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処方薬事典データ協力:株式会社メドレー

エンレスト錠200mgの基本情報

先発品(後発品なし)

基本情報

薬効分類
アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI)

体内物質ネプリライシン及びアンジオテンシンIIの働きを抑え、血圧を下げたり過度な水分貯留などを改善し、心臓への負担を軽減することにより主に心不全(慢性心不全)の病態悪化を抑える薬

アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI)
  • エンレスト
効能・効果
  • 慢性心不全
注意すべき副作用
低血圧 、 血管浮腫 、 舌腫脹 、 声門腫脹 、 喉頭腫脹 、 気道閉塞 、 腎機能障害 、 腎不全 、 高カリウム血症 、 失神
用法・用量(主なもの)
  • 通常、成人にはサクビトリルバルサルタンとして1回50mgを開始用量として1日2回経口投与する
  • 忍容性が認められる場合は、2〜4週間の間隔で段階的に1回200mgまで増量する
  • 1回投与量は50mg、100mg又は200mgとし、いずれの投与量においても1日2回経口投与する
    • なお、忍容性に応じて適宜減量する
  • (用法及び用量に関連する注意)7.1. 次の患者では、患者の状態を注意深く観察し、増量の可否を慎重に判断すること[1)腎機能障害(eGFR 90mL/min/1.73㎡未満)のある患者〔7.2、9.2.1、9.2.2参照〕、2)中等度肝機能障害<Child−Pugh分類B>のある患者〔7.2、9.3.1参照〕、3)血圧が低い患者〔7.2、8.2、9.1.2、11.1.3、17.1.1、17.1.2参照〕]
  • 7.2. 本剤の増量は、臨床試験で用いられた血圧、血清カリウム値及び腎機能に関する[臨床試験で用いられた増量時の基準]も目安に検討(1回50mgから1回100mgへの増量時の基準であり、臨床試験ではいずれの項目も満たす患者が増量可能とされた)すること〔7.1、8.2、17.1.2参照〕
  • [臨床試験で用いられた増量時の基準]1). 血圧:症候性低血圧がみられず、収縮期血圧が95mmHg以上
  • 2). 血清カリウム値:5.4mEq/L以下
  • 3). 腎機能:eGFR 30mL/min/1.73㎡以上かつeGFRの低下率が35%以下
  • 7.3. 50mg錠と100mg錠又は200mg錠の生物学的同等性は示されていないため、100mg以上の用量を投与する際には50mg錠を使用しないこと
禁忌・原則禁忌
  • 病気や症状に応じた注意事項
    • 過敏症
    • 血管浮腫
    • 後天性血管浮腫
    • 特発性血管浮腫
    • 重度肝機能障害<Child−Pugh分類C>
    • 遺伝性血管性浮腫
    • アリスキレンフマル酸塩投与中
    • アンジオテンシン2受容体拮抗薬による血管浮腫
    • アンジオテンシン変換酵素阻害薬による血管浮腫
    • アンジオテンシン変換酵素阻害薬投与中
    • アンジオテンシン変換酵素阻害薬投与中止から36時間以内
    • 高カリウム血症
    • 両側性腎動脈狭窄
    • 片腎で腎動脈狭窄
  • 患者の属性に応じた注意事項
    • 妊婦・産婦

