処方薬事典データ協力:株式会社メドレー
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沈降炭酸カルシウム錠250mg「三和」の基本情報
基本情報
体内にカルシウムを補充し、骨粗しょう症、高リン血症、消化器症状などを改善する薬
- アスパラ-CA
- カルチコール
- 乳酸カルシウム 乳石錠
- 沈降炭酸カルシウム カルタン 炭カル錠
- デノタス
リンを吸着し排泄させることで高リン血症を改善し、動脈硬化や骨折などを予防する薬
- レナジェル フォスブロック
- ホスレノール
- キックリン
- リオナ
- カルタン
- 慢性腎不全の高リン血症の改善
- 沈降炭酸カルシウムとして1日3.0gを3回に分割して、食直後、経口投与する
- なお、年齢、症状により適宜増減する
- 病気や症状に応じた注意事項
- 過敏症
- 甲状腺機能低下症
副作用
注意事項
- 禁止
- 過敏症
- 甲状腺機能低下症
- 慎重投与
- 高カルシウム血症
- 心機能障害
- 肺機能障害
- 便秘
- 無酸症
- 薬物過敏症
- 血中カルシウム濃度として11mg/dL以上
- 注意
- 高齢者
- 投与に際する指示
- 高齢者
- 注意
- 高齢者(65歳〜)
- 投与に際する指示
- 高齢者(65歳〜)
相互作用
- 薬剤名
- 影響
- テトラサイクリン系抗生物質<経口>
- 相互に吸収が低下し効果が減弱
- ニューキノロン系抗菌剤<経口>
- 相互に吸収が低下し効果が減弱
- ノルフロキサシン<経口>
- 相互に吸収が低下し効果が減弱
- ポリスチレンスルホン酸ナトリウム
- 当該薬剤の吸収・排泄に影響
- ポリスチレンスルホン酸カルシウム
- 当該薬剤の吸収・排泄に影響
- キニジン硫酸塩水和物
- 当該薬剤の吸収・排泄に影響
- 活性型ビタミンD製剤
- 高カルシウム血症
- アルファカルシドール
- 高カルシウム血症
- カルシトリオール
- 高カルシウム血症
- ロキサデュスタット
- 作用が減弱
- 大量の牛乳
処方理由
この薬をファーストチョイスする理由(2019年6月更新)
・比較的安価であり、透析患者にも使いやすいから(40歳代病院勤務医、循環器内科)
・安価であり、飲みやすく、便が黒くなるとか腹部膨満といった副作用が少なく使いやすい。しかし、P低下作用は他剤より弱く、高Ca血症に注意が必要である。(60歳代病院勤務医、腎臓内科)
・透析患者で使用している。便秘には注意を要するが、使用しやすい。(50歳代診療所勤務医、一般内科)
・小児では、他の薬剤は使いにくい。また非常に安価である。(60歳代病院勤務医、小児科)
・2次性副甲状腺機能亢進症治療薬であるカルシウム受容体作動薬(オルケディア、パーサビブ、レグパラ)を投与する際に併用する。これらの薬剤によりCa値が下がり、最悪QT延長症候群から不整脈を惹起してしまうので、カルタンを入れてカルシウム値を上昇させる。(30歳代診療所勤務医、腎臓内科)
添付文書
次記患者における高リン血症の改善:保存期及び透析中の慢性腎不全患者。
沈降炭酸カルシウムとして1日3.0gを3回に分割して、食直後、経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
1.代謝異常:(頻度不明)アルカローシス等の電解質失調、高カルシウム血症(血中カルシウム濃度として11mg/dL以上)[観察を十分に行い、異常が認められた場合には、カルシウム濃度の低い透析液への変更あるいは本剤の減量又は休薬等適切な処置を行う]。
2.長期・大量投与:(頻度不明)腎結石、尿路結石。
3.消化器:(頻度不明)便秘、下痢、悪心、胃酸反動性分泌等。
4.過敏症:(頻度不明)そう痒感。
5.肝臓:(頻度不明)Al−P上昇、γ−GTP上昇、LDH上昇、トリグリセリド上昇、AST上昇(GOT上昇)。
(禁忌)
1.甲状腺機能低下症の患者[カルシウムの利用が亢進し、症状を増悪する恐れがある]。
2.炭酸カルシウムに対し過敏症の既往歴のある患者。
