処方薬事典データ協力:株式会社メドレー
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テルチア配合錠BP「武田テバ」の基本情報
基本情報
血圧上昇などの要因となる体内物質(アンジオテンシンII)の受容体阻害作用とナトリウムや水分を尿として排出する利尿作用により、降圧作用などをあらわす薬
- プレミネント配合錠
- エカード配合錠
- コディオ配合錠
- ミコンビ配合錠
- イルトラ配合錠
- 高血圧症
- 1日1回1錠(テルミサルタン/ヒドロクロロチアジドとして80mg/12.5mg)を経口投与する
- 本剤は高血圧治療の第一選択薬として用いない
副作用
注意事項
- 禁止
- 過敏症
- 急性腎不全
- 血液透析中
- 重篤な肝障害
- 無尿
- 体液中のカリウム減少
- 体液中のナトリウム減少
- 胆汁の分泌が極めて悪い
- デスモプレシン酢酸塩水和物投与中<男性における夜間多尿による夜間頻尿>
- アリスキレンフマル酸塩投与中
- 原則禁止
- 高カリウム血症
- 両側性腎動脈狭窄
- 片腎で腎動脈狭窄
- 血清クレアチニン値が2.0mg/dLを超える腎機能障害
- eGFR<60mL/分/1.73㎡の腎障害でアリスキレンフマル酸塩併用
- 希望禁止
- 手術前24時間
- 慎重投与
- 嘔吐
- 肝疾患
- 肝障害
- 血清カリウム値異常
- 下痢
- 減塩療法時
- 高カルシウム血症
- 交感神経切除後
- 重篤な冠硬化症
- 腎障害
- 痛風
- 糖尿病
- 脳血管障害
- 副甲状腺機能亢進症
- 両側性腎動脈狭窄
- 重篤な脳動脈硬化症
- ACTH投与中
- ジギタリス剤投与中
- 糖質副腎皮質ホルモン剤投与中
- 片腎で腎動脈狭窄
- アリスキレンフマル酸塩を併用
- 注意
- 肝障害
- 厳重な減塩療法中
- 高カリウム血症
- 手術前24時間
- 腎機能障害
- 両側性腎動脈狭窄
- 血清カリウム値が高くなりやすい
- 片腎で腎動脈狭窄
- コントロール不良の糖尿病
- 血清クレアチニン値が2.0mg/dLを超える腎機能障害
- eGFR<60mL/分/1.73㎡の腎障害でアリスキレンフマル酸塩併用
- アリスキレンフマル酸塩を併用
- 投与に際する指示
- 肝障害
- 厳重な減塩療法中
- 利尿降圧剤投与中
- 禁止
- 妊婦・産婦
- 原則禁止
- 授乳婦
- 慎重投与
- 高齢者
- 慎重投与
- 高齢者(65歳〜)
相互作用
- 薬剤名
- 影響
- アリスキレンフマル酸塩
- 非致死性脳卒中
- アリスキレンフマル酸塩
- 腎機能障害
- アリスキレンフマル酸塩
- 高カリウム血症
- ACE阻害剤
- 高カリウム血症
- アリスキレンフマル酸塩
- 低血圧
- ACE阻害剤
- 低血圧
- デスモプレシン酢酸塩水和物<男性における夜間多尿による夜間頻尿>
- 低ナトリウム血症
- ジギタリス剤
- 血中ジゴキシン濃度が上昇
- ジゴキシン
- 血中ジゴキシン濃度が上昇
- ジギトキシン
- 血中ジゴキシン濃度が上昇
- ジギタリス剤
- 心臓に対する作用を増強し不整脈
- ジゴキシン
- 心臓に対する作用を増強し不整脈
- ジギトキシン
- 心臓に対する作用を増強し不整脈
- カリウム保持性利尿剤
- 血清カリウム濃度が上昇
- スピロノラクトン
- 血清カリウム濃度が上昇
- トリアムテレン
- 血清カリウム濃度が上昇
- カリウム補給剤
- 血清カリウム濃度が上昇
- リチウム製剤
- 中毒
- 炭酸リチウム
- 中毒
- リチウム製剤
- 振戦・消化器愁訴等リチウム中毒を増強
- 炭酸リチウム
- 振戦・消化器愁訴等リチウム中毒を増強
- 非ステロイド系抗炎症剤
- 糸球体濾過量がより減少
- COX−2選択的阻害剤
- 糸球体濾過量がより減少
- インドメタシン製剤
- 糸球体濾過量がより減少
- 非ステロイド系抗炎症剤
- 腎障害のある患者では急性腎障害
- COX−2選択的阻害剤
- 腎障害のある患者では急性腎障害
- インドメタシン製剤
- 腎障害のある患者では急性腎障害
- 非ステロイド系抗炎症剤
- 降圧薬の効果を減弱
- COX−2選択的阻害剤
