処方薬事典データ協力:株式会社メドレー
※キーワードをスペースで区切るとAND検索に、半角の「|」で挟むとOR検索になります
セレキシパグ 解説
せれきしぱぐ
セレキシパグの解説
薬の解説
-
プロスタサイクリン受容体(IP受容体)に作用し血管拡張作用などをあらわすことで肺血管抵抗や肺動脈圧を低下させる薬
- 肺動脈性肺高血圧症(PAH)は肺の中の動脈が狭くなったり硬くなるなどにより、肺動脈圧が上昇し呼吸器症状や心不全症状などがあらわれる
- 体内物質プロスタサイクリン(PGI2)はIP受容体に作用し血管拡張作用などをあらわす
- 本剤はIP受容体に作用し、血管拡張作用や血管平滑筋増殖抑制作用などをあらわす
- 本剤はプロスタサイクリン及びその誘導体とは異なる化学構造(非プロスタノイド構造)を持つ薬剤
肺動脈性肺高血圧症(Pulmonary Arterial Hypertension:PAH)は肺の中の動脈が狭くなったり硬くなることで、肺動脈圧が上がって動作時の息苦しさや咳・痰などの呼吸器症状、心不全症状などがあらわれる。PAHの発生要因の一つとして体内物質プロスタサイクリン(PGI2)が深く関わることが分かっている。PGI2はプロスタサイクリン受容体(IP受容体)に作用することで、血管拡張作用、血管平滑筋増殖抑制作用、血小板活性化抑制作用などをあらわす。
本剤(セレキシパグ)はIP受容体へ結合することでIP受容体を活性化させ、肺動脈平滑筋細胞内のcAMPの増加による平滑筋弛緩及び肺動脈平滑筋細胞の増殖抑制作用などを介して、肺血管抵抗や肺動脈圧の低下作用をあらわす。
なお、IP受容体の作動薬としてはプロスタサイクリン及びその誘導体が注射薬などでPAHの治療薬として臨床で使われているが、本剤はそれらとは異なる非プロスタノイド構造を持つ薬剤であり、経口投与可能でかつ製剤の工夫(プロドラッグ化)により生体内で長時間にわたり血中濃度の維持が可能な製剤となっている。
-
精神神経系症状
- 頭痛、めまいなどがあらわれる場合がある
-
消化器症状
- 下痢、吐き気・嘔吐、腹痛などがあらわれる場合がある
-
筋骨格系症状
- 顎痛、筋肉痛、関節痛などがあらわれる場合がある
-
低血圧
- 頻度は稀だが、過度な血圧低下があらわれる場合がある
-
出血
- 頻度は稀だが、鼻出血などがあらわれる場合がある
-
甲状腺機能障害
- 頻度は稀だが、甲状腺機能亢進症や甲状腺機能低下症などの甲状腺機能異常があらわれる場合がある
-
通常、1日2回食後に服用する
- 肝障害がある場合などでは1日1回の服用となることも考えられ、処方医の指示通り適切に服用する
処方薬事典は、日経メディカル Onlineが配信する医療・医薬関係者向けのコンテンツです。一般の方もご覧いただけますが、内容に関するご質問にはお答えできません。服用中の医薬品についてはかかりつけの医師や薬剤師にご相談ください。