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α-グルコシダーゼ阻害薬 解説
あるふぁぐるこしだーぜそがいやく
α-グルコシダーゼ阻害薬の解説
薬の解説
薬の効果と作用機序
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腸での糖の消化吸収を遅らせて食後の過血糖を改善し、糖尿病での合併症の進行を抑える薬
- 食後の急激な血糖値の上昇は、糖尿病の合併症を引き起こす要因のひとつとされる
- 血糖値はα-グルコシダーゼという酵素によって摂取した糖がブドウ糖に分解され、血管に吸収されて上昇する
- 本剤はα-グルコシダーゼを阻害することで、糖の吸収を遅らせ食後の急激な血糖値の上昇を抑える
- 通常、食直前(一般的には、食事を摂る前の10分以内)に服用する
- 特徴的な副作用として腹部膨満や放屁などがある
詳しい薬理作用
血糖値はブドウ糖が血管に吸収されて上昇する。食後の急激な血糖値の上昇は後々の合併症(心筋梗塞や脳卒中なども含む)の危険因子となる。
食物が体内に入ると分解されてショ糖(砂糖)などの二糖類になり、さらにα-グルコシダーゼという酵素によってブドウ糖になり血管へ吸収され血糖値が上昇する。α-グルコシダーゼを阻害すると、血管への糖の吸収を遅らせることができ、食後の血糖値の上昇が緩やかになる。
本剤はα-グルコシダーゼを阻害することで、食後の急激な血糖値の上昇を抑え、合併症の進行を抑える作用などをあらわす。
本剤の作用により、未消化の糖の一部が大腸で腸内細菌によって発酵されることで、腹部膨満や放屁などがあらわれる場合がある。また本剤服用中での低血糖時には、α-グルコシダーゼ阻害作用により、ショ糖(砂糖)などの二糖類では十分な効果が得られないことが考えられるため、ブドウ糖の摂取が推奨される。
なお、本剤 は「α-GI」と呼ばれることがあるが、これは「α-Glucosidase Inhibitor(α-グルコシダーゼ阻害薬)」の略称。
主な副作用や注意点
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低血糖
- 冷や汗がでる、気持ちが悪くなる、手足がふるえる、ふらつく、力のぬけた感じがするなどの症状が急に出現したり持続したりする
- 上記のような症状がみられる場合は、ブドウ糖を摂取する
- ブドウ糖を摂取しても症状の改善がみられない場合は、医師や薬剤師に連絡する
- 高所作業、自動車の運転などに従事している場合は注意する
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消化器症状(腹部膨満感や放屁など)
- 未消化の糖の一部が大腸へ移行し、腸内細菌によって発酵される
- 腸内細菌による発酵でガスがたまり、腹部膨満や放屁(おなら)などがあらわれる場合がある
- 腸内にガスがたまることで腸閉塞などが起こる可能性がある
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腸閉塞、イレウス
- 頻度は稀である
- お腹がはる、著しい便秘、腹痛、吐き気、おう吐などの症状がみられた場合は放置せず、医師や薬剤師に連絡する
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肝機能障害
- 頻度は稀である
- 倦怠感、食欲不振、黄疸などの症状がみられた場合は放置せず、医師や薬剤師に連絡する
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服用方法に関しての注意
- 通常、食直前(一般的には、食事を摂る前の10分以内)に服用する
- 食事前のあまり早い時間帯に服用すると食事前に薬の効果があらわれ低血糖などがおこる場合がある
一般的な商品とその特徴
グルコバイ
- アカルボース製剤
- OD錠(口腔内崩壊錠)があり、嚥下機能が低下している患者などへのメリットが考えられる
セイブル
- ミグリトール製剤
- OD錠(口腔内崩壊錠)があり、嚥下機能が低下している患者などへのメリットが考えられる
- 一般的に、消化器症状の中では便秘に比べて下痢の方がおこりやすいとされる
ベイスン
- ボグリボース製剤
- OD錠(口腔内崩壊錠)があり、嚥下機能が低下している患者などへのメリットが考えられる
- 耐糖能異常における2型糖尿病の発症を抑える目的で使用する場合もある
- 本剤の成分(ボグリボース)と糖尿病治療薬のグリニド系薬(ミチグリニド)との配合剤(グルベス配合錠)がある
薬の種類一覧
α-グルコシダーゼ阻害薬の医療用医薬品(処方薬)
内用薬:錠剤
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