処方薬事典データ協力:株式会社メドレー
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プレミネント配合錠HDの基本情報
基本情報
血圧上昇などの要因となる体内物質(アンジオテンシンII)の受容体阻害作用とナトリウムや水分を尿として排出する利尿作用により、降圧作用などをあらわす薬
- プレミネント配合錠
- エカード配合錠
- コディオ配合錠
- ミコンビ配合錠
- イルトラ配合錠
- 高血圧症
- 成人には1日1回1錠(ロサルタンカリウム/ヒドロクロロチアジドとして100mg/12.5mg)を経口投与する
- 本剤は高血圧治療の第一選択薬として用いない
- (用法及び用量に関連する注意)原則として、ロサルタンカリウム50mgで効果不十分な場合にロサルタンカリウム/ヒドロクロロチアジドとして50mg/12.5mgの投与を検討、ロサルタンカリウム100mg又はロサルタンカリウム/ヒドロクロロチアジドとして50mg/12.5mgで効果不十分な場合にロサルタンカリウム/ヒドロクロロチアジドとして100mg/12.5mgの投与を検討すること〔8.1参照〕
副作用
注意事項
- 禁止
- 過敏症
- 急性腎障害
- 重篤な肝機能障害
- 無尿
- 透析
- 体液中のカリウム減少
- 体液中のナトリウム減少
- アリスキレン投与中
- デスモプレシン酢酸塩水和物投与中<男性における夜間多尿による夜間頻尿>
- 原則禁止
- 高カリウム血症
- 腎機能障害
- 両側性腎動脈狭窄
- 片腎で腎動脈狭窄
- 血清クレアチニン値2.0mg/dL超
- 希望禁止
- 手術前24時間
- 注意
- 嘔吐
- 血清カリウム値異常
- 下痢
- 減塩療法中
- 厳重な減塩療法中
- 高カルシウム血症
- 交感神経切除後
- 高尿酸血症
- 手術前24時間
- 腎機能障害
- 腎機能低下
- 痛風
- 糖尿病
- 脳血管障害
- 副甲状腺機能亢進症
- 重篤な脳動脈硬化症
- 浮腫のある高齢者
- 体液量が減少
- 血清カリウム値が高くなりやすい
- 過度の発汗
- コントロール不良の糖尿病
- 水分摂取の不十分
- 肝機能障害<重篤な肝機能障害を除く>
- 重篤な冠動脈硬化症
- 血清クレアチニン値1.5〜2.0mg/dL
- 禁止
- 妊婦・産婦
- 注意
- 妊婦・産婦
- 授乳婦
- 新生児(低出生体重児を含む)
- 乳児
- 幼児・小児
- 高齢者
- 注意
- 小児等(0歳〜14歳)
- 浮腫のある高齢者(65歳〜)
- 乳児(0日〜364日)
- 高齢者(65歳〜)
相互作用
- 薬剤名
- 影響
- アリスキレン
- 非致死性脳卒中・腎機能障害・高カリウム血症及び低血圧のリスク増加
- デスモプレシン酢酸塩水和物<男性における夜間多尿による夜間頻尿>
- 低ナトリウム血症
- カリウム保持性利尿剤
- 血清カリウム値が上昇
- スピロノラクトン
- 血清カリウム値が上昇
- トリアムテレン
- 血清カリウム値が上昇
- カリウム補給剤
- 血清カリウム値が上昇
- 塩化カリウム<補給剤>
- 血清カリウム値が上昇
- トリメトプリム
- 血清カリウム値が上昇
- スルファメトキサゾール・トリメトプリム
- 血清カリウム値が上昇
- 降圧利尿剤
- 一過性の血圧低下
- フロセミド
- 一過性の血圧低下
- トリクロルメチアジド
- 一過性の血圧低下
- アリスキレン
- 腎機能障害
- ACE阻害剤
- 腎機能障害
- アリスキレン
- 高カリウム血症
- ACE阻害剤
- 高カリウム血症
- アリスキレン
- 低血圧
- ACE阻害剤
- 低血圧
- バルビツール酸誘導体
- 起立性低血圧が増強
- アヘンアルカロイド系麻薬
- 起立性低血圧が増強
- エタノール摂取
- 起立性低血圧が増強
- カテコールアミン製剤
- 作用を減弱
- ノルエピネフリン
- 作用を減弱
- エピネフリン
- 作用を減弱
- 非脱分極性筋弛緩剤
- 麻痺作用を増強
- ツボクラリン塩化物塩酸塩水和物
- 麻痺作用を増強
- 降圧作用を有する薬剤
- 降圧作用を増強
