日経メディカル処方薬事典データ協力:株式会社メドレー

インターフェロン製剤(肝炎治療薬)解説

いんたーふぇろんせいざい(かんえんちりょうやく)

薬の解説

薬の効果と作用機序

  • 抗ウイルス作用や腫瘍増殖抑制作用などをあらわすインターフェロン(IFN)の製剤で、ウイルス性肝炎(C型やB型)などの治療に使われる薬
    • ウイルス性肝炎はウイルス(C型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルスなど)の感染よっておこりC型やB型は慢性肝炎になりやすく、慢性化すると肝硬変や肝がんがおこりやすくなる
    • インターフェロン(IFN)は体内でウイルスや腫瘍細胞などの異物に対して産生されるサイトカインという物質の一つ
    • IFNは抗ウイルス作用、腫瘍増殖抑制作用、免疫活性を制御する作用などをあらわす
  • 本剤の中にはペグ(PEG:ポリエチレングリコール)という物質を結合させ、週1回投与を可能にしたペグインターフェロン(PEG-IFN)製剤もある
  • 本剤によるC型肝炎治療はリバビリン(抗ウイルス薬)との併用療法も可能となっている(但し、スミフェロンを除く)
  • 本剤の中にはC型肝炎やB型肝炎の他、一部のがん治療などに使われるものもある

詳しい薬理作用

ウイルス性肝炎はウイルスの感染によっておこる肝臓疾患で、C型肝炎はC型肝炎ウイルス(HCV)、B型肝炎はB型肝炎ウイルス(HBV)に感染することによっておこる。慢性肝炎になりやすいのはC型肝炎やB型肝炎で、肝臓の細胞が壊され慢性化すると肝硬変や肝がんへ進行する。C型肝炎の治療としてはインターフェロンや抗ウイルス薬による治療が行われている。

インターフェロン(IFN)は体内でウイルスなどの病原体や腫瘍細胞などの異物に対して産生されるサイトカインと呼ばれるタンパク質の一つで、その名称の由来はウイルスを抑制する因子として発見された経緯から、ウイルス干渉因子(Interference Factor)として「Interferon(IFN)」と呼ばれるようになった。IFNにはいくつか種類(ファミリー)に分かれ、IFN-α、β、ωなどのI型IFN、IFN-γのII型IFNなどがある。

IFN-αとIFN-βは類似した構造を持っていて、抗ウイルス作用、細胞増殖や免疫応答の調節、細胞の分化誘導の調節などの作用をあらわす。

本剤はIFN-αやIFN-βを主成分とし肝炎治療に使われるIFN製剤で、C型肝炎の他、B型肝炎の治療に使われる製剤もある。またIFNによるサイトカイン療法は腎がん(腎細胞がん)などのがん治療の選択肢にもなっていて、本剤の中にはがん治療などへの保険適用を持つ製剤(例:腎がんや多発性骨髄腫などの保険適用を持つイントロン®Aやスミフェロン®など)もある。(但し、例えば、腎がんにおける薬物治療の主流は分子標的薬になっているなど、適応などを十分に考慮した上での使用が一般的となっている)

従来のインターフェロン製剤は作用の持続性が短く、連日または週3回の投与によって行われていた。ペグインターフェロン(PEG-IFN)は、インターフェロン(IFN)にペグ(PEG:ポリエチレングリコール)という物質を結合させ、注射後のIFNの吸収・分解を遅らせることで持続性を担保し、週1回の投与を可能にした製剤(製剤名:ペガシス®、ペグイントロン®)となる。

尚、IFN製剤は2001年より抗ウイルス薬であるリバビリンとの併用療法が可能となり、C型肝炎ウイルス(特に遺伝子型1b高ウイルス量の症例)に対して著効する割合が高くなったが、その一方で副作用に関してはより注意が必要となる。

主な副作用や注意点

  • インフルエンザ様症状
    • 発熱、悪寒、頭痛、全身倦怠感、関節痛などのインフルエンザに類似した症状があらわれる場合がある
  • 精神神経系症状
    • 頭痛、不眠、めまい、知覚異常、抑うつなどがあらわれる場合がある
  • 消化器症状
    • 食欲不振、吐き気、下痢、口内炎などがあらわれる場合がある
  • 皮膚症状
    • 脱毛、発疹、痒みなどがあらわれる場合がある
  • 甲状腺機能障害
    • 頻度は稀だが、甲状腺機能亢進症や甲状腺機能低下症などの甲状腺機能の異常があらわれる場合がある
  • 眼症状
    • 頻度は非常に稀とされるが、視力低下や網膜症などがあらわれる場合がある
  • 血液症状
    • 貧血、白血球減少、血小板減少などがあらわれる場合がある
  • 間質性肺炎
    • 頻度は非常に稀とされるが、間質性肺炎や肺線維症などがあらわれる場合がある
    • 息切れがする・息苦しくなる、空咳が出る、発熱するなどがみられ、これらの症状が急にあらわれたり続いたりする場合は放置せず、医師や薬剤師に連絡する
  • 漢方薬の使用に関する注意
    • 本剤による治療中は、漢方薬の小柴胡湯(ショウサイコトウ)は併用禁忌(併用しないこと)となる
    • 過去にインターフェロン製剤と小柴胡湯(ショウサイコトウ)の併用時に間質性肺炎があらわれた症例が報告されている

一般的な商品とその特徴

ペガシス

  • ペグインターフェロン-α-2a製剤
  • C型肝炎の他、B型肝炎(B型慢性活動性肝炎におけるウイルス血症の改善)への保険適用を持つ

ペグイントロン

  • ペグインターフェロン-α-2b製剤
  • C型肝炎の他、悪性黒色腫(悪性黒色腫における術後化学療法)への保険適用を持つ

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