- 降圧薬の効果を減弱
- インドメタシン製剤
- 降圧薬の効果を減弱
- 非ステロイド系抗炎症剤
- チアジド系薬剤の作用が減弱
- COX−2選択的阻害剤
- チアジド系薬剤の作用が減弱
- インドメタシン製剤
- チアジド系薬剤の作用が減弱
- コレスチラミン<経口>
- チアジド系薬剤の作用が減弱
- ACE阻害剤
- 急性腎障害を含む腎機能障害
- バルビツール酸誘導体
- 起立性低血圧が増強
- アヘンアルカロイド系麻薬
- 起立性低血圧が増強
- エタノール摂取
- 起立性低血圧が増強
- カテコールアミン製剤
- 作用を減弱
- ノルエピネフリン
- 作用を減弱
- エピネフリン
- 作用を減弱
- 非脱分極性筋弛緩剤
- 麻痺作用を増強
- ツボクラリン塩化物塩酸塩水和物
- 麻痺作用を増強
- パンクロニウム臭化物
- 麻痺作用を増強
- 降圧作用を有する薬剤
- 降圧作用を増強
- β−遮断剤
- 降圧作用を増強
- ニトログリセリン
- 降圧作用を増強
- 乳酸ナトリウムを含有する輸液
- チアジド系薬剤による代謝性アルカローシス・低カリウム血症を増強
- 糖質副腎皮質ホルモン剤
- 低カリウム血症
- ACTH
- 低カリウム血症
- グリチルリチン製剤
- 血清カリウム値の低下
- 糖尿病用薬
- 作用を著しく減弱
- スルホニルウレア系薬剤
- 作用を著しく減弱
- インスリン製剤
- 作用を著しく減弱
- スルフィンピラゾン
- 尿酸排泄作用に拮抗
- アルコールを含むもの<ジン、ウオッカ、ラム、ウイスキー、ブランデー など>
処方理由
この薬をファーストチョイスする理由(2021年10月更新)
・ARB標準量と高用量の2種類があるのは他の薬剤にも言えることだが、降圧目標達成のためにカルシウム拮抗薬との3剤合剤への移行の可能性も考慮すると、比較的使用頻度が高い。(40歳代病院勤務医、循環器内科)
・肥満を合併した高血圧症を診療することが多く、インスリン抵抗性の改善効果も期待してテルミサルタンを処方することが多いため、テルミサルタンで降圧不十分な場合にミコンビは処方しやすい。(60歳代診療所勤務医、代謝・内分泌内科)
・テルミサルタンの効果を実感しており、その延長でミコンビを処方することが多い。これまで特段副作用はない。(60歳代診療所勤務医、一般内科)
・テルミサルタンは、アムロジピンとの合剤や三剤の合剤など選択肢が多い。(60歳代開業医、小児科)
・降圧効果に優れ、使い勝手がよい。(40歳代病院勤務医、呼吸器内科)
この薬をファーストチョイスする理由(2020年2月更新)
・テルミサルタンはバランスが良い印象。血圧を下げ過ぎず、降圧効果を期待できる。若年者に新規導入する際、積極的に使用している。(30歳代病院勤務医、循環器内科)
・高齢者で腎機能障害が進行してきたときに、薬剤変更をしなくてもよいように、胆汁排泄型のARBとの合剤を選ぶことが多い。(40歳代診療所勤務医、一般内科)
・降圧効果が長期間持続し、降圧幅も大きいため。また、副作用も少ないように思う。(40歳代病院勤務医、脳神経内科)
・ミカルディスとの合剤にミカムロ、ミカトリオもあり、選択肢が多くて使いやすい。(60歳代開業医、小児科)
・ミカルディスをよく使うので、必然的にこれの処方が増えます。(50歳代診療所勤務医、糖尿病科)
この薬をファーストチョイスする理由(2018年1月更新)
・ARB単剤の場合ミカルディスが多いため(70歳以上開業医、循環器内科)
・ARBとしてはミカルディスをよく処方するので、どうしてもミコンビが多いです。他にはエカードもよく処方しています。(50歳代病院勤務医、一般内科)
・元々どのARBを処方していたかが問題になると考えます。私の場合テルミサルタンの処方が多いのでミコンビ処方となります。配合錠の多い中、ネーミングは大切です。その点、ミカルディスファミリーは覚えやすいです。(50歳代病院勤務医、一般内科)
・テルミサルタンの持効性・抗動脈硬化作用を期待。(50歳代開業医、総合診療科)
・現在肥満患者が多く、また作用時間が長いので。早朝高血圧をもつ患者に使いやすい。(50歳代診療所勤務医、一般内科)