- β−遮断剤
- 降圧作用を増強
- ニトログリセリン
- 降圧作用を増強
- ジギタリス剤
- 心臓に対する作用を増強し不整脈
- ジゴキシン
- 心臓に対する作用を増強し不整脈
- 乳酸ナトリウムを含有する輸液
- チアジド系薬剤による代謝性アルカローシス・低カリウム血症を増強
- リチウム製剤
- 中毒
- 炭酸リチウム
- 中毒
- リチウム製剤
- 振戦・消化器愁訴等リチウム中毒を増強
- 炭酸リチウム
- 振戦・消化器愁訴等リチウム中毒を増強
- 副腎皮質ホルモン剤
- 低カリウム血症
- ACTH
- 低カリウム血症
- グリチルリチン製剤
- 血清カリウム値の低下
- 糖尿病用薬
- 作用を著しく減弱
- スルホニルウレア系薬剤
- 作用を著しく減弱
- インスリン製剤
- 作用を著しく減弱
- 速効型食後血糖降下剤
- 作用を著しく減弱
- コレスチラミン<経口>
- チアジド系薬剤の作用が減弱
- 非ステロイド系抗炎症剤
- チアジド系薬剤の作用が減弱
- インドメタシン製剤
- チアジド系薬剤の作用が減弱
- 非ステロイド系抗炎症剤
- 降圧作用が減弱
- インドメタシン製剤
- 降圧作用が減弱
- 非ステロイド系抗炎症剤
- さらに腎機能が悪化
- インドメタシン製剤
- さらに腎機能が悪化
- アルコールを含むもの<ジン、ウオッカ、ラム、ウイスキー、ブランデー など>
処方理由
この薬をファーストチョイスする理由(2021年10月更新)
・使い慣れている。ロサルタンには尿酸排泄作用があるため使いやすい。(50歳代病院勤務医、一般内科)
・服薬アドヒアランスの向上が図れる。確実な降圧効果を単剤より期待できる。(40歳代病院勤務医、脳神経外科)
・早い時期から使用可能であった。エビデンスもそれなりに豊富である。(70歳代病院勤務医、腎臓内科)
・大きな副作用を経験したことがなく、使いやすい。(40歳代病院勤務医、循環器内科)
この薬をファーストチョイスする理由(2020年2月更新)
・利尿剤によって尿酸値が若干上昇するので、尿酸低下効果を有するロサルタンとの組み合わせを選ぶことが多いです。ただ、元々使用していたARBを含む配合剤があれば、そちらを優先的に使用しています。(30歳代病院勤務医、循環器内科)
・あえて処方するとすればこれです。腎機能障害や光線過敏症の副作用もあり、新規の場合には他の配合錠を処方する頻度が増えています。(30歳代診療所勤務医、一般内科)
・ロサルタンカリウムとヒドロクロロチアジドの併用により、降圧効果の増強と副作用の軽減がはかれる。(50歳代開業医、消化器外科)
・配合剤として良好なコントロールが得られていると感じている。(50歳代病院勤務医、血液内科)
・副作用などを経験したことはなく安全に処方している。(40歳代病院勤務医、呼吸器内科)
この薬をファーストチョイスする理由(2018年1月更新)
・ロサルタンの尿酸排泄促進作用とHCTZの副作用が相殺し、降圧作用が安定して持続するため有効である。(60歳代開業医、神経内科)
・ロサルタンは尿酸の上昇を抑制するため、利尿薬の副作用を相殺するのではないかと考えています。(50歳代病院勤務医、循環器内科)
・ロサルタンは他のARBと比べて利尿剤との相性が非常によい印象があります。降圧効果がよく、尿酸値上昇の影響も少ないです。(50歳代開業医、一般内科)
・ロサルタン単独では考えられないぐらい降圧効果があると感じました。ARBはもっぱらテルミサルタンなのですが、利尿剤配合剤はプレミネントが良いかなと思います。(40歳代開業医、循環器内科)
・最も早く世に出たARB利尿薬配合剤なので、処方慣れしている。気を付けないと、HCTZによる日光過敏が稀ならず起こります。(50歳代診療所勤務医、一般内科)
・前医処方と継続するときはこれらの薬を使うが、合剤としてはCa拮抗薬+ARBのものを使うことの方が圧倒的に多い。(50歳代病院勤務医、脳神経外科)
・マイルドな降圧作用が高齢者向き。(50歳代開業医、循環器内科)
この薬をファーストチョイスする理由(2016年9月更新)
