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パントテン酸製剤 解説
ぱんとてんさんせいざい
パントテン酸製剤の解説
薬の解説
薬の効果と作用機序
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体内にパントテン酸を補充し、エネルギー代謝などに関与して、脂質異常症、湿疹、便秘などを改善する薬
- パントテン酸は水溶性(水に溶けやすい性質)ビタミンでエネルギー代謝などに関わっている
- エネルギー代謝に関わることで、コレステロール低下や血小板数改善するなどの作用をもつ
- 副腎皮質ホルモンの合成にも関与し、ストレスに対する防御機能を高めるとされる
- アミノグリコシド系抗菌薬による副作用の予防や治療に使用する場合もある
詳しい薬理作用
パントテン酸は水溶性(水に溶けやすい性質)ビタミンで、CoA(コエンザイムA)と呼ばれる補酵素の構成成分であり、体内の糖質、脂質、アミノ酸などが関与するエネルギー代謝に関わっている。これにより、コレステロール低下作用、HDLコレステロール(善玉コレステロール)増加作用、血小板数改善作用、腸管蠕動促進作用など様々な作用をもつ。また、副腎で作られる副腎皮質ホルモンの合成にも関与し、このホルモンは抗ストレスホルモンでもあるため、パントテン酸はストレスに対する防御機能を高める作用があるとされる。
本剤は体内でパントテン酸に変化し、脂質異常症、湿疹、便秘、血液疾患などの予防や治療に使用される。また、パントテン酸には薬剤の解毒作用があるとされ、抗菌薬(主にストレプトマイシンやカナマイシン)の解毒目的で使用される場合も考えられる。
主な副作用や注意点
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消化器症状
- 非常に稀だが、下痢・軟便などの症状があらわれる場合がある
一般的な商品とその特徴
パントシン
- 成分のパンテチンが体内でパントテン酸へ変化して効果をあらわす
- 散剤や注射薬もあり、嚥下機能の低下した患者などへのメリットが考えられる
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