処方薬事典データ協力:株式会社メドレー
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アモキサンカプセル10mgの基本情報
基本情報
脳内のノルアドレナリンやセロトニンといった神経伝達物質の働きを改善し、意欲を高め、憂うつな気分などを改善する薬
- アモキサン
- プロチアデン
- うつ状態
- うつ病
- アモキサピンとして、1日25〜75mgを1〜数回に分割経口投与する
- 効果不十分と判断される場合には1日量150mg、症状が特に重篤な場合には1日300mgまで増量することもある
- 病気や症状に応じた注意事項
- 過敏症
- 心筋梗塞の回復初期
- 閉塞隅角緑内障
- モノアミン酸化酵素阻害剤投与中又は投与中止後2週間以内
副作用
注意事項
- 禁止
- 過敏症
- 心筋梗塞の回復初期
- 閉塞隅角緑内障
- モノアミン酸化酵素阻害剤投与中又は投与中止後2週間以内
- 慎重投与
- 開放隅角緑内障
- 眼内圧亢進
- 狭心症
- 痙攣性疾患
- 甲状腺機能亢進症
- 刺激伝導障害
- 自殺企図
- 自殺念慮
- 心筋梗塞
- 心疾患
- 心不全
- てんかん
- 排尿困難
- 発作性頻拍
- 不整脈
- 脳器質障害
- 統合失調症素因
- 衝動性が高い併存障害
- 躁うつ病
- 相対禁止
- 妊婦・産婦
- 授乳婦
- 慎重投与
- 幼児・小児
- 高齢者
- 注意
- 新生児(低出生体重児を含む)
- 乳児
- 幼児・小児
- 投与に際する指示
- 高齢者
- 慎重投与
- 高齢者(65歳〜)
- 小児(0歳〜14歳)
- 注意
- 50歳以上(50歳〜)
- 24歳以下(0歳〜24歳)
- 投与に際する指示
- 高齢者(65歳〜)
相互作用
- 薬剤名
- 影響
- モノアミン酸化酵素<MAO>阻害剤<メチルチオニニウム・リネゾリド以外>
- 発汗
- セレギリン塩酸塩
- 発汗
- ラサギリンメシル酸塩
- 発汗
- サフィナミドメシル酸塩
- 発汗
- リネゾリド
- 発汗
- モノアミン酸化酵素<MAO>阻害剤<メチルチオニニウム・リネゾリド以外>
- 不穏
- セレギリン塩酸塩
- 不穏
- ラサギリンメシル酸塩
- 不穏
- サフィナミドメシル酸塩
- 不穏
- モノアミン酸化酵素<MAO>阻害剤<メチルチオニニウム・リネゾリド以外>
- 全身痙攣
- セレギリン塩酸塩
- 全身痙攣
- ラサギリンメシル酸塩
- 全身痙攣
- サフィナミドメシル酸塩
- 全身痙攣
- モノアミン酸化酵素<MAO>阻害剤<メチルチオニニウム・リネゾリド以外>
- 異常高熱
- セレギリン塩酸塩
- 異常高熱
- ラサギリンメシル酸塩
- 異常高熱
- サフィナミドメシル酸塩
- 異常高熱
- モノアミン酸化酵素<MAO>阻害剤<メチルチオニニウム・リネゾリド以外>
- 昏睡
- セレギリン塩酸塩
- 昏睡
- ラサギリンメシル酸塩
- 昏睡
- サフィナミドメシル酸塩
- 昏睡
- 抗コリン作用を有する薬剤
- 口渇
- トリヘキシフェニジル塩酸塩
- 口渇
- 抗コリン作用を有する薬剤
- 排尿困難
- トリヘキシフェニジル塩酸塩
- 排尿困難
- 抗コリン作用を有する薬剤
- 乏尿
- トリヘキシフェニジル塩酸塩
- 乏尿
- 抗コリン作用を有する薬剤
- 眼内圧亢進
- トリヘキシフェニジル塩酸塩
- 眼内圧亢進
- 抗コリン作用を有する薬剤
- 視調節障害
- トリヘキシフェニジル塩酸塩
- 視調節障害
- 抗コリン作用を有する薬剤
- 便秘
- トリヘキシフェニジル塩酸塩
- 便秘
- 抗コリン作用を有する薬剤
- 鼻閉
- トリヘキシフェニジル塩酸塩
- 鼻閉
- 交感神経作動薬
- 心血管作用<高血圧等>を増強
- エピネフリン
- 心血管作用<高血圧等>を増強
- ノルエピネフリン
- 心血管作用<高血圧等>を増強
- 中枢抑制剤
- 本剤の作用が増強
- バルビツール酸誘導体
- 本剤の作用が増強
- シメチジン
- 本剤の作用が増強
- 選択的セロトニン再取り込み阻害剤
- 本剤の作用が増強
- グアネチジン
- 作用を減弱
- スルファメトキサゾール・トリメトプリム