・何と言っても尿酸値も下がる点が良いです。当院では高血圧に高尿酸血症を合併している方も多く、その場合はこれ1剤で1石2鳥になります。(50歳代病院勤務医、一般内科)
・尿酸を下げる効果があり、尿酸合成阻害剤が不要になるから。処方する薬品の数が増えるのは避けたいので。(60歳代診療所勤務医、循環器内科)
・最も早く発売されたので一番使用期間が長く、良くも悪くも特徴を熟知しているため。ただし光線過敏症に要注意です。(30歳代病院勤務医、循環器内科)
・プレミネントではロサルタンの尿酸排泄促進作用がヒドロクロロチアジドの副作用を相殺し、安定した降圧作用があるから。(60歳代病院勤務医、神経内科)
・ロサルタン自体の降圧作用は他のARBと比較するとさほど強力ではないが、利尿薬を併用することでほぼ満足のできる降圧が得られる。(50歳代病院勤務医、循環器内科)
この薬をファーストチョイスする理由(2015年4月更新)
・最も初めに発売された配合剤であるが、ロサルタンの尿酸低下作用で利尿降圧薬の尿酸上昇作用がキャンセルされて、最も合理的な組み合わせであると考える。(60代病院勤務医、循環器内科)
・過剰な血圧降下が少なく、心配される腎機能への影響や、尿酸値の上昇がほとんど見られず、安心して使用できる。(50代病院勤務医、循環器内科)
・ジェネリックがあるから。患者負担は少ないし、薬価差益も大きい。(50代開業医、消化器内科)
・初めに発売されたので何例か使っていたが思った以上に降圧効果は高い。だが、Ca拮抗薬との配合剤が出てからは新規処方は減った。(30代病院勤務医、循環器内科)
・食塩摂取の多い地域ですので、利尿薬との組み合わせが必要。(50代病院勤務医、消化器外科)
・名前が覚えやすい。(30代病院勤務医、麻酔科)
添付文書
高血圧症。
(効能又は効果に関連する注意)
過度な血圧低下のおそれ等があり、本剤を高血圧治療の第一選択薬としないこと。
成人には1日1回1錠(ロサルタンカリウム/ヒドロクロロチアジドとして100mg/12.5mg)を経口投与する。
本剤は高血圧治療の第一選択薬として用いない。
(用法及び用量に関連する注意)
原則として、ロサルタンカリウム50mgで効果不十分な場合にロサルタンカリウム/ヒドロクロロチアジドとして50mg/12.5mgの投与を検討、ロサルタンカリウム100mg又はロサルタンカリウム/ヒドロクロロチアジドとして50mg/12.5mgで効果不十分な場合にロサルタンカリウム/ヒドロクロロチアジドとして100mg/12.5mgの投与を検討すること〔8.1参照〕。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. アナフィラキシー(頻度不明):不快感、口内異常感、発汗、蕁麻疹、呼吸困難、全身潮紅、浮腫等があらわれることがある。
11.1.2. 血管浮腫(頻度不明):顔面腫脹、口唇腫脹、咽頭腫脹、舌腫脹等の腫脹があらわれることがある。
11.1.3. 急性肝炎又は劇症肝炎(いずれも頻度不明)。
11.1.4. 急性腎障害(頻度不明)。
11.1.5. ショック、失神、意識消失(いずれも頻度不明):冷感、嘔吐、意識消失等があらわれた場合には、直ちに適切な処置を行うこと〔9.1.5、9.1.6、10.2参照〕。
11.1.6. 横紋筋融解症(頻度不明):筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。
11.1.7. 低カリウム血症、高カリウム血症(いずれも頻度不明):血清カリウム値異常変動に伴い、倦怠感、脱力感、不整脈等があらわれることがある〔2.7、8.3、9.1.2、9.1.3参照〕。
11.1.8. 不整脈(頻度不明):心室性期外収縮、心房細動等の不整脈があらわれることがある。
11.1.9. 汎血球減少、白血球減少、血小板減少(いずれも頻度不明)。
11.1.10. 再生不良性貧血、溶血性貧血(いずれも頻度不明)〔8.6参照〕。
11.1.11. 壊死性血管炎(頻度不明)。
11.1.12. 間質性肺炎、肺水腫(いずれも頻度不明)。
11.1.13. 全身性エリテマトーデス悪化(頻度不明)。
