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処方薬事典データ協力:株式会社メドレー

フィズリン錠30mgの基本情報

先発品(後発品なし)
一般名
製薬会社
薬価・規格
9139.1円(30mg1錠)
添付文書

基本情報

効能・効果
  • 異所性抗利尿ホルモン産生腫瘍による抗利尿ホルモン不適合分泌症候群の低ナトリウム血症の改善
注意すべき副作用
口渇 、 血清カリウム上昇 、 AST上昇 、 ALT上昇 、 肝機能異常 、 γ−GTP上昇 、 LDH上昇 、 コリンエステラーゼ減少 、 食欲減退 、 BUN上昇
用法・用量(主なもの)
  • モザバプタン塩酸塩として30mgを1日1回食後に経口投与する
禁忌・原則禁忌
  • 病気や症状に応じた注意事項
    • 過敏症
  • 患者の属性に応じた注意事項
    • 妊婦・産婦

副作用

主な副作用
口渇 、 血清カリウム上昇 、 AST上昇 、 ALT上昇 、 肝機能異常 、 γ−GTP上昇 、 LDH上昇 、 コリンエステラーゼ減少 、 食欲減退 、 BUN上昇 、 頻尿
上記以外の副作用
血清カルシウム減少 、 倦怠感 、 総蛋白減少 、 口周囲浮腫

注意事項

病気や症状に応じた注意事項
  • 禁止
    • 過敏症
  • 慎重投与
    • 肝機能障害
    • 高カリウム血症
    • 循環不全
    • 腎機能障害
    • 低血圧症
    • 食事の摂取が困難
患者の属性に応じた注意事項
  • 禁止
    • 妊婦・産婦
  • 慎重投与
    • 高齢者
年齢や性別に応じた注意事項
  • 警告
    • 妊娠する可能性のある婦人(11歳〜)
  • 慎重投与
    • 高齢者(65歳〜)

相互作用

薬剤との相互作用
薬剤名
影響
薬物代謝酵素<CYP3A4>を阻害する薬剤
本剤の作用が増強
イトラコナゾール
本剤の作用が増強
肝薬物代謝酵素<CYP3A4>の基質となる薬剤
基質となる薬剤の作用が増強
デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物
基質となる薬剤の作用が増強
塩酸イリノテカン
基質となる薬剤の作用が増強
ビンクリスチン硫酸塩
基質となる薬剤の作用が増強
オキシコドン塩酸塩水和物
基質となる薬剤の作用が増強
ブプレノルフィン
基質となる薬剤の作用が増強
フェンタニルクエン酸塩
基質となる薬剤の作用が増強
フェンタニール
基質となる薬剤の作用が増強
ループ利尿剤
利尿作用が増強
フロセミド
利尿作用が増強
ループ利尿剤
脱水症状
フロセミド
脱水症状

処方理由

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添付文書

効果・効能(添付文書全文)

異所性抗利尿ホルモン産生腫瘍による抗利尿ホルモン不適合分泌症候群における低ナトリウム血症の改善(既存治療で効果不十分な場合に限る)。
<効能・効果に関連する使用上の注意>
1.本剤の適用は、異所性抗利尿ホルモン産生腫瘍による抗利尿ホルモン不適合分泌症候群と診断された患者に限定する。診断にあたっては、最新の「厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患克服研究事業 間脳下垂体機能障害に関する調査研究班 バソプレシン分泌過剰症(SIADH)の診断の手引き」を参照する。
2.本剤の投与は、可能な限りの水分制限を実施しても効果不十分な患者に限定する(なお、本剤投与中も水分制限を継続する)。

用法・用量(添付文書全文)

モザバプタン塩酸塩として30mgを1日1回食後に経口投与する。
<用法・用量に関連する使用上の注意>
1.投与開始3日間で有効性が認められた場合に限り、引き続き7日間まで継続投与することができる。[7日間を超えた投与、再発後の再投与及び再発後の減量投与の有効性及び安全性は検討されていない]。
2.悪心、嘔気・嘔吐等のため、食事を摂取せずに本剤を投与する場合、食後投与に比べ血中濃度が上昇し、作用が強く現れる恐れがある。
3.夜間の排尿を避けるため、朝食後又は昼食後に投与することが望ましい。

副作用(添付文書全文)

