処方薬事典データ協力:株式会社メドレー
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ニトロペン舌下錠0.3mgの基本情報
基本情報
体内で一酸化窒素を生成し、この物質が心臓の冠動脈を拡げ血流量を増やし、心臓に酸素などを補給したり全身の血管抵抗を減らすことで心臓の負担を軽くする薬
- アイトロール
- ニトロール
- ニトロペン
- フランドル
- ミオコール
- アカラジアの一時的緩解
- 狭心症
- 心筋梗塞
- 心臓喘息
- ニトログリセリンとして、0.3〜0.6mgを舌下投与する
- 狭心症に対し投与後、数分間で効果の現れない場合には、更に0.3〜0.6mgを追加投与する
- なお、年齢、症状により適宜増減する
副作用
注意事項
- 禁止
- 過敏症
- 高度貧血
- 重篤な低血圧
- 心原性ショック
- 頭部外傷
- 脳出血
- 閉塞隅角緑内障
- ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤投与中
- グアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤投与中
- 慎重投与
- 原発性肺高血圧症
- 心筋梗塞の急性期
- 低血圧
- 閉塞性肥大型心筋症
- 相対禁止
- 妊婦・産婦
- 注意
- 高齢者
- 注意
- 高齢者(65歳〜)
相互作用
- 薬剤名
- 影響
- PDE5阻害薬
- 降圧作用を増強
- シルデナフィル
- 降圧作用を増強
- 塩酸バルデナフィル
- 降圧作用を増強
- タダラフィル
- 降圧作用を増強
- sGC刺激剤
- 降圧作用を増強
- リオシグアト
- 降圧作用を増強
- 降圧作用及び血管拡張作用を有する薬物
- 血圧低下が増強
- カルシウム拮抗剤
- 血圧低下が増強
- ACE阻害剤
- 血圧低下が増強
- β−遮断剤
- 血圧低下が増強
- 利尿剤
- 血圧低下が増強
- 三環系抗うつ剤
- 血圧低下が増強
- 抗精神病薬
- 血圧低下が増強
- エタノール摂取
- 血圧低下が増強
- 硝酸・亜硝酸エステル系薬剤
- 頭痛・血圧低下等の副作用が増強
- 非ステロイド系抗炎症剤
- 本剤の作用が減弱
- アスピリン
- 本剤の作用が減弱
- アルコールを含むもの<ジン、ウオッカ、ラム、ウイスキー、ブランデー など>
処方理由
この薬をファーストチョイスする理由(2020年9月更新)
・効果が速く、発作時の頓用に使用するのに便利。発作時に本剤を使用して、発作が狭心症によるものか他の原因の疼痛かを鑑別することができる。(80歳以上病院勤務医、一般内科)
・紅潮、血圧低下などの急な副作用もあるが、効果発現が速いので緊急対応に使える。(60歳代診療所勤務医、一般内科)
・ほとんど本薬剤のみの使用経験しかない。効果的で特に有害事象がない。(50歳代診療所勤務医、腎臓内科)
・舌下錠があり、便利。狭心症発作時の頓用で渡しておくことが多い。(30歳代病院勤務医、呼吸器内科)
・簡単、分かりやすい。嚥下できなくてもよい。(30歳代病院勤務医、一般内科)
この薬をファーストチョイスする理由(2019年1月更新)
・連日使用するのではなく頓用として使うので、ニトロペンを使用する。(30歳代病院勤務医、代謝・内分泌内科)
・副作用がほとんどなく、年齢を気にしなく投与できる点がよい。(50歳代病院勤務医、一般内科)
・効果が早く、使いやすいとの患者の評価が多い。(60歳代診療所勤務医、一般内科)
この薬をファーストチョイスする理由(2017年6月更新)
・ニトログリセリン製剤は最近あまり使っていない。狭心症発作が起こる可能性のある患者に頓用薬として処方している。(30歳代病院勤務医、心臓血管外科)
・昔に比べ、狭心症発作を除けばこの系統の薬剤を処方することは激減しました。(50歳代診療所勤務医、総合診療科)
・胸痛を訴えるも心電図には所見がないような人に、鑑別診断の意味を含めてよく処方します。(60歳代病院勤務医、循環器内科)
・狭心症の診断的治療薬として処方しています。(50歳代病院勤務医、循環器内科)
・いざというときの頓服薬として財布などに入れておくことができる。(40歳代病院勤務医、循環器内科)
・最近では頓服薬として処方するだけになりました。(60歳代病院勤務医、循環器内科)
添付文書
狭心症、心筋梗塞、心臓喘息、アカラジアの一時的緩解。
ニトログリセリンとして、0.3〜0.6mgを舌下投与する。狭心症に対し投与後、数分間で効果の現れない場合には、更に0.3〜0.6mgを追加投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
1.循環器:(5%以上又は頻度不明)脳貧血、血圧低下、熱感、潮紅、動悸、(0.1%未満)眩暈。
2.精神神経系:(5%以上又は頻度不明)頭痛、(0.1%未満)失神。
3.消化器:(5%以上又は頻度不明)悪心・嘔吐。
4.その他:(0.1%未満)発汗、尿失禁、便失禁。
(禁忌)
1.重篤な低血圧又は心原性ショックの患者[血管拡張作用により、更に血圧を低下させ、症状を悪化させる恐れがある]。
2.閉塞隅角緑内障の患者[眼圧を上昇させる恐れがある]。
3.頭部外傷又は脳出血の患者[頭蓋内圧を上昇させる恐れがある]。
4.高度貧血の患者[血圧低下により貧血症状(眩暈、立ちくらみ等)を悪化させる恐れがある]。
5.硝酸・亜硝酸エステル系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者。
6.ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤投与中(シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物、タダラフィル)又はグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤投与中(リオシグアト)の患者[本剤とこれらの薬剤との併用により降圧作用が増強され、過度に血圧を低下させることがある]。
(慎重投与)
1.低血圧の患者[血管拡張作用により、更に血圧を低下させる恐れがある]。
2.心筋梗塞の急性期の患者[血圧を低下させる恐れがある]。