副作用

主な副作用
咳嗽 、 貧血 、 低カリウム血症 、 食欲減退 、 低ナトリウム血症 、 浮動性めまい 、 体位性めまい 、 回転性めまい 、 頭痛 、 不眠 、 味覚異常
重大な副作用
低血圧 、 血管浮腫 、 舌腫脹 、 声門腫脹 、 喉頭腫脹 、 気道閉塞 、 腎機能障害 、 腎不全 、 高カリウム血症 、 失神 、 冷感 、 嘔吐 、 無顆粒球症 、 白血球減少 、 血小板減少 、 低血糖 、 脱力感 、 空腹感 、 冷汗 、 手の震え 、 集中力低下 、 痙攣 、 意識障害 、 横紋筋融解症 、 筋肉痛 、 CK上昇 、 血中ミオグロビン上昇 、 尿中ミオグロビン上昇 、 中毒性表皮壊死融解症 、 Toxic Epidermal Necrolysis 、 TEN 、 皮膚粘膜眼症候群 、 Stevens−Johnson症候群 、 多形紅斑 、 天疱瘡 、 類天疱瘡 、 水疱 、 びらん 、 肝炎 、 ショック 、 意識消失 、 間質性肺炎 、 呼吸困難 、 胸部X線異常
上記以外の副作用
眠気 、 しびれ 、 動悸 、 心房細動 、 起立性低血圧 、 下痢 、 悪心 、 腹痛 、 便秘 、 蕁麻疹 、 過敏症 、 関節痛 、 腰背部痛 、 疲労 、 無力症 、 けん怠感 、 発疹 、 そう痒症 、 アナフィラキシー反応 、 AST上昇 、 ALT上昇 、 血中尿酸値上昇 、 BUN上昇 、 血清クレアチニン上昇 、 血清カリウム値上昇 、 血糖値上昇 、 浮腫 、 発熱 、 紅斑 、 咽頭炎 、 好酸球増多 、 耳鳴 、 頻脈 、 ほてり 、 光線過敏症 、 口渇 、 胸痛 、 ビリルビン値上昇 、 LDH上昇 、 血清コレステロール上昇 、 血清総蛋白減少 、 ALP上昇

注意事項

病気や症状に応じた注意事項
  • 禁止
    • 過敏症
    • 血管浮腫
    • 後天性血管浮腫
    • 特発性血管浮腫
    • 重度肝機能障害<Child−Pugh分類C>
    • 遺伝性血管性浮腫
    • アリスキレンフマル酸塩投与中
    • アンジオテンシン2受容体拮抗薬による血管浮腫
    • アンジオテンシン変換酵素阻害薬による血管浮腫
    • アンジオテンシン変換酵素阻害薬投与中
    • アンジオテンシン変換酵素阻害薬投与中止から36時間以内
  • 原則禁止
    • 高カリウム血症
    • 両側性腎動脈狭窄
    • 片腎で腎動脈狭窄
  • 希望禁止
    • 手術前24時間
  • 慎重投与
    • 重度腎機能障害
    • 中等度肝機能障害<Child−Pugh分類B>
    • eGFR 30mL/min/1.73㎡未満
  • 注意
    • 手術前24時間
    • 腎機能障害
    • 低アルドステロン症
    • 糖尿病
    • 脳血管障害
    • 軽度腎機能障害
    • 中等度腎機能障害
    • 血圧が低い
    • 中等度肝機能障害<Child−Pugh分類B>
    • eGFR 90mL/min/1.73㎡未満
    • eGFR30mL/min/1.73㎡以上90mL/min/1.73㎡未満
    • カリウム含量が高い食事を摂取
    • 高カリウム血症のリスク因子のある
  • 投与に際する指示
    • 高血圧
患者の属性に応じた注意事項
  • 禁止
    • 妊婦・産婦
  • 慎重投与
    • 高齢者
  • 注意
    • 授乳婦
    • 新生児(低出生体重児を含む)
    • 乳児
    • 幼児・小児
    • 高齢者
年齢や性別に応じた注意事項
  • 注意
    • 妊娠可能な女性(11歳〜)
    • 小児等(0歳〜14歳)
    • 高齢者(65歳〜)

