処方薬事典データ協力:株式会社メドレー
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ドルモロール配合点眼液「日点」の基本情報
基本情報
眼圧(眼の中の圧力)を上昇させる房水(眼房水)の産生を抑えることで眼圧低下作用をあらわし、緑内障などの悪化を防ぐ薬
- コソプト
- アゾルガ
- 高眼圧症
- 緑内障
- 1回1滴、1日2回点眼する
副作用
注意事項
- 禁止
- 過敏症
- 気管支痙攣
- 気管支喘息
- コントロール不十分な心不全
- 重篤な腎障害
- 重篤な慢性閉塞性肺疾患
- 心原性ショック
- 洞性徐脈
- 房室ブロック<2〜3度>
- 慎重投与
- 肝機能障害
- 肺高血圧による右心不全
- コントロール不十分な糖尿病
- 代謝性アシドーシス
- 糖尿病性ケトアシドーシス
- 眼内手術
- うっ血性心不全
- 注意
- 急性閉塞隅角緑内障
- 相対禁止
- 妊婦・産婦
- 注意
- 高齢者
- 注意
- 高齢者(65歳〜)
相互作用
- 薬剤名
- 影響
- オミデネパグ イソプロピル
- チモロールマレイン酸塩併用例で結膜充血等の眼炎症性副作用の発現頻度の上昇
- エピネフリン
- 散瞳作用が助長
- 塩酸ジピベフリン
- 散瞳作用が助長
- カテコールアミン枯渇剤
- 交感神経系に対し過剰の抑制
- レセルピン
- 交感神経系に対し過剰の抑制
- カテコールアミン枯渇剤
- 低血圧
- レセルピン
- 低血圧
- カルシウム拮抗剤
- 低血圧
- ベラパミル
- 低血圧
- ジルチアゼム
- 低血圧
- カテコールアミン枯渇剤
- 徐脈
- レセルピン
- 徐脈
- カテコールアミン枯渇剤
- 眩暈
- レセルピン
- 眩暈
- カテコールアミン枯渇剤
- 失神
- レセルピン
- 失神
- カテコールアミン枯渇剤
- 起立性低血圧
- レセルピン
- 起立性低血圧
- β−遮断剤の全身投与
- 眼圧下降あるいはβ−遮断剤の全身的な作用が増強
- アテノロール<全身投与>
- 眼圧下降あるいはβ−遮断剤の全身的な作用が増強
- プロプラノロール塩酸塩<全身投与>
- 眼圧下降あるいはβ−遮断剤の全身的な作用が増強
- 酒石酸メトプロロール<全身投与>
- 眼圧下降あるいはβ−遮断剤の全身的な作用が増強
- カルシウム拮抗剤
- 房室伝導障害
- ベラパミル
- 房室伝導障害
- ジルチアゼム
- 房室伝導障害
- カルシウム拮抗剤
- 左室不全
- ベラパミル
- 左室不全
- ジルチアゼム
- 左室不全
- ジギタリス剤
- 心刺激伝導障害<徐脈・房室ブロック等>
- ジゴキシン
- 心刺激伝導障害<徐脈・房室ブロック等>
- ジギトキシン
- 心刺激伝導障害<徐脈・房室ブロック等>
- 肝薬物代謝酵素CYP2D6を阻害する薬剤
- β−受容体遮断作用<例えば心拍数減少・徐脈>の増強
- キニジン硫酸塩水和物
- β−受容体遮断作用<例えば心拍数減少・徐脈>の増強
- 選択的セロトニン再取り込み阻害剤
- β−受容体遮断作用<例えば心拍数減少・徐脈>の増強
- 炭酸脱水酵素阻害剤<全身投与>
- 全身的な作用に対して相加的な作用
- アセタゾラミド<全身投与>
- 全身的な作用に対して相加的な作用
- アスピリン
- 双方又は一方の薬剤の副作用が増強
処方理由
この薬をファーストチョイスする理由(2021年5月更新)
・PG製剤に追加する薬剤として使いやすい。手術後の高眼圧などPG製剤が使いにくい症例においても選択しやすい。ただ、点眼中断されてしまうほどではないが4、5人に1人くらいは点眼時にしみると訴えられる。(30歳代病院勤務医、眼科)
・PG製剤との配合剤は、どうしても点眼1回では効果弱いが、2回点眼なのでそれほど効果減弱を気にせず使える。(30歳代病院勤務医、眼科)
・DUESがない。懸濁でないから見え方のクレームがない。だから出しやすい。(20歳代病院勤務医、眼科)
・PG製剤とあわせて処方しやすい。(50歳代診療所勤務医、眼科)
この薬をファーストチョイスする理由(2019年10月更新)
・プロスタグランジン製剤と組み合わせやすい。眼圧がしっかり下がる。しかし、気管支喘息患者には使用不可などのデメリットもある。(50歳代病院勤務医、総合診療科)
・基本は「PG+α」と考えている。αはこれまでの使用頻度による。(60歳代開業医、眼科)
・PG関連製剤を自由に組み合わせることができるので処方しやすい。(50歳代診療所勤務医、眼科)
・ミニ製剤であり、角膜への刺激が少なかった。(60歳代病院勤務医、産科・婦人科)
添付文書
