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ロモソズマブ(骨粗しょう症治療薬) 解説
ろもそずまぶ(こつそしょうしょうちりょうやく)
ロモソズマブ(骨粗しょう症治療薬)の解説
薬の解説
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骨をつくる過程(骨形成)を抑える物質の働きを抑えることで骨密度を増やし骨折を予防する薬
- 骨粗しょう症は、骨を壊す過程(骨吸収)が骨をつくる過程(骨形成)を上回ることで、骨がもろくなり骨折などの危険性が増す
- 骨形成の抑制因子としてスクレロスチンという物質がある
- 本剤はスクレロスチンの働きを抑えることで骨形成の促進作用をあらわす
- 本剤には骨吸収を抑える効果なども考えられている
骨粗しょう症は、破骨細胞による骨を壊す過程(骨吸収)と骨芽細胞による骨をつくる過程(骨形成)のバランスが崩れることで、骨がもろくなってしまい、転倒による骨折などが引き起こされる危険性が高くなる。
骨をつくる骨形成では、Wntというシグナル伝達の活性化から、いくつかの伝達を経て骨芽細胞の分化が誘導されることで最終的に骨形成が促進するという仕組みが考えられている。このWntシグナル伝達を抑制する因子として骨の内部で産生されるスクレロスチンという物質(糖タンパク質のひとつ)があり、この物質の働きを抑えることができれば、骨形成の促進が期待できる。
ロモソズマブは、スクレロスチンに結合し、この物質の働きを阻害することで骨芽細胞による骨基質産生を促進し、骨前駆細胞を動員することで骨形成の促進作用をあらわす。また、ロモソズマブにはいくつかのシグナル伝達経路を介して骨を壊す骨吸収を抑制する作用も考えられている。
なお、本剤は、特定物質に結合する抗体として造られたモノクローナル抗体製剤で、その中でも抗原結合部位(相補性決定部)がマウス抗体由来でそのほかはヒト抗体由来のヒト化抗体製剤となる。
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注射部位反応
- 疼痛、紅斑、浮腫などはあらわれる場合がある
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感染症
- 鼻咽頭炎などがあらわれる場合がある
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低カルシウム血症
- 頻度は稀だが、QT延長、痙攣、テタニー、しびれなどを伴う低カルシウム血症があらわれる場合がある
- 通常、症状軽減のため、カルシウム製剤やビタミンD製剤などの併用が考慮されるが注意は必要
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心血管系症状
- 頻度は稀とされるが、虚血性心疾患や脳血管障害などが引き起こされる可能性がある
- しめ付けられるような胸の痛み、冷汗、突然の意識の低下、突然の頭痛、突然しゃべりにくくなる、などの症状がみられた場合は放置せず、医師や薬剤師へ連絡する
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筋・骨格系症状
- 関節痛、筋痙縮などがあらわれる場合がある
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使用方法などに関して
- 通常、1ヶ月に1回、皮下注射で投与し、12ヶ月継続する
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