- 本剤の作用が減弱
- エタノール摂取
- 中枢神経抑制作用が増強
- リネゾリド
- セロトニン症候群の徴候及び症状
- リネゾリド
- 錯乱
- リネゾリド
- 譫妄
- リネゾリド
- 情緒不安
- リネゾリド
- 振戦
- リネゾリド
- 潮紅
- リネゾリド
- 超高熱
- メチルチオニニウム塩化物水和物<メチレンブルー>
- セロトニン症候群
- アルコールを含むもの<ジン、ウオッカ、ラム、ウイスキー、ブランデー など>
処方理由
この薬をファーストチョイスする理由(2020年11月更新)
・うつ症状に妄想的な訴えが混じる症例には使うことがありました。アリピプラゾール、オランザピンを使うようになってからは使用頻度は減りました。(50歳代病院勤務医、精神科)
・しっかりした抗うつ効果があり、抗コリン作用が弱いので使いやすい。(60歳代病院勤務医、精神科)
・三環系抗うつ薬の中では、副作用が少なく効果もよい印象です。(60歳代病院勤務医、精神科)
・効果発現が三環系抗うつ薬の中では早く、比較的力価も高い。(40歳代病院勤務医、精神科)
この薬をファーストチョイスする理由(2019年3月更新)
・意欲低下が主症状のうつ病では即効性が期待できる。焦燥感が強い時は、それを悪化させる可能性があるため注意が必要である。(50歳病院勤務医、精神科)
・他の三環系より副作用が少なく、意欲低下に効果が高い。(50歳病院勤務医、精神科)
・アモキサピンを継続して使うことが多い。抗コリン作用等の有害事象が少ない。(60歳病院勤務医、精神科)
・効果発現が早く、細かな服用量の設定が可能だから。(60歳診療所勤務医、精神科)
この薬をファーストチョイスする理由(2015年11月更新)
・効果が早く出て、意欲向上効果も高い。使い慣れており使いやすい。(30代勤務医、一般外科)
・特に古典的なうつ病に対して効果が高い。(30代勤務医、精神科)
・意欲・活動性の向上に対し、他薬と比べて速効性があることや、ドパミン受容体への作用も期待できる点が長所であると考える。一方、躁転のリスクおよび錐体外路症状の副作用については注意すべきであると考える。(40代勤務医、精神科)
・ドパミン受容体に作用するという他の抗うつ薬にはない特徴を有しているので、現在でも時々処方することがある唯一の三環系抗うつ薬です。(40代勤務医、精神科)
・抗精神病効果を併せ持つことで、今となっては廃れた三環系のうち、たまに使用することがある。難治性のうつ病などに対しては、むしろトリプタノールやトフラニールを使用することを考えるが、まず、その機会がない。(40代勤務医、精神科)
・妄想性うつ病にも有効です。薬疹については、今のところ経験はありません。(60代勤務医、精神科)
添付文書
うつ病・うつ状態。
<効能・効果に関連する使用上の注意>
抗うつ剤の投与により、24歳以下の患者で、自殺念慮、自殺企図のリスクが増加するとの報告があるため、本剤の投与にあたっては、リスクとベネフィットを考慮する。
アモキサピンとして、1日25〜75mgを1〜数回に分割経口投与する。効果不十分と判断される場合には1日量150mg、症状が特に重篤な場合には1日300mgまで増量することもある。
アモキサンカプセル、同細粒の副作用集計対象となった6,717例中、1,168例(17.39%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められた。その主なものは口渇(5.61%)、便秘(4.63%)等の自律神経障害及び眩暈(2.29%)、眠気(1.73%)等であった(再審査終了時の集計)。
なお、本項には自発報告等副作用発現頻度が算出できない副作用報告を含む。
1.重大な副作用
1).悪性症候群(Syndrome malin)(頻度不明):無動緘黙、強度筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合は、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行う(本症発症時には、白血球増加や血清CK上昇(血清CPK上昇)がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能低下がみられることがある)、なお、他の三環系抗うつ剤の投与中、高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎障害へと移行し、死亡した例が報告されている。