・テルミサルタンの降圧効果が強い。アムロジピンを併用している場合はミカトリオに変える選択肢もある。(50歳代病院勤務医、一般内科)
添付文書
高血圧症。
<効能・効果に関連する使用上の注意>
過度な血圧低下の恐れ等があり、本剤を高血圧治療の第一選択薬としない。
1日1回1錠(テルミサルタン/ヒドロクロロチアジドとして80mg/12.5mg)を経口投与する。本剤は高血圧治療の第一選択薬として用いない。
<用法・用量に関連する使用上の注意>
1.原則として、テルミサルタン40mgで効果不十分な場合にテルミサルタン/ヒドロクロロチアジド40mg/12.5mgの投与を検討、テルミサルタン80mg、又はテルミサルタン/ヒドロクロロチアジド40mg/12.5mgで効果不十分な場合にテルミサルタン/ヒドロクロロチアジド80mg/12.5mgの投与を検討する。
2.肝障害のある患者に投与する場合、テルミサルタン/ヒドロクロロチアジドとして40mg/12.5mgを超えて投与しない。
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
1.重大な副作用(頻度不明):次のような副作用が現れることがあるので、観察を十分に行い、症状が現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
1).血管浮腫:顔面腫脹、口唇腫脹、咽頭腫脹・喉頭腫脹、舌腫脹等の腫脹を症状とする血管浮腫が現れ、喉頭浮腫等により呼吸困難を来した症例も報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行う。
2).高カリウム血症:重篤な高カリウム血症が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに適切な処置を行う。
3).低ナトリウム血症:倦怠感、食欲不振、嘔気、嘔吐、意識障害等を伴う低ナトリウム血症が現れることがある(高齢者で現れやすい)ので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、直ちに適切な処置を行う。
4).腎機能障害:腎不全を呈した例が報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行う。
5).ショック、失神、意識消失:ショック、血圧低下に伴う失神、意識消失が現れることがあるので、観察を十分に行い、冷感、嘔吐、意識消失等が現れた場合には、直ちに適切な処置を行い、特に厳重な減塩療法中、利尿降圧剤投与中の患者では低用量から投与を開始し、増量する場合は患者の状態を十分に観察しながら徐々に行う。
6).肝機能障害、黄疸:AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、Al−P上昇、LDH上昇等の肝機能障害、黄疸が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行う。
7).低血糖:低血糖が現れることがある(糖尿病治療中の患者で現れやすい)ので、観察を十分に行い、脱力感、空腹感、冷汗、手の震え、集中力低下、痙攣、意識障害等が現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
8).アナフィラキシー:呼吸困難、血圧低下、喉頭浮腫等が症状として現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。
9).再生不良性貧血、溶血性貧血:重篤な血液障害が現れることがあるので、定期的に検査を実施するなど観察を十分に行う。
10).間質性肺炎、肺水腫、肺臓炎を含む呼吸窮迫症:発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等を伴う間質性肺炎が現れることがあるので、このような場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行う。また、肺水腫、肺臓炎を含む呼吸窮迫症が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行う。
