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薬剤師道一直線

一、薬剤師たる覚悟を新たにせよ(前)

 「あなたは薬剤師ですか?」──。

 何を寝ぼけたことを、と言われるかもしれない。今、こうして『日経DI』を読んでいるのだから、薬剤師に決まっているじゃないか!とお叱りを受けるかもしれない。

 では、見知らぬ人から「あなたは薬剤師ですか?」と道端で尋ねられたら、どう答えるか。自分が薬剤師であることを、どうやって証明するのか。

 薬局に行けば薬剤師免許証が神々しく調剤室入り口に掛かっているので、それを見てほしい、と冷静に言うのか。日本薬剤師研修センター発行の研修認定薬剤師登録証を見せるのか。はたまた、自分の経歴を卒業大学、学部、学科、卒論研究テーマに至るまで、事細かに説明するのか……。なかなか証明することは難しい。

 ところで薬剤師とは、薬剤師法第1条にある通り「調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによつて、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保する」存在である。また、制度上の薬剤師とは、薬剤師国家試験の合格者ではなく、薬剤師名簿に登録され、免許証を厚生労働大臣、つまり国から交付された者を指す。

 そして、もう一つ重要なことがある。それは、薬剤師たらんとする者は、厚労省に自ら薬剤師登録と免許証の交付を申請する必要があることである。つまり、自らの意思をもって薬剤師となる、ということである。

 薬剤師免許証を交付されるときに、「あなたは薬剤師になりますか?」と尋ねられているようなものである。それに対し、自らの意思をもって「薬剤師になります」と答える。これで、国との契約が履行されるのである。

 そうなれば、もう後戻りはできない。これから長きにわたる「あなたは薬剤師ですか?」の答え探しの旅が続く。ということで、この項も次号に続く。

(結城 真吾)