2).痙攣、精神錯乱、幻覚、譫妄(いずれも0.1%未満):痙攣、精神錯乱、幻覚、譫妄が現れることがあるので、このような症状が現れた場合には減量又は休薬等適切な処置を行う。
3).無顆粒球症(頻度不明):無顆粒球症、白血球減少等の血液障害が現れることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常(前駆症状として発熱、咽頭痛、インフルエンザ様症状等が現れる場合もある)が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う。
4).麻痺性イレウス(頻度不明):腸管麻痺(食欲不振、悪心、嘔吐、著しい便秘、腹部膨満あるいは腹部弛緩及び腸内容物うっ滞等の症状)を来し、麻痺性イレウスに移行することがあるので、腸管麻痺が現れた場合には投与を中止する。なお、この悪心、嘔吐は、本剤の制吐作用により不顕性化することもあるので注意する。
5).遅発性ジスキネジー(頻度不明):長期投与により、遅発性ジスキネジー(口周部不随意運動等の不随意運動)が現れることがあるので、このような症状が現れた場合には投与を中止する。
6).中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)、急性汎発性発疹性膿疱症(いずれも頻度不明):中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)、急性汎発性発疹性膿疱症が現れることがあるので、このような症状が現れた場合には投与を中止する。
7).肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明):著しいAST上昇(著しいGOT上昇)、著しいALT上昇(著しいGPT上昇)、著しいγ−GTP上昇等を伴う肝機能障害、黄疸が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
2.重大な副作用(類薬)
抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH):類似化合物(アミトリプチリン)で、低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量増加、高張尿、痙攣、意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)が現れることが報告されている。
3.その他の副作用:次のような副作用が現れた場合には、症状に応じて適切な処置を行う。
1).循環器:(0.1〜5%未満)頻脈、血圧降下、動悸、(頻度不明)血圧上昇、不整脈、心ブロック、心発作。
2).精神神経系:(0.1〜5%未満)眠気、不眠、振戦等のパーキンソン症状、躁転、頭痛・頭重、焦燥・不安、構音障害、四肢知覚異常、運動失調、(0.1%未満)アカシジア(静座不能)等の錐体外路症状、耳鳴、知覚異常、興奮[減量又は休薬等適切な処置を行う]。
3).抗コリン作用:(5%以上)口渇、(0.1〜5%未満)便秘、排尿困難、視調節障害、(0.1%未満)乏尿、鼻閉、眼内圧亢進[投与を中止する]。
4).過敏症:(0.1〜5%未満)発疹、顔浮腫・舌部浮腫、(0.1%未満)紅斑、そう痒[投与を中止するなど適切な処置を行う]。
5).消化器:(0.1〜5%未満)悪心、食欲不振、下痢、嘔吐、(0.1%未満)味覚異常、胃部不快感、口内不快感、口内炎、胃痛・腹痛。
6).内分泌系:(0.1%未満)月経異常、(頻度不明)高プロラクチン血症、乳汁漏出、女性化乳房。
7).その他:(0.1〜5%未満)眩暈、倦怠感、発汗、脱力感、発熱、(0.1%未満)性欲減退、頻尿、性欲亢進、顔面違和感や身体違和感、四肢冷感、頚痛、(頻度不明)脱毛、性機能障害。
