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鎮咳薬(コデイン類含有製剤) 解説
ちんがいやく(こでいんるいがんゆうせいざい)
鎮咳薬(コデイン類含有製剤)の解説
薬の解説
薬の効果と作用機序
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コデインによる咳中枢への作用などにより咳を抑え呼吸症状などを改善する薬
- 咳はウイルスなどの異物や異物をからめとった痰を体外に排出しやすくする生体防御反応だが、体力の消耗や不眠などを引き起こす場合もある
- コデインは中枢や末梢神経への作用により鎮咳作用、鎮痛作用、消化管運動抑制作用などをあらわす
- 本剤はコデイン又はジヒドロコデインを含有する製剤となる
- 鎮咳目的の他、疼痛緩和や激しい下痢症状緩和目的で使用する薬剤もある
詳しい薬理作用
咳はウイルスなどの異物や痰を体外へ排出しやすくする生体内防御反応に一つだが、咳によって体力の消耗や不眠などを引き起こす場合もある。
咳はウイルスなどの異物を感知して延髄にある咳中枢から指令が呼吸を行う筋肉に送られておこる。
コデインはオピオイド受容体というものを活性化させ神経伝達物質の遊離や神経細胞の興奮性が低下することで、神経細胞の活動を抑制する作用などをあらわし、咳中枢に対しても抑制作用によって鎮咳作用をあわらす。
本剤はコデイン又はジヒドロコデインを含有する製剤であり高い鎮咳効果が期待できる反面、呼吸抑制作用などの副作用に注意が必要となる。また本剤の中には鎮咳目的の他、疼痛緩和や(消化管運動抑制作用を利用して)激しい下痢症状の改善目的などで使用する薬剤もある。
主な副作用や注意点
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消化器症状
- 便秘、吐き気・嘔吐などがあらわれる場合がある
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精神神経系症状
- 眠気、めまいなどがあらわれる場合がある
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呼吸抑制
- 呼吸中枢への直接抑制作用により、息切れ、呼吸異常などがあらわれる場合がある
- 喘息発作中の患者、重篤な呼吸抑制がある患者などへは原則として使用しない
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依存性
- 連用などにより、薬物依存を生じる場合があるので慎重に使用する
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12歳未満の小児等への使用に関する注意
- 呼吸抑制等のリスクを考慮し、コデイン含有製剤は原則として12歳未満の小児等には投与を行わないこととなっている
一般的な商品とその特徴
サリパラ・コデイン液
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コデインと桜皮(オウヒ)エキスの配合液剤
- 生薬である桜皮エキスは鎮咳・去痰作用をあらわす
カフコデN
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ジヒドロコデイン、ジプロフィリン、dl-メチルエフェドリン、ジフェンヒドラミン、アセトアミノフェン、ブロモバレリル尿素を配合した製剤
- 上記薬剤の配合により鎮咳作用の他、鎮痛作用、解熱作用などもあらわす
フスコデ
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ジヒドロコデイン、dl-メチルエフェドリン、クロルフェニラミンマレイン酸塩を配合した製剤
- エフェドリンの交感神経興奮作用やクロルフェニラミンマレイン酸塩の抗ヒスタミン作用によって咳を抑える作用などが増強されている
- 錠剤、シロップ剤があり嚥下能力などによって選択が可能
コデインリン酸塩,リン酸コデイン
- 錠剤(5mg、20mg)、散剤(1%散、10%散、原末)があり用途などによって選択される
- 疼痛緩和目的で使用する場合や(本剤の消化管運動抑制作用を利用して)激しい下痢症状の改善目的などで使用する場合もある
薬の種類一覧
鎮咳薬(コデイン類含有製剤)の医療用医薬品(処方薬)
内用薬:液剤
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ライトゲン配合シロップ(1mL) 先発品
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フスコデ配合シロップ(1mL) 後発品
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プラコデ配合シロップ(1mL) 後発品
内用薬:散剤
内用薬:錠剤
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