処方薬事典データ協力:株式会社メドレー
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トピナ細粒10%の基本情報
基本情報
脳内において神経細胞の過剰な興奮を抑えることで、てんかんの発作(主に部分発作)を抑える薬
- トピナ
- 部分発作
- 二次性全般化発作
- 1.成人:トピラマートとして1回量50mgを1日1回又は1日2回の経口投与で開始する
- 以後、1週間以上の間隔をあけて漸増し、維持量として1日量200〜400mgを2回に分割経口投与する
- なお、症状により適宜増減するが、1日最高投与量は600mgまでとする
- 2.小児:2歳以上の小児にはトピラマートとして1日量1mg/kgの経口投与で開始し、2週間以上の間隔をあけて1日量2mg/kgに増量する
- 以後、2週間以上の間隔をあけて1日量として2mg/kg以下ずつ漸増し、維持量として1日量6mg/kgを経口投与する
- 症状により適宜増減するが、1日最高投与量は9mg/kg又は600mgのいずれか少ない投与量までとする
- なお、いずれも1日2回に分割して経口投与する
- 病気や症状に応じた注意事項
- 過敏症
副作用
注意事項
- 禁止
- 過敏症
- 慎重投与
- 肝機能障害
- 自殺企図
- 腎機能障害
- 閉塞隅角緑内障
- アシドーシスを来しやすい治療
- アシドーシス素因
- クレアチニンクリアランスが70mL/分未満
- 自殺念慮を有するうつ病
- 注意
- 結石を生じやすい
- 投与に際する指示
- 腎機能障害
- クレアチニンクリアランスが70mL/分未満
- 結石を生じやすい
- 相対禁止
- 妊婦・産婦
- 慎重投与
- 高齢者
- 虚弱者(衰弱者を含む)
- 注意
- 高齢者
- 虚弱者(衰弱者を含む)
- 投与に際する指示
- 高齢者
- 虚弱者(衰弱者を含む)
- 慎重投与
- 高齢者(65歳〜)
- 注意
- 高齢者(65歳〜)
- 投与に際する指示
- 高齢者(65歳〜)
相互作用
- 薬剤名
- 影響
- 肝薬物代謝酵素<CYP3A4>を誘導する薬剤
- 本剤の血中濃度が上昇
- フェニトイン
- 本剤の血中濃度が上昇
- カルバマゼピン
- 本剤の血中濃度が上昇
- ヒドロクロロチアジド
- 本剤の血中濃度が上昇
- フェニトイン
- 血中濃度が上昇
- アミトリプチリン
- 血中濃度が上昇
- 中枢抑制剤
- 相互に作用が増強
- バルビツール酸誘導体
- 相互に作用が増強
- 炭酸脱水酵素阻害剤
- 腎・尿路結石を形成
- アセタゾラミド
- 腎・尿路結石を形成
- リスペリドン
- 血中濃度が低下
- メトホルミン
- 血中濃度が上昇し血糖降下作用が増強
- ピオグリタゾン
- AUCが低下し血糖降下作用が減弱
- リチウム製剤
- 血中濃度が上昇又は低下
- ジゴキシン
- AUCが低下
- 経口避妊薬
- 血中濃度が低下し効果が減弱
- エチニルエストラジオール
- 血中濃度が低下し効果が減弱
- セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)を含むもの
処方理由
添付文書
他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)に対する抗てんかん薬との併用療法。
1.成人:トピラマートとして1回量50mgを1日1回又は1日2回の経口投与で開始する。以後、1週間以上の間隔をあけて漸増し、維持量として1日量200〜400mgを2回に分割経口投与する。なお、症状により適宜増減するが、1日最高投与量は600mgまでとする。
2.小児:2歳以上の小児にはトピラマートとして1日量1mg/kgの経口投与で開始し、2週間以上の間隔をあけて1日量2mg/kgに増量する。以後、2週間以上の間隔をあけて1日量として2mg/kg以下ずつ漸増し、維持量として1日量6mg/kgを経口投与する。症状により適宜増減するが、1日最高投与量は9mg/kg又は600mgのいずれか少ない投与量までとする。なお、いずれも1日2回に分割して経口投与する。
<用法・用量に関連する使用上の注意>
1.海外では、成人てんかん患者を対象とした試験において1日量50mgで開始し、1週間ごとに50mgずつ増量するなど、開始用量及び増量幅を低減することで、投与初期の有害事象発現率が低下したとの報告があることから、本剤の投与開始にあたっては、患者の状態に応じて、1日1回50mgから開始すること又は増量幅を1日100mgではなく1日50mgに低減することについても考慮する。