11).横紋筋融解症:筋肉痛、脱力感、CK上昇(CPK上昇)、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症が現れることがあるので、観察を十分に行い、このような場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行う。
12).急性近視、閉塞隅角緑内障:急性近視(霧視、視力低下等を含む)、閉塞隅角緑内障が現れることがあるので、急激な視力の低下や眼痛等の異常が認められた場合には投与を中止し、速やかに眼科医の診察を受けるよう、患者に指導する。
13).壊死性血管炎。
14).全身性紅斑性狼瘡悪化。
2.その他の副作用:本剤の投与により次のような副作用が現れた場合には、症状に応じて適切な処置を行う。
1).過敏症:(頻度不明)光線過敏症、発疹、そう痒、蕁麻疹、紅斑、呼吸困難、顔面潮紅[このような症状が現れた場合には、投与を中止する]。
2).精神神経系:(頻度不明)眩暈[このような症状が現れた場合には、休薬するなど適切な処置を行う]、眠気、頭のぼんやり感、不眠、不安感、睡眠障害、抑うつ状態、知覚異常、錯感覚、頭痛。
3).血液:(頻度不明)貧血、白血球減少、好酸球上昇、血小板減少、ヘモグロビン減少、紫斑。
4).循環器:(頻度不明)低血圧、動悸、上室性頻脈、起立性低血圧、ほてり、心悸亢進、ふらつき、上室性期外収縮、心房細動、徐脈、不整脈。
5).消化器:(頻度不明)下痢、鼓腸、胃炎、口渇、便秘、腹痛、消化不良、嘔気、嘔吐、食欲不振、口内炎、膵炎、唾液腺炎、腹部不快感。
6).眼:(頻度不明)視覚異常、視力異常(霧視等)、黄視症、結膜炎、目のチカチカ感、羞明。
7).肝臓:(頻度不明)AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、Al−P上昇、LDH上昇等の肝機能異常。
8).呼吸器:(頻度不明)咳、咽頭炎、気管支炎、副鼻腔炎、喀痰増加、鼻閉。
9).腎臓:(頻度不明)高尿酸血症、血清クレアチニン上昇、血中尿酸値上昇。
10).代謝異常:(頻度不明)脂質異常症(低比重リポ蛋白増加、トリグリセリド増加等)、低クロル性アルカローシス、糖尿病のコントロール不良。
11).骨格筋:(頻度不明)筋痙攣、関節痛、下肢痛、筋肉痛、下肢痙攣、背部痛、腱炎。
12).電解質:(頻度不明)低カリウム血症、血清カリウム上昇、低マグネシウム血症、血清カルシウム上昇等の電解質失調。
13).その他:(頻度不明)頻尿、疲労、無力症、浮腫、胸痛、インフルエンザ様症状、上気道感染、インポテンス、尿路感染、膀胱炎、敗血症、耳鳴、倦怠感、CRP陽性、CK上昇(CPK上昇)、脱力感、発熱、多汗、高カルシウム血症を伴う副甲状腺障害、皮膚エリテマトーデス、しびれ、味覚異常。
(禁忌)
1.本剤の成分及びチアジド系薬剤又はその類似化合物(例えばクロルタリドン等のスルホンアミド誘導体)に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人。
3.胆汁の分泌が極めて悪い患者又は重篤な肝障害のある患者。
4.無尿の患者又は血液透析中の患者[本剤の効果が期待できない]。
5.急性腎不全の患者[腎機能を更に悪化させる恐れがある]。
6.体液中のナトリウム減少・体液中のカリウム減少が明らかな患者[低ナトリウム血症、低カリウム血症等の電解質失調を悪化させる恐れがある]。
7.アリスキレンフマル酸塩投与中の糖尿病患者(但し、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く)[非致死性脳卒中、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧のリスク増加が報告されている]。
8.デスモプレシン酢酸塩水和物投与中<男性における夜間多尿による夜間頻尿>の患者。
(慎重投与)
1.両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者。
2.血清カリウム値異常の患者。
