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分子標的薬(アレムツズマブ) 解説
ぶんしひょうてきやく(あれむつずまぶ)
分子標的薬(アレムツズマブ)の解説
薬の解説
薬の効果と作用機序
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白血球細胞の表面に発現しているCD52抗原というタンパク質に結合し、結合した細胞を溶解する作用をあらわす薬
- 慢性リンパ性白血病(CLL)はリンパ球B細胞が末梢血、骨髄、リンパ節、脾臓などで増殖する悪性腫瘍
- B細胞、T細胞及びCLL細胞などの表面にはCD52抗原というタンパク質が発現している
- 本剤はCLL細胞の表面のCD52抗原に結合し細胞溶解作用をあらわす
- 本剤は特定分子の情報伝達などを阻害することで抗腫瘍効果をあらわす分子標的薬となる
詳しい薬理作用
がん細胞は無秩序な増殖を繰り返し正常な細胞を障害し、転移を行うことで本来がんのかたまりのない組織でも増殖する。
慢性リンパ性白血病(CLL)はリンパ球の一つであるリンパ球B細胞が末梢血、骨髄、リンパ節、脾臓などで増殖する悪性腫瘍の一つ。
白血球の中のB細胞、T細胞、単球、マクロファージ、ナチュラルキラー細胞及びCLL細胞にはCD52抗原というタンパク質が発現している。
本剤はCLL細胞の表面に発現しているCD52抗原に結合することで、抗体依存性細胞障害作用(ADCC)と補体依存性細胞障害作用(CDC)により細胞溶解作用をあらわすとされる。
本剤は特定物質に結合する抗体として造られたモノクローナル抗体であり、特定分子の情報伝達などを阻害することで抗腫瘍効果をあらわす分子標的薬となる。
主な副作用や注意点
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インフュージョンリアクション(薬剤投与による免疫反応などによりおこる有害事象)
- 悪寒、発熱、吐き気・嘔吐、呼吸困難、発疹、低血圧などがあらわれる場合がある
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血液障害(顆粒球減少症、無顆粒球症、好中球減少、血小板減少 など)
- 突然の高熱、喉の痛み、めまい、出血、あおあざができる、息切れ、動悸などがみられた場合は放置せず、医師や薬剤師に連絡する
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感染症
- 血球減少などにより、肺炎などの重篤な感染症があらわれる場合があり十分注意する
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腫瘍崩壊症候群
- 体内の尿酸が増える、カリウムなどの電解質バランスが崩れるなどがあらわれる場合がある
- 治療開始後、尿量が減ったなどがみられた場合は医師、看護師、薬剤師に連絡する
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心障害(うっ血性心不全、心筋症 など)
- 動くと息苦しい、疲れやすい、むくみ、急な体重の増加、動悸などがみられた場合は放置せず、医師や薬剤師に連絡する
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進行性多巣性白質脳症
- 頻度は稀とされるが、意識障害、認知障害、麻痺症状、言語障害などがみられた場合は放置せず、医師や薬剤師に連絡する
一般的な商品とその特徴
マブキャンパス
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インフュージョンリアクション予防のための前投与に関して
- 通常、投与30分前に抗ヒスタミン薬、解熱鎮痛薬を投与する
- 場合によっては本剤の投与1時間前に副腎皮質ホルモンを投与することもある
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