2.本剤は他の抗てんかん薬と併用して使用する[国内臨床試験において、本剤単独投与での使用経験はない]。
3.本剤は主として腎臓より排泄されるため、腎機能障害のある患者では、本剤のクリアランスが低下することがあるので、クレアチニンクリアランスが70mL/分未満の場合には、投与量を半量にするなど慎重に投与する。
成人:トピナ錠承認時までの国内第2/3相及び長期投与試験における安全性解析対象例303例中、副作用(臨床検査値異常を含む)が228例(75.2%)に認められた。主な副作用は傾眠90例(29.7%)、体重減少75例(24.8%)、浮動性眩暈44例(14.5%)、無食欲及び大食症候群32例(10.6%)等であった。また主な臨床検査値異常はγ−GTP増加24例(7.9%)、血中塩化物増加22例(7.3%)、血中重炭酸塩減少19例(6.3%)、血中リン減少16例(5.3%)等であった[トピナ錠承認時]。
トピナ錠製造販売後臨床試験における安全性解析対象例239例中、副作用(臨床検査値異常を含む)が151例(63.2%)に認められた。主な副作用は、傾眠52例(21.8%)、体重減少30例(12.6%)、血中重炭酸塩減少28例(11.7%)、浮動性眩暈22例(9.2%)であった。トピナ錠使用成績調査及び特定使用成績調査における安全性解析対象例3,743例中、副作用(臨床検査値異常を含む)が1,177例(31.4%)に認められた。主な副作用は、傾眠277例(7.4%)、食欲減退173例(4.6%)、体重減少150例(4.0%)、γ−GTP増加73例(2.0%)であった[再審査終了時]。
小児:トピナ錠又はトピナ細粒の国内臨床試験における安全性解析対象例86例中、副作用が66例(76.7%)に認められた。主な副作用は傾眠28例(32.6%)、乏汗症13例(15.1%)、食欲減退12例(14.0%)、発汗障害11例(12.8%)、体重減少8例(9.3%)等であった。また主な臨床検査値異常は血中重炭酸塩減少26例(30.2%)であった[小児用法承認時]。
1.重大な副作用
1).続発性閉塞隅角緑内障及びそれに伴う急性近視(頻度不明):続発性閉塞隅角緑内障を伴う急性近視が現れることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、視力の急激な低下、眼痛等の症状が現れた場合には、投与を中止し適切な処置を行う(なお、投与1カ月以内に現れることが多い)。
2).腎・尿路結石(2.3%):腎結石・尿路結石が現れることがあるので、観察を十分行い、腎仙痛、腹部痛等の症状が現れた場合には、中止するなど適切な処置を行う。
3).代謝性アシドーシス(1.8%):高クロル性代謝性アシドーシスが現れることがあるので、患者の状態を十分に観察し、過換気、不整脈、昏睡等の症状が現れた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う。なお、疲労、食欲不振等の症状が現れた場合には必要に応じて重炭酸イオン濃度の測定を行う。
4).乏汗症及びそれに伴う高熱(0.3%):乏汗症が現れることがあるので、観察を十分に行い、発汗減少、体温上昇等の症状が現れた場合には、中止するなど適切な処置を行う。
発現頻度は承認時の臨床試験に基づく。
2.その他の副作用:次記のような副作用が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量・休薬等の適切な処置を行う。
1).精神神経系:(10%以上)傾眠、眩暈、摂食異常、(5〜10%未満)しびれ感、頭痛、思考力低下、(0.1〜5%未満)会話障害、不安、易刺激性、抑うつ、歩行異常、不眠、記憶力低下、妄想、幻覚、振戦、味覚異常、動作緩慢、眼振、痙攣増悪・てんかん増悪、筋緊張、自殺企図、気分不良、平衡障害、感覚異常、躁状態、思考異常、協調運動異常、多動、昏迷、認知障害、(頻度不明)錯乱、離人症、興奮。
2).消化器:(0.1〜5%未満)腹痛、悪心、便秘、下痢、嘔吐、腹部不快感、口内炎、胃腸炎、歯肉腫脹、(頻度不明)鼓腸放屁、嚥下障害、唾液分泌過多、便失禁。
3).代謝及び栄養:(10%以上)血中重炭酸塩減少、電解質異常(カリウム異常、カルシウム異常、リン異常、クロル異常、ナトリウム異常)、(0.1〜5%未満)トリグリセリド上昇、血中アンモニア値上昇、血中コレステロール増加、総蛋白減少、(頻度不明)低血糖。
4).眼:(0.1〜5%未満)複視、視覚異常、眼痛、視力低下、羞明、眼精疲労、涙液減少。