3.肝障害・肝疾患のある患者[テルミサルタンは主に胆汁中に排泄されるため、テルミサルタンのクリアランスが低下することがあり、また、外国において肝障害患者でテルミサルタンの血中濃度が約3〜4.5倍上昇することが報告されている、ヒドロクロロチアジドでは、肝性昏睡を誘発することがある]。
4.腎障害のある患者[腎機能を悪化させる恐れがある]。
5.脳血管障害のある患者[過度の降圧が脳血流不全を引き起こし、病態を悪化させる恐れがある]。
6.高齢者。
7.重篤な冠硬化症又は重篤な脳動脈硬化症のある患者[急激な利尿が現れた場合、急速な血漿量減少、血液濃縮を来し、血栓塞栓症を誘発する恐れがある]。
8.本人又は両親、兄弟に痛風、糖尿病のある患者[高尿酸血症、高血糖症を来し、痛風、糖尿病の悪化や顕性化の恐れがある]。
9.下痢、嘔吐のある患者[電解質失調が現れることがある]。
10.高カルシウム血症、副甲状腺機能亢進症のある患者[血清カルシウムを上昇させる恐れがある]。
11.ジギタリス剤投与中、糖質副腎皮質ホルモン剤投与中又はACTH投与中の患者。
12.減塩療法時の患者[低ナトリウム血症等を起こす恐れがある]。
13.交感神経切除後の患者[本剤の降圧作用が増強される]。
(重要な基本的注意)
1.本剤は、テルミサルタン80mgとヒドロクロロチアジド12.5mgとの配合剤であり、テルミサルタンとヒドロクロロチアジド双方の副作用が発現する恐れがあるため、適切に本剤の使用を検討する。
2.両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者においては、腎血流量の減少や糸球体濾過圧の低下により急速に腎機能悪化させる恐れがあるので、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避ける。
3.血清クレアチニン値が2.0mg/dLを超える腎機能障害患者においては、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避ける。
4.腎機能障害患者では、血清クレアチニン値上昇及び血清尿酸値上昇の恐れがあるので、本剤投与中は定期的に血清クレアチニン値及び血清尿酸値のモニタリングを実施し、観察を十分に行う。
5.本剤の成分であるテルミサルタンは、高カリウム血症の患者において、高カリウム血症を増悪させる恐れがあるので、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避ける。また、腎機能障害、コントロール不良の糖尿病等により血清カリウム値が高くなりやすい患者では、高カリウム血症が発現する恐れがあるので、血清カリウム値に注意する。
6.アリスキレンフマル酸塩を併用する場合、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こす恐れがあるため、患者の状態を観察しながら慎重に投与する。なお、eGFR<60mL/分/1.73㎡の腎障害でアリスキレンフマル酸塩併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避ける。
7.本剤の成分であるヒドロクロロチアジドは低カリウム血症を起こすことが知られているため、血清カリウム値のモニタリングを定期的に実施し、観察を十分に行う。
8.本剤の成分であるヒドロクロロチアジドは高尿酸血症を発現させる恐れがあるので、本剤投与中は定期的に血清尿酸値のモニタリングを実施し、観察を十分に行い、血清尿酸値上昇が観察された場合は、その程度に応じて投薬の中止など適切な処置を行う。
9.本剤の投与によって、急激な血圧低下を起こす恐れがあるので、特に厳重な減塩療法中の患者に投与する場合は患者の状態を十分に観察する。
10.降圧作用に基づく眩暈、ふらつきが現れることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させる。
11.手術前24時間は投与しないことが望ましい。
12.本剤を含むアンジオテンシン2受容体拮抗剤投与中に肝炎等の重篤な肝障害が現れたとの報告があるので、肝機能検査を実施するなど、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行う。
