処方薬事典データ協力:株式会社メドレー
※キーワードをスペースで区切るとAND検索に、半角の「|」で挟むとOR検索になります
アミトリプチリン塩酸塩錠10mg「サワイ」の基本情報
基本情報
脳内のノルアドレナリンやセロトニンといった神経伝達物質の働きを改善し、意欲を高め、憂鬱な気分などを改善する薬
- アナフラニール
- トフラニール、イミドール
- トリプタノール
- 夜尿症
- 末梢性神経障害性疼痛
- うつ状態
- うつ病
- 1.うつ病・うつ状態:アミトリプチリン塩酸塩として、1日30〜75mgを初期用量とし、1日150mgまで漸増し、分割経口投与する
- まれに300mgまで増量することもある
- なお、年齢、症状により適宜減量する
- 2.夜尿症:アミトリプチリン塩酸塩として、1日10〜30mgを就寝前に経口投与する
- なお、年齢、症状により適宜減量する
- 3.末梢性神経障害性疼痛:アミトリプチリン塩酸塩として、1日10mgを初期用量とし、その後、年齢、症状により適宜増減するが、1日150mgを超えない
副作用
注意事項
- 禁止
- 過敏症
- 心筋梗塞の回復初期
- 尿閉
- 閉塞隅角緑内障
- 前立腺疾患
- モノアミン酸化酵素阻害剤投与中
- モノアミン酸化酵素阻害剤投与中止後2週間以内
- 慎重投与
- 開放隅角緑内障
- 眼内圧亢進
- 狭心症
- 痙攣性疾患
- 甲状腺機能亢進症
- 刺激伝導障害
- 自殺企図
- 自殺念慮
- 心筋梗塞
- 心疾患
- 心不全
- てんかん
- 排尿困難
- 発作性頻拍
- 不整脈
- 脳器質障害
- 統合失調症素因
- 衝動性が高い併存障害
- 躁うつ病
- 相対禁止
- 妊婦・産婦
- 希望禁止
- 幼児・小児
- 慎重投与
- 幼児・小児
- 高齢者
- 注意
- 新生児(低出生体重児を含む)
- 乳児
- 幼児・小児
- 投与に際する指示
- 高齢者
- 希望禁止
- 小児等に対するうつ病(0歳〜14歳)
- 慎重投与
- 高齢者(65歳〜)
- 小児(0歳〜14歳)
- 注意
- 24歳以下(0歳〜24歳)
- 50歳以上(50歳〜)
- 投与に際する指示
- 高齢者(65歳〜)
相互作用
- 薬剤名
- 影響
- モノアミン酸化酵素阻害剤
- 発汗
- セレギリン塩酸塩
- 発汗
- ラサギリンメシル酸塩
- 発汗
- モノアミン酸化酵素阻害剤
- 不穏
- セレギリン塩酸塩
- 不穏
- ラサギリンメシル酸塩
- 不穏
- モノアミン酸化酵素阻害剤
- 全身痙攣
- セレギリン塩酸塩
- 全身痙攣
- ラサギリンメシル酸塩
- 全身痙攣
- モノアミン酸化酵素阻害剤
- 異常高熱
- セレギリン塩酸塩
- 異常高熱
- ラサギリンメシル酸塩
- 異常高熱
- モノアミン酸化酵素阻害剤
- 昏睡
- セレギリン塩酸塩
- 昏睡
- ラサギリンメシル酸塩
- 昏睡
- エタノール摂取
- 本剤の作用が増強
- 抗コリン作用を有する薬剤
- 本剤の作用が増強
- ブチルスコポラミン臭化物
- 本剤の作用が増強
- 中枢抑制剤
- 本剤の作用が増強
- バルビツール酸誘導体
- 本剤の作用が増強
- バルプロ酸
- 本剤の作用が増強
- コリン作動薬
- 作用を減弱
- 塩酸ピロカルピン
- 作用を減弱
- 血圧降下剤
- 作用を減弱
- グアネチジン硫酸塩
- 作用を減弱
- 硫酸ベタニジン
- 作用を減弱
- 交感神経作動薬
- 作用が増強
- エピネフリン
- 作用が増強
- ノルエピネフリン
- 作用が増強
- 中枢抑制剤
- 本剤の血中濃度が減少
- バルビツール酸誘導体
- 本剤の血中濃度が減少
- スルファメトキサゾール・トリメトプリム
- 本剤の作用を減弱
- 肝薬物代謝酵素<CYP3A4>を誘導する薬剤
- 本剤の作用を減弱
- カルバマゼピン
- 本剤の作用を減弱
- フェニトイン
- 本剤の作用を減弱
- 徐放性カリウム製剤
- 消化管粘膜刺激
- カリウム製剤<腸溶剤>
- 消化管粘膜刺激
- クマリン系抗凝血剤
- 抗凝血作用を増強
- ワルファリンカリウム
- 抗凝血作用を増強
- 塩酸トラマドール
- 痙攣発作の危険性が増大
- 血糖降下剤
- 血糖降下作用を増強
- インスリン製剤
- 血糖降下作用を増強
- 経口血糖降下剤
- 血糖降下作用を増強
- 薬物代謝酵素<CYP3A4>を阻害する薬剤
- 本剤の作用を増強
- リトナビル
- 本剤の作用を増強
