カッコいい薬剤師

クリスマスケーキ作りは薬剤師の独壇場?
今年もクリスマスが近づいて来たが、ケーキの予約はお済みだろうか。筆者のお薦めはホテルニューオータニ「ピエール・エルメ」のクリスマスケーキだが、出来合いのケーキで満足しているようでは、まだまだ普通の薬剤師。カッコいい薬剤師は、忙しい仕事の合間に、手作りのクリスマスケーキを作ってしまうのである。
正確無比な小麦粉の計量、流れるような篩過技術、目にもとまらぬ卵白撹拌、そして混合——。いつものくせで60回混和(『第11改訂調剤指針』98ページ参照)となってしまうのはご愛嬌だが、極めつけは生クリームを扱うパテさばきだ。ここで日ごろ培った軟膏ヘラのテクニックが、いかんなく発揮されることになる。
ケーキの材料にもこだわりを忘れない。甘味はもちろん単シロップ、それも局方品。漢方薬局の薬剤師なら、甘草を用いてもいい。計量は当然、メートグラスで。せっかくおいしいケーキを作っても、食べる人が味覚障害だといけないので、ケーキに少し亜鉛をかける——なんて裏ワザもアリである。
そう、ケーキ作りは調剤業務に似ているのだ。段取り、手際のよさはもとより、キッチンがきれいな人は、調剤台の上もきれいなのである。真心込めてケーキ作りができる人は、真心込めて調剤ができる人なのである。そんなカッコいい薬剤師は、もちろん最後の“ケーキ鑑査”にも抜かりがない。
あれこれとケーキについて考えてきたが、ケーキ作りに没頭できるほどカッコいい薬剤師も暇なのである。本当はケーキ対策ではなく、景気対策を考える正念場だというのに……。
(鬼)
- 第36回 カッコいい薬剤師にライバル出現! その正体は?
- 第35回 カッコいい薬剤師にカッコいい仲間
- 第34回 調剤技術に名をつけて後世に伝えよう
- 第33回 かぎ分けられる?薬のにおい
- 第32回 カッコいい薬剤師、武道に礼節を学ぶ
- 第31回 印鑑に「こだわり」を持とう
- 第30回 薬包紙アーティストと呼ばれたい
- 第29回 敬語は正しくお使いなさい
- 第28回 薬剤師のための漢字の蘊蓄?
- 第27回 患者を虜にする「いい声」を身につける
- 第26回 温泉でカッコよく英気を養おう
- 第25回 カッコいい薬剤師も「歯が命」
- 第24回 患者の心に残る「決めゼリフ」を考えよう
- 第23回 「カッコいい」の精神を後世に伝えよう
- 第22回 カッコいい薬剤師は朝をこう過ごす
- 第21回 クリスマスケーキ作りは薬剤師の独壇場?
- 第20回 調剤の待ち時間を正確にはじき出せ
- 第19回 絵心のある薬剤師はカッコいい
- 第18回 こだわりの「マイスパーテル」を持とう
- 第17回 「カッコいい薬剤師になる!」と叫ぼう
- 第16回 「正しいモノ言い」で好感度アップ!
- 第15回 薬局外からの視線にも気を配ろう
- 第14回 「知りません」と言い切る勇気を持とう
- 第13回 雨にも負けず、風にも負けない体力作りを
- 第12回 患者向けの名刺をさりげなく手渡そう
- 第11回 電話パフォーマンスで患者の信頼をゲット
- 第10回 危険な“呪文”から患者を解き放て
- 第09回 外国人サポーターに流暢な英語で服薬指導
- 第08回 きれいな手書き文字で温かみを演出
- 第07回 “七色の日本語”で薬局を患者のふるさとに
- 第06回 “七つ道具”を収納できる「オリジナル白衣」を
- 第05回 「0円」の温かいスマイル
- 第04回 患者の信頼感を左右する“背中の表情”
- 第03回 “町の化学者”を演出する眼鏡
- 第02回 ブラインドタッチで患者指導
- 第01回 ガラス越しのパフォーマンス