次の疾患で、他の緑内障治療薬が効果不十分な場合:緑内障、高眼圧症。
<効能・効果に関連する使用上の注意>
単剤での治療を優先する。
1回1滴、1日2回点眼する。
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
なお、国内で実施された原発開放隅角緑内障又は高眼圧症患者を対象とした生物学的同等性試験において、本剤が投与された安全性解析対象症例98例中、6例(6.1%)に7件の副作用が認められた。内訳は、眼刺激5例(5.1%)、点状角膜炎1例(1.0%)、眼の異常感1例(1.0%)であった。
1.重大な副作用:次のような副作用が現れることがあるので、症状が現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
1).眼類天疱瘡(頻度不明):結膜充血、角膜上皮障害、乾性角結膜炎、結膜萎縮、睫毛内反、眼瞼眼球癒着等が発現することがある。
2).気管支痙攣、呼吸困難、呼吸不全(いずれも頻度不明)。
3).心ブロック、うっ血性心不全、脳虚血、心停止、脳血管障害(いずれも頻度不明)。
4).全身性エリテマトーデス(頻度不明)。
5).皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(いずれも頻度不明)。
2.その他の副作用:次のような症状又は異常が現れた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う(頻度不明:本剤の個々の成分であるチモロールマレイン酸塩又はドルゾラミド塩酸塩で報告された副作用を含む)。
1).眼:(頻度不明)角膜知覚低下、複視、霧視・視力低下等の視力障害、角膜糜爛・角膜上皮障害等の角膜障害、眼瞼炎(アレルギー性眼瞼炎を含む)、眼乾燥感、眼痛、眼瞼下垂、眼脂、羞明、結膜浮腫、眼瞼発赤、眼瞼浮腫、白色の結膜下沈着物、結膜炎(アレルギー性結膜炎を含む)、眼べとつき感、眼刺激症状(眼がしみる・眼灼熱感・眼異物感・流涙・眼疼痛・眼そう痒感等)、角膜炎、結膜充血、点眼直後にみられる眼のかすみ。
2).眼(無水晶体眼又は眼底に病変のある患者等に長期連用した場合):(頻度不明)眼底黄斑部浮腫、眼底黄斑部混濁(定期的に視力測定、眼底検査を行うなど観察を十分に行う)。
3).循環器:(頻度不明)失神、浮腫、レイノー現象、四肢冷感、動悸、徐脈等の不整脈、低血圧。
4).精神神経系:(頻度不明)抑うつ、重症筋無力症増悪、悪夢、感覚異常、浮動性眩暈、不眠、頭痛。
5).消化器:(頻度不明)下痢、消化不良、悪心、口渇、腹痛。
6).その他:(頻度不明)脱力感、耳鳴、不快、胸部圧迫感、発疹、倦怠感、咳、苦味、四肢のしびれ、筋肉痛、味覚異常。
(禁忌)
1.気管支喘息、又はその既往歴のある患者、気管支痙攣、重篤な慢性閉塞性肺疾患のある患者[β−受容体遮断による気管支平滑筋収縮作用により、喘息発作の誘発・喘息発作増悪がみられる恐れがある]。
2.コントロール不十分な心不全、洞性徐脈、房室ブロック<2〜3度>、心原性ショックのある患者[β−受容体遮断による陰性変時・変力作用により、これらの症状を増悪させる恐れがある]。
3.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
4.重篤な腎障害のある患者[ドルゾラミド塩酸塩及びその代謝物は主に腎より排泄されるため、体内に蓄積が起こる恐れがある]。
(慎重投与)
1.肺高血圧による右心不全のある患者[β−受容体遮断による陰性変時・変力作用により、症状を増悪させる恐れがある]。
2.うっ血性心不全のある患者[β−受容体遮断による陰性変時・変力作用により、症状を増悪させる恐れがある]。
3.糖尿病性ケトアシドーシス及び代謝性アシドーシスのある患者[アシドーシスによる心筋収縮力の抑制を増強する恐れがある]。
4.コントロール不十分な糖尿病のある患者[低血糖症状をマスクすることがあるので血糖値に注意する]。
5.肝機能障害のある患者[使用経験がない]。
6.眼内手術の既往等のある患者[角膜内皮細胞数の減少により角膜浮腫の発現が増加する可能性がある]。
(重要な基本的注意)
1.本剤は1mL中にドルゾラミドとして10mgとチモロールとして5mgを含む配合点眼液であり、ドルゾラミド塩酸塩とチモロールマレイン酸塩双方の副作用が発現する恐れがあるため、適切に本剤の使用を検討する。
2.全身的に吸収され、β−遮断剤全身投与時と同様の副作用又はスルホンアミド系薬剤全身投与時と同様の副作用が現れることがあるので、注意する(特に、重篤な副作用もしくは過敏症状が現れた場合には投与を中止する)。
