処方薬事典データ協力:株式会社メドレー
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アトルバスタチン錠20mg「日医工」の基本情報
基本情報
肝臓におけるコレステロール合成を抑え、主に血液中のLDLコレステロール(悪玉コレステロールとも呼ばれる)を低下させ、動脈硬化などを予防する薬
- メバロチン
- リポバス
- クレストール
- リバロ
- リピトール
- 高コレステロール血症
- 家族性高コレステロール血症
- 1.高コレステロール血症:アトルバスタチンとして10mgを1日1回経口投与する
- なお、年齢、症状により適宜増減するが、重症の場合は1日20mgまで増量できる
- 2.家族性高コレステロール血症:アトルバスタチンとして10mgを1日1回経口投与する
- なお、年齢、症状により適宜増減するが、重症の場合は1日40mgまで増量できる
副作用
注意事項
- 禁止
- 黄疸
- 過敏症
- 肝癌
- 肝硬変
- 急性肝炎
- 慢性肝炎の急性増悪
- 肝代謝能が低下
- グレカプレビル・ピブレンタスビル投与中
- 相対禁止
- 腎機能に関する臨床検査値に異常
- 慎重投与
- アルコール中毒
- 肝障害
- 筋ジストロフィー
- 甲状腺機能低下症
- 腎障害
- 糖尿病
- フィブラート系薬剤投与中
- 免疫抑制剤投与中
- エリスロマイシン投与中
- アゾール系抗真菌薬投与中
- ニコチン酸製剤投与中
- 遺伝性筋疾患
- 薬剤性筋障害
- 注意
- 腎機能に関する臨床検査値に異常
- 家族性高コレステロール血症ホモ接合体
- 禁止
- 妊婦・産婦
- 授乳婦
- 慎重投与
- 高齢者
- 慎重投与
- 高齢者(65歳〜)
相互作用
- 薬剤名
- 影響
- フィブラート系薬剤
- 急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症
- ベザフィブラート
- 急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症
- ニコチン酸製剤
- 急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症
- ニセリトロール
- 急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症
- 免疫抑制剤
- 急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症
- シクロスポリン
- 急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症
- アゾール系抗真菌剤
- 急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症
- イトラコナゾール
- 急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症
- エリスロマイシン
- 急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症
- フィブラート系薬剤
- 自覚症状<筋肉痛・脱力感>
- フィブラート系薬剤
- CK<CPK>上昇
- ベザフィブラート
- CK<CPK>上昇
- ニコチン酸製剤
- CK<CPK>上昇
- ニセリトロール
- CK<CPK>上昇
- 免疫抑制剤
- CK<CPK>上昇
- シクロスポリン
- CK<CPK>上昇
- アゾール系抗真菌剤
- CK<CPK>上昇
- イトラコナゾール
- CK<CPK>上昇
- エリスロマイシン
- CK<CPK>上昇
- フィブラート系薬剤
- 血中及び尿中ミオグロビン上昇
- ベザフィブラート
- 血中及び尿中ミオグロビン上昇
- ニコチン酸製剤
- 血中及び尿中ミオグロビン上昇
- ニセリトロール
- 血中及び尿中ミオグロビン上昇
- 免疫抑制剤
- 血中及び尿中ミオグロビン上昇
- シクロスポリン
- 血中及び尿中ミオグロビン上昇
- アゾール系抗真菌剤
- 血中及び尿中ミオグロビン上昇