5).肝臓:(10%以上)肝機能異常[AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、γ−GTP上昇、Al−P上昇、LDH上昇]、(0.1〜5%未満)ウロビリノーゲン陽性、胆石症。
6).血液:(0.1〜5%未満)白血球分画異常、白血球減少、貧血、血小板減少、白血球増加、(頻度不明)プロトロンビン量増加、鼻出血。
7).腎臓・泌尿器:(0.1〜5%未満)尿沈渣陽性、血尿、尿蛋白陽性、頻尿、尿中リン増加、尿失禁。
8).循環器:(0.1〜5%未満)胸痛、心電図異常、起立性低血圧、動悸、(頻度不明)徐脈、血圧上昇。
9).呼吸器:(0.1〜5%未満)呼吸困難、咳嗽、鼻炎。
10).皮膚:(5〜10%未満)発汗減少、(0.1〜5%未満)発疹、脱毛、皮膚炎、多汗、多毛、(頻度不明)脂漏。
11).感覚器:(0.1〜5%未満)耳鳴、聴力低下。
12).筋骨格:(0.1〜5%未満)筋肉痛、関節痛、四肢重感、筋痙攣。
13).内分泌:(0.1〜5%未満)月経異常、(頻度不明)乳房痛。
14).その他:(10%以上)体重減少、(5〜10%未満)倦怠感、(0.1〜5%未満)発熱、CK上昇(CPK上昇)、脱力、浮腫、口渇、熱感、四肢冷感、体重増加、(頻度不明)悪寒、性欲減退、体臭。
発現頻度は承認時の臨床試験に基づく。
(禁忌)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
(慎重投与)
1.閉塞隅角緑内障の患者[症状が悪化する恐れがある]。
2.アシドーシス素因を有する患者又はアシドーシスを来しやすい治療を受けている患者[高クロル性代謝性アシドーシスが生じる恐れがある]。
3.腎機能障害、肝機能障害のある患者[本剤のクリアランスが低下することがある]。
4.自殺企図の既往及び自殺念慮を有するうつ病の患者[症状が悪化する恐れがある]。
5.高齢者。
(重要な基本的注意)
1.腎結石・尿路結石が現れることがあるので、結石を生じやすい患者に投与する場合には十分水分を摂取するよう指導する。
2.代謝性アシドーシスが現れることがあるので、本剤投与中、特に長期投与時には、重炭酸イオン濃度測定等の検査を患者の状態に応じた適切な間隔で実施することが望ましい。
3.発汗減少が現れることがあり、特に夏季に体温が上昇することがあるので、本剤投与中は体温の上昇に留意し、このような場合には高温環境下をできるだけ避ける(なお、あらかじめ水分を補給することにより症状が緩和される可能性がある)。
4.体重減少を来すことがあるので、本剤投与中、特に長期投与時には、定期的に体重計測を実施するなど患者の状態を慎重に観察し、徴候が認められた場合には、適切な処置を行う。
5.連用中における投与量の急激な減量ないし投与中止により、発作頻度増加する可能性があるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行う(なお、高齢者、虚弱者の場合は特に注意する)。
6.眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意する。
7.本剤は血液透析により除去されるので、透析実施日は本剤の補充投与を考慮する。
8.投与開始に先立ち、主な副作用について患者に説明し、異常が認められた場合には、速やかに主治医に連絡するよう指示する。
(相互作用)
本剤の代謝に関与する主なチトクロームP450分子種はCYP3A4である。
併用注意:
1.肝代謝酵素<CYP3A4>誘導作用を有する薬剤(フェニトイン、カルバマゼピン等)[併用中の併用薬剤を減量又は中止する場合には本剤の血中濃度が上昇することがある(併用薬剤により肝代謝酵素(CYP3A4)が誘導され、併用により本剤の血中濃度は非併用時に比べ低下する)]。
2.フェニトイン[併用薬剤の血中濃度が上昇することがある(本剤が併用薬剤の代謝を阻害することがある)]。
3.中枢抑制薬(バルビツール酸誘導体等)[相互に作用が増強されることがある(本剤及び併用薬剤の中枢神経抑制作用による)]。
4.炭酸脱水酵素阻害剤(アセタゾラミド等)[腎・尿路結石を形成する恐れがある(本剤は弱い炭酸脱水酵素阻害作用を有する)]。
5.リスペリドン[併用薬剤の血中濃度が低下することがある(併用薬剤のクリアランスが上昇することがある)]。
6.メトホルミン[併用薬剤の血中濃度が上昇し血糖降下作用が増強する恐れがある(併用薬剤のクリアランスが低下することがある)]。