相互作用

薬剤との相互作用
薬剤名
影響
ACE阻害剤
血管浮腫
アラセプリル
血管浮腫
塩酸イミダプリル
血管浮腫
マレイン酸エナラプリル
血管浮腫
カプトプリル
血管浮腫
キナプリル塩酸塩
血管浮腫
シラザプリル水和物
血管浮腫
塩酸テモカプリル
血管浮腫
デラプリル塩酸塩
血管浮腫
トランドラプリル
血管浮腫
塩酸ベナゼプリル
血管浮腫
ペリンドプリルエルブミン
血管浮腫
リシノプリル
血管浮腫
アリスキレンフマル酸塩
非致死性脳卒中・腎機能障害・高カリウム血症及び低血圧のリスク増加
アンジオテンシン2受容体拮抗剤
腎機能障害
アリスキレンフマル酸塩
腎機能障害
アンジオテンシン2受容体拮抗剤
高カリウム血症
アリスキレンフマル酸塩
高カリウム血症
アンジオテンシン2受容体拮抗剤
低血圧
アリスキレンフマル酸塩
低血圧
アトルバスタチン
血中濃度が上昇
PDE5阻害薬
血圧低下
シルデナフィル
血圧低下
カリウム保持性利尿剤
血清カリウム値が上昇
トリアムテレン
血清カリウム値が上昇
スピロノラクトン
血清カリウム値が上昇
エプレレノン
血清カリウム値が上昇
カリウム補給剤
血清カリウム値が上昇
塩化カリウム<補給剤>
血清カリウム値が上昇
ドロスピレノン・エチニルエストラジオール
血清カリウム値が上昇
トリメトプリム
血清カリウム値が上昇
スルファメトキサゾール・トリメトプリム
血清カリウム値が上昇
シクロスポリン
血清カリウム値が上昇
カリウム保持性利尿剤
血清クレアチニン値が上昇
トリアムテレン
血清クレアチニン値が上昇
スピロノラクトン
血清クレアチニン値が上昇
エプレレノン
血清クレアチニン値が上昇
カリウム補給剤
血清クレアチニン値が上昇
塩化カリウム<補給剤>
血清クレアチニン値が上昇
降圧利尿剤
急激な血圧低下<失神及び意識消失等を伴う>
フロセミド
急激な血圧低下<失神及び意識消失等を伴う>
トリクロルメチアジド
急激な血圧低下<失神及び意識消失等を伴う>
降圧利尿剤
利尿作用が増強
フロセミド
利尿作用が増強
トリクロルメチアジド
利尿作用が増強
非ステロイド系抗炎症剤
腎機能を悪化
インドメタシン製剤
腎機能を悪化
リチウム製剤
レニン−アンジオテンシン−アルドステロン系阻害剤でリチウム中毒
リチウム製剤
利尿薬を使用する場合にはリチウム毒性のリスクがさらに増加
シクロスポリン
Sacubitrilat又はバルサルタンの曝露量が増加し副作用が増強
クラリスロマイシン
Sacubitrilat又はバルサルタンの曝露量が増加し副作用が増強
エリスロマイシン
Sacubitrilat又はバルサルタンの曝露量が増加し副作用が増強
ビキサロマー<服用>
バルサルタンの血中濃度が約30〜40%に低下
ビキサロマー<服用>
本剤の作用が減弱
飲食物との相互作用
  • カリウムを多く含む食事

処方理由

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添付文書

効果・効能(添付文書全文)

慢性心不全(ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る)。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 本剤は、アンジオテンシン変換酵素阻害薬又はアンジオテンシン2受容体拮抗薬から切り替えて投与すること〔2.2、8.1、17.1.1、17.1.2参照〕。
5.2. 「臨床成績」の項の内容を熟知し、臨床試験に組み入れられた患者の背景(前治療、左室駆出率、収縮期血圧等)を十分に理解した上で、適応患者を選択すること〔17.1.1、17.1.2参照〕。

用法・用量(添付文書全文)

通常、成人にはサクビトリルバルサルタンとして1回50mgを開始用量として1日2回経口投与する。忍容性が認められる場合は、2〜4週間の間隔で段階的に1回200mgまで増量する。1回投与量は50mg、100mg又は200mgとし、いずれの投与量においても1日2回経口投与する。なお、忍容性に応じて適宜減量する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 次の患者では、患者の状態を注意深く観察し、増量の可否を慎重に判断すること[1)腎機能障害(eGFR 90mL/min/1.73㎡未満)のある患者〔7.2、9.2.1、9.2.2参照〕、2)中等度肝機能障害<Child−Pugh分類B>のある患者〔7.2、9.3.1参照〕、3)血圧が低い患者〔7.2、8.2、9.1.2、11.1.3、17.1.1、17.1.2参照〕]。
7.2. 本剤の増量は、臨床試験で用いられた血圧、血清カリウム値及び腎機能に関する[臨床試験で用いられた増量時の基準]も目安に検討(1回50mgから1回100mgへの増量時の基準であり、臨床試験ではいずれの項目も満たす患者が増量可能とされた)すること〔7.1、8.2、17.1.2参照〕。
[臨床試験で用いられた増量時の基準]
1). 血圧:症候性低血圧がみられず、収縮期血圧が95mmHg以上。
2). 血清カリウム値:5.4mEq/L以下。
3). 腎機能:eGFR 30mL/min/1.73㎡以上かつeGFRの低下率が35%以下。
7.3. 50mg錠と100mg錠又は200mg錠の生物学的同等性は示されていないため、100mg以上の用量を投与する際には50mg錠を使用しないこと。

