処方薬事典データ協力:株式会社メドレー
※キーワードをスペースで区切るとAND検索に、半角の「|」で挟むとOR検索になります
ジクロフェナクNa錠25mg「YD」の基本情報
基本情報
体内で炎症などを引きおこす体内物質プロスタグランジンの生成を抑え、炎症や痛みなどを抑え、熱を下げる薬
- ロキソニン
- アスピリン
- セレコックス
- ボルタレン
- ナイキサン
- 急性上気道炎の解熱
- 急性上気道炎の鎮痛
- 頚肩腕症候群の消炎
- 頚肩腕症候群の鎮痛
- 月経困難症の消炎
- 月経困難症の鎮痛
- 腱鞘炎の消炎
- 腱鞘炎の鎮痛
- 後陣痛の消炎
- 後陣痛の鎮痛
- 骨盤内炎症の消炎
- 骨盤内炎症の鎮痛
- 手術後の消炎
- 手術後の鎮痛
- 神経痛の消炎
- 神経痛の鎮痛
- 前眼部炎症の消炎
- 前眼部炎症の鎮痛
- 歯痛の消炎
- 歯痛の鎮痛
- 抜歯後の消炎
- 抜歯後の鎮痛
- 変形性関節症の消炎
- 変形性関節症の鎮痛
- 変形性脊椎症の消炎
- 変形性脊椎症の鎮痛
- 膀胱炎の消炎
- 膀胱炎の鎮痛
- 腰痛症の消炎
- 腰痛症の鎮痛
- 関節リウマチの消炎
- 関節リウマチの鎮痛
- 急性気管支炎を伴う急性上気道炎の解熱
- 急性気管支炎を伴う急性上気道炎の鎮痛
- 1.関節リウマチ、変形性関節症、変形性脊椎症、腰痛症、腱鞘炎、頚肩腕症候群、神経痛、後陣痛、骨盤内炎症、月経困難症、膀胱炎、前眼部炎症、歯痛、手術ならびに抜歯後の鎮痛・消炎の場合:ジクロフェナクナトリウムとして1日量75〜100mgとし原則として3回に分け経口投与する
- また、頓用する場合には25〜50mgとする
- なお、空腹時の投与は避けさせることが望ましい
- 2.急性上気道炎の解熱・鎮痛の場合:ジクロフェナクナトリウムとして1回量25〜50mgを頓用する
- なお、年齢、症状により適宜増減する
- 但し、原則として1日2回までとし、1日最大100mgを限度とする
- また、空腹時の投与は避けさせることが望ましい
副作用
注意事項
- 禁止
- アスピリン喘息
- 過敏症
- 重篤な肝障害
- 重篤な高血圧症
- 重篤な心機能不全
- 重篤な腎障害
- 消化性潰瘍
- 重篤な血液異常
- 非ステロイド性消炎鎮痛剤等により誘発される喘息発作
- トリアムテレン投与中
- インフルエンザの臨床経過中の脳炎・脳症
- 原則禁止
- 小児のウイルス性疾患
- インフルエンザの小児
- ウイルス性疾患の小児
- 水痘の小児
- 慎重投与
- SLE
- 潰瘍性大腸炎
- 過敏症
- 肝障害
- 気管支喘息
- クローン病
- 血液異常
- 高血圧症
- 腎血流量低下
- 出血傾向
- 消化管手術後
- 消化性潰瘍
- 腹水を伴う肝硬変
- 食道通過障害
- 心機能障害
- 腎障害
- 全身性エリテマトーデス
- 大手術後
- 非ステロイド性消炎鎮痛剤の長期投与による消化性潰瘍
- 利尿剤投与中
- 腎機能に著しい影響を与える薬剤投与中
- 注意
- MCTD
- SLE
- 肝性ポルフィリン症
- 消耗性疾患
- インフルエンザの臨床経過中に脳炎・脳症を発症
- 小児のウイルス性疾患
- インフルエンザの臨床経過中に脳炎・脳症を発症した小児
- 投与に際する指示
- 小児のウイルス性疾患
- インフルエンザの小児
- ウイルス性疾患の小児
- 水痘の小児
- 禁止
- 妊婦・産婦
- 原則禁止
- 幼児・小児
- 慎重投与
- 幼児・小児
- 高齢者
- 注意
- 幼児・小児
- 高齢者
- 投与に際する指示
- 幼児・小児
- 高齢者
- 原則禁止
- 小児のウイルス性疾患(0歳〜14歳)
- ウイルス性疾患の小児(0歳〜14歳)
- 水痘の小児(0歳〜14歳)
- インフルエンザの小児(0歳〜14歳)