(禁忌)
1.閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある]。
2.三環系抗うつ剤に対し過敏症の患者。
3.心筋梗塞の回復初期の患者[循環器系に影響を及ぼすことがあるので、心筋梗塞を増悪させる恐れがある]。
4.モノアミン酸化酵素阻害剤投与中又は投与中止後2週間以内の患者[発汗、不穏、全身痙攣、異常高熱、昏睡等が現れることがある]。
(慎重投与)
1.排尿困難又は眼内圧亢進等のある患者[抗コリン作用によりこれらの症状を増悪させる恐れがある]。
2.開放隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある]。
3.心不全・心筋梗塞・狭心症・不整脈(発作性頻拍・刺激伝導障害等)等の心疾患のある患者又は甲状腺機能亢進症の患者[循環器系に影響を及ぼすことがあるので、これらの症状を増悪させる恐れがある]。
4.てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者[痙攣を起こすことがある]。
5.躁うつ病患者[躁転、自殺企図が現れることがある]。
6.自殺念慮又は自殺企図の既往のある患者、自殺念慮のある患者[自殺念慮、自殺企図が現れることがある]。
7.脳器質障害又は統合失調症素因のある患者[精神症状を増悪させることがある]。
8.衝動性が高い併存障害を有する患者[精神症状を増悪させることがある]。
9.高齢者。
10.小児[小児に対する安全性は確立されていない(使用経験が少ない)]。
(重要な基本的注意)
1.眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意する。
2.うつ症状を呈する患者は希死念慮があり、自殺企図の恐れがあるので、このような患者は投与開始早期ならびに投与量を変更する際には患者の状態及び病態の変化を注意深く観察する。
3.不安、焦燥、興奮、パニック発作、不眠、易刺激性、敵意、攻撃性、衝動性、アカシジア/精神運動不穏、軽躁、躁病等が現れることが報告されている。また、因果関係は明らかではないが、これらの症状・行動を来した症例において、基礎疾患の悪化又は自殺念慮、自殺企図、他害行為が報告されているので、患者の状態及び病態の変化を注意深く観察するとともに、不安増悪、焦燥増悪、興奮増悪、パニック発作増悪、不眠増悪、易刺激性増悪、敵意増悪、攻撃性増悪、衝動性増悪、アカシジア増悪/精神運動不穏増悪、軽躁増悪、躁病増悪等が観察された場合には、服薬量を増量せず、徐々に減量し、中止するなど適切な処置を行う。
4.自殺目的での過量服用を防ぐため、自殺傾向が認められる患者に処方する場合には、1回分の処方日数を最小限にとどめる。
5.家族等に自殺念慮や自殺企図、興奮、攻撃性、易刺激性等の行動の変化及び基礎疾患悪化が現れるリスク等について十分説明を行い、医師と緊密に連絡を取り合うよう指導する。
6.投与量の急激な減少ないし投与の中止により、情動不安、悪寒、錯乱、頭痛、睡眠障害、倦怠感、嘔気、発汗等の離脱症状が現れることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行う。
(相互作用)
1.併用禁忌:モノアミン酸化酵素<MAO>阻害剤<リネゾリド・メチルチオニニウム以外>(セレギリン塩酸塩<エフピー>、ラサギリンメシル酸塩<アジレクト>、サフィナミドメシル酸塩<エクフィナ>)[発汗、不穏、全身痙攣、異常高熱、昏睡等が現れることがある;なお、MAO阻害剤の投与を受けた患者に本剤を投与する場合には、少なくとも2週間の間隔をおき、また、本剤からMAO阻害剤に切り替えるときには、2〜3日間の間隔をおくことが望ましい(詳細は不明であるが、相加・相乗作用によると考えられている)]。
2.併用注意:
1).抗コリン作働薬(トリヘキシフェニジル塩酸塩等)[口渇、排尿困難・乏尿、眼内圧亢進、視調節障害、便秘、鼻閉等が現れることがある(相互に抗コリン作用が増強されるためと考えられている)]。