- ホスアンプレナビル
- 本剤の作用を増強
- 肝薬物代謝酵素CYP2D6を阻害する薬剤
- 本剤の作用を増強
- 選択的セロトニン再取り込み阻害剤
- 本剤の作用を増強
- フルボキサミン
- 本剤の作用を増強
- パロキセチン
- 本剤の作用を増強
- キニジン
- 本剤の作用を増強
- プロパフェノン
- 本剤の作用を増強
- フレカイニド
- 本剤の作用を増強
- シメチジン
- 本剤の作用を増強
- フェノチアジン系薬剤
- 本剤の作用を増強
- セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)を含むもの
- アルコールを含むもの<ジン、ウオッカ、ラム、ウイスキー、ブランデー など>
処方理由
この薬をファーストチョイスする理由(2020年11月更新)
・不安や焦燥感などの静穏効果は強く、不眠などを呈している患者にも有効である。抗うつ効果はアナフラニール以上の印象がある。ただ一方で高齢者に対して心毒性があり、m−ECTの際には一度減量しなければならないのが難点ではある。(30歳代病院勤務医、精神科)
・抗うつ作用が強いが、アナフラニールなどに比べ副作用は少ない印象であり、SSRI/SNRI/NaSSA等で奏功しない場合に選択している。(50歳代病院勤務医、精神科)
・癌性疼痛、特に神経障害性疼痛に鎮痛補助薬として、処方しています。少量で効果が期待できるので、あまり副作用で困った症例はありません。(60歳代診療所勤務医、一般内科)
・以前より使用しており使い慣れている。末梢性神経障害性疼痛(三叉神経痛や帯状疱疹後神経痛など)に適応があり、実際処方すると効果が出る。(50歳代診療所勤務医、総合診療科)
・以前から使っており、新規三環系抗うつ剤に本剤を凌駕する効能を持つものが出てこないことが理由です。(50歳代診療所勤務医、心療内科)
この薬をファーストチョイスする理由(2019年3月更新)
・SSRI、SNRIより、三環系抗うつ薬の方が、抗うつ効果自体は高い。しかし、忍容性に問題がある。(40歳代診療所勤務医、精神科)
・勤務先に採用されているのでアミトリプチリンを選択したが、イミプラミンもいい。抗コリン作用は強いが、中枢性の抗コリン作用があった方が焦燥感や自責感を和らげる。用量が少なければ、SSRIよりよほど変な副作用がない。(50歳代病院勤務医、精神科)
・ほとんど使いませんが、患者さんに緊急薬として手持ちにしてもらっています。実際に使うというより安心になっています。予防に関して十分な指導を心がけています。(60歳代診療所勤務医、一般内科)
・以前から使い慣れているので、用量調節がしやすく、副作用に対する対応も適宜できるため。(60歳代病院勤務医、神経内科)
・副作用が多いと言われているが、処方していて特に問題ない。口渇感もないし何よりも薬価が安い。(40歳代病院勤務医、神経内科)
この薬をファーストチョイスする理由(2017年8月更新)
・抗うつ効果は群を抜いていると思う。SSRIがかすむ程に。(40歳代病院勤務医、精神科)
・口渇・便秘・立ちくらみなどの副作用はあるが、いざという時のために頭の隅にある。以前はアナフラニールを点滴投与で使ったが、他院で薬剤による不整脈で問題があったのを聞いてからは使わないようにしている。(60歳代病院勤務医、精神科)
・妄想性うつ病にはアモキサン、意欲低下にはノリトレンを使っていましたが、最近は新患を診る機会が減り、これらを使用することがなくなりました。今は疼痛治療にも使えるトリプタノールがこの種の薬剤の中では処方頻度が高くなりました。(60歳代病院勤務医、精神科)
・本来の目的ではなく、睡眠の増強や不安焦燥の軽減薬として重宝しております。処方量はごくわずかですみます。新しい薬剤に捕らわれすぎの昨今ですが、この薬剤をもっとうまく使っていく掘り起こしをするべきです。(50歳代開業医、精神科)
・SSRI、SNRI、NaSSA無効時の効果の高さ、疼痛抑制効果。しかし便秘・口渇等の副作用は多い。(50歳代病院勤務医、精神科)
・神経障害性疼痛に有効なので使用することが多い。(40歳代病院勤務医、神経内科)
・帯状疱疹後神経痛に時々使用し有効性を感じている。(50歳代診療所勤務医、皮膚科)
・内科なのであまり積極的に三環系抗うつ薬を使うことはないのですが、頭痛予防効果を狙ってアミトリプチリンの処方を考慮することがあります。(40歳代診療所勤務医、循環器内科)