- イトラコナゾール
- 血中及び尿中ミオグロビン上昇
- エリスロマイシン
- 血中及び尿中ミオグロビン上昇
- フィブラート系薬剤
- 血清クレアチニン上昇
- フィブラート系薬剤
- 腎機能の悪化
- グレカプレビル・ピブレンタスビル
- アトルバスタチンのAUCが8.28倍・Cmaxが22.0倍に上昇
- グレカプレビル・ピブレンタスビル
- 本剤の血中濃度が上昇し副作用が発現
- フィブラート系薬剤
- 筋肉痛
- ベザフィブラート
- 筋肉痛
- ニコチン酸製剤
- 筋肉痛
- ニセリトロール
- 筋肉痛
- 免疫抑制剤
- 筋肉痛
- シクロスポリン
- 筋肉痛
- アゾール系抗真菌剤
- 筋肉痛
- イトラコナゾール
- 筋肉痛
- エリスロマイシン
- 筋肉痛
- フィブラート系薬剤
- 脱力感
- ベザフィブラート
- 脱力感
- ニコチン酸製剤
- 脱力感
- ニセリトロール
- 脱力感
- 免疫抑制剤
- 脱力感
- シクロスポリン
- 脱力感
- アゾール系抗真菌剤
- 脱力感
- イトラコナゾール
- 脱力感
- エリスロマイシン
- 脱力感
- シクロスポリン
- アトルバスタチンカルシウム製剤のAUC0−24hが8.7倍に上昇
- クラリスロマイシン
- アトルバスタチンカルシウム製剤の血漿中薬物濃度の有意な上昇
- HIVプロテアーゼ阻害剤
- アトルバスタチンカルシウム製剤のAUCが5.88倍に上昇
- ロピナビル・リトナビル配合剤
- アトルバスタチンカルシウム製剤のAUCが5.88倍に上昇
- HIVプロテアーゼ阻害剤
- アトルバスタチンカルシウム製剤のAUCが約1.7倍に上昇
- ネルフィナビルメシル酸塩
- アトルバスタチンカルシウム製剤のAUCが約1.7倍に上昇
- グラゾプレビル
- 本剤の血漿中薬物濃度が上昇<Cmax:5.66倍>
- グラゾプレビル
- 本剤の血漿中薬物濃度が上昇<AUC0−∞:3.00倍>
- レテルモビル
- アトルバスタチンカルシウム製剤の血漿中薬物濃度が上昇
- エファビレンツ
- アトルバスタチンカルシウム製剤の血漿中薬物濃度が低下
- リファンピシン類
- アトルバスタチンカルシウム製剤の血漿中薬物濃度が低下
- ベキサロテン
- アトルバスタチンカルシウム製剤のAUCが約50%低下
- 陰イオン交換樹脂剤<経口>
- アトルバスタチンカルシウム製剤の血漿中薬物濃度が約25%低下
- ジゴキシン
- 血漿中ジゴキシン濃度が上昇
- 経口避妊薬
- 血漿中濃度の上昇
- ノルエチステロン・エチニルエストラジオール
- 血漿中濃度の上昇
- グレープフルーツジュース
- ニコチン酸(ナイアシン)を含むもの<まいたけ、たらこ、インスタントコーヒー、かつお節、まぐろ など>
処方理由
この薬をファーストチョイスする理由(2021年8月更新)
・一番使用経験があるため、スタチンを処方する時はまずアトルバスタチンで開始することが多い。効果不十分ならロスバスタチンに変更する。(50歳代病院勤務医、循環器内科)
・効果はアトルバスタチン、ピタバスタチン、ロスバスタチンの3つは変わらないと思うが、若い頃から処方機会が多かったアトルバスタチンを主に使っている。副作用は現在まで1例も記憶にない。(50歳代病院勤務医、一般内科)
・脂質異常症の患者さんに処方してきたが、臨床効果は良好でかつ、副作用の経験もほとんど無かった。よって本剤には良好な印象をもっている。今後も優先的に処方したい。(20歳代診療所勤務医、一般内科)
・初期のスタチンに比べて効果が明らかに勝り、一方、ジェネリックが存在するため処方しやすい。特に大きな副作用の経験もない。(60歳代開業医、一般内科)
・副作用が少なく、1日1回の処方で治療効果が高いことが有用と考えて、治療薬に使用している。(60歳代病院勤務医、リハビリテーション科)
この薬をファーストチョイスする理由(2019年11月更新)
・脳梗塞再発予防を念頭に置いて処方することが多いため、アトルバスタチンの処方機会が多くなっている。ただし、添付文書上の用量では少ない印象。(30歳代病院勤務医、脳神経内科)
・未投与の入院患者さんに投与して、1カ月後の採血で著効が確認されました。患者さんにも喜んでいただいています。(50歳代病院勤務医、精神科)