7.ピオグリタゾン[併用薬剤のAUCが低下し血糖降下作用が減弱する恐れがある(併用薬剤のクリアランスが上昇することがある)]。
8.アミトリプチリン[併用薬剤の血中濃度が上昇することがあるので、必要に応じて用量を調節する(機序は不明である)]。
9.リチウム[併用薬剤の血中濃度が上昇又は低下することがある(機序は不明である)]。
10.ジゴキシン[ジゴキシンのAUCが低下することがある(機序は不明である)]。
11.ヒドロクロロチアジド[本剤の血中濃度が上昇することがあるので、必要に応じて本剤の用量を調節する(併用薬剤により本剤の腎排泄が低下し、血中濃度が上昇すると考えられる)]。
12.経口避妊薬(エチニルエストラジオール等)[併用薬剤の血中濃度が低下し効果が減弱する恐れがある(機序は不明である)]。
13.セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品(St.John’s Wort)[本剤の血中濃度が低下する恐れがある(セイヨウオトギリソウ含有食品により誘導された代謝酵素(CYP3A4)が本剤の代謝を促進することがある)]。
(高齢者への投与)
本剤は、主として腎臓より排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いので、慎重に投与する(なお、投与を中止する場合には徐々に減量するなど慎重に行う)。
(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性(母体のてんかん発作頻発を防ぎ、胎児を低酸素状態から守る)が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[妊娠中に本剤を投与された患者が奇形児(口唇裂、口蓋裂、男児尿道下裂)を出産したとの報告があり、動物実験(ラット、ウサギ)で胎仔欠指、胎仔口蓋裂、胎仔血管系異常及び胎仔骨格異常等が報告されており、また、ヒトで胎盤を通過することが認められている]。
(参考)ラット及びウサギを用いた胚・胎仔発生に関する試験において、ラット400mg/kg/日、ウサギ120mg/kg/日の経口投与で、外部異常、内部異常あるいは骨格異常が認められた。
また、同試験において、ラット30mg/kg/日の経口投与で胎仔体重減少及び出生仔体重増加抑制、ウサギ120mg/kg/日の経口投与で胎仔死亡率上昇及び内部・骨格異常が認められたことから、各試験の次世代の発生に関する無毒性量は、ラット2.5mg/kg/日、ウサギ35mg/kg/日であった。
2.授乳婦に投与する場合には授乳を避けさせる[ヒトで乳汁中への移行が報告されている]。
(参考)ラット出生前及び出生後の発生並びに母体の機能に関する試験において、1mg/kg/日の経口投与で出生仔体重増加抑制が認められたことから、本試験の次世代の発生に関する無毒性量は0.5mg/kg/日であった。
(小児等への投与)
1.低出生体重児、新生児、乳児、2歳未満の幼児に対する安全性は確立していない(国内における使用経験がない)。
2.市販後の自発報告において、小児における腎結石・尿路結石、代謝性アシドーシス、乏汗症(発汗減少)の報告が成人に比べて多い傾向が認められているので、観察を十分に行う。
(過量投与)
1.症状:過量投与時、痙攣、傾眠、精神障害、昏迷、激越、眩暈、抑うつ、会話障害、代謝性アシドーシス、協調運動異常、霧視、複視、低血圧、腹痛等が現れることがある。
2.処置:過量投与後早期の場合は、催吐、早期の場合は、胃洗浄、早期の場合は、活性炭投与、早期の場合は、十分な水分補給による尿排泄の促進等の一般的な支持・対症療法を行い、また必要に応じて血液透析を行う(なお、in vitroでは、活性炭が本剤を吸着することが示されている)。
(その他の注意)
海外で実施された本剤を含む複数の抗てんかん薬における、てんかん、精神疾患等を対象とした199のプラセボ対照臨床試験の検討結果において、自殺念慮及び自殺企図の発現のリスクが、抗てんかん薬の服用群でプラセボ群と比較して約2倍高く(抗てんかん薬服用群:0.43%、プラセボ群:0.24%)、抗てんかん薬の服用群では、プラセボ群と比べ1,000人あたり1.9人多いと計算された(95%信頼区間:0.6−3.9)。また、てんかん患者のサブグループでは、プラセボ群と比べ1,000人あたり2.4人多いと計算されている。
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