薬剤師道一直線

「40 歳になったら、人は自分の顔に責任を持たねばならない」。この言葉は、第16 代アメリカ合衆国大統領のエイブラハム・リンカーンが残した言葉である。「顔」は親から与えられるものだが、40 歳を過ぎるころから経験の重みや他人を受容する気持ち、自分に対する確信が顔に現れてくる。そうしてでき上がった自分の顔に責任を持たなければならない。リンカーンは、そう教えている。
薬剤師も40 歳ともなれば、中堅からベテランの域に達してくる時期である。これをお読みの40 歳過ぎのアナタ。自分の顔に責任が持てているだろうか? 一度、顔を鏡に映し、自問してみるとよい。美人やイケメンといった表面的なことではなく、顔を通して、内面の自分に問いかけるのである。「薬剤師として、自分はどう過ごしてきたのか」を。
一方で、顔という言葉は、「首相は日本の顔」「社長は会社の顔」など、「ある組織や集団を代表する存在」という意味でも使用される。では、あなたは今、働いている薬局の「顔」と言えるだろうか。
薬局の顔になるには、長い道のりが必要である。それも険しい道である。日々、技術を磨き、知識を習得しなければいけない。
ここで大事なことは、自己満足ではなく、他人から認められなければいけないということである。スタッフから尊敬され、ドクターやナースから信頼され、そして、患者さんから愛されて、初めて、その薬局の顔となるのである。そして、一度薬局の顔となったならば、おごることなく、名を汚さぬよう、日々精進し続けなければならない。
修業は、果てしなく続く。それは、薬剤師道に足を踏み入れた者の宿命である。でも、決してツライ顔などしてはならない。和顔愛語。和やかな表情で優しく話す姿こそが、薬剤師に求められているのだから。
(結城 真吾)
- 薬剤師道一直線に進むべし
- 薬剤師の原点に立ち返るべし
- 「礼」と「間合い」を習得すべし
- 最後まで、気を抜くべからず
- 薬剤師、美学を持つべし
- 薬剤師たるもの体を鍛えるべし
- 顔に責任を持つべし
- 離れて物事を見るべし
- 「理想の上司」となるべく精進せよ
- 身近な人にまず認められよ
- ラストサムライの心意気を見せよ
- 肩書を捨て実力で勝負せよ
- 薬剤師たる覚悟を新たにせよ(後)
- 薬剤師たる覚悟を新たにせよ(前)
- 薬剤師に休息の時はなし
- 患者とともに歩め
- 分け隔てなく患者に接せよ
- いつも患者のそばに立つべし
- 非常時を想定し鍛錬せよ
- 10年後の自分を思い描け
- 最高責任者として行動せよ
- 環境問題を考え行動せよ
- プロに言い訳は禁物
- たかが挨拶と侮ることなかれ
- 日々の仕事こそ荒行と心得よ
- 初心忘るべからず
- 一日の計は掃除にあり
- 弟子を取ってこそ一人前
- 薬は奇しきものと心得よ
- 名を名乗る