- 慎重投与
- 高齢者(65歳〜)
- 小児(0歳〜14歳)
- 注意
- インフルエンザの臨床経過中に脳炎・脳症を発症した小児(0歳〜14歳)
- 小児のウイルス性疾患(0歳〜14歳)
- 長期間投与されている女性
- 高熱を伴う小児(0歳〜14歳)
- 高熱を伴う高齢者(65歳〜)
- 高齢者(65歳〜)
- 投与に際する指示
- 小児のウイルス性疾患(0歳〜14歳)
- ウイルス性疾患の小児(0歳〜14歳)
- 水痘の小児(0歳〜14歳)
- インフルエンザの小児(0歳〜14歳)
- 高齢者(65歳〜)
相互作用
- 薬剤名
- 影響
- 利尿剤
- 腎不全
- 腎機能に影響を及ぼす薬剤使用中
- 腎不全
- トリアムテレン
- 急性腎不全
- CYP2C9阻害剤
- 本剤のCmaxとAUCが増加
- ボリコナゾール
- 本剤のCmaxとAUCが増加
- ニューキノロン系抗菌剤
- 痙攣
- エノキサシン
- 痙攣
- リチウム製剤
- 血中濃度を高めその作用を増強
- 強心配糖体製剤
- 血中濃度を高めその作用を増強
- ジゴキシン
- 血中濃度を高めその作用を増強
- メトトレキサート製剤
- 血中濃度を高めその作用を増強
- アスピリン
- 相互に作用が減弱
- アスピリン
- 消化器系の副作用を増強
- 非ステロイド系抗炎症剤
- 相互に胃腸障害等が増強
- 副腎皮質ホルモン剤
- 相互に副作用<特に胃腸障害等>が増強
- プレドニゾロン
- 相互に副作用<特に胃腸障害等>が増強
- 血圧降下剤
- 降圧作用を減弱
- β−遮断剤
- 降圧作用を減弱
- ACE阻害剤
- 降圧作用を減弱
- アンジオテンシン2受容体拮抗剤
- 降圧作用を減弱
- 血圧降下剤
- 腎機能を悪化
- β−遮断剤
- 腎機能を悪化
- ACE阻害剤
- 腎機能を悪化
- アンジオテンシン2受容体拮抗剤
- 腎機能を悪化
- 利尿剤
- 作用を減弱
- ヒドロクロロチアジド
- 作用を減弱
- フロセミド
- 作用を減弱
- カリウム保持性利尿剤
- 作用を減弱
- スピロノラクトン
- 作用を減弱
- カンレノ酸
- 作用を減弱
- 抗アルドステロン剤
- 作用を減弱
- エプレレノン
- 作用を減弱
- カリウム保持性利尿剤
- 腎機能障害患者における重度の高カリウム血症
- スピロノラクトン
- 腎機能障害患者における重度の高カリウム血症
- カンレノ酸
- 腎機能障害患者における重度の高カリウム血症
- 抗アルドステロン剤
- 腎機能障害患者における重度の高カリウム血症
- エプレレノン
- 腎機能障害患者における重度の高カリウム血症
- 血液凝固阻止剤
- 出血の危険性が増大
- 抗血小板剤
- 出血の危険性が増大
- ワルファリン
- 出血の危険性が増大
- レビパリン
- 出血の危険性が増大
- クロピドグレル
- 出血の危険性が増大
- エノキサパリン
- 出血の危険性が増大
- デフィブロチド
- 出血の危険性が増大
- シクロスポリン
- 腎障害を増強
- シクロスポリン
- 高カリウム血症
- ドロスピレノン・エチニルエストラジオール
- 高カリウム血症
- コレスチラミン<経口>
- 本剤の血中濃度が低下
- 選択的セロトニン再取り込み阻害剤
- 消化管出血
- フルボキサミン
- 消化管出血
- パロキセチン
- 消化管出血
処方理由
添付文書
1.次記の疾患ならびに症状の鎮痛・消炎:関節リウマチ、変形性関節症、変形性脊椎症、腰痛症、腱鞘炎、頚肩腕症候群、神経痛、後陣痛、骨盤内炎症、月経困難症、膀胱炎、前眼部炎症、歯痛。
2.手術後ならびに抜歯後の鎮痛・消炎。
3.次記疾患の解熱・鎮痛:急性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む)。