11.1.14. 低血糖(頻度不明):脱力感、空腹感、冷汗、手の震え、集中力低下、痙攣、意識障害等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと(糖尿病治療中の患者であらわれやすい)。
11.1.15. 低ナトリウム血症(頻度不明):倦怠感、食欲不振、嘔気、嘔吐、痙攣、意識障害等を伴う低ナトリウム血症があらわれることがある〔2.7、9.1.6参照〕。
11.1.16. 急性近視、閉塞隅角緑内障(いずれも頻度不明):急性近視(霧視、視力低下等を含む)、閉塞隅角緑内障があらわれることがあるので、急激な視力の低下や眼痛等の異常が認められた場合には投与を中止し、速やかに眼科医の診察を受けるよう、患者に指導すること。
11.2. その他の副作用
1). 精神神経系:(*0.1〜5%未満)めまい、浮遊感、眠気、頭痛、(頻度不明)耳鳴、不眠、知覚異常。
2). 循環器系:(*0.1〜5%未満)低血圧、起立性低血圧、動悸、(頻度不明)調律障害(頻脈等)、胸痛。
3). 消化器:(*0.1〜5%未満)嘔吐・嘔気、(頻度不明)口内炎、下痢、口角炎、胃不快感、胃潰瘍、腹部仙痛、膵炎、唾液腺炎、便秘、食欲不振、腹部不快感、口渇。
4). 肝臓:(*0.1〜5%未満)黄疸、肝機能障害(AST上昇、ALT上昇、LDH上昇等)。
5). 腎臓:(*0.1〜5%未満)BUN上昇、クレアチニン上昇。
6). 皮膚:(*0.1〜5%未満)発疹、蕁麻疹、(頻度不明)多形紅斑、光線過敏、紅皮症、紅斑、皮膚そう痒、顔面潮紅、皮膚エリテマトーデス。
7). 血液:(*0.1〜5%未満)貧血、赤血球数増加、赤血球数減少、ヘマトクリット低下、ヘマトクリット上昇、ヘモグロビン増加、白血球数増加、リンパ球数増加、(頻度不明)好酸球数増加、好中球百分率増加、リンパ球数減少。
8). その他:(*0.1〜5%未満)倦怠感、CK上昇、高尿酸血症、高血糖症、頚部異和感、多汗、頻尿、CRP増加、尿中ブドウ糖陽性、尿中赤血球陽性、尿中白血球陽性、尿中蛋白陽性、BNP増加、(頻度不明)発熱、味覚障害、しびれ感、眼症状(眼のかすみ、眼異和感等)、黄視症、ほてり、浮腫、筋肉痛、咳嗽、低マグネシウム血症、低クロール性アルカローシス、血清カルシウム増加、インポテンス、高カルシウム血症を伴う副甲状腺障害、筋痙攣、関節痛、鼻閉、紫斑、呼吸困難、血清脂質増加、女性化乳房。
*)ロサルタンカリウム/ヒドロクロロチアジドとして100mg/12.5mg、50mg/12.5mg、50mg/6.25mg、25mg/6.25mgを投与した臨床試験を含む。
(禁忌)
2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. チアジド系薬剤又はその類似化合物(例えばクロルタリドン等のスルフォンアミド誘導体)に対する過敏症の既往歴のある患者。
2.3. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。
2.4. 重篤な肝機能障害のある患者〔9.3.1参照〕。
2.5. 無尿の患者又は透析患者〔9.2.1参照〕。
2.6. 急性腎障害の患者〔9.2.2参照〕。
2.7. 体液中のナトリウム減少・体液中のカリウム減少が明らかな患者[低ナトリウム血症、低カリウム血症等の電解質失調を悪化させるおそれがある]〔9.1.2、11.1.7、11.1.15参照〕。
2.8. アリスキレン投与中の糖尿病患者(ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く)〔10.1参照〕。
2.9. デスモプレシン酢酸塩水和物投与中<男性における夜間多尿による夜間頻尿>の患者〔10.1参照〕。
(重要な基本的注意)
8.1. 本剤はロサルタンカリウム100mgとヒドロクロロチアジド12.5mgの配合剤であり、ロサルタンカリウムとヒドロクロロチアジド双方の副作用が発現するおそれがあり、適切に本剤の使用を検討すること〔7.用法及び用量に関連する注意の項参照〕。
