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カッコいい薬剤師

漫画

ガラス越しのパフォーマンス

 その薬局に入ってまず目に入るのは、フロア中央の大きなガラス張りの調剤室。手打ちそば屋には、ガラス越しに職人がそばを打つ姿を見られる店があるが、まさにそんな感じだ。

 中では、パリッとした白衣に身を包んだ薬剤師が、乳鉢と乳棒を見事に操りながら、次々と薬を調製していく。中華料理の名コックが、使い込んだ愛用の中華鍋でチャーハンを作るがごとく、その手つき、手際は迅速にして華麗。時折クルクルッと回してみせるスパーテルは、完全に手の一部と化している。そんな薬剤師の一挙一投足を、調剤室のガラスにへばりついて食い入るように見つめていた少年が、思わず「カッコいい!」とつぶやいた。

 ……とまあ、ここまではフィクションだが、考えてみると薬剤師が他人から「カッコいい」と言われる機会は、非常に少ないのではないだろうか。

 ある職業がカッコいいか、カッコ悪いかの一つの基準は、小学校低学年の子供があこがれる仕事であるかどうかにあるという。収入はいくらか、社会的地位はどうか、といった大人の世界の物差しにとらわれず、純粋に見た目のカッコよさを判断できるのが、そのくらいの年代というわけだ。

 ある職業をカッコいいと思った子供は、おそらく大人になってもそのカッコよさを覚えているだろう。ひょっとするとカッコよさにあこがれて、将来その職業を目指すかもしれない。

 今の薬剤師には、子供にも大人にも、自分たちのカッコよさをアピールできる舞台がない。だからこそ、薬の説明の前に、調剤室でのガラス越しのパフォーマンスで“つかみ”を!

(桃)