13.本剤の利尿効果は急激に現れることがあるので、電解質失調、脱水に十分注意する。
14.連用する場合、電解質失調が現れることがあるので定期的に検査を行う。
15.夜間の休息が特に必要な患者には、夜間の排尿を避けるため、午前中に投与することが望ましい。
(相互作用)
テルミサルタンは、主としてUGT酵素(UDP−グルクロノシルトランスフェラーゼ)によるグルクロン酸抱合によって代謝される。また、テルミサルタンは肝代謝酵素P−450では代謝されない。ヒドロクロロチアジドは生体内でほとんど代謝を受けず、未変化体として尿中に排泄される。
1.併用禁忌:デスモプレシン酢酸塩水和物<男性における夜間多尿による夜間頻尿><ミニリンメルト>[低ナトリウム血症が発現する恐れがある(ヒドロクロロチアジド:いずれも低ナトリウム血症が発現する恐れがある)]。
2.併用注意:
1).ジギタリス剤:
(1).ジギタリス剤(ジゴキシン、ジギトキシン)[テルミサルタンとの併用により、血中ジゴキシン濃度が上昇したとの報告があるので、血中ジゴキシン濃度に注意する(テルミサルタン:機序不明)]。
(2).ジギタリス剤(ジゴキシン、ジギトキシン)[ヒドロクロロチアジドとの併用により、ジギタリスの心臓に対する作用を増強し不整脈等を起こすことがあるので、血清カリウム値に十分注意する(ヒドロクロロチアジド:ヒドロクロロチアジドによる血清カリウム値低下により多量のジギタリスが心筋Na・K−ATPaseに結合し心収縮力増強と不整脈が起こる(マグネシウム低下も同様の作用を示す))]。
2).カリウム保持性利尿剤(スピロノラクトン、トリアムテレン等)、カリウム補給剤[血清カリウム濃度が上昇する恐れがあるので注意する(テルミサルタン:カリウム貯留作用が増強する恐れがある<危険因子>特に腎機能障害のある患者)]。
3).リチウム製剤:
(1).リチウム製剤(炭酸リチウム)[アンジオテンシン変換酵素阻害剤との併用により、リチウム中毒を起こすことが報告されているので、血中リチウム濃度に注意する(テルミサルタン:明確な機序は不明であるが、ナトリウムイオン不足はリチウムイオンの貯留を促進するといわれているため、テルミサルタンがナトリウム排泄を促進することにより起こると考えられる)]。
(2).リチウム製剤(炭酸リチウム)[ヒドロクロロチアジドにより、振戦・消化器愁訴等リチウム中毒を増強することがあるので、血中リチウム濃度に注意する(ヒドロクロロチアジド:腎におけるリチウムの再吸収を促進し、リチウムの血中濃度を上昇させる)]。
4).非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、COX−2選択的阻害剤、インドメタシン:
(1).非ステロイド性抗炎症薬<NSAIDs>、COX−2選択的阻害剤、インドメタシン[糸球体濾過量がより減少し、腎障害のある患者では急性腎障害を引き起こす可能性がある(テルミサルタン:プロスタグランジン合成阻害作用により、腎血流量が低下するためと考えられる)]。
(2).非ステロイド性抗炎症薬<NSAIDs>、COX−2選択的阻害剤、インドメタシン[降圧薬の効果を減弱させることが報告されている(テルミサルタン:血管拡張作用を有するプロスタグランジンの合成が阻害されるため、降圧薬の血圧低下作用を減弱させると考えられている)]。
(3).非ステロイド性抗炎症薬<NSAIDs>、COX−2選択的阻害剤、インドメタシン[チアジド系薬剤の作用が減弱することがある(ヒドロクロロチアジド:非ステロイド系消炎鎮痛剤のプロスタグランジン合成酵素阻害作用により、腎内プロスタグランジンが減少し、水・ナトリウムの体内貯留が生じてヒドロクロロチアジドの作用と拮抗する)]。
5).アンジオテンシン変換酵素阻害剤[急性腎障害を含む腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こす恐れがあるため、腎機能、血清カリウム値及び血圧を十分に観察する(テルミサルタン:併用によりレニン−アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある)]。