・メバロチン、リポバスほどキレが悪くなく、クレストール、リバロほど強くないが、さほど副作用も経験しない。(50歳代病院勤務医、血液内科)
・他剤に比べて朝に内服できることから、降圧剤などと一包化しやすく服薬アドヒアランスの改善に繋がるから。(60歳代病院勤務医、脳神経外科)
・シクロスポリンと併用も可能でストロングスタチンとしてLDLコレステロール低下作用も申し分ない。(30歳代病院勤務医、腎臓内科)
この薬をファーストチョイスする理由(2017年10月更新)
・効果は確かに強いです。今まで重篤な副作用に当たったことがありません。2番目に多く使うのは、昔ながらのプラバスタチンです。(50歳代病院勤務医、一般内科)
・クレストールに比べ、浮動性めまいなど副作用が少ない点。(60歳代病院勤務医、脳神経外科)
・古いストロングスタチンで使い慣れている上、いち早くカデュエット配合錠のような合剤を登場させたから。(50歳代開業医、一般内科)
・免疫抑制薬との併用が多いので、ストロングスタチンとしてはこれがベスト。(50歳代病院勤務医、上記以外の内科系専門科)
・効果や副作用について、ストロングスタチン間での違いは実感しておらず、使い分けは考えていない。使い慣れた薬剤を使っている。(50歳代病院勤務医、一般内科)
この薬をファーストチョイスする理由(2016年6月更新)
・クレストールは定期的な肝機能検査の必要があり、リバロは臨床試験データが比較的少ないため、リピトールを好んで処方している。(50歳代病院勤務医、循環器内科)
・ストロングスタチンが出る前はメバロチンを多く処方していました。最近はクレストールを処方する機会も徐々に増えてきています。(50歳代病院勤務医、一般内科)
・心疾患など動脈硬化疾患歴がある人にはロスバスタチンを使用するが、単に一次予防的に投与するときはアトルバスタチンを使用する。(60歳代開業医、一般内科)
・薬価も含めると手ごろな薬です。重度の脂質異常症にはクレストールが一番ですが。(40歳代診療所勤務医、一般内科)
・確実なコントロールが可能ですが、横紋筋融解症、肝障害等副作用に注意が必要です。(40歳代病院勤務医、呼吸器内科)
この薬をファーストチョイスする理由(2014年12月更新)
・効果が強く、国内外における圧倒的な標準薬で、多くの症例に用いてきました。アムロジピンとの合剤も活用してきました。ただし、最近では効果の強さ、コストパフォーマンスの点でクレストールを選ぶことが増えてきましたが。(50歳代病院勤務医、一般内科)
・以前から何となく使い始めて、今では処方頻度は一番です。クレストールも使いますが、大きな差は感じません。(60歳代開業医、一般内科)
・コレステロールも中性脂肪もよく抑えてくれる。(40歳代病院勤務医、一般外科)
・他剤と大きな違いはないと思っていますが、使い慣れているので第一選択で使っています。(40歳代病院勤務医、泌尿器科)
・他のスタチン薬に比べて筋痛などの副作用が少なく感じる点が処方する一番の理由です。効果に関してはスタチン間では差はあまり感じません。(30歳代病院勤務医、総合診療科)
添付文書
1.高コレステロール血症。
2.家族性高コレステロール血症。
<効能・効果に関連する使用上の注意>
1.適用の前に十分な検査を実施し、高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症であることを確認した上で本剤の適用を考慮する。
2.家族性高コレステロール血症ホモ接合体については、LDL−アフェレーシス等の非薬物療法の補助として、あるいはそれらの治療法が実施不能な場合に本剤の適用を考慮する。
1.高コレステロール血症:アトルバスタチンとして10mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、重症の場合は1日20mgまで増量できる。
2.家族性高コレステロール血症:アトルバスタチンとして10mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、重症の場合は1日40mgまで増量できる。