8.2. 一過性血圧低下(ショック症状、意識消失、呼吸困難等を伴う)を起こすおそれがあるので、本剤投与中は定期的(投与開始時:2週間ごと、安定後:月1回程度)に血圧のモニタリングを実施すること。
8.3. 本剤の成分であるヒドロクロロチアジドは低カリウム血症を起こすことが知られており、ロサルタンカリウム/ヒドロクロロチアジドとして50mg/12.5mgが投与された国内臨床試験において、血清カリウム値は低下傾向を示し、また低カリウム血症の発現頻度は高カリウム血症よりも高かったため、低カリウム血症の発現がより懸念されるので、血清カリウム値のモニタリングを定期的に実施し、観察を十分に行うこと〔9.1.2、11.1.7参照〕。
8.4. 本剤の成分であるヒドロクロロチアジドは高尿酸血症を発現させるおそれがあるので、本剤投与中は定期的に血清尿酸値のモニタリングを実施し、観察を十分に行うこと〔9.1.8参照〕。
8.5. 本剤の成分であるヒドロクロロチアジドは血糖値上昇若しくは糖尿病顕性化のおそれがあるので、観察を十分に行うこと〔9.1.8参照〕。
8.6. 本剤の成分であるヒドロクロロチアジドは重篤な血液障害を発現させるおそれがあるので、定期的に検査を実施するなど観察を十分に行うこと〔11.1.10参照〕。
8.7. 降圧作用に基づくめまい、ふらつきがあらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
8.8. 手術前24時間は投与しないことが望ましい(アンジオテンシン2受容体拮抗剤投与中の患者は、麻酔及び手術中にレニン・アンジオテンシン系の抑制作用による高度な血圧低下を起こすおそれがある)。
8.9. 本剤の成分を含むアンジオテンシン2受容体拮抗剤投与中にまれに肝炎等の重篤な肝障害があらわれたとの報告があるので、肝機能検査を実施するなど、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
8.10. 本剤の投与により利尿効果が急激にあらわれることがあるので、電解質失調、脱水に十分注意すること。
8.11. 夜間の休息が特に必要な患者には、夜間の排尿を避けるため、午前中に投与することが望ましい。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者:治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること(腎血流量の減少や糸球体ろ過圧の低下により急速に腎機能悪化させるおそれがある)。
9.1.2. 血清カリウム値異常の患者:低カリウム血症又は高カリウム血症を起こすおそれがある〔2.7、8.3、9.1.3、11.1.7参照〕。
9.1.3. 高カリウム血症の患者:治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること(本剤の成分であるロサルタンカリウムは、高カリウム血症を増悪させるおそれがある)。
また、腎機能障害、コントロール不良の糖尿病等により血清カリウム値が高くなりやすい患者では、高カリウム血症が発現するおそれがあるので、血清カリウム値のモニタリングを定期的に実施し、観察を十分に行うこと〔9.1.2、11.1.7参照〕。
9.1.4. 脳血管障害のある患者:過度の降圧が脳血流不全を惹起し、病態を悪化させるおそれがある。
9.1.5. 体液量が減少している患者(水分摂取の不十分な患者、過度の発汗をしている患者):一過性血圧低下を起こすおそれがある〔11.1.5参照〕。
9.1.6. 減塩療法中の患者:低ナトリウム血症を起こすおそれがある。特に、厳重な減塩療法中の患者では、一過性血圧低下を起こすおそれがある〔11.1.5、11.1.15参照〕。
9.1.7. 重篤な冠動脈硬化症又は重篤な脳動脈硬化症のある患者:急激な利尿があらわれた場合、急速な血漿量減少、血液濃縮を来し、血栓塞栓症を誘発するおそれがある。
9.1.8. 本人又は両親、兄弟に痛風、糖尿病のある患者、及び高尿酸血症のある患者:高尿酸血症、高血糖症を来し、痛風、糖尿病の悪化や顕性化のおそれがある〔8.4、8.5参照〕。