(慎重投与)
1.薬物過敏症の既往歴のある患者。
2.心機能障害、肺機能障害のある患者[血中カルシウム濃度の上昇により、心・肺機能を更に抑制し、症状を増悪させることがある]。
3.便秘のある患者[カルシウム及びリンの排泄が阻害され血中リン、カルシウム濃度が上昇する恐れがある]。
4.高カルシウム血症(血中カルシウム濃度として11mg/dL以上)の患者[血中カルシウム濃度が更に上昇し、副作用が現れやすくなる]。
5.無酸症の患者[本剤中の沈降炭酸カルシウムの溶解性が低下し、リンとの結合能が低下するため、効果が期待できない場合がある]。
(重要な基本的注意)
1.本剤は血中リンの排泄を促進する薬剤ではないので、食事療法等によるリン摂取制限を考慮する。
2.本剤の投与にあたっては、定期的に血中リン濃度及び血中カルシウム濃度を測定しながら慎重に投与する[血中カルシウム濃度上昇を来すことがある]。また、本剤の投与が長期にわたる場合には、患者の状態を観察しながら必要に応じ、血中マグネシウム濃度を測定する[血中マグネシウム濃度が上昇する恐れがある]。
3.2週間で効果が認められない場合には、本剤の投与を中止し、リン摂取の制限等、他の適切な治療法に切り替える。
(相互作用)
併用注意:
1.テトラサイクリン系抗生物質<服用>、ニューキノロン系抗菌剤<服用>(ノルフロキサシン<服用>等)[本剤のキレート作用により、相互に吸収が低下し効果が減弱することがあるので、併用する場合には本剤服用後2時間以上間隔をあけるなど注意する(これらの薬剤は、カルシウムと難溶性の塩を生成し、抗生物質の腸管吸収を妨げる)]。
2.ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、ポリスチレンスルホン酸カルシウム、キニジン硫酸塩水和物等[本剤の結合作用又は消化管内・体液のpH上昇により、併用薬剤の吸収・排泄に影響を与えることがあるので、慎重に投与する(本剤は、無機質の微細な粉末を錠剤としたもので、種々の物質と結合する性質があり、また、二価の金属イオンとしてのキレート作用もある;同時に服用した他の併用薬剤の吸収を阻害することがあり、更に、本剤は、アルカリ性であるため、消化管内のpHを上昇させ、あるいは体内に吸収後に体液のpHを上昇させることが考えられる)]。
3.大量の牛乳[milk−alkali syndrome(高カルシウム血症、高窒素血症、アルカローシス等)が現れることがあるので、観察を十分に行い、このような症状が現れた場合には投与を中止する(機序不明)]。
4.活性型ビタミンD剤(アルファカルシドール、カルシトリオール等)[高カルシウム血症が現れやすくなるので、異常が認められた場合には、これらの薬剤又は本剤を減量あるいは投与を中止する(活性型ビタミンD製剤はカルシウムの吸収を促進する)]。
5.ロキサデュスタット[ロキサデュスタットと併用した場合、ロキサデュスタットの作用が減弱する恐れがあるため、併用する場合は、前後1時間以上あけて本剤を服用する(ロキサデュスタットを酢酸カルシウムと同時投与したところ、ロキサデュスタットのAUCinfが低下した)]。
(高齢者への投与)
一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意する。
(適用上の注意)
薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。
(取扱い上の注意)
1.安定性試験:最終包装製品を用いた加速試験(40℃、相対湿度75%、6カ月)の結果、沈降炭酸カルシウム錠250mg「三和」及び沈降炭酸カルシウム錠500mg「三和」は通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された。
2.アルミピロー又は瓶の開封後は、湿気を避けて保存する。
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