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ミロガバリン(神経障害性疼痛治療薬) 解説
みろがばりん(しんけいしょうがいせいとうつうちりょうやく)
ミロガバリン(神経障害性疼痛治療薬)の解説
薬の解説
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過剰に興奮した神経を鎮め、神経が障害されることで引き起こされる痛みなどを緩和する薬
- 神経障害性疼痛は何らかの原因により神経が障害を受けて引き起こされる神経の痛み
- 神経細胞が興奮すると痛みを引き起こす神経伝達物質が過剰に放出され痛みが生じる
- 本剤は神経の興奮を抑え、神経伝達物質の過剰な放出を抑えることで鎮痛作用をあらわす
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神経障害性疼痛の例
- 坐骨神経痛、帯状疱疹後神経痛、糖尿病性神経障害など
神経障害性疼痛は、神経が圧迫されたり帯状疱疹ウイルスなどによって障害を受けることで引き起こされる神経の痛み。神経の痛みには脳内の神経細胞が深く関わっていて、神経細胞を興奮させるシグナルのひとつにカルシウム(Ca)イオンがある。神経細胞(シナプス前終末)にCaイオンが流入すると興奮性神経伝達物質が過剰に放出されて疼痛(痛み)が引き起こされると考えられている。
本剤(ミロガバリン)は、シナプス前終末におけるCaイオンの通り道となる電位依存性カルシウムチャネルのα2δサブユニットという部位に結合し、このチャネルからのCaイオンの流入を抑え興奮性神経伝達物質の過剰な放出を抑えることで鎮痛作用をあらわすとされている。本剤は、糖尿病性神経障害(糖尿病性末梢神経障害)による疼痛、帯状疱疹後神経痛、坐骨神経痛などへの有用性が考えられている。
神経の興奮を抑える作用の仕組みからミロガバリンの主な副作用として、めまいや眠気などの精神神経系症状があらわれることがあり、特に高齢者などにおいてはより注意が必要となる。
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精神神経系症状
- めまい、眠気、意識消失などがあらわれる場合がある
- 上記による転倒や転倒に伴う骨折などをおこす可能性があるため、高齢者などは特に注意する
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消化器症状
- 便秘、口内乾燥、吐き気などがあらわれる場合がある
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眼症状
- 霧視などがあらわれる場合がある
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代謝障害
- 血糖値や体重の変動、浮腫などがあらわれる場合がある
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肝機能障害
- 頻度は稀とされるが、ASTやALTの数値上昇などを伴う肝機能障害があらわれる場合がある
- 倦怠感、食欲不振、発熱、黄疸、発疹、吐き気などがみられ、症状が続く場合は放置せず医師や薬剤師へ連絡する
- ミロガバリン製剤
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