9.1.9. 下痢、嘔吐のある患者:電解質失調があらわれるおそれがある。
9.1.10. 高カルシウム血症、副甲状腺機能亢進症のある患者:血清カルシウムを上昇させるおそれがある。
9.1.11. 交感神経切除後の患者:本剤の降圧作用が増強されるおそれがある。
(腎機能障害患者)
9.2.1. 無尿の患者又は透析患者:投与しないこと〔2.5参照〕。
9.2.2. 急性腎障害の患者:投与しないこと(腎機能を更に悪化させるおそれがある)〔2.6参照〕。
9.2.3. 腎機能障害患者(血清クレアチニン値2.0mg/dL超):治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること(ヒドロクロロチアジドにより腎血流量が低下し、ロサルタンカリウムにより腎機能障害が悪化するおそれがある)。
9.2.4. 腎機能低下患者(血清クレアチニン値1.5〜2.0mg/dL):本剤投与中は定期的に血清クレアチニン値及び血清尿酸値のモニタリングを実施し、観察を十分に行うこと(血清クレアチニン値上昇及び血清尿酸値上昇のおそれがある)。
(肝機能障害患者)
9.3.1. 重篤な肝機能障害のある患者:投与しないこと〔2.4、9.3.2参照〕。
9.3.2. 肝機能障害<重篤な肝機能障害を除く>又はその既往のある患者:外国で軽・中等度アルコール性肝硬変患者にロサルタンカリウム50mgを単回経口投与すると健康成人と比較してロサルタン消失速度が遅延しロサルタン及びカルボン酸体の血漿中濃度がそれぞれ約5倍及び約2倍に上昇することが報告されており、また、ヒドロクロロチアジドは肝性昏睡を誘発するおそれがある〔9.3.1参照〕。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止すること。妊娠中期及び末期に本剤の成分を含むアンジオテンシン2受容体拮抗剤を投与された高血圧症の患者で羊水過少症、胎児・新生児の死亡、新生児の低血圧、腎不全、多臓器不全、頭蓋形成不全及び羊水過少症によると推測される四肢奇形、頭蓋顔面奇形、肺発育不全等があらわれたとの報告がある。なお、チアジド系薬剤では新生児又は乳児に高ビリルビン血症、血小板減少症等を起こすことがあり、また、利尿効果に基づく血漿量減少、血液濃縮、子宮血流量減少・胎盤血流量減少があらわれることがある〔2.3参照〕。
(授乳婦)
授乳しないことが望ましい(ラットの周産期及び授乳期にロサルタンカリウム1mg/kg/day/ヒドロクロロチアジド0.25mg/kg/day〜ロサルタンカリウム50mg/kg/day/ヒドロクロロチアジド12.5mg/kg/dayを投与した試験において、ロサルタンカリウム50mg/kg/day/ヒドロクロロチアジド12.5mg/kg/day群で産仔体重減少及び腎病理組織学的変化がみられた。また、ロサルタン、カルボン酸体及びヒドロクロロチアジドの乳汁移行性も確認された。本試験の産仔に対する無毒性量はロサルタンカリウム10mg/kg/day/ヒドロクロロチアジド2.5mg/kg/dayであった。ヒドロクロロチアジドは、ヒト母乳中への移行が報告されている)。
(小児等)
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。乳児は電解質バランスがくずれやすい。
(高齢者)
9.8.1. 高齢者:一般に生理機能が低下している。
9.8.2. 高齢者:一般に過度の降圧は好ましくないとされている(脳梗塞等が起こるおそれがある)。
9.8.3. 高齢者:高齢者でのロサルタンカリウム単独投与における薬物動態試験で、ロサルタン及びカルボン酸体の血漿中濃度が非高齢者に比べて高かった(非高齢者に比較してロサルタン及びカルボン酸体の血漿中濃度がそれぞれ約2倍及び約1.3倍に上昇)。
9.8.4. 高齢者:急激な利尿は血漿量の減少を来し、脱水、低血圧等による立ちくらみ、めまい、失神等を起こすことがある。
9.8.5. 高齢者:特に心疾患等で浮腫のある高齢者では急激な利尿は急速な血漿量の減少と血液濃縮を来し、脳梗塞等の血栓塞栓症を誘発するおそれがある。