副作用(添付文書全文)

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 血管浮腫(0.2%):舌腫脹、声門腫脹、喉頭腫脹等を症状として、気道閉塞につながる血管浮腫があらわれることがある(このような場合には直ちに投与を中止し、アドレナリン注射、気道確保等適切な処置を行い、血管浮腫が消失しても再投与しないこと)〔2.3参照〕。
11.1.2. 腎機能障害(2.9%)、腎不全(0.8%)〔9.2.1、9.2.2、9.8高齢者の項参照〕。
11.1.3. 低血圧(10.4%)〔7.1、8.2、9.1.2、9.8高齢者の項参照〕。
11.1.4. 高カリウム血症(4.7%):高カリウム血症が発現した場合には、カリウム摂取量の減量など適切な処置を行うこと〔9.1.3、9.8高齢者の項参照〕。
11.1.5. ショック(0.1%未満)、失神(0.2%)、意識消失(0.1%未満):冷感、嘔吐、意識消失等があらわれた場合には、直ちに適切な処置を行うこと〔10.2参照〕。
11.1.6. *無顆粒球症、*白血球減少、*血小板減少(いずれも頻度不明)。
11.1.7. *間質性肺炎(0.1%未満):発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
11.1.8. *低血糖(頻度不明):脱力感、空腹感、冷汗、手の震え、集中力低下、痙攣、意識障害等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと(糖尿病治療中の患者であらわれやすい)。
11.1.9. *横紋筋融解症(頻度不明):筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので、このような場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.10. *中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、*皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)、*多形紅斑(いずれも頻度不明)。
11.1.11. *天疱瘡、*類天疱瘡(いずれも頻度不明):水疱、びらん等があらわれた場合には、皮膚科医と相談すること。
11.1.12. *肝炎(頻度不明)〔8.3参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 感染症および寄生虫症:(頻度不明)*咽頭炎。
2). 血液およびリンパ系障害:(0.3%未満)*貧血、(頻度不明)*好酸球増多。
3). 代謝および栄養障害:(0.3%未満)低カリウム血症、*食欲減退、*低ナトリウム血症。
4). 神経系障害:(0.3%以上)浮動性めまい、(0.3%未満)体位性めまい、回転性めまい、頭痛、*不眠、*味覚異常、*眠気、*しびれ。
5). 耳および迷路障害:(頻度不明)*耳鳴。
6). 心臓障害:(0.3%未満)*動悸、*心房細動、(頻度不明)*頻脈。
7). 血管障害:(0.3%以上)起立性低血圧、(頻度不明)*ほてり。
8). 呼吸器、胸郭および縦隔障害:(0.3%以上)咳嗽。
9). 胃腸障害:(0.3%未満)下痢、悪心、*腹痛、*便秘、(頻度不明)*嘔吐。
10). 皮膚および皮下組織障害:(0.3%未満)*蕁麻疹、(頻度不明)*紅斑、*光線過敏症。
11). 筋骨格系および結合組織障害:(0.3%未満)*関節痛、*腰背部痛、(頻度不明)*筋肉痛。
12). 一般・全身障害および投与部位の状態:(0.3%未満)疲労、無力症、*けん怠感、(頻度不明)*口渇、*浮腫、*胸痛、*発熱。
13). 免疫系障害:(0.3%未満)過敏症(発疹、そう痒症、アナフィラキシー反応を含む)。
14). 臨床検査:(0.3%未満)*AST上昇、*ALT上昇、*血中尿酸値上昇、*BUN上昇、*血清クレアチニン上昇、*血清カリウム値上昇、*血糖値上昇、(頻度不明)*ビリルビン値上昇、*LDH上昇、*CK上昇、*血清コレステロール上昇、*血清総蛋白減少、*ALP上昇。
*)バルサルタンの使用上の注意を踏まえて設定した。

使用上の注意(添付文書全文)