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
1.重大な副作用(頻度不明)
1).横紋筋融解症、ミオパシー:筋肉痛、脱力感、CK上昇(CPK上昇)、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症が現れ、急性腎障害等の重篤な腎障害が現れることがあるので、観察を十分に行い、このような症状が現れた場合には直ちに投与を中止する。また、ミオパシーが現れることがあるので、広範な筋肉痛、筋肉圧痛や著明なCK上昇(著明なCPK上昇)が現れた場合には投与を中止する。
2).免疫介在性壊死性ミオパシー:免疫介在性壊死性ミオパシーが現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
3).劇症肝炎、肝炎、肝機能障害、黄疸:定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行う。
4).過敏症:血管神経性浮腫、アナフィラキシー反応、蕁麻疹を含む過敏症状が現れたとの報告があるので、このような症状が現れた場合には投与を中止する。
5).無顆粒球症、汎血球減少症、血小板減少症:無顆粒球症、汎血球減少症、血小板減少症が現れることがあるので、定期的に検査を行うなど十分な観察を行い、異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行う。
6).中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)、多形紅斑:中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑等の水疱性発疹が現れたとの報告があるので、このような症状が現れた場合には投与を中止する。
7).高血糖、糖尿病:高血糖、糖尿病が現れることがあるので、口渇、頻尿、全身倦怠感等の症状の発現に注意するとともに、定期的に検査を行うなど十分な観察を行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行う。
8).間質性肺炎:間質性肺炎が現れることがあるので、長期投与であっても、発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行う。
2.その他の副作用(頻度不明)
1).皮膚:皮膚そう痒感、発疹、皮疹、発赤、皮膚乾燥、皮膚亀裂、脱毛症、光線過敏、爪障害。
2).血液:貧血、白血球減少、血小板減少。
3).肝臓:AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、γ−GTP上昇、Al−P上昇、LDH上昇、肝障害。
4).消化器:アミラーゼ上昇、下痢、軟便、嘔気、悪心、胸やけ、便秘、胃不快感、心窩部痛(心窩部疼痛)、腹部膨満感、食欲不振、消化不良、嘔吐、胃炎、口内炎、腹痛、口渇、舌のしびれ、口のしびれ、膵炎、胆汁うっ滞性黄疸、舌痛、舌炎、口唇炎、咽頭不快感。
5).呼吸器:咳。
6).筋骨格系:CK上昇(CPK上昇)、筋肉痛、背部痛、頚のこり・肩こり、こわばり感、痙攣、無力症、関節痛、胸痛、筋炎、血中ミオグロビン上昇、腱炎、腱痛。
7).感覚器:異常感覚、末梢神経障害、耳鳴、霧視。
8).精神神経系:眩暈、不眠(不眠症)、四肢しびれ(四肢しびれ感)、眠気、勃起障害、健忘症、抑うつ、悪夢。
9).内分泌:テストステロン低下、コリンエステラーゼ上昇、TSH上昇、ACTH上昇、アルドステロン低下、女性化乳房。
10).代謝異常:グルコース上昇、HbA1c上昇、血清鉄低下、低血糖症。
11).腎臓:K上昇、BUN上昇、血中クレアチニン増加、血尿。
12).その他:頭痛、全身倦怠(全身倦怠感)、浮腫(顔面浮腫・四肢浮腫等)、脳梗塞、肺炎、帯状疱疹、動悸、味覚異常、着色尿、熱感、頻脈、頻尿、排尿困難、発熱。
(禁忌)
