日経メディカル処方薬事典データ協力:株式会社メドレー

5-アミノサリチル酸製剤(5-ASA製剤)解説

5あみのさりちるさんせいざい(5あさせいざい)

薬の解説

薬の効果と作用機序

  • 炎症性腸疾患における腸などの炎症を抑え、腹痛、下痢、下血などの症状を改善する薬
    • 潰瘍性大腸炎やクローン病は炎症性腸疾患であり、免疫異常により腹痛、下痢などの症状があらわれる
    • 炎症性腸疾患は腸の粘膜細胞が攻撃を受けて潰瘍などが生じるが、クローン病では腸の他に、関節、目、肛門などでも炎症などがおこる場合がある
    • 本剤は腸などにおける炎症を抑える作用をあらわす
  • 本剤は体内で主にメサラジン(5-アミノサリチル酸:5-ASA)の作用により、抗炎症作用をあらわすとされる

詳しい薬理作用

潰瘍性大腸炎やクローン病は炎症性腸疾患と呼ばれ、免疫異常により腸の粘膜細胞が攻撃され潰瘍をつくる慢性の病気で、腹痛、下痢、下血などの症状があらわれる。クローン病では腸以外の場所でも免疫異常がおこり、関節炎、目の炎症、肛門部病変などがあらわれる場合がある。

炎症性腸疾患では免疫の異常により、炎症性細胞から放出される活性酸素や炎症反応などに深く関わるロイコトリエンという物質などが原因でおこるとされる。

本剤は活性酸素の除去作用やロイコトリエンの生成抑制作用などにより、炎症性腸疾患の諸症状を改善する作用をあらわす。

本剤の中でサラゾスルファピリジン(主な商品名:サラゾピリン)は体内で代謝され、スルファピリジンとメサラジン(5-アミノサリチル酸:5-ASA)に変換され、主にメサラジンが炎症を抑える成分となる。メサラジンを成分とする製剤で主に小腸から大腸にかけてメサラジンが放出されるように造られた製剤がペンタサとなる。また、メサラジンをより大腸で放出されるようにし、潰瘍性大腸炎治療により効果をあらわすように造られた製剤(pH依存型放出調節製剤)がアサコールとなる。

なお、2016年11月に発売されたリアルダはメサラジンのフィルムコーティング錠で通常、1日1回の投与が可能な製剤となっている。この製剤は胃内及び小腸付近でのメサラジンの放出が抑制され、大腸付近に移行すると徐々(持続的)にメサラジンが放出されるよう工夫が施されている。

主な副作用や注意点

  • 消化器症状
    • 下痢、腹痛、吐き気、腹部膨満などがあらわれる場合がある
  • 発熱、頭痛など
    • 発熱、頭痛、関節痛、倦怠感などがあらわれる場合がある
  • 間質性肺炎
    • 頻度は非常に稀である
    • 息切れ・息苦しさ、空咳、発熱などがあらわれる場合がある
    • 上記の様な症状がみられこれらの症状が急に出現したり、持続したりする場合は、医師や薬剤師に連絡する

一般的な商品とその特徴

サラゾピリン

  • 体内で代謝を受けてメサラジンを放出する製剤で潰瘍性大腸炎などに使用する
  • 錠剤と坐剤があり、用途などによって選択が可能
  • 本剤の成分(サラゾスルファピリジン)を利用した抗リウマチ薬(主な商品名:アザルフィジンEN)がある

ペンタサ

  • メサラジンを主に小腸から大腸にかけて放出するように造られた製剤
  • 主に潰瘍性大腸炎、クローン病に使用する
  • 錠剤、坐剤、注腸(薬剤を直腸内へ注入する製剤)、顆粒剤があり用途などによって選択が可能

アサコール

  • メサラジンを大腸に特化して放出されるように造られた製剤
  • 主に潰瘍性大腸炎に使用する

リアルダ

  • メサラジンを持続的に大腸全域に放出されるように造られた製剤
    • 1日1回の投与(通常「食後」に服用)が可能で、服薬回数などに対するメリットが期待できる
    • 主に潰瘍性大腸炎に使用する

薬の種類一覧

5-アミノサリチル酸製剤(5-ASA製剤)の医療用医薬品(処方薬)

外用薬:挿入剤

内用薬:散剤

内用薬:錠剤

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