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筋萎縮性側索硬化症(ALS)治療薬 解説
きんいしゅくせいそくさくこうかしょうちりょうやく
筋萎縮性側索硬化症(ALS)治療薬の解説
薬の解説
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神経伝達物質のグルタミン酸やフリーラジカルなどに関わり、神経細胞の障害を抑えることでALSの進行を遅らせる薬
- 筋萎縮性側索硬化症(ALS)は筋肉を動かす命令を伝える神経の障害により筋力がなくなり最後は呼吸困難になる
- ALSは神経伝達物質のグルタミン酸による過剰興奮やフリーラジカルという物質などが原因でおこるとされている
- 本剤はグルタミン酸に対する阻害作用、フリーラジカル消去作用などをあらわすとされ、その作用は薬剤ごとで大きく異なる
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は筋肉を動かす命令を伝える神経が障害をうけることで、筋肉が痩せていき筋力がなくなり最終的に呼吸ができなくなり呼吸困難となる。この疾患の原因は詳細には解明されていないが、神経伝達物質であるグルタミン酸による過剰興奮に基づく運動ニューロン(骨格筋を支配する神経細胞)の変性などが考えられている。また、フリーラジカルという物質による酸化作用によっての細胞の障害がALSの発症に関わっていると考えられている。
本剤がどのように作用するかは解明されていない部分もあるが、
(1)リルゾール(主な商品名:リルテック)に関しては、グルタミン酸の遊離を阻害する作用やグルタミン酸の受容体であるAMP型やNMDA型といった興奮性アミノ酸受容体への阻害作用などにより、神経細胞の保護作用をあらわすとされている。
(2)エダラボン(商品名:ラジカット)はフリーラジカル消去による脂質過酸化を抑える作用により、神経細胞の酸化的障害を抑制する作用をあらわす。
上記の作用により本剤はALSの進行を遅らせるとされている。
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消化器症状
- 吐き気などがあらわれる場合がある
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無顆粒球症
- 頻度は非常に稀である
- 突然の高熱、さむけ、のどの痛みなどがみられた場合は放置せず、医師や薬剤師に連絡する
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肝機能障害
- 頻度は稀である
- 倦怠感、食欲不振、発熱、黄疸などがみられ症状が続く場合は放置せず、医師や薬剤師に連絡する
- グルタミン酸の遊離阻害作用などにより、ALSの進行を遅らせるとされる
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注意が必要な副作用に関して
- 無力感、めまい、頭痛などがあらわれる場合がある
- 元々は脳梗塞急性期に伴う虚血性脳血管障害(脳浮腫や脳梗塞など)を抑える薬剤
- フリーラジカル消去作用により、神経細胞の障害を抑えALSの進行を遅らせるとされる
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