処方薬事典データ協力:株式会社メドレー
※キーワードをスペースで区切るとAND検索に、半角の「|」で挟むとOR検索になります
四環系抗うつ薬 解説
よんかんけいこううつやく
四環系抗うつ薬の解説
薬の解説
-
脳内の神経伝達を改善し、意欲を高めたり、憂鬱な気分、不安、不眠などの症状を改善する薬
- うつ病では脳内のノルアドレナリンなどの神経伝達物質の働きが不調となり、意欲の低下、不安、不眠などの症状があらわれる
- 本剤は主に脳内のノルアドレナリンなどの働きを改善することで抗うつ作用をあらわす
- 本剤は一般的に、三環系抗うつ薬(本剤以前に開発された抗うつ薬)より抗コリン作用(神経伝達物質アセチルコリンの働きを抑える作用)などへの懸念が少ないとされる
うつ病では脳内の神経伝達物質であるノルアドレナリンやセロトニンなどの働きが不調に陥ることで脳の機能不全が引き起こされ、意欲の低下、不安やいらいら、不眠などの症状があらわれる。
脳内の神経細胞はシナプスという部位を介して神経回路を形成している。シナプス前終末から神経伝達物質がシナプス間隙へ遊離(放出)され、神経後シナプスの受容体へ作用(結合)することで情報が伝達される。遊離された神経伝達物質の一部は「再取り込み」といって神経前終末へ回収される。この再取り込みを阻害すると伝達に使われる神経伝達物質を増やすことができ、その神経伝達物質の働きを増強することができる。またノルアドレナリンに関しては、前シナプスの神経細胞にあるα2受容体(シナプス前α2受容体)を阻害すると、シナプス間隙へのノルアドレナリン遊離が促進され、ノルアドレナリンの働きを増強することが期待できる。
四環系抗うつ薬の抗うつ作用をあらわす主な作用の仕組みには、[1]脳内のノルアドレナリンの再取り込みを阻害し、その働きを増強する作用 [2]脳内のシナプス前α2受容体を阻害し、シナプス間隙へのノルアドレナリン遊離を促進することでその働きを増強する作用 などが考えられている。
[1]が主な作用とされている薬剤にはマプロチリン(主な商品名:ルジオミール)があり、[2]が主な作用とされている薬剤にはミアンセリン(商品名:テトラミド)やセチプチリン(主な商品名:テシプール)がある。
本剤は、本剤以前に開発された三環系抗うつ薬と比べると一般的に作用(効果や副作用)がマイルドとされ、三環系抗うつ薬の主な副作用となっている抗コリン作用(神経伝達物質アセチルコリンの働きを抑える作用)などへの懸念が少ないとされる。
-
精神神経系症状
- 眠気、めまい、ふらつき、頭痛などの症状があらわれる場合がある
-
消化器症状
- 口渇、便秘、吐き気、食欲不振などの症状があらわれる場合がある
-
悪性症候群
- 頻度は非常に稀である
- 他の原因がなく高熱が出る、汗をかく、手足が震える、脈が速くなるなどの症状がみられる場合がある
- 上記のような症状が同時に複数みられた場合は放置せず、医師や薬剤師に連絡する
- 主に脳内でα2受容体(シナプス前α2受容体)へ作用し脳内のノルアドレナリンの働きを改善する
- 主に脳内でα2受容体(シナプス前α2受容体)へ作用し脳内のノルアドレナリンの働きを改善する
- 不眠を伴う、うつ症状などに対しても有用とされている(睡眠の導入や維持、睡眠の深さを改善する効果なども期待できるとされる)
- 主に脳内でノルアドレナリンの再取り込みを阻害しノルアドレナリンの働きを改善する
- てんかんなどの痙攣性疾患の既往歴をもつ患者へは原則として使用できない
処方薬事典は医療・医薬関係者向けのコンテンツです。