(禁忌)
2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. アンジオテンシン変換酵素阻害薬投与中(アラセプリル、イミダプリル塩酸塩、エナラプリルマレイン酸塩、カプトプリル、キナプリル塩酸塩、シラザプリル水和物、テモカプリル塩酸塩、デラプリル塩酸塩、トランドラプリル、ベナゼプリル塩酸塩、ペリンドプリルエルブミン、リシノプリル水和物)の患者、あるいはアンジオテンシン変換酵素阻害薬投与中止から36時間以内の患者〔5.1、8.1、10.1参照〕。
2.3. 血管浮腫の既往歴のある患者(アンジオテンシン2受容体拮抗薬による血管浮腫又はアンジオテンシン変換酵素阻害薬による血管浮腫、遺伝性血管性浮腫、後天性血管浮腫、特発性血管浮腫等)〔11.1.1参照〕。
2.4. アリスキレンフマル酸塩投与中の糖尿病患者〔10.1参照〕。
2.5. 重度肝機能障害<Child−Pugh分類C>のある患者〔9.3.2参照〕。
2.6. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。
(重要な基本的注意)
8.1. 血管浮腫があらわれるおそれがあるため、本剤投与前にアンジオテンシン変換酵素阻害薬が投与されている場合は、少なくとも本剤投与開始36時間前に中止し、また、本剤投与終了後にアンジオテンシン変換酵素阻害薬を投与する場合は、本剤の最終投与から36時間後までは投与しないこと〔2.2、5.1、10.1参照〕。
8.2. 症候性低血圧があらわれるおそれがあるため、特に投与開始時及び増量時は患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること〔7.1、7.2、9.1.2、9.8高齢者の項、11.1.3参照〕。
8.3. アンジオテンシン2受容体拮抗薬投与中に肝炎等の重篤な肝障害があらわれたとの報告があるので、肝機能検査を実施するなど観察を十分に行うこと〔11.1.12参照〕。
8.4. 脱水があらわれるおそれがあるため、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、本剤の減量、投与中止や補液等の適切な処置を行うこと。
8.5. 手術前24時間は投与しないことが望ましい(麻酔及び手術中にレニン−アンジオテンシン系の抑制作用による低血圧を起こす可能性がある)。
8.6. 降圧作用に基づくめまい、ふらつきがあらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者:治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与は避けること(腎血流量の減少や糸球体濾過圧の低下により急速に腎機能悪化させるおそれがある)。
9.1.2. 血圧が低い患者:定期的に血圧を測定し、患者の状態を十分に観察しながら投与すること〔7.1、8.2、11.1.3参照〕。
9.1.3. 高カリウム血症の患者:治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与は避けること(高カリウム血症を増悪させるおそれがある)。
高カリウム血症のリスク因子のある患者(腎機能障害、糖尿病、低アルドステロン症の患者又はカリウム含量が高い食事を摂取している患者等)では、血清カリウム値をモニタリングすること〔10.2、11.1.4参照〕。
9.1.4. 脳血管障害のある患者:本剤の降圧作用により、脳血流不全を引き起こし、病態を悪化させるおそれがある。
(腎機能障害患者)
9.2.1. 軽度腎機能障害又は中等度腎機能障害(eGFR30mL/min/1.73㎡以上90mL/min/1.73㎡未満)のある患者:血圧、血清カリウム値及び腎機能等の患者の状態を十分に観察しながら投与すること(本剤の血中濃度が上昇するおそれがある)〔7.1、11.1.2、16.6.1参照〕。
9.2.2. 重度腎機能障害(eGFR 30mL/min/1.73㎡未満)のある患者:本剤投与の可否を慎重に判断し、投与する場合には血圧、血清カリウム値及び腎機能等の患者の状態を十分に観察すること(本剤の血中濃度が上昇するおそれがあり、臨床試験では除外されている)〔7.1、11.1.2、16.6.1参照〕。
(肝機能障害患者)
9.3.1. 中等度肝機能障害<Child−Pugh分類B>のある患者:本剤投与の可否を慎重に判断し、投与する場合には血圧、血清カリウム値及び腎機能等の患者の状態を十分に観察しながら投与すること(本剤の血中濃度が上昇するおそれがある)〔7.1、16.6.2参照〕。