国内で実施された抗利尿ホルモン不適合分泌症候群を対象とした臨床試験(異所性抗利尿ホルモン産生腫瘍以外に起因する12例を含む)において、安全性解析対象28例中11例(39.3%)に臨床検査値の異常を含む副作用が認められている。主な副作用は、口渇6件(21.4%)、AST(GOT)上昇2件(7.1%)、ALT(GPT)上昇2件(7.1%)、血清カリウム上昇2件(7.1%)等であった。
1.肝臓:(5%以上)AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、(1〜5%未満)肝機能異常、γ−GTP上昇、LDH上昇、コリンエステラーゼ減少。
2.消化器:(5%以上)口渇、(1〜5%未満)食欲減退。
3.腎臓:(1〜5%未満)BUN上昇。
4.泌尿器:(1〜5%未満)頻尿。
5.電解質:(5%以上)血清カリウム上昇、(1〜5%未満)血清カルシウム減少。
6.その他:(1〜5%未満)倦怠感、総蛋白減少、口周囲浮腫。

使用上の注意(添付文書全文)

(警告)
1.本剤の投与は、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)の治療に十分な知識と経験を有する医師のもと、異所性抗利尿ホルモン産生腫瘍によるSIADHと診断された患者にのみ行う(SIADH:syndrome of inappropriate secretion of antidiuretic hormone)。
2.本剤による治療は対症療法であり、水分制限を試みた上で、必要と判断された場合にのみ行う。
3.本剤投与時は、急激な血清ナトリウム濃度の上昇により、橋中心髄鞘崩壊症を来す恐れがあるので、医師の監視下におき、血清ナトリウム濃度の推移等を注意深く観察し、急激な血清ナトリウム濃度の上昇がみられた場合には必要な処置をとる(特に、本剤投与開始日には血清ナトリウム濃度を頻回に測定する)。
4.本剤により生殖細胞に染色体異常を誘発する可能性が報告されているので、妊娠する可能性のある婦人に投与する場合には、避妊をさせる。
(禁忌)
1.本剤の成分又は類似化合物(トルバプタン等)に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人。
(慎重投与)
1.肝機能障害のある患者[未変化体及び活性代謝物の血中濃度が上昇する恐れがある]。
2.腎機能障害のある患者[未変化体及び活性代謝物の血中濃度が上昇する恐れがあり、また、本剤の投与により、高カリウム血症が発現する恐れがある]。
3.高カリウム血症の患者[本剤の投与により、高カリウム血症が増悪する恐れがある]。
4.低血圧症あるいは循環不全のある患者[循環血漿量の減少により、低血圧症あるいは循環不全が増悪する恐れがある]。
5.食事の摂取が困難な患者[食後投与に比べ空腹時では、血中濃度が上昇し、作用が強く現れる恐れがある]。
6.高齢者。
(重要な基本的注意)
1.急激な血清ナトリウム濃度の上昇により、橋中心髄鞘崩壊症を来す恐れがあるので、患者を入院させ、医師の監視下におき、次の点に注意する。
1).本剤の投与は、血清ナトリウム濃度、尿量及び臨床症状等、患者の状態を観察しながら行い、特に、本剤投与開始日には、投与4〜6時間後並びに8〜12時間後に血清ナトリウム濃度を測定する[健康成人男子に本剤を単回投与した時の血清ナトリウム濃度は、本剤投与4〜6時間後に最大値を示した]。
2).必要に応じ、飲水量あるいは輸液(5%ブドウ糖液)を増量させ、血清ナトリウム濃度の上昇が10mEq/L/24hrを超えないようにする。
2.本剤投与中は水分制限を実施するため、脱水症状が現れる恐れがあるので、血圧、脈拍数、尿量、血清ナトリウム濃度等を頻回にチェックし、脱水症状の発現に注意する。
3.本剤による血圧低下の恐れがあり、また、作用機序は不明であるが、血圧上昇の恐れもあるので、本剤投与中は血圧の変動に注意する。
4.本剤による高カリウム血症発症あるいは高カリウム血症増悪の恐れがあるので、本剤投与中は血清カリウム濃度を測定する。
5.患者又はそれに代わる適切な者に対して、本剤の有効性及び安全性は少数例の抗利尿ホルモン不適合分泌症候群の患者のみで評価されたものであることを十分説明し、文書による同意を得る。
(相互作用)
本剤は、主として肝代謝酵素CYP3A4とCYP2C8で代謝される。
