日経メディカル処方薬事典データ協力:株式会社メドレー

ST合剤解説

えすてぃーごうざい

薬の解説

薬の効果と作用機序

  • 細菌などが行う葉酸合成と葉酸の活性化を阻害し増殖を抑えることで抗菌作用をあらわす薬
    • 細菌などの増殖には遺伝情報を含むDNAの複製が必要でDNAの複製には葉酸が必要となる
    • 細菌などは自ら葉酸を作り、活性化させることでDNAの複製に使用する
    • 本剤は葉酸合成阻害作用をもつ薬剤と葉酸の活性化を阻害する薬剤の配合剤
  • 真菌が原因でおこるニューモシスチス肺炎に使用する場合もある

詳しい薬理作用

細菌の増殖には遺伝情報を含むDNAの複製が必要であり、DNAが作られる材料の一つに葉酸がある。ヒトは食事などで葉酸を外から取り込めるが、細菌は外から取り込むことができず自ら葉酸を合成しDNAの材料として使う。細菌はパラアミノ安息香酸など物質から葉酸(ジヒドロ葉酸)を作り、さらに葉酸をテトラヒドロ葉酸というものに活性化する過程を経てDNAの複製を行う。

本剤はスルファメトキサゾールとトリメトプリルという成分の配合剤で、前者が葉酸(ジヒドロ葉酸)を作る過程で必要な酵素を阻害、後者がテトラヒドロ葉酸に活性化する酵素を阻害し細菌のDNA複製を阻害する。これにより細菌の増殖を抑え抗菌作用をあらわす。また真菌であるニューモシスチス菌に対しても抗菌作用をもち、免疫抑制薬による治療など何らかの理由により免疫が低下している状態で多くみられるニューモシスチス肺炎の治療や予防に使用する場合もある。

主な副作用や注意点

  • 皮膚症状
    • 発疹、痒み、紅斑(赤い斑点)、水疱、蕁麻疹などがあらわれる場合がある
  • 消化器症状
    • 食欲不振、吐き気・嘔吐、下痢、腹痛などがあらわれる場合がある
  • 血小板減少症、無顆粒球症など
    • 頻度は非常に稀である
    • 手足に点状出血、あおあざができやすい、出血しやすい、突然の高熱、さむけなどがみられた場合は放置せず、医師や薬剤師に連絡する

一般的な商品とその特徴

バクタ ダイフェン

  • 錠剤と顆粒剤があり、用途などによって選択が可能

バクトラミン

  • 錠剤、顆粒剤、注射剤があり用途などによって選択が可能

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. 医師国試合格発表、合格率は89.0%にダウン 9029人の新医師が誕生、あなたの大学の合格率は? FBシェア数:488
  2. 自己決定による治療中止に警察は介入しない 武蔵野大学法学部法律学科特任教授の樋口範雄氏に聞く FBシェア数:193
  3. 病理医がAIに置き換わらない理由、教えます シリーズ◎何でもPros Cons【医師の仕事は半分以上AIに置き換わる?】 FBシェア数:108
  4. ディレグラ処方の査定にご注意を! セキララ告白!個別指導 FBシェア数:50
  5. 「病院を大津波が襲った日」を今改めて読む意味 記者の眼 FBシェア数:47
  6. 50代開業におけるライバルは若手。手ごわいよ シリーズ◎何でもPros Cons【50代、開業する? 勤務医続ける?】 FBシェア数:24
  7. 感染対策における俺たち例外主義(その2) 森井大一の「医療と経済と行政の交差点」 FBシェア数:6
  8. マニキュアを取ったら爪が緑色に!? 佐藤俊次の「毎日使うダーモスコピー!」 FBシェア数:10
  9. 高齢者の尿路感染症には速やかな抗菌薬が有効 BMJ誌から FBシェア数:63
  10. 世界初、iPS細胞による脊髄損傷の臨床研究開始 インタビュー◎iPS細胞由来の神経幹細胞移植で機能改善を目指す FBシェア数:181
医師と医学研究者におすすめの英文校正