9.3.2. 重度肝機能障害<Child−Pugh分類C>のある患者:投与しないこと(重度の肝機能障害のある患者では本剤の血中濃度が上昇するおそれがあり、臨床試験では除外されている)〔2.5参照〕。
(生殖能を有する者)
妊娠可能な女性:妊娠可能な女性には、本剤投与中及び本剤投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること〔9.5妊婦の項参照〕。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止すること。本剤を投与した動物実験(ラット、ウサギ)において、サクビトリルの活性代謝物(sacubitrilat)及びバルサルタンの曝露量が、臨床用量投与時の曝露量の0.06倍及び0.72倍(ラット)並びに0.03倍及び2.04倍(ウサギ)に相当する用量から、胚致死・胎仔致死(着床後死亡率高値)及び催奇形性(水頭症)が認められたとの報告がある。また、バルサルタンの投与を受けた妊婦において、母体への影響及び胎児への影響(自然流産、羊水過少、新生児腎機能障害等)が報告されている〔2.6、9.4生殖能を有する者の項参照〕。
(授乳婦)
授乳しないことが望ましい(本剤のヒトにおける乳汁中への移行は不明であるが、動物実験(ラットの授乳期経口投与)で、乳汁中にsacubitrilat及びバルサルタンの移行が認められ、本剤の投与期間中の授乳により、新生児又は乳児に影響を及ぼすおそれがある。また、バルサルタンの動物実験(ラットの周産期及び授乳期経口投与)において、600mg/kg/日で出生仔低体重及び出生仔生存率低下が認められており、200mg/kg/日以上で外表分化遅延が認められている)。
(小児等)
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
(高齢者)
血圧、血清カリウム値及び腎機能等の患者の状態を十分に観察しながら投与し、特に投与開始時及び増量時は患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(一般に過度の降圧は好ましくないとされており、脳梗塞等が起こるおそれがある)。臨床試験において、高齢者では、低血圧、高カリウム血症、腎機能障害の発現が増加することが報告されている〔8.2、11.1.2−11.1.4、16.6.3参照〕。
(相互作用)
Sacubitrilat及びバルサルタンはOATP1B1及びOATP1B3の基質である。なお、サクビトリル及びsacubitrilatはOATP1B1及びOATP1B3を阻害する。
10.1. 併用禁忌:
1). アンジオテンシン変換酵素阻害薬(アラセプリル<セタプリル>、イミダプリル塩酸塩<タナトリル>、エナラプリルマレイン酸塩<レニベース>、カプトプリル<カプトリル>、キナプリル塩酸塩<コナン>、シラザプリル水和物<インヒベース>、テモカプリル塩酸塩<エースコール>、デラプリル塩酸塩<アデカット>、トランドラプリル<オドリック>、ベナゼプリル塩酸塩<チバセン>、ペリンドプリルエルブミン<コバシル>、リシノプリル水和物<ゼストリル、ロンゲス>)〔2.2、8.1参照〕[血管浮腫があらわれるおそれがあるので、これらの薬剤が投与されている場合は、少なくとも本剤投与開始36時間前に中止すること、また、本剤投与終了後にこれらの薬剤を投与する場合は、本剤の最終投与から36時間後までは投与しないこと(併用により相加的にブラジキニンの分解を抑制し、血管浮腫のリスクを増加させる可能性がある)]。
2). アリスキレンフマル酸塩<ラジレス>(糖尿病患者に投与する場合)〔2.4参照〕[非致死性脳卒中・腎機能障害・高カリウム血症及び低血圧のリスク増加がバルサルタンで報告されている(併用によりレニン−アンジオテンシン−アルドステロン系阻害作用が増強される可能性がある)]。
10.2. 併用注意:
1). アンジオテンシン2受容体拮抗薬[腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがあるため、これらの薬剤と併用すべきでない(併用によりレニン−アンジオテンシン−アルドステロン系阻害作用が増強される可能性がある)]。
2). アリスキレンフマル酸塩[腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがある(併用によりレニン−アンジオテンシン−アルドステロン系阻害作用が増強される可能性がある)。なお、eGFRが60mL/min/1.73㎡未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンフマル酸塩との併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること(併用によりレニン−アンジオテンシン−アルドステロン系阻害作用が増強される可能性がある)]。