9.8.6. 高齢者:低ナトリウム血症、低カリウム血症があらわれやすい。
(相互作用)
本剤の成分であるロサルタンカリウムは、主に薬物代謝酵素チトクロームP450 2C9(CYP2C9)により活性代謝物であるカルボン酸体に代謝される。なお、本剤の成分であるヒドロクロロチアジドは、ほとんど代謝されることなく尿中に排泄される〔16.4参照〕。
10.1. 併用禁忌:
1). アリスキレン<ラジレス>(糖尿病患者に使用する場合(ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く))〔2.8参照〕[非致死性脳卒中・腎機能障害・高カリウム血症及び低血圧のリスク増加が報告されている(レニン・アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある)]。
2). デスモプレシン酢酸塩水和物<男性における夜間多尿による夜間頻尿><ミニリンメルト>〔2.9参照〕[低ナトリウム血症が発現するおそれがある(いずれも低ナトリウム血症が発現するおそれがある)]。
10.2. 併用注意:
1). カリウム保持性利尿剤(スピロノラクトン、トリアムテレン等)、カリウム補給剤(塩化カリウム<補給剤>)、トリメトプリム含有製剤(スルファメトキサゾール・トリメトプリム)[血清カリウム値が上昇するおそれがある(本剤の成分であるロサルタンカリウムとの併用によりカリウム貯留作用が増強するおそれがあるので、腎機能障害のある患者には特に注意すること)]。
2). 利尿降圧剤(フロセミド、トリクロルメチアジド等)〔11.1.5参照〕[一過性の血圧低下を起こすおそれがある(利尿降圧剤で治療を受けている患者にはレニン活性が亢進している患者が多く、本剤が奏効しやすい)]。
3). アリスキレン[腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがある(レニン・アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある)。eGFRが60mL/min/1.73㎡未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンとの併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること(レニン・アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある)]。
4). アンジオテンシン変換酵素阻害剤[腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがある(レニン・アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある)]。
5). バルビツール酸誘導体[起立性低血圧が増強されることがある(これらの薬剤の中枢抑制作用と本剤の成分であるヒドロクロロチアジドの降圧作用による)]。
6). あへんアルカロイド系麻薬[起立性低血圧が増強されることがある(本剤の成分であるヒドロクロロチアジドとあへんアルカロイドの大量投与で血圧下降があらわれることが報告されている)]。
7). アルコール[起立性低血圧が増強されることがある(本剤の成分であるヒドロクロロチアジドと血管拡張作用を有するアルコールとの併用により降圧作用が増強される可能性がある)]。
8). 昇圧アミン(ノルアドレナリン、アドレナリン)[昇圧アミンの作用を減弱することがあるので、手術前の患者に使用する場合、本剤の一時休薬等の処置を講ずること(本剤の成分であるヒドロクロロチアジドは昇圧アミンに対する血管壁の反応性を低下させることが報告されている)]。
9). ツボクラリン及びその類似作用物質(ツボクラリン塩化物塩酸塩水和物)[ツボクラリン及びその類似作用物質の麻痺作用を増強することがあるので、手術前の患者に使用する場合、本剤の一時休薬等の処置を講ずること(本剤の成分であるヒドロクロロチアジドによる血清カリウム値の低下により、これらの薬剤の神経・筋遮断作用を増強すると考えられている)]。
