カッコいい薬剤師

カッコいい薬剤師、武道に礼節を学ぶ
礼に始まって、礼に終わる——。武道を志す者なら、一度は聞いたことのあるフレーズだろう。だが、これが武道に限ったことではないのは言うまでもない。どんな社会でも、もちろん薬局の中でも、とても大切なことである。薬剤師も武道家と同じように、礼節を重んじなければならない。
調剤室への出入りの際には、必ず一礼する。散薬台で散薬調剤をする前にも一礼。服薬指導などで患者さんの前に出て行く時もまた一礼。すべての業務が終わって薬局を出る時もきちっと一礼する。
ここで言う「礼」とは、ただ単に頭を下げることではない。心がこもった、魂の入った「礼」である。「礼」は相手に対する敬意の念を形に表したものであり、人にとどまらず、自分と関係するありとあらゆるものが対象となる。大事なのは心である。
「礼」は、人に不愉快な思いをさせない手段の一つでもある。常に礼節を忘れなければ、人間関係の無用なトラブルを避けることができる。身に付けておいて決して損はない。
ところで、武道家といえば、来年のNHK大河ドラマは「宮本武蔵」を題材にするという。武蔵がものした『五輪書』水の巻に、「千日の稽古を鍛とし、万日の稽古を練とす。能能吟味有るべきもの也」という筆者の大好きな一節がある。カッコいい薬剤師になるためには、千日の調剤を鍛とし、万日の調剤を練としなければいけない。そう「空を道とし、道を空と見る(『五輪書』空の巻より)」と悟るまで。
カッコいい薬剤師修行はまだまだ続く。
(鬼)
- 第36回 カッコいい薬剤師にライバル出現! その正体は?
- 第35回 カッコいい薬剤師にカッコいい仲間
- 第34回 調剤技術に名をつけて後世に伝えよう
- 第33回 かぎ分けられる?薬のにおい
- 第32回 カッコいい薬剤師、武道に礼節を学ぶ
- 第31回 印鑑に「こだわり」を持とう
- 第30回 薬包紙アーティストと呼ばれたい
- 第29回 敬語は正しくお使いなさい
- 第28回 薬剤師のための漢字の蘊蓄?
- 第27回 患者を虜にする「いい声」を身につける
- 第26回 温泉でカッコよく英気を養おう
- 第25回 カッコいい薬剤師も「歯が命」
- 第24回 患者の心に残る「決めゼリフ」を考えよう
- 第23回 「カッコいい」の精神を後世に伝えよう
- 第22回 カッコいい薬剤師は朝をこう過ごす
- 第21回 クリスマスケーキ作りは薬剤師の独壇場?
- 第20回 調剤の待ち時間を正確にはじき出せ
- 第19回 絵心のある薬剤師はカッコいい
- 第18回 こだわりの「マイスパーテル」を持とう
- 第17回 「カッコいい薬剤師になる!」と叫ぼう
- 第16回 「正しいモノ言い」で好感度アップ!
- 第15回 薬局外からの視線にも気を配ろう
- 第14回 「知りません」と言い切る勇気を持とう
- 第13回 雨にも負けず、風にも負けない体力作りを
- 第12回 患者向けの名刺をさりげなく手渡そう
- 第11回 電話パフォーマンスで患者の信頼をゲット
- 第10回 危険な“呪文”から患者を解き放て
- 第09回 外国人サポーターに流暢な英語で服薬指導
- 第08回 きれいな手書き文字で温かみを演出
- 第07回 “七色の日本語”で薬局を患者のふるさとに
- 第06回 “七つ道具”を収納できる「オリジナル白衣」を
- 第05回 「0円」の温かいスマイル
- 第04回 患者の信頼感を左右する“背中の表情”
- 第03回 “町の化学者”を演出する眼鏡
- 第02回 ブラインドタッチで患者指導
- 第01回 ガラス越しのパフォーマンス