1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.肝代謝能が低下していると考えられる次のような患者;急性肝炎、慢性肝炎の急性増悪、肝硬変、肝癌、黄疸[肝硬変患者において、アトルバスタチンカルシウム製剤の血漿中HMG−CoA還元酵素阻害活性体濃度が健康成人に比べて上昇した(AUCで4.4〜9.8倍)臨床試験成績があるので、これらの患者では本剤の血漿中濃度が上昇し、副作用の発現頻度が増加する恐れがあり、また、本剤は主に肝臓において作用し代謝されるので、肝障害を悪化させる恐れがある]。
3.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人及び授乳婦。
4.グレカプレビル・ピブレンタスビル投与中の患者。
(慎重投与)
1.肝障害又はその既往歴のある患者、アルコール中毒の患者[本剤は主に肝臓において作用し代謝されるので、肝障害を悪化させる恐れがある。また、アルコール中毒の患者は、横紋筋融解症が現れやすいとの報告がある]。
2.腎障害又はその既往歴のある患者[横紋筋融解症の報告例の多くが腎機能障害を有する患者であり、また、横紋筋融解症に伴って急激な腎機能の悪化が認められている]。
3.フィブラート系薬剤投与中(ベザフィブラート等)、免疫抑制剤投与中(シクロスポリン等)、ニコチン酸製剤投与中(ニセリトロール等)、アゾール系抗真菌薬投与中(イトラコナゾール等)、エリスロマイシン投与中の患者[一般にHMG−CoA還元酵素阻害剤との相互作用により横紋筋融解症が現れやすい]。
4.糖尿病の患者[糖尿病を悪化させることがある]。
5.甲状腺機能低下症の患者、遺伝性筋疾患(筋ジストロフィー等)又はその家族歴のある患者、薬剤性筋障害の既往歴のある患者[横紋筋融解症が現れやすいとの報告がある]。
6.高齢者。
(重要な基本的注意)
1.あらかじめ高コレステロール血症治療の基本である食事療法を行い、更に運動療法や高血圧、喫煙等の虚血性心疾患のリスクファクターの軽減等も十分考慮する。
2.投与中は血中脂質値を定期的に検査し、治療に対する反応が認められない場合には投与を中止する。
3.腎機能に関する臨床検査値に異常が認められる患者に、本剤とフィブラート系薬剤を併用する場合には、治療上やむを得ないと判断される場合にのみ併用する。腎機能に関する臨床検査値に異常が認められる患者に、本剤とフィブラート系薬剤を併用する場合には、急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症が現れやすいので、やむを得ず併用する場合には、定期的に腎機能検査等を実施し、自覚症状<筋肉痛・脱力感>の発現、CK<CPK>上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇並びに血清クレアチニン上昇等の腎機能の悪化を認めた場合は直ちに投与を中止する。
4.近位筋脱力、CK高値(CPK高値)、炎症を伴わない筋線維壊死、抗HMG−CoA還元酵素抗体陽性(抗HMGCR抗体陽性)等を特徴とする免疫介在性壊死性ミオパシーが現れ、投与中止後も持続する例が報告されているので、患者の状態を十分に観察する(なお、免疫抑制剤投与により改善がみられたとの報告例がある)。
5.劇症肝炎等の肝炎が現れることがあるので、悪心・嘔吐、倦怠感等の症状が現れた場合には本剤を中止し、医師等に連絡するよう患者に指導し、投与中は投与開始又は増量時より12週までの間に1回以上、それ以降は定期的(半年に1回等)に肝機能検査を行う。
(相互作用)
本剤は、主として肝の薬物代謝酵素CYP3A4により代謝される。また、P−糖蛋白質(P−gp)、乳癌耐性蛋白(BCRP)、有機アニオントランスポーター(OATP)1B1/1B3の基質である。
1.併用禁忌:グレカプレビル・ピブレンタスビル<マヴィレット>[グレカプレビル・ピブレンタスビル(400mg・120mg)との併用により、アトルバスタチンのAUCが8.28倍・Cmaxが22.0倍に上昇したとの報告があり、本剤の血中濃度が上昇し副作用が発現しやすくなる恐れがある(<機序>グレカプレビルのOATP1B1/1B3及びBCRP阻害、ピブレンタスビルのOATP1B1及びBCRP阻害に基づく作用によるものと考えられている)]。
2.併用注意:
1).フィブラート系薬剤(ベザフィブラート等)[筋肉痛、脱力感、CK<CPK>上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とし、急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症が現れやすいとの報告がある(<機序>フィブラート系薬剤とHMG−CoA還元酵素阻害剤との副作用誘発性の相加作用が示唆されている<危険因子>腎機能に関する臨床検査値に異常が認められる患者)]。
2).ニコチン酸製剤(ニセリトロール等)[筋肉痛、脱力感、CK<CPK>上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とし、急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症が現れやすいとの報告がある(<機序>ニコチン酸製剤とHMG−CoA還元酵素阻害剤との副作用誘発性の相加作用が示唆されている<危険因子>腎機能障害)]。
3).免疫抑制剤:
(1).免疫抑制剤(シクロスポリン等)[筋肉痛、脱力感、CK<CPK>上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とし、急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症が現れやすいとの報告がある(<機序>シクロスポリンとHMG−CoA還元酵素阻害剤との副作用誘発性の相加作用、シクロスポリンによるHMG−CoA還元酵素阻害剤の代謝・胆汁中排泄に対する競合阻害に基づく相互作用、シクロスポリンによる本剤の肝への取り込み阻害に基づく相互作用が示唆されている<危険因子>腎機能障害)]。
(2).免疫抑制剤(シクロスポリン等)[シクロスポリンとの併用により、アトルバスタチンカルシウム製剤のAUC0−24hが8.7倍に上昇したとの報告がある(<機序>シクロスポリンとHMG−CoA還元酵素阻害剤との副作用誘発性の相加作用、シクロスポリンによるHMG−CoA還元酵素阻害剤の代謝・胆汁中排泄に対する競合阻害に基づく相互作用、シクロスポリンによる本剤の肝への取り込み阻害に基づく相互作用が示唆されている<危険因子>腎機能障害)]。
4).アゾール系抗真菌薬(イトラコナゾール等)、エリスロマイシン[筋肉痛、脱力感、CK<CPK>上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とし、急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症が現れやすいとの報告がある(<機序>アゾール系抗真菌薬又はエリスロマイシンのCYP3Aに対する阻害作用が考えられている<危険因子>腎機能障害)]。
5).クラリスロマイシン[アトルバスタチンカルシウム製剤の血漿中薬物濃度の有意な上昇(Cmax:+55.9%、AUC0−Tlast:+81.8%)がみられた(<機序>クラリスロマイシンのCYP3A4に対する阻害作用が考えられている)]。
6).HIVプロテアーゼ阻害剤:
(1).HIVプロテアーゼ阻害剤(ロピナビル・リトナビル)[ロピナビル・リトナビルとの併用によりアトルバスタチンカルシウム製剤のAUCが5.88倍に上昇するとの報告がある(<機序>これらの薬剤によるCYP3A4の阻害が考えられている)]。
(2).HIVプロテアーゼ阻害剤(ネルフィナビルメシル酸塩等)[ネルフィナビルメシル酸塩との併用によりアトルバスタチンカルシウム製剤のAUCが約1.7倍に上昇するとの報告がある(<機序>これらの薬剤によるCYP3A4の阻害が考えられている)]。
7).グラゾプレビル[グラゾプレビル(200mg)との併用により本剤の血漿中薬物濃度が上昇<Cmax:5.66倍>、本剤の血漿中薬物濃度が上昇<AUC0−∞:3.00倍>したとの報告がある(<機序>グラゾプレビルによる腸管のCYP3A及びBCRPの阻害が考えられている)]。
8).レテルモビル[レテルモビルとの併用によりアトルバスタチンカルシウム製剤の血漿中薬物濃度が上昇した(Cmax:2.17倍、AUC0−∞:3.29倍)との報告がある(<機序>レテルモビルによるCYP3A、OATP1B1/1B3及びBCRPの阻害が考えられている)]。
