処方薬事典データ協力:株式会社メドレー
※キーワードをスペースで区切るとAND検索に、半角の「|」で挟むとOR検索になります
ワゴスチグミン散(0.5%)の基本情報
基本情報
神経伝達物質アセチルコリンの分解酵素(コリンエステラーゼ)を阻害し、アセチルコリンの分解を抑えアセチルコリンの作用を増強することで、重症筋無力症における目や口、全身の筋力低下などを改善する薬
- メスチノン
- ウブレチド
- マイテラーゼ
- ワゴスチグミン
- 弛緩性便秘症の消化管機能低下
- 重症筋無力症
- 手術後の排尿困難
- 分娩後の排尿困難
- 慢性胃炎の消化管機能低下
- 手術後の腸管麻痺の消化管機能低下
- 分娩後の腸管麻痺の消化管機能低下
- 1.重症筋無力症:ネオスチグミン臭化物として1回15〜30mgを1日1〜3回経口投与する
- なお、症状により適宜増減する
- 2.消化管機能低下のみられる3疾患並びに手術後及び分娩後における排尿困難:ネオスチグミン臭化物として1回5〜15mgを1日1〜3回経口投与する
- なお、年齢、症状により適宜増減する
副作用
注意事項
- 禁止
- 過敏症
- 消化管器質的閉塞
- 尿路器質的閉塞
- 迷走神経緊張症
- 脱分極性筋弛緩剤投与中
- 慎重投与
- 冠動脈閉塞
- 気管支喘息
- 甲状腺機能亢進症
- 消化性潰瘍
- 徐脈
- てんかん
- パーキンソン症候群
- 希望禁止
- 妊婦・産婦
- 注意
- 高齢者
- 投与に際する指示
- 高齢者
- 注意
- 高齢者(65歳〜)
- 投与に際する指示
- 高齢者(65歳〜)
相互作用
- 薬剤名
- 影響
- 脱分極性筋弛緩剤
- 作用を増強
- スキサメトニウム
- 作用を増強
- コリン作動薬
- 相互に作用が増強
- アセチルコリン
- 相互に作用が増強
- アクラトニウムナパジシル酸塩
- 相互に作用が増強
- 副交感神経抑制剤
- コリン作動性クリーゼの初期症状を不顕性化
- 硫酸アトロピン
- コリン作動性クリーゼの初期症状を不顕性化
- 臭化水素酸スコポラミン
- コリン作動性クリーゼの初期症状を不顕性化
- 臭化ブトロピウム
- コリン作動性クリーゼの初期症状を不顕性化
処方理由
添付文書
1.重症筋無力症。
2.消化管機能低下のみられる次記疾患:慢性胃炎、手術後の腸管麻痺及び分娩後の腸管麻痺、弛緩性便秘症。
3.手術後及び分娩後における排尿困難。
1.重症筋無力症:ネオスチグミン臭化物として1回15〜30mgを1日1〜3回経口投与する。なお、症状により適宜増減する。
2.消化管機能低下のみられる3疾患並びに手術後及び分娩後における排尿困難:ネオスチグミン臭化物として1回5〜15mgを1日1〜3回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
再評価結果における安全性評価対象例181例中、副作用は7例(3.9%)に認められた。主なものは、悪心・嘔吐が4件、発汗が4件等であった。
1.重大な副作用
コリン作動性クリーゼ(頻度不明):コリン作動性クリーゼが現れることがあるので、腹痛、下痢、発汗、唾液分泌過多、縮瞳、線維束攣縮等の症状が認められた場合又はエドロホニウム塩化物を投与したとき症状が増悪ないし不変の場合は、直ちに投与を中止し、アトロピン硫酸塩水和物0.5〜1mgを静脈内注射し、更に、必要に応じて人工呼吸又は気管切開等を行い気道を確保する。
2.その他の副作用
1).過敏症:(5%以上又は頻度不明)過敏症状[症状が現れた場合には投与を中止する]。
2).循環器:(0.1〜5%未満)血圧降下、徐脈、頻脈。
3).呼吸器:(0.1〜5%未満)気管支痙攣、気道分泌亢進。