6).アリスキレンフマル酸塩[腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こす恐れがあるため、腎機能、血清カリウム値及び血圧を十分に観察する(テルミサルタン:併用によりレニン−アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある)、なお、eGFRが60mL/min/1.73㎡未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンフマル酸塩との併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避ける(テルミサルタン:併用によりレニン−アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある)]。
7).バルビツール酸誘導体[起立性低血圧が増強されることがある(ヒドロクロロチアジド:これらの薬剤の中枢抑制作用と利尿剤の降圧作用による)]。
8).アヘンアルカロイド系麻薬[起立性低血圧が増強されることがある(ヒドロクロロチアジド:アヘンアルカロイドの大量投与で血圧下降が現れることが報告されている)]。
9).アルコール[起立性低血圧が増強されることがある(ヒドロクロロチアジド:血管拡張作用を有するアルコールとの併用により降圧作用が増強される可能性がある)]。
10).昇圧アミン(ノルアドレナリン、アドレナリン)[昇圧アミンの作用を減弱することがあるので、手術前の患者に使用する場合、本剤の一時休薬等の処置を講ずる(ヒドロクロロチアジド:チアジド系利尿剤は昇圧アミンに対する血管壁の反応性を低下させることが報告されている)]。
11).ツボクラリン及びその類似作用物質(ツボクラリン塩化物塩酸塩水和物、パンクロニウム臭化物)[ツボクラリン及びその類似作用物質の麻痺作用を増強することがあるので、手術前の患者に使用する場合、本剤の一時休薬等の処置を講ずる(ヒドロクロロチアジド:ヒドロクロロチアジドによる血清カリウム値の低下により、これらの薬剤の神経・筋遮断作用を増強すると考えられている)]。
12).降圧作用を有する他の薬剤(β−遮断剤、ニトログリセリン等)[降圧作用を増強する恐れがあるので、降圧剤の用量調節等に注意する(ヒドロクロロチアジド:作用機序の異なる降圧作用により互いに協力的に作用する)]。
13).乳酸ナトリウム[チアジド系薬剤による代謝性アルカローシス・低カリウム血症を増強することがある(ヒドロクロロチアジド:ヒドロクロロチアジドによるカリウム排泄作用により低カリウム血症や代謝性アルカローシスが引き起こされることがあり、アルカリ化剤である乳酸ナトリウムの併用はこの状態を更に増強させる)]。
14).糖質副腎皮質ホルモン剤、ACTH[低カリウム血症が発現することがある(ヒドロクロロチアジド:ヒドロクロロチアジド及び糖質副腎皮質ホルモン剤ともカリウム排泄作用を持つ)]。
15).グリチルリチン製剤[血清カリウム値の低下が現れやすくなる(ヒドロクロロチアジド:グリチルリチン製剤は低カリウム血症を主徴とした偽アルドステロン症を引き起こすことがあるため、ヒドロクロロチアジドとの併用により低カリウム血症を増強する可能性がある)]。
16).糖尿病用剤(SU剤、インスリン)[糖尿病用剤の作用を著しく減弱することがある(ヒドロクロロチアジド:機序は明確ではないが、ヒドロクロロチアジドによるカリウム喪失により膵臓のβ細胞のインスリン放出が低下すると考えられている)]。
17).コレスチラミン<経口>[チアジド系薬剤の作用が減弱することがある(ヒドロクロロチアジド:コレスチラミンの吸着作用により、チアジド系薬剤の吸収が阻害されることがある)]。
18).スルフィンピラゾン[チアジド系薬剤はスルフィンピラゾンの尿酸排泄作用に拮抗することがある(ヒドロクロロチアジド:チアジド系利尿剤は、腎での尿酸分泌の阻害、尿酸再吸収の増大作用を有すると考えられ、スルフィンピラゾンの尿酸排泄作用に拮抗することがある)]。
(高齢者への投与)