1.関節リウマチ、変形性関節症、変形性脊椎症、腰痛症、腱鞘炎、頚肩腕症候群、神経痛、後陣痛、骨盤内炎症、月経困難症、膀胱炎、前眼部炎症、歯痛、手術ならびに抜歯後の鎮痛・消炎の場合:ジクロフェナクナトリウムとして1日量75〜100mgとし原則として3回に分け経口投与する。また、頓用する場合には25〜50mgとする。なお、空腹時の投与は避けさせることが望ましい。
2.急性上気道炎の解熱・鎮痛の場合:ジクロフェナクナトリウムとして1回量25〜50mgを頓用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。但し、原則として1日2回までとし、1日最大100mgを限度とする。また、空腹時の投与は避けさせることが望ましい。
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
1.重大な副作用:次のような副作用が現れることがある。このような場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
1).ショック(胸内苦悶、冷汗、呼吸困難、四肢冷却、血圧低下、意識障害等)、アナフィラキシー(蕁麻疹、血管浮腫、呼吸困難等)(いずれも頻度不明)。
2).出血性ショック又は穿孔を伴う消化管潰瘍(頻度不明)。
3).消化管の狭窄・閉塞(消化管潰瘍に伴い、消化管狭窄・消化管閉塞が現れることがある)(頻度不明)。
4).再生不良性貧血、溶血性貧血、無顆粒球症、血小板減少(いずれも頻度不明)。
5).中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)、紅皮症(剥脱性皮膚炎)(いずれも頻度不明)。
6).急性腎不全(間質性腎炎、腎乳頭壊死等)(症状・検査所見:乏尿、血尿、尿蛋白、BUN上昇・血中クレアチニン上昇、高カリウム血症、低アルブミン血症等)、ネフローゼ症候群(いずれも頻度不明)。
7).重症喘息発作(アスピリン喘息)(頻度不明)。
8).間質性肺炎(頻度不明)。
9).うっ血性心不全、心筋梗塞(いずれも頻度不明)。
10).無菌性髄膜炎(項部硬直、発熱、頭痛、悪心・嘔吐あるいは意識混濁等)(頻度不明)[特にSLE又はMCTD等のある患者では注意する]。
11).重篤な肝障害(劇症肝炎、広範な肝壊死等)(頻度不明)。
12).急性脳症(頻度不明)(特に、かぜ様症状に引き続き、激しい嘔吐、意識障害、痙攣等の異常が認められた場合には、ライ症候群の可能性を考慮する)。
13).横紋筋融解症(急激な腎機能悪化を伴うことがある)(症状:筋肉痛、脱力感、CK上昇(CPK上昇)、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇等)(頻度不明)。
14).脳血管障害(頻度不明)。
2.その他の副作用(頻度不明)
1).消化器:食欲不振、悪心・嘔吐、胃痛、腹痛、下痢、口内炎、消化性潰瘍、胃腸出血、口渇、便秘、吐血、下血、小腸潰瘍・大腸潰瘍、出血性大腸炎、クローン病悪化又は潰瘍性大腸炎悪化、膵炎、食道障害、胃炎。
2).血液:貧血、出血傾向、血小板機能低下(出血時間延長)。
3).肝臓:黄疸、肝障害、AST上昇(GOT上昇)・ALT上昇(GPT上昇)。
4).皮膚:皮膚そう痒症、光線過敏症、多形紅斑、紫斑。
5).過敏症:発疹、蕁麻疹、顔面浮腫、喘息発作、アレルギー性紫斑、血管浮腫。
6).精神神経系:頭痛、眠気、眩暈、不眠、しびれ、神経過敏、振戦、錯乱、幻覚、痙攣、抑うつ、不安、記憶障害。
7).感覚器:視覚異常(霧視等)、耳鳴、味覚障害、聴覚障害。
