日経メディカル処方薬事典データ協力:株式会社メドレー

チアゾリジン薬解説

ちあぞりじんやく

薬の解説

薬の効果と作用機序

  • インスリンの効きを改善し、組織(筋肉、脂肪)での糖(ブドウ糖)取り込み、糖利用の改善や肝臓での糖放出を抑えることで血糖値を改善する薬
    • 糖尿病は血糖値が高い状態であり、その原因が血糖を下げるインスリンが効きにくくなっている場合がある
    • インスリンへの抵抗性が増えると筋肉組織や脂肪組織における糖の取り込みや糖の利用が低下し、血糖が上がりやすくなる
    • インスリンへの抵抗性が増えると肝臓での糖の放出が増え、血糖が上がりやすくなる
    • 本剤はインスリン抵抗性を改善することで、筋肉組織及び脂肪組織における糖の取り込みや糖の利用を促進し、肝臓における糖の放出を抑制することで血糖値を改善する作用をあらわす
  • 本剤による特徴的な副作用にむくみや体重増加などがある

詳しい薬理作用

糖尿病は血液中の血糖(ブドウ糖)が適正な量を超えて増えてしまった状態で、血糖値が高い状態が続くと様々な合併症がおこる。

インスリンは血糖値を下げる唯一のホルモンである。糖尿病では体内でインスリンが効きにくくなっている場合がある。

体内の脂肪細胞は肥大化するとインスリンの働きを悪くする物質を出すようになる。また脂肪細胞が肥大化するとブドウ糖が取り込めなくなる。肥大化した脂肪細胞を小型の脂肪細胞にすればインスリンの働きを悪くする物質の放出を抑え(インスリン抵抗の改善)、ブドウ糖を取り込みやすくなる。

筋肉組織ではグリコーゲンの合成や解糖(ブドウ糖を分解する)作用が行われていて、これを亢進させると血糖が低下しやすくなる。また筋肉組織におけるTNF-α(サイトカインと呼ばれる体内物質)の産生を抑えると血糖が下がりやすくなる。

肝臓では糖の産生や糖の取り込みなどの働きが行われていて、糖産生を抑えたり、糖の取り込みを亢進することにより血糖が下がりやすくなる。

本剤は肥大化した脂肪細胞に作用し小型の脂肪細胞にかえることで、インスリンへの抵抗を改善、ブドウ糖を取り込みやすくすることで血糖値を下げる作用をあらわす。また筋肉組織ではグリコーゲンの合成や解糖作用の亢進、TNF-α産生抑制によって糖の取り込みや糖の利用を促進させる。加えて肝臓における糖の放出抑制作用をあらわし、これらの作用により血糖値を改善する作用をあらわす。

 

主な副作用や注意点

  • 低血糖
    • 冷や汗がでる、気持ちが悪くなる、手足がふるえる、ふらつく、力のぬけた感じがするなどの症状が急に出現したり持続したりする
    • 上記のような症状がみられる場合は、吸収の速い糖分などを摂取する
    • 糖分を摂取しても症状の改善がみられない場合は、医師や薬剤師に連絡する
    • 高所作業、自動車の運転などに従事している場合は注意する
  • 肝機能障害
    • 頻度は非常に稀である
    • 倦怠感、食欲不振、黄疸などが続く場合は放置せず、医師や薬剤師に連絡する
  • むくみや体重増加などの副作用に関して
    • 一般的に男性より女性の方がおこりやすいとされる
    • 疲れやすい、足がむくむ、急に体重が増えたなどの症状があらわれたら放置せず、医師や薬剤師に連絡する

一般的な商品とその特徴

アクトス

  • ピオグリタゾン製剤
  • OD錠(口腔内崩壊錠)があり、嚥下機能の低下した患者などへのメリットが考えられる
  • 本剤の成分と他の糖尿病治療薬との配合剤に関して
    • ビグアナイド系薬との配合剤(メタクト配合錠)がある
    • DPP-4阻害薬との配合剤(リオベル配合錠)がある
    • スルホニルウレア系薬(SU剤)との配合剤(ソニアス配合錠)がある
  • 本剤による糖尿病治療は脳梗塞の再発予防にも効果が期待できるとされる

薬の種類一覧

チアゾリジン薬の医療用医薬品(処方薬)

内用薬:錠剤

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