2).アドレナリン作働薬(エピネフリン、ノルエピネフリン等)[心血管作用<高血圧等>を増強することがある(本剤は交感神経末梢へのノルエピネフリン等の取り込みを抑制し、受容体部位へのエピネフリン作働性を上昇させ、作用を増強させる)]。
3).中枢神経抑制剤(バルビツール酸誘導体等)[本剤の作用が増強されることがある(相互に中枢神経抑制作用を増強すると考えられている)]。
4).降圧剤(グアネチジン)[降圧剤の作用を減弱することがある(三環系抗うつ剤はアドレナリン作働性ニューロンでのグアネチジンの取り込みを阻害すると考えられている)]。
5).シメチジン[本剤の作用が増強されることがある(シメチジンにより本剤の代謝が阻害されると考えられている)]。
6).スルファメトキサゾール・トリメトプリム[本剤の作用が減弱されることがある(機序は明らかでないが、本剤の代謝促進又は、作用部位での両剤の拮抗作用によるものと考えられている)]。
7).アルコール[中枢神経抑制作用が増強されることがある(相互に中枢神経抑制作用を増強すると考えられている)]。
8).選択的セロトニン再取り込み阻害剤<SSRI>[本剤の作用が増強されることがある(SSRIにより本剤の代謝が阻害されると考えられている)]。
9).リネゾリド[セロトニン症候群の徴候及び症状(錯乱、譫妄、情緒不安、振戦、潮紅、発汗、超高熱)が現れる恐れがあるので、十分に注意し、これらの徴候や症状が認められた場合には、本剤と併用薬の両方あるいはいずれか一方の投与を中止するなど適切な処置を行う(リネゾリドは非選択的、可逆的MAO阻害作用を有する)]。
10).メチルチオニニウム塩化物水和物<メチレンブルー>[セロトニン症候群が現れる恐れがある(併用薬剤のMAO阻害作用によりセロトニン作用が増強されると考えられる)]。
(高齢者への投与)
高齢者では、起立性低血圧、ふらつき、抗コリン作用による口渇、排尿困難、便秘、眼内圧亢進等が現れやすいので、低用量から投与を開始するとともに、患者の状態を観察しながら、慎重に投与する。
(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[妊娠動物(マウス)の器官形成期に経口投与した実験(10、20、40mg/kg/日)では、40mg/kg/日群で口蓋裂の発生、死亡胎仔増加、胎仔体重減少が認められている]。
2.授乳中の婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[動物実験(ラット)で母乳中への移行がみられている]。
(過量投与)
1.過量投与時の徴候・症状:痙攣(てんかん重積状態を含む)、昏睡、膵炎、QT延長及びアシドーシスが現れることがある。また、過量投与数日後に横紋筋融解に伴う急性腎尿細管壊死及びミオグロビン尿を合併し急性腎障害が現れることがある。
2.過量投与時の処置:特に痙攣の発現に注意し、対症療法及び補助療法を行い、患者に意識がある場合はできるだけ速やかに嘔吐させ、その後胃洗浄を行い、また、活性炭を繰り返し投与し、薬物の吸収を阻害し排出を促進する。
(適用上の注意)
薬剤交付時(カプセル剤):PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。
(その他の注意)
1.動物実験(ラット)で、本剤により内分泌系に対する影響がみられ、雌性動物で、乳腺小葉−腺房の発達が起こるとの報告がある。
2.海外で実施された大うつ病性障害等の精神疾患を有する患者を対象とした、複数の抗うつ剤の短期プラセボ対照臨床試験の検討結果において、24歳以下の患者では、自殺念慮や自殺企図の発現のリスクが抗うつ剤投与群でプラセボ群と比較して高かった。なお、25歳以上の患者における自殺念慮や自殺企図の発現のリスクの上昇は認められず、65歳以上においてはそのリスクが減少した。
3.主に50歳以上を対象に実施された海外の疫学調査において、選択的セロトニン再取り込み阻害剤及び三環系抗うつ剤を含む抗うつ剤を投与された患者で、骨折のリスクが上昇したとの報告がある。
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