・片頭痛予防薬、末梢神経障害性疼痛治療薬として用いているが、エビデンスほど効果を感じにくい印象がある。(30歳代病院勤務医、一般内科)
・夜尿や特殊なADHDで治療の選択肢となる。(40歳代病院勤務医、小児科)
・痛みの治療、夜間頻尿に使用しています。入眠障害がある人が多いので、アミトリプチリンを少量で使用して、漸増しています。(60歳代病院勤務医、麻酔科)
・緊張型頭痛で症状がしつこい場合、神経障害性疼痛に効果があるので使用しています。ただし、抗コリン作用が強めなので、高齢者には使用しづらいと感じています。(40歳代病院勤務医、神経内科)
この薬をファーストチョイスする理由(2015年11月更新)
・抑うつ症状の改善のみならず、焦燥感の改善も期待できるから。(40代勤務医、精神科)
・セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)のリフレックスやレメロンと効果が似ている。不眠を改善し、抗うつ効果も強い。副作用も見られるが、少量投与なら大きな障害にはならない。睡眠薬を併用するより断然勝っている。リフレックスなどより安価なのでよく使用している。(60代開業医、精神科)
・エビデンスが多い、副作用が分かっている、基本薬である。選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)ではアクティベートからの事故を起こす恐れがあるので、非専門医としてはクラシックな三環系を選んでいる。(60代開業医、循環器内科)
・三環系抗うつ薬の代表薬であり、うつ(病)はもとより慢性疼痛、片頭痛や難治性腰痛にも有効性が期待されるから。(50代勤務医、神経内科)
・アモキサンとほぼ同じぐらい使用するが、やはり使い慣れているのでトリプタノールを処方する。うつ病に対してというよりは、慢性疼痛などへの処方がほとんど。救急外来で大量服薬に困った経験があるため、多くは処方しない。(30代勤務医、総合診療科)
・癌性疼痛の鎮痛補助薬として使用しやすい。(40代勤務医、呼吸器内科)
・皮膚科なので、帯状疱疹後神経痛のひどい方に処方する場合がありますが、効果的だと思います。(30代勤務医、皮膚科)
・抗うつ作用を期待して処方することは、あまりないです。中高年女性に多い舌の痛みに、まず少量試してみるといった具合です。うつ病には、一般内科でハンドルできるレベルであればSNRIを出しています。(40代診療所勤務医、一般内科)
・通常のうつ病に使うことは少ない。緊張性頭痛の中年以降の人で、ストレスを強く感じている人に、5mgの投与で頭部の締め付け感が消失することがあり、他の筋弛緩剤などと併用することもよくあります。(50代開業医、総合診療科)
添付文書
精神科領域におけるうつ病・うつ状態、夜尿症、末梢性神経障害性疼痛。
<効能・効果に関連する使用上の注意>
1.抗うつ剤の投与により、24歳以下の患者で、自殺念慮、自殺企図のリスクが増加するとの報告があるため、本剤の投与にあたっては、リスクとベネフィットを考慮する。
2.末梢性神経障害性疼痛に対して本剤を投与する場合は、自殺念慮、自殺企図、敵意、攻撃性等の精神症状の発現リスクを考慮し、本剤の投与の適否を慎重に判断する。
1.うつ病・うつ状態:アミトリプチリン塩酸塩として、1日30〜75mgを初期用量とし、1日150mgまで漸増し、分割経口投与する。まれに300mgまで増量することもある。なお、年齢、症状により適宜減量する。
2.夜尿症:アミトリプチリン塩酸塩として、1日10〜30mgを就寝前に経口投与する。なお、年齢、症状により適宜減量する。
3.末梢性神経障害性疼痛:アミトリプチリン塩酸塩として、1日10mgを初期用量とし、その後、年齢、症状により適宜増減するが、1日150mgを超えない。
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
1.重大な副作用(頻度不明):次のような副作用が現れることがあるので、症状が現れた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。
