薬剤師道一直線

「細(ほそ)マッチョ」という言葉をご存じだろうか。華奢(きゃしゃ)に見えて、服を脱ぐと筋肉が付いていて意外にワイルド、という意味らしい。ただし、そういう体型であれば誰でもよいわけではなく、「イケメンである」ことが前提だという。
薬剤師も、イケメンかどうかはともかく、白衣を脱いだら、筋肉が付いていて意外にワイルド、というのも悪くない。そもそも筋肉を付けるには、それなりの運動と食事制限が必要。それらを継続できる折れない心も併せ持たねばならない。薬剤師道を極めるのと同様に、精神の鍛錬が必要なのである。
ワイルドな見た目だけではない。薬局内でも、筋力や体力が必要となる局面は多々ある。上腕二頭筋をフルに駆使して液体の経腸栄養剤を一度に何ケースも持ち運ぶことや、硫酸アトロピン1000 倍散を調整するために握力がほとんどなくなるまで、ひたすら乳糖の混和を行うこともある。たまった薬歴を何時間もぶっ続けで書いて、手が棒のようになったことがあるのは、筆者だけではあるまい(薬歴書きをためてしまう筆者の自業自得だといううわさもある)。やはり薬局薬剤師は、知力だけでなく、日ごろから筋力・体力も鍛えておかなければならない。
ここで、薬剤師道を極めんと欲するなら、さらにもう一段上を目指す。「心は技の前にあり、その前に成らず、技は体の前にあり、その前に成らず。しかし、それ揃う時は一瞬にして成る」。そう、心・技・体の一致である。いついかなる時も、平常心を持って調剤にあたり、調剤技術の研さんを積み、厳しい修行に耐え得るだけの強靭な体をつくる。まさに薬剤師道に通ずる道である。その第一歩として、土台となるのが、体づくりである。
さあ、体を鍛えよう。10 月12 日は体育の日。思い立ったら吉日である。筆者が細マッチョになる日は近い(かも)。
(結城 真吾)
- 薬剤師道一直線に進むべし
- 薬剤師の原点に立ち返るべし
- 「礼」と「間合い」を習得すべし
- 最後まで、気を抜くべからず
- 薬剤師、美学を持つべし
- 薬剤師たるもの体を鍛えるべし
- 顔に責任を持つべし
- 離れて物事を見るべし
- 「理想の上司」となるべく精進せよ
- 身近な人にまず認められよ
- ラストサムライの心意気を見せよ
- 肩書を捨て実力で勝負せよ
- 薬剤師たる覚悟を新たにせよ(後)
- 薬剤師たる覚悟を新たにせよ(前)
- 薬剤師に休息の時はなし
- 患者とともに歩め
- 分け隔てなく患者に接せよ
- いつも患者のそばに立つべし
- 非常時を想定し鍛錬せよ
- 10年後の自分を思い描け
- 最高責任者として行動せよ
- 環境問題を考え行動せよ
- プロに言い訳は禁物
- たかが挨拶と侮ることなかれ
- 日々の仕事こそ荒行と心得よ
- 初心忘るべからず
- 一日の計は掃除にあり
- 弟子を取ってこそ一人前
- 薬は奇しきものと心得よ
- 名を名乗る