8).循環器:血圧上昇、血圧低下、動悸、頻脈。
9).その他:浮腫、全身倦怠感、発汗、脱毛、発熱、胸痛、血管炎。
(禁忌)
1.消化性潰瘍のある患者[消化性潰瘍を悪化させる]。
2.重篤な血液異常のある患者[副作用として血液障害が報告されているため血液の異常を悪化させる恐れがある]。
3.重篤な肝障害のある患者[副作用として肝障害が報告されているため肝障害を悪化させることがある]。
4.重篤な腎障害のある患者[腎血流量低下作用があるため腎障害を悪化させることがある]。
5.重篤な高血圧症のある患者[プロスタグランジン合成阻害作用に基づくNa・水分貯留傾向があるため血圧を更に上昇させる恐れがある]。
6.重篤な心機能不全のある患者[プロスタグランジン合成阻害作用に基づくNa・水分貯留傾向があるため心機能を悪化させる恐れがある]。
7.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
8.アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤等により誘発される喘息発作)又はその既往歴のある患者[重症喘息発作を誘発する]。
9.インフルエンザの臨床経過中の脳炎・脳症の患者。
10.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人。
11.トリアムテレン投与中の患者。
(慎重投与)
1.消化性潰瘍の既往歴のある患者[消化性潰瘍を再発させることがある]。
2.血液異常又はその既往歴のある患者[血液の異常を悪化又は再発させる恐れがある]。
3.出血傾向のある患者[血小板機能異常が起こることがあるため出血傾向を助長する恐れがある]。
4.肝障害又はその既往歴のある患者[肝障害を悪化又は再発させることがある]。
5.腎障害又はその既往歴のある患者[腎血流量低下作用があるため腎障害を悪化又は誘発することがある]。
6.腎血流量低下しやすい患者[心機能障害のある患者、利尿剤投与中や腎機能に著しい影響を与える薬剤投与中の患者、腹水を伴う肝硬変のある患者、大手術後、高齢者等では有効循環血液量が低下傾向にあり、腎血流量が低下しやすいので、腎不全を誘発する恐れがある]。
7.高血圧症のある患者[プロスタグランジン合成阻害作用に基づくNa・水分貯留傾向があるため血圧を更に上昇させる恐れがある]。
8.心機能障害のある患者[プロスタグランジン合成阻害作用に基づくNa・水分貯留傾向があるため心機能を悪化させる恐れがある]。
9.SLE(全身性エリテマトーデス)の患者[SLE症状(腎障害等)を悪化させる恐れがある]。
10.過敏症の既往歴のある患者。
11.気管支喘息のある患者[気管支喘息患者の中にはアスピリン喘息患者も含まれており、それらの患者では重症喘息発作を誘発する]。
12.潰瘍性大腸炎の患者[症状が悪化したとの報告がある]。
13.クローン病の患者[症状が悪化したとの報告がある]。
14.消化管手術後の患者[消化管縫合不全を起こす恐れがある]。
15.食道通過障害のある患者[食道に停留し食道潰瘍を起こす恐れがある]。
16.高齢者及び小児[副作用、特に過度の体温下降・血圧低下によるショック症状が現れやすい]。
17.非ステロイド性消炎鎮痛剤の長期投与による消化性潰瘍のある患者で、本剤の長期投与が必要であり、かつミソプロストールによる治療が行われている患者(ミソプロストールは非ステロイド性消炎鎮痛剤により生じた消化性潰瘍を効能・効果としているが、ミソプロストールによる治療に抵抗性を示す消化性潰瘍もあるので、本剤を継続投与する場合には、十分経過を観察し、慎重に投与する)。
(重要な基本的注意)