10). 降圧作用を有する他の薬剤(β−遮断剤、ニトログリセリン等)[降圧作用を増強するおそれがあるので、降圧剤の用量調節等に注意すること(作用機序の異なる降圧作用により互いに協力的に作用する)]。
11). ジギタリス剤(ジゴキシン)[ジギタリスの心臓に対する作用を増強し不整脈等を起こすことがあるので、血清カリウム値に十分注意すること(本剤の成分であるヒドロクロロチアジドによる血清カリウム値の低下により多量のジギタリスが心筋Na−K ATPaseに結合し、心収縮力増強と不整脈が起こる(マグネシウム低下も同様の作用を示す))]。
12). 乳酸ナトリウム[チアジド系薬剤による代謝性アルカローシス・低カリウム血症を増強することがある(本剤の成分であるヒドロクロロチアジドのカリウム排泄作用により低カリウム血症や代謝性アルカローシスが引き起こされることがあり、アルカリ化剤である乳酸ナトリウムの併用はこの状態を更に増強させる)]。
13). リチウム:
①. リチウム(炭酸リチウム)[リチウム中毒が報告されているので、血中リチウム濃度に注意すること(本剤の成分であるロサルタンカリウムのナトリウム排泄作用により、リチウムの蓄積が起こると考えられている)]。
②. リチウム(炭酸リチウム)[振戦・消化器愁訴等リチウム中毒を増強することがあるので、血清リチウム濃度に注意すること(本剤の成分であるヒドロクロロチアジドは腎におけるリチウムの再吸収を促進し、リチウムの血中濃度を上昇させる)]。
14). 副腎皮質ホルモン剤、ACTH[低カリウム血症が発現することがある(本剤の成分であるヒドロクロロチアジド及び副腎皮質ホルモン剤、ACTHともカリウム排泄作用を持つ)]。
15). グリチルリチン製剤[血清カリウム値の低下があらわれやすくなる(グリチルリチン製剤は低カリウム血症を主徴とした偽アルドステロン症を引き起こすことがあるため、本剤の成分であるヒドロクロロチアジドとグリチルリチン製剤の併用により低カリウム血症を増強する可能性がある)]。
16). 糖尿病用剤(SU剤、インスリン、速効型インスリン分泌促進薬)[糖尿病用剤の作用を著しく減弱することがある(機序は明確ではないが、本剤の成分であるヒドロクロロチアジドによるカリウム喪失により膵臓のβ細胞のインスリン放出が低下すると考えられている)]。
17). コレスチラミン<経口>[チアジド系薬剤の作用が減弱することがある(コレスチラミンの吸着作用により本剤の成分であるヒドロクロロチアジドの吸収が阻害されることがある)]。
18). 非ステロイド性消炎鎮痛剤:
①. 非ステロイド性消炎鎮痛剤(インドメタシン等)[降圧作用が減弱されるおそれがある(プロスタグランジンの合成阻害作用により、本剤の降圧作用を減弱させる可能性がある)]。
②. 非ステロイド性消炎鎮痛剤(インドメタシン等)[腎機能悪化している患者では、さらに腎機能が悪化するおそれがある(プロスタグランジンの合成阻害作用により、腎血流量が低下するためと考えられる)]。
③. 非ステロイド性消炎鎮痛剤(インドメタシン等)[チアジド系薬剤の作用が減弱することがある(非ステロイド性消炎鎮痛剤のプロスタグランジン合成酵素阻害作用により、腎内プロスタグランジンが減少し、水・ナトリウムの体内貯留が生じて本剤の成分であるヒドロクロロチアジドの作用と拮抗する)]。
(臨床検査結果に及ぼす影響)
甲状腺障害のない患者の血清PBIを低下させることがある。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
(その他の注意)
15.1. 臨床使用に基づく情報
海外で実施された疫学研究において、ヒドロクロロチアジドを投与された患者で、基底細胞癌及び有棘細胞癌のリスクが増加することが報告されている。
(保管上の注意)
室温保存。
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