カッコいい薬剤師

敬語は正しくお使いなさい
「お、おっ、おすわり!」待合のいすの上で飛び跳ねている子供の患者さんに、新人薬剤師が叫んだ一言に一瞬薬局内が凍りついた。「うちの子は犬ではありません」。ごもっともなお母様の一言。でも、悪いのは……。
新人薬剤師に限らず、新入社員ならだれもが一度は経験する敬語の難しさ。「本当は『座れ!』と言いたかったのですが、接遇研修で敬語の使い方を習ったばかりなので、尊敬の接頭語「お」を付けて、『お座り!』と言ってしまいました」というのが新人薬剤師君の弁明。うーん、ここはひとつ、先輩薬剤師として正しい敬語の使い方をレクチャーしてあげなくてはなるまい。それもカッコよくだ。
「あの場面では『お座り』で終わらせず、『お座りなさい』と言えば問題はなかった。『〜なさい』は尊敬語『なさる』の命令形だから、『お座りなさい』はれっきとした敬語である。もっとも、大人の患者さんには、より丁寧に『お座りください』あるいは『おかけいただけますでしょうか』などと言うべきだろう」。こんな感じだろうか。
ところで、今年4月の調剤報酬改定で、保険薬局が患者の希望で甘味剤等の添加を行った場合の実費徴収が認められた(治療上の必要性がなく、かつ治療上問題がない場合に限る)。極論すれば、患者が納得する“おいしい薬”を出したら、お金がもらえるということだ。あちらこちらの薬局で「お口に合いますかどうか……」という敬語表現が使われる日もそう遠くないかもしれない。でも、そうなっても「つまらないものですが……」なんて、くれぐれも言わないように。
(鬼)
- 第36回 カッコいい薬剤師にライバル出現! その正体は?
- 第35回 カッコいい薬剤師にカッコいい仲間
- 第34回 調剤技術に名をつけて後世に伝えよう
- 第33回 かぎ分けられる?薬のにおい
- 第32回 カッコいい薬剤師、武道に礼節を学ぶ
- 第31回 印鑑に「こだわり」を持とう
- 第30回 薬包紙アーティストと呼ばれたい
- 第29回 敬語は正しくお使いなさい
- 第28回 薬剤師のための漢字の蘊蓄?
- 第27回 患者を虜にする「いい声」を身につける
- 第26回 温泉でカッコよく英気を養おう
- 第25回 カッコいい薬剤師も「歯が命」
- 第24回 患者の心に残る「決めゼリフ」を考えよう
- 第23回 「カッコいい」の精神を後世に伝えよう
- 第22回 カッコいい薬剤師は朝をこう過ごす
- 第21回 クリスマスケーキ作りは薬剤師の独壇場?
- 第20回 調剤の待ち時間を正確にはじき出せ
- 第19回 絵心のある薬剤師はカッコいい
- 第18回 こだわりの「マイスパーテル」を持とう
- 第17回 「カッコいい薬剤師になる!」と叫ぼう
- 第16回 「正しいモノ言い」で好感度アップ!
- 第15回 薬局外からの視線にも気を配ろう
- 第14回 「知りません」と言い切る勇気を持とう
- 第13回 雨にも負けず、風にも負けない体力作りを
- 第12回 患者向けの名刺をさりげなく手渡そう
- 第11回 電話パフォーマンスで患者の信頼をゲット
- 第10回 危険な“呪文”から患者を解き放て
- 第09回 外国人サポーターに流暢な英語で服薬指導
- 第08回 きれいな手書き文字で温かみを演出
- 第07回 “七色の日本語”で薬局を患者のふるさとに
- 第06回 “七つ道具”を収納できる「オリジナル白衣」を
- 第05回 「0円」の温かいスマイル
- 第04回 患者の信頼感を左右する“背中の表情”
- 第03回 “町の化学者”を演出する眼鏡
- 第02回 ブラインドタッチで患者指導
- 第01回 ガラス越しのパフォーマンス