1.ジクロフェナクナトリウム製剤を投与後にライ症候群を発症したとの報告があり、また、同効類薬(サリチル酸系医薬品)とライ症候群との関連性を示す海外の疫学調査報告があるので、本剤を小児のウイルス性疾患の患者に投与しないことを原則とするが、投与する場合には慎重に投与し、投与後の患者の状態を十分に観察する[ライ症候群:水痘、インフルエンザ等のウイルス性疾患の先行後、激しい嘔吐、意識障害、痙攣(急性脳浮腫)と肝臓ほか諸臓器の脂肪沈着、ミトコンドリア変形、AST(GOT)、ALT(GPT)、LDH、CK(CPK)の急激な上昇、高アンモニア血症、低プロトロンビン血症、低血糖等の症状が短期間に発現する高死亡率の病態である]。
2.消炎鎮痛剤による治療は原因療法ではなく対症療法であることに留意する。
3.患者の状態を十分に観察し、副作用の発現に留意する。過度の体温下降、虚脱、四肢冷却等が現れることがあるので、特に高熱を伴う小児及び高熱を伴う高齢者又は消耗性疾患の患者においては、投与後の患者の状態に十分注意する。
4.重篤な肝障害が現れることがあるので、患者の状態を十分に観察する。特に連用する場合は定期的に肝機能検査を行うことが望ましい。また、肝障害に先行して、あるいは同時に急激な意識障害が現れることがある。
5.慢性疾患(関節リウマチ、変形性関節症等)に対し本剤を用いる場合には、次の事項を考慮する。
1).慢性疾患(関節リウマチ、変形性関節症等)に対し本剤を長期投与する場合には、定期的に臨床検査(尿検査、血液検査及び肝機能検査等)を行い、また、異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な措置を講ずる。
2).慢性疾患(関節リウマチ、変形性関節症等)に対し本剤を用いる場合には、薬物療法以外の療法も考慮する。
6.急性疾患に対し本剤を用いる場合には、次の事項を考慮する。
1).急性疾患に対し本剤を用いる場合には、急性炎症、疼痛及び発熱の程度を考慮し、投与する。
2).急性疾患に対し本剤を用いる場合には、原則として同一の薬剤の長期投与を避ける。
3).急性疾患に対し本剤を用いる場合には、原因療法があればこれを行い、本剤を漫然と投与しない。
7.感染症を不顕性化する恐れがあるので、感染による炎症に対して用いる場合には必要に応じて適切な抗菌剤を併用し、観察を十分に行い慎重に投与する。
8.他の消炎鎮痛剤との併用は避けることが望ましい。
9.本剤投与中に眠気、眩暈、霧視を訴える患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように十分注意する。
(相互作用)
本剤は主に代謝酵素CYP2C9で代謝される。
1.併用禁忌:トリアムテレン<トリテレン>[急性腎不全が現れたとの報告がある(本剤の腎プロスタグランジン合成阻害作用により、トリアムテレンの腎障害を増大すると考えられる)]。
2.併用注意:
1).CYP2C9を阻害する薬剤(ボリコナゾール等)[本剤のCmaxとAUCが増加することがある(これらの薬剤は本剤の代謝酵素であるCYP2C9を阻害する)]。
2).ニューキノロン系抗菌剤(エノキサシン等)[痙攣を起こす恐れがあるので、痙攣が発現した場合には、気道を確保し、ジアゼパムの静注等を行う(ニューキノロン系抗菌剤が脳内の抑制性神経伝達物質であるGABAの受容体結合を濃度依存的に阻害し、ある種の非ステロイド性抗炎症剤との共存下ではその阻害作用が増強されることが動物で報告されている)]。
3).リチウム、強心配糖体(ジゴキシン等)、メトトレキサート[これらの薬剤の血中濃度を高めその作用を増強することがあるので、必要に応じて、これらの薬剤の用量を調節する(本剤の腎プロスタグランジン合成阻害作用により、これらの薬剤の腎クリアランスが低下するためと考えられる)]。