4).消化器:(5%以上又は頻度不明)腹痛、(0.1〜5%未満)唾液分泌過多、悪心・嘔吐、下痢。
5).精神神経系:(0.1〜5%未満)発汗、眩暈、大量投与による不安・興奮・虚脱・脱力・筋攣縮・骨格筋の線維束攣縮等。
6).その他:(0.1〜5%未満)縮瞳。
(禁忌)
1.消化管器質的閉塞又は尿路器質的閉塞のある患者[蠕動運動を亢進させ、また排尿筋を収縮させる作用を有する]。
2.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
3.迷走神経緊張症の患者[迷走神経興奮作用を有する]。
4.脱分極性筋弛緩剤投与中(スキサメトニウム)の患者。
(慎重投与)
1.気管支喘息の患者[気管支平滑筋を収縮させることがある]。
2.甲状腺機能亢進症の患者[甲状腺機能亢進症を悪化させる恐れがある]。
3.冠動脈閉塞のある患者[冠動脈を収縮させることがある]。
4.徐脈のある患者[徐脈を更に増強させる恐れがある]。
5.消化性潰瘍の患者[胃酸分泌を促進させることがある]。
6.てんかんの患者[骨格筋の緊張が高まり、痙攣症状を増強させる恐れがある]。
7.パーキンソン症候群の患者[不随意運動を増強させる恐れがある]。
(重要な基本的注意)
ときに筋無力症状の重篤な悪化、呼吸困難、嚥下障害(クリーゼ)をみることがあるので、このような場合には、臨床症状でクリーゼを鑑別し、困難な場合には、エドロホニウム塩化物2mgを静脈内注射し、クリーゼを鑑別し、次の処置を行う。
1.コリン作動性クリーゼ:腹痛、下痢、発汗、唾液分泌過多、縮瞳、線維束攣縮等の症状が認められた場合又はエドロホニウム塩化物を投与したとき症状が増悪ないし不変の場合は、直ちに投与を中止し、アトロピン硫酸塩水和物0.5〜1mgを静脈内注射し、更に、必要に応じて人工呼吸又は気管切開等を行い気道を確保する。
2.筋無力性クリーゼ:呼吸困難、唾液排出困難、チアノーゼ、全身脱力等の症状が認められた場合又はエドロホニウム塩化物を投与したとき症状の改善が認められた場合は、本剤の投与量を増加する。
(相互作用)
1.併用禁忌:脱分極性筋弛緩剤(スキサメトニウム<スキサメトニウム「AS」、レラキシン>)[脱分極性筋弛緩剤の作用を増強する(本剤はコリンエステラーゼを阻害し、脱分極性筋弛緩剤の分解を抑制する)]。
2.併用注意:
1).コリン作動薬(アセチルコリン、アクラトニウムナパジシル酸塩等)[相互に作用が増強される(本剤はコリンエステラーゼを阻害し、アセチルコリン、アクラトニウムナパジシル酸塩の分解を抑制する)]。
2).副交感神経抑制剤(アトロピン硫酸塩水和物、スコポラミン臭化水素酸塩水和物、ブトロピウム臭化物等)[副交感神経抑制剤はコリン作動性クリーゼの初期症状を不顕性化し、本剤の過剰投与を招く恐れがあるので、副交感神経抑制剤の常用は避ける(副交感神経抑制剤は本剤の作用に拮抗する)]。
(高齢者への投与)
一般に高齢者では、生理機能が低下しているので減量するなど注意する。
(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない]。
(過量投与)
1.過量投与時の徴候、症状:コリン作動性クリーゼ(腹痛、下痢、発汗、唾液分泌過多、縮瞳、線維束攣縮等)が現れることがある。
2.過量投与時の処置:直ちに投与を中止し、アトロピン硫酸塩水和物0.5〜1mgを静脈内注射する(更に、必要に応じて人工呼吸又は気管切開等を行い気道を確保する)。
(保管上の注意)
気密容器。
処方薬事典は、日経メディカル Onlineが配信する医療・医薬関係者向けのコンテンツです。一般の方もご覧いただけますが、内容に関するご質問にはお答えできません。服用中の医薬品についてはかかりつけの医師や薬剤師にご相談ください。