1).悪性症候群(Syndrome malin):無動緘黙、強度筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合は、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行う(本症発症時には、白血球増加や血清CK上昇(血清CPK上昇)がみられることが多く、またミオグロビン尿を伴う腎機能低下がみられることがある)、なお、高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎障害へと移行し、死亡した例が報告されている。
2).セロトニン症候群:不安、焦燥、譫妄、興奮、発熱、発汗、頻脈、振戦、ミオクロヌス、反射亢進、下痢等を主症状とするセロトニン症候群が現れることがあるので、これらの症状が現れた場合には投与を中止し、水分の補給等の全身管理とともに適切な処置を行う。
3).心筋梗塞:心筋梗塞が現れることがあるので、症状が現れた場合には、直ちに投与を中止し適切な処置を行う。
4).幻覚、譫妄、精神錯乱、痙攣:このような症状が現れた場合には減量又は休薬等の適切な処置を行う。
5).顔・舌部の浮腫:顔浮腫・舌部浮腫が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行う。
6).無顆粒球症、骨髄抑制:重篤な血液障害が現れることがあるので、定期的に検査を実施するなど観察を十分に行う。
7).麻痺性イレウス:腸管麻痺(食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹部膨満あるいは腹部弛緩及び腸内容物うっ滞等の症状)を来し、麻痺性イレウスに移行することがあるので、腸管麻痺が現れた場合には投与を中止する。なお、この悪心・嘔吐は、本剤の制吐作用により不顕性化することもあるので注意する。
8).抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH):低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量増加、高張尿、痙攣、意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)が現れることがあるので、このような場合には投与を中止し、水分摂取の制限等適切な処置を行う。
2.その他の副作用:次のような症状又は異常が現れた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う。
1).循環器:(頻度不明)血圧上昇、動悸、不整脈、心発作、心ブロック、血圧低下、頻脈。
2).精神神経系:(頻度不明)眠気、不眠、不安、*口周部不随意運動等の*不随意運動(*:長期投与時)、振戦等のパーキンソン症状、運動失調、四肢知覚異常、焦燥、構音障害。
3).過敏症:(頻度不明)発疹、蕁麻疹。
4).血液:(頻度不明)白血球減少。
5).肝臓:(頻度不明)肝機能障害、AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、黄疸。
6).消化器:(頻度不明)口渇、悪心・嘔吐、食欲不振、下痢、便秘、味覚異常。
7).泌尿器:(頻度不明)尿閉、排尿困難。
8).その他:(頻度不明)体重増加、ふらつき、頭痛、眩暈、倦怠感、発汗、視調節障害、眼内圧亢進。
(禁忌)
1.閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある]。
2.三環系抗うつ剤に対し過敏症の患者。
3.心筋梗塞の回復初期の患者[循環器系に影響を及ぼすことがあり、心筋梗塞が悪化する恐れがある]。
4.尿閉(前立腺疾患等)のある患者[抗コリン作用を有するため、症状が悪化する恐れがある]。
5.モノアミン酸化酵素阻害剤投与中(セレギリン塩酸塩、ラサギリンメシル酸塩)あるいはモノアミン酸化酵素阻害剤投与中止後2週間以内の患者。
(慎重投与)
1.排尿困難のある患者[抗コリン作用を有するため、症状が悪化する恐れがある]。
2.開放隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある]。
3.眼内圧亢進のある患者[抗コリン作用を有するため、症状が悪化する恐れがある]。
4.心不全・心筋梗塞・狭心症・不整脈(発作性頻拍・刺激伝導障害等)等の心疾患のある患者[循環器系に影響を及ぼすことがあり、これらの症状が悪化する恐れがある]。
5.甲状腺機能亢進症の患者[循環器系に影響を及ぼすことがある]。
6.てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者[痙攣を起こすことがある]。
