日経メディカル処方薬事典データ協力:株式会社メドレー

サリドマイド関連薬解説

さりどまいどかんれんやく

薬の解説

薬の効果と作用機序

  • サリドマイド(又はサリドマイドに類似した化学構造をもつ薬剤)による、がん細胞に対する増殖抑制作用などにより抗腫瘍効果をあらわす薬
    • 多発性骨髄腫は白血球のがん化により免疫低下などにより、感染、貧血、骨折、腎障害などの症状があらわれる
    • サリドマイドはがん細胞増殖因子となる血管新生や炎症性サイトカインの抑制をあらわすとされる
    • サリドマイドはがん細胞増殖抑制因子となるNK(ナチュラルキラー)細胞やT細胞などの免疫系の増強・調節作用や腫瘍細胞の自滅誘導作用・増殖抑制作用などをあらわすとされる
  • 本剤は催奇形性をもつため、避妊や薬剤の保管などに関して「安全管理手順」に沿って使用する

詳しい薬理作用

がん細胞は無秩序な増殖を繰り返し正常な細胞を障害し、転移を行うことで本来がんのかたまりがない組織でも増殖する。

多発性骨髄腫は白血球の一つである形質細胞のがん化によりおこる造血器腫瘍で、本来であれば形質細胞から産生するはずの抗体が細胞のがん化によりパラプロテイン(Mタンパク)という抗体として作用しないタンパク質を産生する。これにより免疫低下などがおこり、感染、貧血、骨折、腎障害など様々な症状があらわれる。

サリドマイド関連薬はサイドマイド及びサリドマイドに類似した化学構造をもつ薬剤であり、血管新生抑制作用、(がん増殖因子となる)炎症性サイトカインの抑制作用、NK(ナチュラルキラー)細胞やT細胞などの免疫系の増強・調節作用、腫瘍細胞の自滅(アポトーシス)誘導及び細胞増殖抑制作用などをあらわすとされるが、詳細には解明されていない。

サリドマイド自体は1950年代に非常に重大な薬害を引き起こした薬剤ではあるが、近年、多発性骨髄腫などへの有効性が確認され使用されることになった。但し、過去に薬害を引き起こした催奇形性などへのケアは必須であり、基本的には「安全管理手順」に従った厳格な薬剤管理などにより使用される薬剤となる。

主な副作用や注意点

  • 精神神経系症状
    • めまい、眠気、ふるえ、しびれ、不眠などがあらわれる場合がある
  • 消化器症状
    • 便秘、下痢、吐き気、腹痛などがあらわれる場合がある
  • 末梢神経障害
    • 末梢性ニューロパチーなどの神経障害があらわれる場合があり、手足のしびれ、うずき、痛み、手足の感覚がなくなるなどがみられた場合は放置せず、医師や薬剤師に連絡する
  • 骨髄抑制
    • 好中球減少症、貧血、血小板減少症などの骨髄抑制があらわれる場合がある
    • 上記などにより、肺炎や敗血症などの重篤な感染症があらわれる場合もあり十分注意する
  • 深部静脈血栓症などに関して
    • 深部静脈血栓症や肺塞栓症などがあらわれる場合があり、急な片側下肢の膨張、疼痛、しびれ、胸痛、呼吸困難などの症状がみられる場合は速やかに医師や薬剤師に連絡する
  • 催奇形性
    • 催奇形性があるため、妊娠又は妊娠している可能性のある妊婦へは禁忌(決して投与してはならない)
    • 上記の他にも授乳の禁止など、基本的に本剤の「安全管理手順」などに基づき使用される

一般的な商品とその特徴

サレド

  • 多発性骨髄腫の他、らい性結節性紅斑で使用する場合もある

レブラミド

  • 多発性骨髄腫で使用する他、(5番染色体長腕部欠失を伴う)骨髄異形成症候群で使用する場合もある

ポマリスト

  • 本剤は通常、レナリドミド(商品名:レブラミド)及びボルテゾミブ(商品名:ベルケイド)の治療歴がある多発性骨髄腫患者に使用する

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