3). アトルバスタチン〔16.7.1参照〕[併用によりアトルバスタチンの血中濃度が上昇するおそれがある(本剤は、OATP1B1及びOATP1B3を介する薬剤の肝臓への取り込みを阻害する可能性がある)]。
4). PDE5阻害剤(シルデナフィル等)[高血圧患者において、本剤とシルデナフィルとの併用により、本剤単独投与よりも血圧低下が認められたとの報告があるので、本剤の投与を受けている患者においてシルデナフィル又は他のPDE5阻害剤の投与を開始する際には注意すること(PDE5阻害剤は本剤の投与により増加するcGMPの分解を阻害する)]。
5). カリウム保持性利尿薬(トリアムテレン、スピロノラクトン、エプレレノン等)、カリウム補給製剤(塩化カリウム<補給製剤>)〔9.1.3参照〕[血清カリウム値が上昇及び血清クレアチニン値が上昇するおそれがある(本剤のアルドステロン分泌抑制によりカリウム貯留作用が増強する可能性がある<危険因子>腎機能障害)]。
6). ドロスピレノン・エチニルエストラジオール[血清カリウム値が上昇することがある(バルサルタンによる血清カリウム値の上昇とドロスピレノンの抗ミネラルコルチコイド作用によると考えられる<危険因子>腎障害患者、血清カリウム値の高い患者)]。
7). トリメトプリム含有製剤(スルファメトキサゾール・トリメトプリム)[血清カリウム値が上昇することがある(血清カリウム値の上昇が増強されるおそれがある)]。
8). シクロスポリン[血清カリウム値が上昇することがある(高カリウム血症の副作用が相互に増強されると考えられる)]。
9). 利尿降圧剤(フロセミド、トリクロルメチアジド等)〔11.1.5参照〕[急激な血圧低下<失神及び意識消失等を伴う>を起こすおそれがあり、また、利尿作用が増強されるおそれがある(利尿降圧剤投与中は血漿レニン活性が上昇しており、これらの薬剤との併用によりレニン−アンジオテンシン−アルドステロン系阻害作用が増強される可能性があり、重度のナトリウムないし体液量の減少した患者では、まれに症候性の低血圧が生じることがある)]。
10). 非ステロイド性消炎鎮痛剤<NSAIDs>(インドメタシン等)[腎機能を悪化させるおそれがある(NSAIDsの腎プロスタグランジン合成阻害作用により、腎血流量が低下するためと考えられる<危険因子>高齢者、体液量が減少している患者(利尿薬使用患者を含む)、腎機能障害患者)]。
11). リチウム[レニン−アンジオテンシン−アルドステロン系阻害剤でリチウム中毒を起こすことが報告されており、利尿薬を使用する場合にはリチウム毒性のリスクがさらに増加するおそれがある(本剤のナトリウム排泄作用により、リチウムの蓄積が起こると考えられている)]。
12). シクロスポリン、クラリスロマイシン、エリスロマイシン[Sacubitrilat又はバルサルタンの曝露量が増加し副作用が増強されるおそれがある(OATP1B1又はOATP1B3を阻害することにより、sacubitrilat及びバルサルタンの血中濃度を上昇させる可能性がある)]。
13). ビキサロマー<服用>[バルサルタンの血中濃度が約30〜40%に低下したとの報告があり、本剤の作用が減弱するおそれがある(リン酸結合性ポリマーにより、同時に服用した場合、バルサルタンの吸収を遅延あるいは減少させる可能性がある)]。
(臨床検査結果に及ぼす影響)
本剤の薬力学的作用により本剤投与後にネプリライシンの基質であるBNPの上昇がみられることから、本剤投与後にBNPを測定する際は値の解釈に注意すること。
(過量投与)
13.1. 症状
本剤の過量投与により、著しい血圧低下が生じ、意識レベル低下、循環虚脱に至るおそれがある。
13.2. 処置
過量投与時、著しい低血圧の場合には、患者を仰臥位にし、速やかに生理食塩液等の静脈注射など適切な処置を行うこと(なお、sacubitrilat及びバルサルタンは血漿蛋白との結合率が高いので、血液透析によって除去できない)〔16.3参照〕。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
(保険給付上の注意)
本剤は新医薬品であるため、厚生労働省告示第97号(平成20年3月19日付)に基づき、2021年8月末日までは、投薬期間は1回14日分を限度とされている。
(保管上の注意)
室温保存。

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