7.躁うつ病患者[躁転、自殺企図が現れることがある]。
8.脳器質障害又は統合失調症素因のある患者[精神症状を増悪させることがある]。
9.衝動性が高い併存障害を有する患者[精神症状を増悪させることがある]。
10.自殺念慮又は自殺企図の既往のある患者、自殺念慮のある患者[自殺念慮、自殺企図が現れることがある]。
11.小児。
12.高齢者。
(重要な基本的注意)
1.眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意する。
2.うつ症状を呈する患者は希死念慮があり、自殺企図の恐れがあるので、このような患者は投与開始早期ならびに投与量を変更する際には患者の状態及び病態の変化を注意深く観察する。
3.不安、焦燥、興奮、パニック発作、不眠、易刺激性、敵意、攻撃性、衝動性、アカシジア/精神運動不穏、軽躁、躁病等が現れることが報告されている。また、因果関係は明らかではないが、これらの症状・行動を来した症例において、基礎疾患の悪化又は自殺念慮、自殺企図、他害行為が報告されているので、患者の状態及び病態の変化を注意深く観察するとともに、不安増悪、焦燥増悪、興奮増悪、パニック発作増悪、不眠増悪、易刺激性増悪、敵意増悪、攻撃性増悪、衝動性増悪、アカシジア増悪/精神運動不穏増悪、軽躁増悪、躁病増悪等が観察された場合には、服薬量を増量せず、徐々に減量し、中止するなど適切な処置を行う。
4.自殺目的での過量服用を防ぐため、自殺傾向が認められる患者に処方する場合には、1回分の処方日数を最小限にとどめる。
5.家族等に自殺念慮や自殺企図、興奮、攻撃性、易刺激性等の行動の変化及び基礎疾患悪化が現れるリスク等について十分説明を行い、医師と緊密に連絡を取り合うよう指導する。
6.投与量の急激な減少ないし投与の中止により、嘔気、頭痛、倦怠感、易刺激性、情動不安、睡眠障害等の離脱症状が現れることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行う。
7.本剤による末梢性神経障害性疼痛の治療は原因療法ではなく対症療法であることから、疼痛の原因となる疾患の診断及び治療を併せて行い、本剤を漫然と投与しない。
(相互作用)
本剤は、主に肝代謝酵素チトクロームP450・2D6(CYP2D6)により代謝される。また、CYP3A4、CYP2C19及びCYP1A2によっても代謝されることが示されている。
1.併用禁忌:モノアミン酸化酵素阻害剤(セレギリン塩酸塩<エフピー>、ラサギリンメシル酸塩<アジレクト>)[発汗、不穏、全身痙攣、異常高熱、昏睡等が現れることがあるので、モノアミン酸化酵素阻害剤の投与を受けた患者に本剤を投与する場合には、少なくとも2週間の間隔をおき、また本剤からモノアミン酸化酵素阻害剤に切り替えるときには、2〜3日間の間隔をおくことが望ましい(詳細は不明であるが、相加・相乗作用によると考えられる)]。
2.併用注意:
1).アルコール[本剤の作用が増強されることがある(アルコールが肝での本剤の代謝を阻害し、血中濃度が上昇すると考えられる)]。
2).抗コリン作動薬(ブチルスコポラミン臭化物)[本剤の作用が増強されることがある(併用によって受容体部位での抗コリン作用が相加される)]。
3).コリン作動薬(ピロカルピン塩酸塩)[本剤がこれらの薬剤の作用を減弱することがある(本剤がこれらの薬剤の作用に拮抗すると考えられる)]。
4).アドレナリン作動薬(アドレナリン、ノルアドレナリン)[アドレナリン作動薬の作用が増強されることがある(三環系抗うつ剤は交感神経末梢へのノルアドレナリンの取り込みを抑制し、受容体のアドレナリン作動性を上昇させ、作用を増強させることがある)]。
5).中枢神経抑制剤:
(1).中枢神経抑制剤(バルビツール酸誘導体)[本剤の治療量において本剤の血中濃度が減少することがある(本剤の治療量において、本剤の肝での代謝が増加することがある)]。
(2).中枢神経抑制剤(バルビツール酸誘導体)[本剤の中毒量において本剤の作用が増強されることがある(本剤の中毒量における有害作用を増強することがある)]。
6).降圧剤(グアネチジン硫酸塩、硫酸ベタニジン)[降圧剤の作用を減弱することがある(本剤はアドレナリン作動性神経末でのグアネチジンの取り込みを阻害し、降圧作用を減弱させると考えられている)]。
