仔の胃(乳汁を含む内容物)中の放射能を測定したところ、投与量の0.5%以下であった)。
(小児等)
9.7.1. 〈抗悪性腫瘍剤<シスプラチン等>投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)〉低出生体重児、新生児、乳児を対象とした臨床試験は実施していない。
9.7.2. 〈放射線照射に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)、術後の消化器症状(悪心、嘔吐)〉小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
(高齢者)
副作用の発現に注意し、慎重に投与すること。
(相互作用)
10.2. 併用注意:
セロトニン作用薬(選択的セロトニン再取り込み阻害剤<SSRI>、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤<SNRI>、MAO阻害剤等)[セロトニン症候群(不安、焦燥、興奮、錯乱、発熱、発汗、頻脈、振戦、ミオクローヌス等)があらわれるおそれがある(セロトニン作用が増強するおそれがある)]。
(適用上の注意)
14.2. 薬剤投与時の注意
本剤を静注する場合は、緩徐に投与すること。
(その他の注意)
15.2. 非臨床試験に基づく情報
15.2.1. がん原性:マウス及びラットに1、5、50mg/kgを2年間経口投与し対照群と比較した。マウスでは50mg/kg群の雄で肝細胞がん、50mg/kg群の雌で肝細胞腺腫増加がみられた。また、ラットでは5mg/kg以上群の雄及び50mg/kg群の雌で肝細胞腫瘍増加がみられた。しかし、1mg/kg群(臨床用量の25倍に相当する)では、マウス及びラットとも肝細胞腫瘍の増加は認められなかった。
(保管上の注意)
室温保存。
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