4).アスピリン:
(1).アスピリン[相互に作用が減弱されることがある(アスピリンは本剤の血漿蛋白結合を減少させ、血漿クリアランスを増加させることにより、その血中濃度を減少させ、逆に、本剤により、アスピリンの尿中排泄量が増加するとの報告がある)]。
(2).アスピリン[消化器系の副作用を増強させる恐れがある(両剤とも消化管の障害作用を持つため、併用した場合その影響が大きくなる恐れがある)]。
5).非ステロイド性消炎鎮痛剤[相互に胃腸障害等が増強されることがある(両剤とも消化管の障害作用を持つため、併用した場合その影響が大きくなる恐れがある)]。
6).副腎皮質ステロイド剤(プレドニゾロン等)[相互に副作用<特に胃腸障害等>が増強されることがある(両剤とも消化管の障害作用を持つため、併用した場合その影響が大きくなる)]。
7).降圧剤:
(1).降圧剤(β−遮断剤、ACE阻害剤、アンジオテンシン2受容体拮抗剤等)[これらの薬剤の降圧作用を減弱することがあるので、用量に注意する(本剤の腎プロスタグランジン合成阻害作用により、これらの薬剤の血圧低下作用を減弱する恐れがある)]。
(2).降圧剤(β−遮断剤、ACE阻害剤、アンジオテンシン2受容体拮抗剤等)[腎機能を悪化させる恐れがある(プロスタグランジン合成阻害作用により、腎血流量が低下するためと考えられる<危険因子>高齢者)]。
8).利尿剤(ヒドロクロロチアジド、フロセミド等)[これらの薬剤の作用を減弱させることがあるので、血圧、利尿効果を観察し、必要に応じてこれらの薬剤の増量を考慮する(本剤の腎プロスタグランジン合成阻害作用により、これらの薬剤の利尿効果を減弱する恐れがある)]。
9).カリウム保持性利尿剤(スピロノラクトン、カンレノ酸)[これらの薬剤の作用を減弱させることがあり、また、腎機能障害患者における重度の高カリウム血症が発現する恐れがある(プロスタグランジン産生が抑制されることによって、ナトリウム貯留作用による降圧作用の減弱、カリウム貯留作用による血清カリウム値の上昇が起こると考えられる<危険因子>腎機能障害)]。
10).抗アルドステロン剤(エプレレノン)[これらの薬剤の作用を減弱させることがあり、また、腎機能障害患者における重度の高カリウム血症が発現する恐れがある(プロスタグランジン産生が抑制されることによって、ナトリウム貯留作用による降圧作用の減弱、カリウム貯留作用による血清カリウム値の上昇が起こると考えられる<危険因子>腎機能障害)]。
11).抗凝血剤及び抗血小板薬(ワルファリン、レビパリン、クロピドグレル、エノキサパリン等)、デフィブロチド[出血の危険性が増大するとの報告があるので、血液凝固能検査等出血管理を十分に行う(本剤の血小板機能阻害作用とこれらの薬剤の作用により、出血の危険性が増大する)]。
12).シクロスポリン:
(1).シクロスポリン[シクロスポリンによる腎障害を増強するとの報告があるので、腎機能を定期的にモニターしながら慎重に投与する(機序は十分解明されていないが、本剤はシクロスポリンによる腎障害に対して保護的な作用を有するプロスタグランジンの合成を阻害し、腎障害を増大すると考えられる)]。
(2).シクロスポリン[高カリウム血症が現れる恐れがあるので、血清カリウム値に注意する(高カリウム血症の副作用が相互に増強されると考えられる)]。
13).ドロスピレノン・エチニルエストラジオール[高カリウム血症が現れる恐れがあるので、血清カリウム値に注意する(高カリウム血症の副作用が相互に増強されると考えられる)]。