7).スルファメトキサゾール・トリメトプリム[本剤の作用を減弱する恐れがある(機序不明)]。
8).カリウム製剤<徐放性>、カリウム製剤<腸溶剤>[カリウム製剤の消化管粘膜刺激が現れやすい(本剤の抗コリン作用により消化管運動が抑制される)]。
9).クマリン系抗凝血剤(ワルファリンカリウム)[抗凝血作用を増強する恐れがある(ワルファリンの肝での代謝が阻害されると考えられている)]。
10).トラマドール塩酸塩[痙攣発作の危険性が増大するとの報告がある(機序不明)]。
11).血糖降下剤(インスリン、経口血糖降下剤)[これらの薬剤の血糖降下作用を増強することがある(機序は不明であるが、他の三環系抗うつ剤でインスリン感受性を増強する等の報告がある)]。
12).バルプロ酸ナトリウム[本剤の作用が増強されることがある(本剤の血中濃度が上昇することがある)]。
13).CYP3A4誘導作用を有する薬剤等(カルバマゼピン、フェニトイン、セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品(St.John’s Wort))[本剤の作用を減弱する恐れがある(本剤の血中濃度を減少させると考えられる)]。
14).CYP3A4阻害作用を有する薬剤(リトナビル、ホスアンプレナビル)[本剤の作用を増強する恐れがある(本剤の血中濃度を増加させると考えられる)]。
15).CYP2D6阻害作用を有する薬剤(選択的セロトニン再取り込み阻害剤(フルボキサミン、パロキセチン)、抗不整脈剤(キニジン、プロパフェノン、フレカイニド)、シメチジン、フェノチアジン系製剤)[本剤の作用を増強する恐れがある(本剤の血中濃度を増加させると考えられる)]。
(高齢者への投与)
高齢者では、起立性低血圧、ふらつき、抗コリン作用による口渇、排尿困難、便秘、眼内圧亢進等が現れやすいので、少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与する。
(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[三環系抗うつ剤には動物実験で催奇形作用が報告されているものがある]。
2.本剤投与中は授乳を中止させる[ヒト母乳中へ移行することが報告されている]。
(小児等への投与)
小児等に対するうつ病治療の使用経験は少ないので、投与しないことが望ましい。
(過量投与)
1.過量投与時の徴候、症状:嗜眠、昏迷、幻視、錯乱、激越、痙攣、筋硬直、反射亢進等の中枢神経症状や重篤な低血圧、頻脈、不整脈、QT延長、伝導障害、心不全等の循環器症状並びに呼吸抑制、低体温、異常高熱、嘔吐、散瞳等が現れる。
2.過量投与時の処置:特異的解毒剤はないので、対症療法かつ補助療法を行う。本剤を過量に服用した場合は、催吐並びに胃洗浄を行う(胃洗浄後、活性炭を投与してもよい)、気道を確保し、補液を十分に行い体温を調節し、また、心電図検査を行い、異常が認められた場合には少なくとも5日間は心機能を十分に観察することが望ましい。過量投与時の全身痙攣の管理には、ジアゼパム静注又は他の抗痙攣剤を投与する(但し、これらの薬剤による呼吸抑制、低血圧、昏睡の増悪に注意する)。
(適用上の注意)
薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。
(その他の注意)
1.海外で実施された大うつ病性障害等の精神疾患を有する患者を対象とした、本剤を含む複数の抗うつ剤の短期プラセボ対照臨床試験の検討結果において、24歳以下の患者では、自殺念慮や自殺企図の発現のリスクが抗うつ剤投与群でプラセボ群と比較して高かった。なお、25歳以上の患者における自殺念慮や自殺企図の発現のリスクの上昇は認められず、65歳以上においてはそのリスクが減少した。
2.主に50歳以上を対象に実施された海外の疫学調査において、選択的セロトニン再取り込み阻害剤及び三環系抗うつ剤を含む抗うつ剤を投与された患者で、骨折のリスクが上昇したとの報告がある。
(取扱い上の注意)
安定性試験:包装品を用いた長期保存試験(室温、3年間)の結果、通常の市場流通下において3年間安定であることが確認された。
(保管上の注意)
遮光。
処方薬事典は、日経メディカル Onlineが配信する医療・医薬関係者向けのコンテンツです。一般の方もご覧いただけますが、内容に関するご質問にはお答えできません。服用中の医薬品についてはかかりつけの医師や薬剤師にご相談ください。