薬剤師道一直線

一、最後まで、気を抜くべからず

 今年も残すところ1カ月弱となった。年初に立てた目標は達成できたであろうか。「やり残したことはない」と胸を張っていえるだろうか。2009年に、心残りはないか。

 「心残り」を辞書で調べると、「あとに思いが残ってすっきり思い切れないこと、または、そのさま。未練」といった、ネガティブな言葉として出てくる。しかし、武道でいうところの心残り、いわゆる「残心(ざんしん)」は、未練を残すということではない。一つの動作を行った後に、油断せず、気を引き締め、直ちに次の動作が行えるように、気と構えを充実させること。そして、いついかなる場合においても、相手の動きに応ぜられるような心構えのことをいう。

 さて、われわれ薬剤師はどうか。服薬指導が終わった後、気を抜くことなく、患者さんが薬局を出ていくまで、緊張を持続できているだろうか。患者さんが見えなくなるまで、しっかりと見届けているだろうか。

 忙しい薬局では、服薬指導中にもかからわらず、待合いで待つ大勢の患者さんのことが気になって、「同じことを何度も言わせないでください。お願いですから早く帰ってください…」などと、心の中で念じている薬剤師もいるのではなかろうか。言語道断である。

 薬剤師道を究めんと欲する者は、真の「残心」を目指すべし。それは、患者さんが薬局を出て見えなくなるまでではなく、患者さんが家に帰って、薬を服用するまで。いや、薬が患者さんにきちんと効いて、笑顔が戻るまで。万が一、何日か後に問題が生じたときのために、近未来を見通して、患者さんにあらかじめ対処法を説明する。もちろん薬剤師は、いかなる状況にもすぐに対処ができるように、気と構えを充実させておく。

 いついかなる時も、油断は禁物である。厳しいようだが、薬剤師の「残心」に年末年始はないのである。

(結城 真吾)

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