14).コレスチラミン<経口>[本剤の血中濃度が低下する恐れがあるので、コレスチラミンによる吸収阻害を避けるため、コレスチラミン投与前4時間若しくは投与後4〜6時間以上、又は可能な限り間隔をあけて慎重に投与する(コレスチラミンは陰イオン交換樹脂であり、消化管内で胆汁酸、陰イオン性物質や酸性物質等と結合してその吸収を遅延・抑制させる)]。
15).選択的セロトニン再取り込み阻害剤<SSRI>(フルボキサミン、パロキセチン)[消化管出血が現れることがあるので、注意して投与する(これらの薬剤の投与により血小板凝集が阻害され、併用により出血傾向が増強すると考えられる)]。
(高齢者への投与)
高齢者では、副作用が現れやすいので、少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与する。
(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しない[妊娠中の投与で、胎児に動脈管収縮・動脈管閉鎖、徐脈、羊水過少が起きたとの報告があり、胎児死亡例も報告されている。また、分娩に近い時期での投与で、胎児循環持続症(PFC)、動脈管開存、新生児肺高血圧、乏尿が起きたとの報告があり、新生児死亡例も報告されている]。
2.子宮収縮を抑制することがある。
3.本剤投与中は授乳を避けさせる[母乳中へ移行することが報告されている]。
(小児等への投与)
1.ウイルス性疾患の小児(水痘の小児、インフルエンザの小児等)の患者に投与しないことを原則とするが、投与する場合には慎重に投与し、投与後の患者の状態を十分に観察する。
2.小児では、副作用の発現に特に注意し、必要最小限の使用にとどめるなど慎重に投与する。
(過量投与)
1.徴候、症状:過量投与に関する情報は少なく、典型的な臨床症状は確立していない。
2.処置:非ステロイド性消炎鎮痛剤による過量投与時には、通常次のような処置が行われる;1)催吐、胃内容物の吸引、胃洗浄、活性炭及び必要に応じ塩類下剤の投与、2)過量投与による低血圧、腎不全、痙攣、胃腸障害、呼吸抑制等に対しては支持療法及び対症療法を行う。蛋白結合率が高いため、過量投与時、強制利尿、血液透析等は、ジクロフェナクの除去にはそれほど有用ではないと考えられる。
(適用上の注意)
1.服用時:食道に停留し崩壊すると、食道潰瘍を起こす恐れがあるので、多めの水で服用させ、特に就寝直前の服用等には注意する。
2.薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。
(その他の注意)
1.インフルエンザの臨床経過中に脳炎・脳症を発症した患者(主としてインフルエンザの臨床経過中に脳炎・脳症を発症した小児)のうち、ジクロフェナクナトリウムを投与された例で予後不良例が多いとする報告がある。
2.インフルエンザ脳炎・脳症例の病理学的検討において脳血管の損傷が認められるとの報告があり、また、ジクロフェナクナトリウムは血管内皮修復に関与するシクロオキシゲナーゼ活性の抑制作用が強いとの報告がある。
3.外国において、肝性ポルフィリン症の患者に投与した場合、急性腹症、四肢麻痺、意識障害等の急性症状を誘発する恐れがあるとの報告がある。
4.非ステロイド性消炎鎮痛剤を長期間投与されている女性において、一時的不妊が認められたとの報告がある。
(取扱い上の注意)
1.保管方法:遮光、防湿。
2.安定性試験:最終包装製品を用いた長期保存試験の結果、外観及び含量等は規格の範囲内であり、ジクロフェナクNa錠25mg「YD」は通常の市場流通下において3年間安定であることが確認された。
(保管上の注意)
気密容器。
処方薬事典は、日経メディカル Onlineが配信する医療・医薬関係者向けのコンテンツです。一般の方もご覧いただけますが、内容に関するご質問にはお答えできません。服用中の医薬品についてはかかりつけの医師や薬剤師にご相談ください。