3.原発性肺高血圧症の患者[心拍出量が低下し、ショックを起こす恐れがある]。
4.閉塞性肥大型心筋症の患者[心室内圧較差の増強をもたらし、症状を悪化させる恐れがある]。
(重要な基本的注意)
1.狭心症に対し本剤を用いる場合には、次の事項に留意する。
1).狭心症に対し本剤を用いる場合には、投与後、数分間で効果を現すが、効果が現れない場合には更に0.3〜0.6mgを追加投与する。
2).狭心症に対し本剤を用いる場合には、1回の発作に0.9mgまで投与しても効果が現れない場合、発作が15〜20分以上持続する場合には、直ちに主治医に連絡するよう患者を指導する。
2.起立性低血圧を起こすことがあるので注意する。また、眩暈や失神等を起こすことがあるので、椅子に腰掛けるか、座って服用させる。
3.過度の血圧低下が起こった場合には、下肢の挙上あるいは昇圧剤の投与等、適切な処置を行う。
4.本剤の投与開始時には、他の硝酸・亜硝酸エステル系薬剤と同様に血管拡張作用による頭痛等の副作用が起こりやすく、これらの副作用のために注意力、集中力、反射運動等の低下が起こることがあるので、このような場合には、自動車の運転等の危険を伴う機械の操作には従事させないように注意する。
5.本剤とホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤(シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物、タダラフィル)との併用又はグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤(リオシグアト)との併用により降圧作用が増強し、過度に血圧を低下させることがあるので、本剤投与前にホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤又はグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤を服用していないことを十分確認する。また、本剤投与中及び投与後においてホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤又はグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤を服用しないよう十分注意する。
(相互作用)
1.併用禁忌:
1).ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤(シルデナフィルクエン酸塩<バイアグラ、レバチオ>、バルデナフィル塩酸塩水和物<レビトラ>、タダラフィル<シアリス、アドシルカ、ザルティア>)[併用により、降圧作用を増強することがある(本剤はcGMPの産生を促進し、一方、ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤はcGMPの分解を抑制することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介する本剤の降圧作用が増強する)]。
2).グアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤(リオシグアト<アデムパス>)[併用により、降圧作用を増強することがある(本剤とグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤は、ともにcGMPの産生を促進することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介する本剤の降圧作用が増強する)]。
2.併用注意:
1).降圧作用及び血管拡張作用を有する薬物(Ca拮抗剤、ACE阻害剤、β遮断剤、利尿剤、三環系抗うつ剤、メジャートランキライザー等)[血圧低下が増強されることがある(血圧低下作用が相加的に増強される)]。
2).他の硝酸・亜硝酸エステル系薬剤[頭痛・血圧低下等の副作用が増強されることがある(血管拡張作用が増強される)]。
3).非ステロイド性抗炎症剤(アスピリン等)[本剤の作用が減弱される恐れがある(プロスタグランジンI2等の合成が阻害され、血管拡張作用が減弱される可能性がある)]。
4).アルコール摂取[血圧低下が増強されることがある(血圧低下作用が相加的に増強される)]。
(高齢者への投与)
本剤は、主として肝臓で代謝されるが、高齢者では一般に肝機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続し、血圧低下等が発現する恐れがあるので注意する。
(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない]。
2.授乳婦に投与する場合には授乳を中止させる[動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている]。
(その他の注意)
本剤使用中に本剤又は他の硝酸・亜硝酸エステル系薬剤に対し、耐薬性を生じ、作用が減弱することがある(なお、ニトログリセリンの経皮吸収型製剤での労作狭心症に対するコントロールされた外国の臨床試験成績によると、休薬時間を置くことにより、耐薬性が軽減できたとの報告がある)。
(取扱い上の注意)
1.患者に対し、次項を守るよう注意する。
<患者に対する保存及び使用上の注意>
1).幼小児、特に乳児の手の届かない所に保存するよう注意する。
2).本剤は舌下で溶解させ、口腔粘膜より吸収されて速やかに効果を発現するもので、内服では効果がない。
3).本剤を初めて使用する患者は、最初の数回は必ず1錠を投与する(このとき一過性の頭痛が起こることがあるが、この症状は投与を続ける間に起こらなくなる)。
2.安定性試験:最終包装製品を用いた長期保存試験(25℃、相対湿度60%、3年間)の結果、外観及び含量等は規格の範囲内であり、ニトロペン舌下錠0.3mgは通常の市場流通下において3年間安定であることが確認された。
(保管上の注意)
遮光。
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