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ホリナートカルシウム(葉酸代謝拮抗剤の毒性軽減として) 解説
ほりなーとかるしうむ
ホリナートカルシウム(葉酸代謝拮抗剤の毒性軽減として)の解説
薬の解説
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細胞内で活性型葉酸になりDNA合成に関わることで、メトトレキサート(MTX)などの葉酸代謝拮抗剤による毒性を軽減させる薬
- 葉酸は細胞内で活性化され、細胞増殖などに必要なDNA合成に関与する
- 自己免疫疾患などの治療薬となるMTXは体内で葉酸生成に必要な酵素を阻害しDNA合成阻害作用などをあらわす
- 本剤はMTXが作用する酵素に関わらず、細胞内で活性型葉酸になりDNA合成に関わる
- ホリナートカルシウム製剤の中にはフルオロウラシルなどと併用することで、がん治療へ使用するものもある
メトトレキサート(MTX)は体内で細胞増殖に必要なDNA合成に必要な代謝された葉酸の生成に必要な葉酸代謝酵素(DHFR)を阻害することで、DNA合成を阻害し細胞増殖抑制作用や免疫抑制作用などをあらわし、関節リウマチなどの自己免疫疾患やがんなど様々な疾患の治療薬となる。
本剤はMTXが作用する酵素に関与せずに、細胞内で活性型の葉酸(5,10メチレンテトラヒドロ葉酸など)となり、MTXによって阻害されていた細胞のDNA合成を再開させる作用をあらわす。これにより本剤は葉酸代謝拮抗剤であるMTXなどの毒性軽減効果をあらわす。
また本剤の成分(ホリナート)は体内で光学活性体のレボホリナートとなり細胞内で5,10メチレンテトラヒドロ葉酸となるが、この物質は抗がん薬であるフルオロウラシルの抗腫瘍効果を高める効果をあらわす。その為(本剤は抗がん薬ではないが)、本剤の成分を含有する製剤の中には、フルオロウラシルなどと併用し消化器がんなどのがん治療に使用するもの(ロイコボリン錠25mg、ユーゼル錠25mg)もある。
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過敏症
- 頻度は非常に稀とされるが、発疹、発熱、発赤などがあらわれる場合がある
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アナフィラキシー
- 頻度は極めて稀とされるがおこる場合がある
- 皮膚の痒み、蕁麻疹、声のかすれ、喉の痒み、息苦しさ、動悸、意識の混濁などがみられた場合は放置せず、速やかに医師や薬剤師に連絡する
- 主にメトトレキサート通常療法、CMF(シクロホスファミド・メトトレキサート・フルオロウラシル)療法、メトトレキサート関節リウマチ療法などによる毒性軽減で使用する
- ロイコボリンの規格に「ロイコボリン錠25mg」があるが、この製剤は主にフルオロウラシルの抗腫瘍効果を高める目的で使用する(ホリナート・テガフール・ウラシル療法)
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