1.高齢者に投与する場合には、患者の状態を観察しながら慎重に投与する[一般に過度の降圧は好ましくないとされている(脳梗塞等が起こる恐れがある)]。
2.テルミサルタン/ヒドロクロロチアジド配合剤の国内臨床試験では65歳未満の非高齢者と65歳以上の高齢者において降圧効果及び副作用に差はみられなかった。
3.高齢者と非高齢者との間でテルミサルタンのAUC及びCmaxに差はみられなかった。
4.高齢者では、急激な利尿は血漿量の減少を来し、脱水、低血圧等による立ちくらみ、眩暈、失神等を起こすことがある。
5.特に心疾患等で浮腫のある高齢者では急激な利尿は急速な血漿量の減少と血液濃縮を来し、脳梗塞等の血栓塞栓症を誘発する恐れがある。
6.高齢者では低ナトリウム血症、低カリウム血症が現れやすい。
(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しない。また、投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止する[妊娠中期及び末期にテルミサルタンを含むアンジオテンシン2受容体拮抗剤を投与された高血圧症の患者で羊水過少症、胎児・新生児の死亡、新生児の低血圧、腎不全、高カリウム血症、頭蓋形成不全及び羊水過少症によると推測される四肢拘縮、頭蓋顔面奇形、肺発育不全等が現れたとの報告がある。チアジド系薬剤では新生児又は乳児に高ビリルビン血症、血小板減少症等を起こすことがあり、また、利尿効果に基づく血漿量減少、血液濃縮、子宮血流量減少・胎盤血流量減少が現れることがある]。
2.授乳中の婦人には投与することを避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させる[テルミサルタンでは、動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されており、また、動物実験(ラット出生前、出生後の発生及び母動物の機能に関する試験)の15mg/kg/日以上の投与群で出生仔4日生存率低下、50mg/kg/日投与群で出生仔低体重及び出生仔身体発達遅延が報告されており、ヒドロクロロチアジドでは、母乳中に薬剤が移行することが報告されている]。
(小児等への投与)
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
(臨床検査結果に及ぼす影響)
ヒドロクロロチアジドにおいては、甲状腺障害のない患者の血清PBIを低下させることがあるので注意する。
(過量投与)
1.症状:テルミサルタンの過量服用(640mg)により、低血圧及び頻脈が現れたとの報告がある。また、本剤の過量服用(テルミサルタン/ヒドロクロロチアジド総量として320mg/50mg〜400mg/62.5mg)により、低血圧及び眩暈が現れたとの報告がある。
2.処置:過量服用の場合は、次のような処置を行う(なお、テルミサルタンは血液透析によって除去されない):1)催吐及び胃洗浄、又は活性炭投与、2)過量服用時、低血圧が起こった場合は、臥位にさせ、すみやかに生理食塩液及び補液を投与する。
(適用上の注意)
1.薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。
2.服用時:本剤を食後に服用している患者には、毎日食後に服用するよう注意を与える[本剤の薬物動態は食事の影響を受け、空腹時投与した場合は食後投与よりも血中濃度が高くなることが報告されており、副作用が発現する恐れがある]。
(その他の注意)
海外で実施された疫学研究において、ヒドロクロロチアジドを投与された患者で、基底細胞癌及び有棘細胞癌のリスクが増加することが報告されている。
(取扱い上の注意)
1.分包後は吸湿して軟化することがあるので、高温・多湿を避けて保存する。
2.安定性試験:本品につき加速試験(40℃、相対湿度75%、6カ月)を行った結果、本品は通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された。
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