3.縮瞳剤からチモロールマレイン酸塩製剤に切り替えた場合、縮瞳作用の消失に伴い、屈折調整を必要とすることがあることから、本剤投与の際も注意する。
4.急性閉塞隅角緑内障に対し本剤を用いる場合には、薬物療法以外に手術療法などを考慮する。
(相互作用)
本剤の配合成分であるドルゾラミドは、主としてCYP2C9、2C19及び3A4によって代謝される。一方の配合成分であるチモロールは、主としてCYP2D6によって代謝される。
併用注意:
1.オミデネパグ イソプロピル[チモロールマレイン酸塩併用例で結膜充血等の眼炎症性副作用の発現頻度の上昇が認められた(機序不明)]。
2.アドレナリン、ジピベフリン塩酸塩[散瞳作用が助長されたとの報告がある(機序不明)]。
3.カテコールアミン枯渇剤(レセルピン等)[交感神経系に対し過剰の抑制を来すことがあり、低血圧、徐脈を生じ、眩暈、失神、起立性低血圧を起こすことがある(カテコールアミンの枯渇を起こす薬剤は、β−受容体遮断作用を相加的に増強する可能性がある)]。
4.β−遮断剤<全身投与>(アテノロール<全身投与>、プロプラノロール塩酸塩<全身投与>、メトプロロール酒石酸塩<全身投与>等)[眼圧下降あるいはβ−遮断剤の全身的な作用が増強されることがある(作用が相加的に現れることがある)]。
5.カルシウム拮抗剤(ベラパミル塩酸塩、ジルチアゼム塩酸塩等)[房室伝導障害、左室不全、低血圧を起こす恐れがある(相互に作用が増強される)]。
6.ジギタリス製剤(ジゴキシン、ジギトキシン)[心刺激伝導障害<徐脈・房室ブロック等>が現れる恐れがあるので、心機能に注意する(相加的に作用(心刺激伝導抑制作用)を増強させる)]。
7.CYP2D6阻害作用を有する薬剤(キニジン硫酸塩水和物、選択的セロトニン再取り込み阻害剤等)[β−受容体遮断作用<例えば心拍数減少・徐脈>の増強が報告されている(これらの薬剤は本剤の成分であるチモロールの薬物代謝酵素チトクロムP450(CYP2D6)を阻害し、チモロールの血中濃度が上昇する可能性がある)]。
8.炭酸脱水酵素阻害剤<全身投与>(アセタゾラミド<全身投与>)[炭酸脱水酵素阻害剤の全身的な作用に対して相加的な作用を示す可能性がある(作用が相加的に現れる可能性がある)]。
9.アスピリン<大量>[本剤を大量のアスピリンと併用すると、双方又は一方の薬剤の副作用が増強される可能性がある(経口炭酸脱水酵素阻害剤では次のようなことが報告されている;アスピリンは炭酸脱水酵素阻害剤の血漿蛋白結合と腎からの排泄を抑制し、炭酸脱水酵素阻害剤は血液のpHを低下させ、サリチル酸の血漿から組織への移行を高める可能性がある)]。
(高齢者への投与)
一般に高齢者では生理機能が低下しているので注意する。
(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[妊娠中の投与に関する安全性は確立されていない、なお、本剤の成分であるドルゾラミド塩酸塩の動物実験(ウサギ、経口)において、母動物に代謝性アシドーシスを生じる用量を投与したとき、胎仔中軸骨格奇形が報告されている]。
2.本剤投与中は授乳を中止させる[ヒト母乳中へ移行することがある]。
(参考)本剤の成分であるチモロールマレイン酸塩において、器官形成期のラットに500mg/kg/dayを経口投与した試験で骨化遅延が、マウスに1000mg/kg/day、ウサギに200mg/kg/dayを経口投与した試験で死亡胎仔数増加が認められている。
(小児等への投与)
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
(適用上の注意)
1.点眼に際しては、原則として患者は仰臥位をとり、患眼を開瞼させ結膜嚢内に点眼し、1〜5分間閉瞼して涙嚢部を圧迫させた後開瞼する。
2.本剤投与により高度の流涙を伴う眼刺激症状が発現した場合には、薬剤が洗い流され、所期の効果が得られないことがある。
3.他の点眼剤と併用する場合には少なくとも5分間の間隔をあけて投与する。
4.薬液汚染防止のため、点眼のとき、容器の先端が眼やまわりの組織に触れないように注意する。
(取扱い上の注意)
安定性試験:最終包装製品を用いた長期保存試験(25℃、相対湿度60%、3年)の結果、ドルモロール配合点眼液「日点」は通常の市場流通下において3年間安定であることが確認された。
(保管上の注意)
気密容器、遮光。
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