CYP3A4阻害剤との併用により本剤の代謝が阻害され未変化体及び活性代謝物の血中濃度が上昇する可能性がある。更に、CYP3A4で代謝される薬剤の代謝を阻害しその血中濃度を上昇させる可能性もある。しかし、他の薬剤との相互作用はすべての薬剤との組み合わせについて検討されているわけではないので、他剤による治療中に新たに本剤を併用、又は本剤による治療中に新たに他の薬剤を併用する場合には、患者の状態を十分観察し慎重に投与する。
併用注意:
1.薬物代謝酵素<CYP3A4>を阻害する薬剤(イトラコナゾール等)[代謝阻害により、本剤の作用が増強する恐れがある(イトラコナゾールは、本剤の代謝酵素であるCYP3A4を阻害し、未変化体及び活性代謝物の血中濃度を上昇させる)]。
2.薬物代謝酵素<CYP3A4>の基質となる薬剤(デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物、抗悪性腫瘍薬(イリノテカン塩酸塩水和物、ビンクリスチン硫酸塩等)、鎮痛剤(オキシコドン塩酸塩水和物、ブプレノルフィン塩酸塩、フェンタニルクエン酸塩、フェンタニル等)等)[代謝阻害により、基質となる薬剤の作用が増強する恐れがある(本剤は、これらの薬剤のCYP3A4による代謝を阻害する恐れがある)]。
3.ループ利尿薬(フロセミド等)[利尿作用が増強する恐れがあるので、血圧、脈拍数、尿量、血清ナトリウム濃度等を頻回にチェックし、脱水症状の発現に注意する(利尿作用を増強させる)]。
(高齢者への投与)
一般に高齢者では生理機能が低下しており、また、脱水症状を起こしやすいとされているため、患者の状態を観察しながら慎重に投与する。
(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しない[動物実験で催奇形作用(ラット)及び胚致死作用(ラット及びウサギ)が報告されており、また、妊娠ラットで胎盤通過が報告されている]。
2.妊娠する可能性のある婦人には、避妊をさせる[動物実験(雌マウス)で卵子の減数分裂期に投与したとき、妊娠動物あたりの生存仔数低下及び着床数あたりの生存仔数低下が認められ生殖細胞に染色体異常を誘発する可能性が報告されている]。
3.授乳中の婦人には本剤投与中は授乳を避けさせる[動物実験(ラット)で乳汁移行が報告されている]。
(小児等への投与)
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
(その他の注意)
異所性抗利尿ホルモン産生腫瘍による抗利尿ホルモン不適合分泌症候群を対象とした本薬の注射剤による臨床試験において、死亡が2例報告され、このうち、1例は死因不明であり、播種性血管内凝固症候群(DIC)を発現し死亡した他の1例は本薬の注射剤との関連性が否定されなかった。
(参考)
バソプレシン分泌過剰症(SIADH)の診断の手引き*より抜粋。
1.主症候
脱水の所見を認めない。
2.検査所見
1).血清ナトリウム濃度は135mEq/Lを下回る。
2).血漿浸透圧は280mOsm/kgを下回る。
3).低ナトリウム血症、低浸透圧血症にもかかわらず、血漿バソプレシン濃度が抑制されていない。
4).尿浸透圧は100mOsm/kgを上回る。
5).尿中ナトリウム濃度は20mEq/L以上である。
6).腎機能正常。
7).副腎皮質機能正常。
3.診断基準
確実例:1.及び2.のすべてを満たすもの。
4.鑑別診断
低ナトリウム血症を来す次のものを除外する。
1).細胞外液量の過剰な低ナトリウム血症:心不全、肝硬変の腹水貯留時、ネフローゼ症候群。
2).ナトリウム漏出が著明な細胞外液量の減少する低ナトリウム血症:原発性副腎皮質機能低下症、塩類喪失性腎症、中枢性塩類喪失症候群、下痢、嘔吐、利尿剤の使用。
3).細胞外液量のほぼ正常な低ナトリウム血症:続発性副腎皮質機能低下症(下垂体前葉機能低下症)。
*:厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患等政策研究事業「間脳下垂体機能障害に関する調査研究」班:日本内分泌学会雑誌,95(Suppl.May),18−19,2019。

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