9).グレープフルーツジュース[グレープフルーツジュース1.2L/日との併用により、アトルバスタチンカルシウム製剤のAUC0−72hが約2.5倍に上昇したとの報告がある(<機序>グレープフルーツジュースによるCYP3A4の阻害が考えられている)]。
10).エファビレンツ[アトルバスタチンカルシウム製剤の血漿中薬物濃度が低下した(Cmax:−12%、AUC0−24h:−43%)との報告がある(<機序>エファビレンツによるCYP3A4の誘導が考えられている)]。
11).リファンピシン[リファンピシン投与17時間後にアトルバスタチンカルシウム製剤を投与したところアトルバスタチンカルシウム製剤の血漿中薬物濃度が低下した(Cmax:−40%、AUC:−80%)との報告がある(<機序>リファンピシンによるCYP3A4の誘導が考えられている)]。
12).ベキサロテン[ベキサロテンとの併用によりアトルバスタチンカルシウム製剤のAUCが約50%低下したとの報告がある(<機序>ベキサロテンによるCYP3A4の誘導が考えられている)]。
13).陰イオン交換樹脂<経口>[アトルバスタチンカルシウム製剤の血漿中薬物濃度が約25%低下したが、LDL−コレステロールの低下率はそれぞれを単独で使用したときより大きかった(<機序>これらの薬剤によるアトルバスタチンの吸収阻害(吸着)に基づく血漿中薬物濃度の低下が考えられている)]。
14).ジゴキシン[定常状態において血漿中ジゴキシン濃度が上昇する(アトルバスタチンカルシウム製剤10mg投与でCmax:+9.9%、AUC0−24h:+3.6%、CLr:129→128mL/min、80mg投与でCmax:+20.0%、AUC0−24h:+14.8%、CLr:160→149mL/min)ことが報告されているので、併用する場合は、血漿中薬物濃度のモニターを十分に行う(<機序>本剤によるジゴキシンのP−gpを介した排出の抑制が示唆されている)]。
15).経口避妊薬(ノルエチンドロン−エチニルエストラジオール)[ノルエチンドロン(Cmax:+24%、AUC0−24h:+28%)及びエチニルエストラジオール(Cmax:+30%、AUC0−24h:+19%)の血漿中濃度の上昇が認められた(<機序>本剤によるノルエチンドロン及びエチニルエストラジオールの初回通過効果の減少が考えられている)]。
(高齢者への投与)
高齢者では、副作用が発現した場合には投与を中止するなど、適切な処置を行う[一般に高齢者では、生理機能が低下しており、高齢者で本剤のCmax増加、AUC0−∞増加することがあり、また、横紋筋融解症が現れやすいとの報告がある]。
(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
1.妊婦等:妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しない[動物実験で出生仔数減少及び生存・発育に対する影響が認められ、胎仔生存率低下と胎仔発育抑制が認められており、また、ラットに他のHMG−CoA還元酵素阻害剤を大量投与した場合に胎仔骨格奇形が報告されている。更に、ヒトでは、他のHMG−CoA還元酵素阻害剤で、妊娠3カ月までの間に服用したとき、胎児に先天性奇形が現れたとの報告がある]。
2.授乳婦:授乳婦には投与しない[ラットで乳汁中への移行が報告されている]。
(小児等への投与)
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。
(適用上の注意)
薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。
(取扱い上の注意)
安定性試験:本品につき加速試験(40℃、相対湿度75%、6カ月)を行った結果、本品は通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された。
(保管上の注意)
気密容器。
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